2013年4月12日金曜日
円安、株高、金利乱高下:「2年間でマネタリーベース2倍」の狙い通りの効果?
今の円安、株高そして金利乱高下は、「2年でマネタリーベース2倍」の狙い通りの効果なのか。11日の各新聞は、10日の黒田日銀総裁とのインタビュー記事を載せた。黒田新総裁は、政策決定会合の結果をわかりやすく説明した狙い通りの効果が出ていると発言し胸を張ったようだ。
メデイアによっては注目点が異なる報道であったが、11日の読売新聞と朝日新聞で、その概要を知ることが出来た。
市場におカネをじゃぶじゃぶ流し、円安に持っていく。次第に物価は上がり脱デフレに向かう。金利は低く維持されているので、企業や個人は借金して事業などに投資したり、物を買ったり出来るので消費は伸び景気は回復する。日銀が描く成長へのパターンだろう。
ところが今、国債の下落で長期金利は乱高下し、逆に銀行の貸出金利の上昇を招いている。「市場は壊れた」というエコノミストも多い。
しかし、黒田総裁は今の株高、円安は「2年でマネタリーベースで2倍」のインパクトを消化する段階でポジテイヴ状況だという。しかし、市場関係者とは定期的に意見を聴くことも必要だというのだ。行き過ぎた円高を是正しているともいう。
でも、市場の動きに日銀の狙いと異にする面も出てきているのではないか。
行き過ぎた円安は政府の責任ともいう。市場にじゃぶじゃぶおカネを流し、円高から円安基調に転換しているようだが、行き過ぎは政府に責任があるとはどういうことか。日銀と政府がバラバラな態度では先が思いやられる。
だぶつくおカネはバブル経済に走っているように思えるのだが、黒田総裁は経済指標を慎重に検討しながら進めるが、今は大きな副作用はないと判断しているようだ。
白川前総裁は、行き過ぎた量的緩和の副作用を警告していたが、黒田総裁が「2年でマネタリーベース2倍」の大胆な緩和策を出した途端に副作用では様にならないのだろう。
国債の信用下落は避けなければならず、財政赤字削減に向け財政健全化を強く政府に促している。白川前総裁も、デフレ脱却は政府と協調しなければならず、財政健全化、規制改革、構造改革で政府の努力を促していた。
今回の大胆な量的緩和で、「銀行券ルール」を廃止したが、国債購入に歯止めを懸ける必要が出た時は、このルールを復活させることもあるという。
追加緩和については、考えていないという。決定会合後の記者会見で、「出し惜しみはしていない」とも言っていた。これで全て終わりということか。
そして、今FRBなどでは量的緩和を何時止めるか。「出口戦略」が課題になってきつつあるが、黒田総裁は今議論するのは早すぎるという。2%物価目標も掲げたばかりで、見通しすら立っていない今は、早計過ぎるということか。
今までの日銀の政策に効果が無かったことを踏まえての質的・量的金融緩和であったが、今起こっている現象は大きな副作用ではないと言ったことに一抹の不安を感じる。
徹底否定でなく、白川体制時の金融政策も継続が必要ではないか。白川総裁時に政策を決定していた委員が、黒田総裁になっていきなり方向転換したことも何か気になる。
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