各メデイアは日銀の展望レポートでの物価目標2%に強気の姿勢を報じるが、好ましからざる経済循環でもOKと言うのか。日銀の見方は、しばらくの間は1%が続き2015~16年に物価2%で緩やかなインフレになるという。当初は2014年末~15年にかけて2%だったが、ズレるというのか。
14年1.3%、15年1.9%、16年2.1%の経過をたどるそうだが、15,16年は増税分0.7%を差し引いての物価上昇だ。
日銀総裁、岩田副総裁も自らの首がかかっているので、政策的にも強気の「期待感」を持たせるつもりだろう。
しかし、この2%達成時期についての表現ではいつも政策委員の3人が反対意見を述べており、決して日銀内でも一枚岩ではないのだ。
好ましい物価上昇には賃上げを前提とするが、今の状況はどうだろう。
円安→輸入品高→物価高であり、決していい状況ではない。今後は円安も一段落し、輸入品高の状況も収まれば物価の上昇も余り期待できない。
民間エコノミストはせいぜい1%程度とみている。
国内のカネの動きをよく知る立場にある日銀の判断であるが、これでいいのかと心配になる。
更に、日銀とFRBの量的緩和に対する対応の違いもある。
FRBは今秋には量的緩和を終了し、半年ぐらいの期間をおいて金利上げの可能性もにおわすが、日銀は2年で2倍の量的緩和にまっしぐらだ。出口戦略など時期尚早という。
日銀のマネタリーベースは、リーマンショック前から緩やかに実施してきたが、欧米の中央銀行はリーマンショック後に急速な増加に踏み切った。
この違いが円高の要因であるとして先の衆院選では自民党は民主党政権と日銀に政策の転換を迫り、自民党は政権に復帰した。市場に流す通貨量を増やせば円は安くなるというのだ。今は少ないから円高なのだという論法だ。
円安基調は日本経済を潤す結果になったが、物価上昇は好ましい経済循環の結果なのか。
日銀は日銀首脳の首をかけた2%目標達成に好ましくない経済循環でもOKと言うのか。日銀の展望をしっかり監視しなければならない。
好ましくない経済循環で物価上昇2%の安定確保ではたまったものではない。政府、日銀はそれでもお構いなしかもしれないのだ。
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