2014年5月17日土曜日

未来への選択:重点を高齢者から子どもに移し「厳しい困難」を回避せよと言うのか

日本の未来はこのまま行けば「厳しい困難」に晒されることになり、社会保障の重点を高齢者から子どもに転換する必要があるという。経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来」委員会が「未来への選択」(2014.5.13)で中間報告した。

それによると、今後50年で人口減少が続き1億人を割り8700万人、65歳以上が全体の4割を超えることになり経済縮小スパイラル、格差は拡大、固定化、行政機能も停滞し自治体消滅の危険も出て、財政赤字で国家財政は破綻すると言うのだ。

心配されている人口の減少であるが、要因は出生率の低下で人口が急減し2040年には年に100万人減となるという。だから今の出生率1.4を2030年までに2.07にしなければ1億人の人口は確保できないのだ。

労働人口も減少、経済成長も鈍化、高齢化で社会保障費は急増するが、それを支える労働人口は減る一方ではどうなるか想像は付く。

出生率は日本経済の内需拡大で前川レポートでも1.8を提言されていたが一向に改善されない。少子化対策などが長年言われているが効果がでていない。

でも、今回は社会保障費の内、高齢者対策を子ども対策に重点を移せというのだ。

今日本の子ども対策はGDPの1%でGDP480兆円とすれば4.8兆円になるが、フランスやイギリスではGDP比3%だと言う。

大事なのは少子化の要因である。

抜本的対策が必要と言うが、結婚できない若者が多く、正社員と非正規社員の二極化が進み非正規社員は低賃金に耐えている。子どもを持つ経済負担を最小限にし、3人ぐらい持とうかなと思える政策を提案することだ。

高齢者も高騰する介護、医療費削減のために歯止めをかける努力が必要だ。今注目されている人間ドックの健診基準値の見直しも医療費の削減に役立つが、これには医者の意識改革が必要だ。

金儲けの医療であってはいけない。
社会保障では、政府の政策に注文をつけるが効果はなかなか出てこない。

若者が結婚して子どもを作ろうとする気持ちになるような賃金、保育など子育て支援、女性の就業などには企業の意識改革が必要ではないか。今恵まれていそうなのは大企業の一部と国家公務員ぐらいだ。

人口減、優秀な労働力の再生産ができないようでは、その付けは必ず企業に返ってくるのだ。政府にとやかく言われる前に経済界で率先して改革していかなければならないのではないか。

最近は、人口減で多数の自治体が消滅の運命にあるとか、1億人を割るとか日本経済にとってはマイナス要因が多い。

各分野で「人口減、超高齢化社会」への流れを変える意識改革が必要と「未来への選択」でも提言している。

しかし高給取りの専門家が高齢の低所得者を蔑ろにして、このピンチを脱しようとする魂胆が見え見えの中間報告だった。



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