2013年11月21日木曜日

1票の格差:1票の重みを言うなら棄権(ゼロ)を止め投票率を上げることでは

1票の重みを論ずるのであれば、格差是正より1票を捨ててしまう棄権を止め、投票率を上げることではないか。1票の格差で、「選挙区によって投票価値が異なるのは憲法違反」と選挙無効を求めていた上告審で最高裁は「違憲状態」との判断を下した。

原告団は「「違憲」の流れが止まり、最高裁は違憲行為を追認した」と判決後の記者会見で失望感をあらわにした。

新聞報道によると、最高裁は1人別枠方式を削除したり、「0増5減」で是正に向けた法改正をやっていることから区割りは違憲状態だったものの「違憲」とは言えない」と請求を退けた。

その背景には、選挙を無効とした時の事の重大さがある。おそらく大混乱するだろう。原告団は「勝った勝った」と喜べるだろうが、政治の混乱まで考えてのことなのか。

やはりここは、「事情判決」しか手段はないのだ。

一方、判決で改革を後押ししたとしても、我が国の国会議員は職業として議員をやっている人がほとんどで自分の政治生命にかかわる選挙区割り、定数是正などを国会で検討できるはずがない。

そのために、今第三者機関を作って専門家に検討させたらどうかという案も出ているが、それを成案にするのは国会議員だ。果たしてできるのだろうか。

確かに、700人を超える多数の議員は必要ではなく、定数是正は必ずやらなければならないし、1票の格差を是正するには選挙区単位を大きくしなければならない。実効性にある活動ができるかも疑問だが、検討の場は必要だ。

ところで、本当に国民は「1票の格差」を問題視しているのか。

原告団だって、法曹関係者ばかりだ。今回の記者会見を見ても、何かの裁判で見たことのある顔が並んでいる。弁護士ばかりが大きな声をあげているのではないか。

むしろ、「1票の重さ」を主張するのであれば、「棄権してゼロにしてしまう行為」を批判すべきではないか。

勿論、政治から興味を失わせることの責任は政治家にもあるだろうし、政党にもあるだろう。しかし一番大きい理由は「1票の価値」を軽く考え、安易に捨てる有権者の行為だ。

投票率40~50%、得票率60%では有権者の30%しか認めていないことになる。そんなことが首長選挙でも、国政選挙でも当たり前になっていることこそ異常ではないのか。

投票したが,他の選挙区では当選している票数でも、自分の選挙区では投票した候補者が落選したことを有権者はどう考えているか。落選した候補者は「自分の力が及ばなかった」と応援者をまえに頭を下げている。

それぞれの選挙区の事情に合わせて戦えばいいのではないか。

「1票の格差」を「法の下での平等」で議論するのはチョット無理の感もするのだが。






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