15日、集団的自衛権行使容認で安倍総理記者会見 NHKおはよう日本 2014.5.17 |
安倍総理の打ち出した集団的自衛権の行使で揺れる日本国憲法第9条だが、憲法前文に言う平和を愛する諸国民の公正と信義に頼ってばかりはいられず、自国の平和と安全を守るために解釈が変わってくることは当然であり、何時までも理想国家を追うことは無理なのだ。
この基本が今崩れようとしていることは中国の東シナ海、南シナ海の領土紛争を見ていても分かる。東シナ海で、力ずくで艦船を追突させ、逆に相手から追突されたと発表する中国に呆れかえるばかりだ。
国連の常任理事国である中国やロシアが領土紛争の当事者になっているのだから国連の集団的安全保障体制にゆだねることも出来ないのだ。世界情勢を考えるとき、米ソの冷戦の時代は終わったとは言え、対中国、ロシアの対立構図は変わらない。
集団的自衛権の考え方は岸信介総理の時の「一切の集団的自衛権を憲法上持たないと言うことではない」という発言だったようだ。安倍総理はこの岸・元総理の集団的自衛権を拡張しようとしているのか。
日本は終戦でポツダム宣言受諾し、民主国家を構築する必要に迫られていた。言われているほど「押しつけ憲法」ではなかったが、二度と悲惨な戦争は起こしてはならないという理想の基で戦争放棄の第9条が制定された。
しかし、これもその時の世界情勢に対応して考え方が変遷しているのは確かだし、そうあるべきだと思うが安倍総理も言っているように「日本から戦争を起こすようなこと」はあってはならないのだ。
ところが一方で、日本が自衛権を強化する程、中国、韓国は外交姿勢を硬化させるが、安倍総理が訪問した諸外国は理解を示していると安倍総理は言及する。
日米同盟強化のためと言う説明もするが、米国も外交上は理解を示し評価するも優先度は低く、今一番の優先度は貿易、TPPだと米国の外交専門家は言う。
15日夕、安保法制墾の報告書を受けての安倍総理の記者会見は「国民の命を守る」と力説した行使事例は戦闘地域から日本に退避する邦人等の乗った米鑑の護衛・防衛には首をかしげざるを得ない。今のままでは自衛隊は対応できないというのだ。
集団的自衛権の行使に慎重な公明党は「集団的自衛権を持ち出さなくても従来の個別的自衛権、警察権の行使で対応できる」というが、「駆けつけ警護」では容認(読売新聞2014.5.17)する方針だという。
与党の一員として集団的自衛権行使容認に反対すれば与党離脱と言うことにもなりかねず、政局になる事だけは避けたいのだろう。
近隣諸国とは信頼を崩しているし、自衛隊は平和維持のため海外で活動する機会が増えている。日本から戦争を仕掛けることはないだろうが、先の戦争のことを考えると近隣諸国はそうは考えていない。
場合によっては近隣諸国から突発的に戦争の発端になる事態が発生する危険があることは否定できない。
今の中国の東シナ海、南シナ海の領土紛争、韓国との領土紛争を見ても「国際法のルールに則って」と言っても通用する国ではない。彼らには力ずくしかないのだ。
今、いろんな問題は出ているが安倍内閣の支持率が高いのは、中国に対して強い対応をし、経済面では「円高から円安へ、株安から株高へ」と一応の成果を示している。「政策に期待出来るから」、「他の政権に比べてマシだから」が主な理由だろう。不思議に「安倍さんが総理だから」ではないのだ(世論調査の設問にも夜のだろうが)。
安倍総理が今後、第9条、個別的自衛権、警察権、限定的集団的自衛権を国民にどう説明して行くのか。
安保法制墾の報告書を読んでも、なかなか理解するのが難しい。YESマンだけ集めた懇談会なのだろうが、反対意見に対しても考え方を示しているようだ。
安倍総理がどの程度理解しているのか知らないが、国会審議を十分にこなし、決して官僚の作成したペーパーの棒読みで終わってほしくない。
今こそ、「万機公論に決すべし」だ。
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