新聞の報道によると、会計検査院が2011~2012年度の復興事業1401事業のうち復興に直結は912事業、復興と関連が1075事業、被災地に関連しない事業は326事業で、流用した金額は1.3兆円になると発表した。何故、流用ができるのか、その防止策はあるのか。
みんなで復興を支援しようと国民からは所得税で課税されるが、官僚の思うがままに流用されたり、使用されなかったり杜撰な管理は言語道断だ。
先の衆院・予算委員会で日本維新の会の松野議員が復興予算の流用について、「法で「・・・・等」という文言が記されているのは、流用ができるということではないのか」と法の条文をあげて政府を追及していた。
政府側は、予告なしの突然の質問だったのかわからないが、誰も答える様子なない。松野議員は参考人席を見て「誰か答えられないのか」と質問席で発言していたが官僚側の説明は期待できなかった。
松野議員が、法のどの条文を指摘したのかはっきり覚えていないが「・・等」という語句は聞き取れた。
改めて東日本震災復興基本法をみると、「・・等」が8か所出ている。その中で一番関連がありそうなのが第二条(基本理念)4項「少子高齢化、人口の減少及び国境を越えた社会経済活動の進展への対応等の我が国が直面する課題や、食糧問題、電力その他のエネルギーの利用の制約、環境への負荷及び地球環境問題等の人類共通の課題の解決に資するための先導的な政策への取り組みが行われること」とある。
そして第5項で、推進すべき施策が掲げられている。
これだけ見ても復興予算の被災地外使用も可能だ。
実際に、国から被災地外流用のカネを返せと要求された自治体の言い分から、基金の運用に問題があるのだ。
2011~2012年度の1.2兆円は基金を通じて執行されるが、その使い道のルールは国が決めたのだ。
たとえば、緊急雇用創出基金では、2011.3.11の東日本大震災以降失業した人すべてに利用されるという。森林整備基金では復興に大量の材木が必要だからと言う。だから九州の自治体で森林整備に使用できるのだ。
要は、官僚が基金で使い勝手のいいように運用しているのだ。
だからこの辺を厳しく監視しなければ、官僚による詐欺罪、業務上横領罪のようなこともできるのだ。
拡大解釈して官僚の利権維持に使用できないような法に整備することが第一であり、基金など官僚が使い勝手のいい制度を廃止することだ。
それが国会議員の仕事と思うが、しっかり監視しているのか。
足尾鉱毒事件で被害者側に立って政治生命をかけた田中正造翁が「国民監督怠れば、為政者盗人になる」と100年前に言ったが、今も十分通用する警告である。
官僚は、こんな大惨事にあっても自分たちの利権維持に走るなんてとんでもない人種だ。
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