2013年11月22日金曜日

法案、国会審議の体をなさない特定秘密保護法案は廃案に

国会では審議しながら、裏で与野党入り乱れての修正協議、法案や国会審議の体をなさない特定秘密保護法案は廃案にすべきだ。政府、与党・自民党は今国会中に成案を急ぐあまり、野党の修正協議に応じている。「ねじれ国会」解消とはいえ、自民単独強行は避けたいようだ。

「情報は公開が原則」、「情報は国民のもの」ときれいごとを野党は言うが、法案の処理を間違えば党内で一波乱ありそうな状況になってきた。

みんなの党は、秘密の範囲を限定するために「その他の重要な情報」の削除を要求した。官僚は常に「その他」の文言を入れることにより拡大解釈の道を開いてきた事を考えると、当然の考えだ。
政府は代わりに「国民の生命及び身体の保護に関する」という文言を追加した。これでは「その他」を削除した意味は薄れる。

みんなの党が要求する「内閣が情報を一元管理し関与を強化する」案には、「首相の第三者機関的観点からの関与」を明確にするという。

行政機関の長の首相が「第三者機関」とは聞いてあきれる。案の定、国会審議でやり玉に挙がった。森担当相の四苦八苦する答弁に先が思いやられる。

なんで、みんなの党が協議を急いだのか。

こぼれる話を聞くと、党内事情にあるようだ。政界再編組をパージしようとする渡辺代表の存在感を維持するための戦略であったらしい。

日本維新の会も揉めている。

要求した秘密指定できる行政機関を「すべて」から「内閣、外務、防衛」の3つに限定する案は骨抜きになったようだし、「何らかのチェック機関の設置」も検討を附則に書き込むだけの内容になった。強制力のないものになったらしい。

当然、維新の会内部では意見が対立した。橋本共同代表は「不満だが、決めたからには仕方ない」という意味の発言をしていたし、松野国会議員団幹事長は、記者からの「反対もあるのか」との質問に「あり得る」と答えていた。

秘密の範囲を極力制限し、政府、官僚の恣意的解釈は禁ずるべきだし、国民の「知る権利」を考えれば、第三者機関でしっかりチェックすべきである。

しかし政府としては、国会で選んだ第三者機関といえども煙たい存在であるには違いない。

その点、民主党案をメデイアが評価していたが、自民との協議では平行線をたどっているようだ。

喧々諤々の協議の中で本音も出てきた。

新聞報道によると、防衛秘密は自衛隊法で決まっているので対象から除外すべきではないかとの要求し、自民党は「アメリカ当局から統一的な情報保全法制を求められている」と吐露した。

やっぱり、言われているとおり日本が独自ではなく、アメリカの要求で法制化を急いでいるのだ。これは「秘密事項」ではなかったのか。

兎に角、内容が十分に検討されていない法案、国会審議もまともに出来ない法案は廃案にすべきだ。

そんな中で毎日新聞元記者の西山さんが国会で参考人招致された。

西山さんは沖縄返還時返還費用の400万ドルを米国が支払うことになっていたが実際には日本側が支払う日米密約があったことをスクープしたが、外務省の女性事務員をそそのかして秘密資料を入手したことで、国家公務員法違反容疑で逮捕され有罪になった。著しく不当は取材だったというのだ。

テレビ報道で、その西山さんは「権力集中には秘密保全が伴う」と現在の権力集中の動きに警告を発するとともに、「結論が出れば、正確に国民に知らせる」ことの重要さを訴えていた。

今の国会審議の中で、一番理解できる発言ではないか。

悪い法律も、良い法律も運用するのは人間だ。時の首相、政権が善人とは限らない。






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