05年度比3.8%減でも1990年度比は3.1%増になり 「目標を下げる」と批判が集中 2013.11.19 NHKニュース7 |
2020年に発効するCO2削減枠組みを決めるCOP19が始まった。これでCO2排出削減量はいくらになり、大気中のCO2濃度?、世界の平均気温?。今までのトップダウン方式ではうまくいかず、ボトムアップ方式で「自国の削減目標は自国で決める」ことになった。これですべての国が枠組みに参加できることにしたのだそうだが、自国に有利に導こうとする動きも出てくる。
まずは、各国が目標案で排出期限、削減期間を決め、次いで世界全体の削減量を確認しあい検証する協議期間がある。今問題なのは排出期限にあるらしい。
日本は温室効果ガス2020年度まで、05年度比3.8%減、3年間に1兆6000億円の支援を提案したが、1990年度比では3.1%増の結果だったために他国やNGOから「目標を下げることになった」と批判が集中した。でも来秋までに見直すこともあるのだ。
削減というと削減率が一人歩きし、どういう事情があるにせよ「地球温暖化ムラ」の人たちからは批判の的になる。それがプラスになるというのだから格好の攻撃材料だ。
各国に削減目標、自国に有利な数値? 讀賣新聞 2013.10.31 |
では、他国の削減率はどうなっているのか。
讀賣新聞(2013.10.31)の「2020年までの温室効果ガス削減目標」によると、基準年が1990年、2000年、2005年とたちまちで、削減率も5~25%、中国、インドに至ってはGDP一単位あたりの削減%が掲げられている。
おそらく、各国共に自国に有利になる方法を採用しているのだろう。これで一体CO2排出削減量はいくらになるのか。
それによって大気中のCO2濃度、世界の平均気温はどう変わってくるのか。
そして一番大事なことだが、IPCCの第5次報告書は各国を説得できる内容になっているのか。
讀賣新聞(2013.9.28)の「アジア、欧州熱波増加」によると、CO2大気濃度は過去80万年間で前例のない水準に来ていると言うし、熱波、極端な高温が増え、雨の降り方が強力になり、温暖化が異常気象を招いているし、海の酸性化、北極海の海氷の縮小、700mの海水温の上昇、さらには90年代以降3000mより深い層での上昇が上げられている。
特に直前にフィリッピンをおそった台風30号の勢力は巨大で高さ5m、時速50kmの波にさらされ甚大な被害をもたらした。
このことは、「CO2排出の責任が少ないところが大きな被害を受けている」と発展途上国の弱点をさらけ出す結果になった。ただ、台風の巨大化に温室効果ガスがどう関わっているかは分からないが、海水温が上がることによる影響は否定できないか。
温暖化と人間の活動との可能性は、前回の報告書では90%と言ったが、今回は95%でほぼ間違いないという。
一方、ここ15年間の平均気温の上昇の鈍りが見られるが、これは自然変動の一部で何ら人為説を疑うものでもないという。
一時賑わした地球温暖化に対するCO2人為説vs自然変動説はどうなったか。お互いに理解し合うことなくCO2人為説が先行している地球温暖化対策だ。
日本の削減に対して石原環境相は原発再稼働が見通せないなかでの世界最善の水準と言うも、来年秋まで見直すとも言う。来年9月の気候変動首脳会議が控えているのだ。
しかし、EUは大幅に弱まった削減目標を批判、中国も90年比3%増なら京都議定書の6%減からも大きく後退すると批判、国際環境NGO気候行動ネットワークは日本に「特別化石賞」と皮肉る。
中国は更に、CO2起因による地球温暖化は「7割は先進国の責任、途上国支援の資金を強く要求」している。
2010年のCO2排出量を見ても中国は24%を占め、72億トンも出す国でありながら、肝心なときは「発展途上にある大国」の論理を振り回し責任逃れをする。中国は地球温暖化対策で途上国に分類される不可思議な国なのだ。
排出量トップの中国、2位のアメリカ、インド、ロシアが積極的にCO2削減に取り組まなければ効果は期待出来ない。
誰にでも容易に理解できる対策ができないものか。
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