マンション管理組合の役員、理事の皆さん、マンション管理、運営が適正に行われていますか。管理会社の言いなりになっていませんか。そこが管理会社に付け込まれる要因です。
私も2年間の理事の職務に当たりましたが、管理会社、担当者(フロントマン)、理事会それぞれに課題を抱え運営、管理の改善が思うようにいきませんでした。
何か改善しようと提案すると管理会社の担当者は抵抗します。自社のマンション管理の方針と違うか、新しいことをやることを嫌っているか。さらに悪いことに理事連中が無関心なので何も発言しない。
デベロッパー系の管理会社ですが、「マンション管理のガイドライン」(標準書)ももっていらず、「担当者まかせ」が実態だった。管理会社の担当者は自分はマンション管理の専門家、理事会は素人という誤解をしているのではないか。
お客様相談室も「理事長の言うことは聞くが他の人の言うことは聞かない」と言い出した。だったら理事長と担当者2人で理事会をやったらどうかと提案すると「それはできない」という。
最も悪いのは、総会、理事会の議長を管理会社の担当者が担っていたことだ。提案する議題は担当者まかせ、議長で牛耳るのだから管理会社の思い通りだ。きっと社内では「よくやっている」と担当者は評価されているのだろう。そこは大間違いだ。管理規程では「議長は理事長」、委託事項はない。議長から引きずり下ろした。
しかし、総会、理事会が法的に存在しないとなると予算、執行は管理会社に損害賠償できるか。
担当者が恣意的管理、理事は無関心ではマンションは劣化するばかりだ。理事は辞めたが、区分所有者の一人として管理会社、理事会に挑戦中だ。
実際にマンションの運営、管理で直面した事項を上げる。皆さんのマンションはどうか。一度振り返ってみませんか。
1 会社紹介され、どんな会社に管理・運営を委託するのかわかっているか。
組織、陣容、フロントマンの背後にどんなスタッフがいるのか。クレーム処理はどうなっているのか。
そして「貴マンションをこういう風に管理/運営します」という説明があるか。
2 予算、決算が理事会で審議されているか
いつになっても来期の予算、今期の決算の審議がされない。どうしたのかと聞くと何年か前に審議したらしい。
決算書を見ていくといつの間にか来期の予算が記入され、今期と同じ金額だ。そういえば今期の予算額も前期と同額。横着な予算管理だ。いつ予算が決まっているか知らない理事会の責任は多いい。
3 会計監査は十分か
支出をさかのぼってトレースできていない。工事の検討→業者選定→予算決定→施工及び完了の確認→支払いの過程に瑕疵はないかをチェックしなければならないが、実態は銀行口座などのチェックで終わっているようだ。
これでは不十分だ。管理会社が恣意的目的で工事をやっているかもしれないが見破れない。
過去からの経理操作の概況、本当に今の管理会社に担当させて良いのか。何か問題はないか。節目節目で専門の会計事務所に監査を依頼する事案を総会で図ったら否決された。その程度の組合員なのだ。
4 合い見積もりを取らない。
口を酸っぱくして合い見積もりを取り予算決定に説得力を持たせようとするが管理会社は動きが鈍い。どうもグループ企業に仕事を任せようとしているようだ。
「お任せ」はやめて管理組合が独自に業者選定、見積もりを取ることをやらなければならない。これから大規模修繕工事を控えているのだから工事費削減は喫緊の課題だ。
ところが理事の連中に自分がやってみようという意思はない。大口をたたいて批判はするが自ら手は出さないのだ。
だから管理会社の言いなりで高い工事費、作業費で2回目の大規模修繕工事になると費用不足が出てくる。
5 大規模修繕工事に対する心構え
どの管理組合も資金不足に悩まされる。不足がわかれば早めに管理費の値上げなど検討すべきだが、なかなか組合員の説得は難しい。
管理会社は右肩上がりの推定予算表を掲げて説明するが、今までどういう節約をやってきたか、これからの対策を聞くと何もない。右肩上がりの線を引いただけだ。
ここで大事なのは管理組合が独自の費用積算をやり管理会社に対抗すべきだ。そのためには「丸投げ」はやめるべきだ。
6 マンションの維持管理は特異性も生かすべきだ。
管理会社の担当者は10~15のマンションを担当しているから、できたら一律の管理、運営をしたいところだろうがマンションには特有の問題を含んでいる。それぞれにあった維持管理計画が必要だが対応できていない。
7 理事会と管理会社で合同の巡回チェックをやっているか
不思議なことにやっていなかった。理事はマンションの現状も知らないままに理事会に出席、無言で2時間を過ごすことになる。
管理会社も本社から巡回チェックに来ているのかと思ったが来ていないようだ。管理会社だって組合員に言いたいことはあるだろう。
提案したが一蹴されたのには驚いた。理事長に問題意識がなかったのだ。
8 理事会と組合員の間でコミュニケーションが取れているか。
最大の課題だが理事会にもその意思はなかった。広報紙的なものの発行でコミュニケーションを図るべきだが、管理会社に頼っていては不可能だ。
9 総会、理事会の議長を管理会社の担当者がやっていないか
管理規程では「議長は理事長」委託事項はない。規程に違反するし、法的にもそういう総会、理事会は存在しないことになる。担当者は「理事長は素人だから代わりに」と安易に考えたのだろうが大きな失態を演じたことになる。
その間の予算はどうなるのか。
管理会社との契約の不適格事項に該当しないか
10 何をしてよいか困ったら
マンション管理の適正化に関する法律、およびそのガイドラインを一度読むこと。そして利害関係にある管理会社と契約内容、重要事項の見直しをすることだ。
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