新聞各紙が2014年3月期の好決算を報じているが、大きな要因は円安効果と言われ、想定円為替の差に頼っているが、いつまで続くのか。大企業にはつい先ほどまで赤字経営と言われていた企業が円安効果で黒字経営にV回復する例も出て来た。驚くべき円安効果だ。
今まで円高に泣かされながら、それでも人員削減、不採算部門の事業撤退、海外へ生産設備の移転などで利益を確保してきた企業が、円安で一気に利益が出て来たのだ。
読売新聞(2014.5.13)によると、円安の恩恵で製造業の業績改善という。712社の売り上げ約420.6兆円、営業利益約23.1兆円、税引き後の利益15.1兆円で2008年の水準に迫るという。
食品関連を除けば好調な決算で、自動車産業のように国内生産が多く、輸出に頼った企業ほど円安の恩恵を大きく受けた格好だ。
1円差が出ると数百億円の差益が出ると言われている。2013年は1ドル90~100円で2012年に比べて20円ほど円安に動いている。輸出産業は売り上げ、利益共に上昇だ。
電機もソニーを除いては好決算だが、国内生産量により各社マチマチらしい。海外生産に移しているのでそうなるのだろう。
でも、想定円為替との差に何時までも頼るわけにはいかない。
2013年は1ドル100円と想定しているが円安が進むとは限らない。新興国などでは円高が想定されている。
米国では、FRBが量的緩和縮小を更に進め、秋には終了するらしい。その後金利上げなど金融政策の正常化に向けた動きを取るだろう。米国での出口戦略が進めば金利が上がり、円安になり日本経済にはメリットが大きいと専門家は見ているが、中小企業などは円安は迷惑とみている。
経営効率化、内需拡大、ベースアップで個人消費増、駆け込み需要も想定内で限定的という見方が好決算で見られるが、業種によっては取引価格の引き下げを要求されたり、リストラをやった結果、人手不足が顕在化し事業の拡大に支障を来す結果になっている。おまけに中国、インドなど新興国の経済に暗雲が差し込んできたという。
V字回復は、裏返せばV字悪化にもなるのだ。
異次元の量的緩和、アベノミクスで円安に導いたと言うが、今(5月13日午前)は円相場102円、株価は250円高で米国や欧州の株価上昇の影響が大である。
アベノミクスを過大評価すると間違いを起こすのではないか。
家計収入のアップ、内需拡大、成長戦略、安倍総理の舵取りに注目だ。
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