2014年5月27日火曜日

中電・浜岡原発は、停止か再稼働か

朝日新聞 2014.5.25
浜岡原発は停止か、再稼働か。東北地方太平洋沖地震直後に、時の菅総理は浜岡原発停止を要請、中部電力も総理の要請を重く受け止め停止した。そして今、安倍総理は原発再稼働を目指す。アベノミクスによる日本経済再生には再稼働が必須なのだ。

何時起きても不思議ではない東海地震の震源域内にあり、万一福島第一原発のような事故が起きれば、道路、鉄道の大動脈は通行止めで日本経済に計り知れない被害を及ぼすことは容易に想像出来た。

ところが、朝日新聞2014.5.25の記事「浜岡原発 潜む危機」で数字を上げて、その被害の大きさを知らされると、このまま停止の方が無難と思うのだが、どうなのか。

そして、再稼働に誰が責任を負うのか。安倍総理は原子力規制委員会が安全確認した原発から再稼働するという。では、原子力規制委員会が最終的責任を持つのか。そうはいかないと思うのだが、朝日新聞によると島崎委員長代理は「巨大地震の震源域内で何がおこるかわれわれの知見は限られている」と審査の難航を臭わせている。

以前は東海地震単独発生で考えられていたが、今は南海トラフ巨大地震として東海、東南海、南海地震の3連動が考えられている。否、もっと先の日向灘地震を入れれば4連動だ。

過去の地震、津波の痕跡調査から巨大地震の発生の可能性があるのだ。

しかし、一方で中部電力は再稼働を目指し安全対策を急いでいる。

東北地方太平洋沖地震の想定外の巨大津波の反省から高さ22mの防潮堤を1.6kmにわたって建設、揺れも一番高い2000galを設定している。非常用電源の確保、冷却水の確保など総工費3000億円という。

再稼働がダメと分かっていて何故、3000億円も投資するのか。

そこは、中電としては再稼働したいのだ。原発を止めると火力発電での燃料費が莫大な額になり経営を圧迫するのは誰だって分かる。原子力事業者10社で13年度7.7兆円と言うから中電も大きい金額なのだろう。

最後は電力料金として消費者に転嫁されるだろうが、原発を動かせば解決出来る費用なのだ。

又、浜岡原発の原子炉はどうなっているのか。1,2号機は廃炉と聞いていた。3,4,5号機はどうなるのか。今回は4号機の再稼働を申請しているようだ。

稼働開始から3号機は27年、4号機は21年、5号機は一番新しくて9年だ。

耐用年数が来て廃炉まで後20~30年ということになる。

後、20~30年の内に巨大地震の発生の可能性があるのか。

浜岡原発の震源域である南海トラフ巨大地震の発生確率は、M8~9で30年以内に70%だ。何時起きても不思議ではないが、なかなか起きない。想定が間違っているのではないかという話も聞いたことがあるが、南海トラフ周辺では、気象庁は否定するが前兆とも思われる地震が発生していることは確かだ。

そして、東大地震研究所の瀬野先生は、最近の研究から次の南海トラフ地震はM8.8で200~300年先という(地震 第64巻 第2号 日本地震学会、朝日新聞2013.7.18)。

だったら、耐用年数まで稼働させ、廃炉にする手もあるのではないか。

でも巨大地震はそうでも、それより小さい規模の地震は起きるのだ。どんな程度の地震が何時発生するかは分からない。

原子力規制委員会がどういう判断を示すか注目だ。

[後記]
原子力規制委員会の委員長代理である島崎さんが退任するニュースがネットで流れている。地震学者で敷地内の活断層の存在について厳しい目で見ていたが、委員交代で判断が甘くなるのだろうか。

                       (2014.5.27)


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