2013年11月15日金曜日

経済見通し:アベノミクス一服感も、政権は「底堅く上向き」という半信半疑

今の日本の経済見通しを甘利経済産業相は「内需は底固く、景気は引き続き上向いていると考える」と言うが、メデイアは一様に「アベノミクス効果一服」(読売新聞2013.11.15)、「アベノミクス1年、一服感」(朝日新聞2013.11.15)と小休止状態であることを報じる。

個人消費の前期比は大きく減速、GDP成長率も7~9月期1.9%増と言うが、4~月期3.8%の半分だ。一喜一憂しても仕方ない事ではあるが政府の期待通りではない可能性がある。

今良くても、増税される来年4月を挟んで駆け込み需要から反動での消費減速が予想されるのだ。

1年ほど前の銀座のブランド店と今の様子が同じ感じだ。1年前は円安、株高に向かって消費者の購買力は高まろうとしていた時だが、今は消費に陰りが見え高級品から目が離れてきたのだ。

円安で輸出産業には利があるといわれてきたが、その輸出も減少らしい。工場を海外へ移転させたので円安のメリットは出なくなったし、設備投資も国内は伸び悩んでいるが海外貸し出しは増えているようだ。

本当に日本の経済はどっちに向いているのか。

「アベノミクスで日本経済の再生」を謳うが、「第1の矢」の効果は確かにあった。円安、株高で今までとは打って変わった展開になったが、「第2の矢」の財政政策は難しい。成長路線にもっていく財政出動と財政再建に向けた緊縮財政は相反する。世界に向かって消費税増税は財政再建への第1歩というが、成長の腰折れは否めない。

産業界の期待する「第3の矢」に至っては、評価は芳しくない。民間議員もアイデアを出しているようだが、自らの商売に利権誘導する者も出てきて本来の仕事をやっていない。

規制緩和、岩盤規制への突破口は「総理のやる気」だろうが、利権を死守しようとする族議員、官僚機構に、どう向かおうとしているのか。

そもそもスタートを間違っていては、効果を失する。

最初はマネーサプライを重視し、「2年で2倍」戦略に出た。円安、株高に転換したが、円も97~99円、株も14000~15000円で硬直状態が続く。

これじゃダメということで、家計収入の増加に向かう。企業の儲けを賃上げに回そうというのだ。経済界には異論もあるが応じようとする企業も増えてきているようだ。

デフレの要因は、家計収入の減少あるいは伸び悩みにあったというのだろう。安物志向が続いたが、そういう商品しか買えなかったのだ。

経済は人間の行動心理学だという。

消費税増税での腰折れが心配されているが、普通の人間だと消費を控えるはずだ。世論調査でも60%以上の人が消費を控えるという。90%の人が物価は上がると見ている。

政権が、この心理にどう対応しようとしているのか。

「底固い」ということは、今より悪くならないということか。











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