2018年6月26日火曜日

大阪北部地震から:次は内陸直下、首都圏直下、それとも南海トラフ地震か


千葉県東方沖地震、群馬県南部地震そして大阪府北部地震から次に起きる巨大地震は何処だ。何時も都市直下地震が発生すると被害が甚大で「次は何処だ」と専門家は指摘するが、中長期に見れば当たっていようが、短期的には喜ばしいことに当たっていない。

大阪府北部地震は当初、M6.1,震度6弱の割には大したことはないと見ていたがそんな事はない。都市での直下型地震では被害は甚大だ。新聞によると亡くなった方5人、建物被害6235棟、避難者530人、通勤通学で580万人に支障が出た。発生当初は余り建物に被害が少なく、ボランチアに支援してもらうのを躊躇った高齢者がテレビに映ったほどだ。

建物に被害が少なかったのは地震の短周期、長周期の問題で短周期が強かったために塀や家具の転倒が目立った。

今回の大阪北部地震の震源は高槻、茨木付近、有馬-高槻断層が走っているがその付近、しかも大阪のど真ん中を貫いている上町断層が地下で絡んでいるとみられている。この上町断層は堺―大阪―梅田―新大阪を通る。大阪で一番危険視されている断層帯だ。

南海トラフ巨大地震が発生する前に内陸型直下地震が起きると警告されているその断層帯だが

この有馬-高槻断層帯が動いたのは1596年、伏見城が被害に遭った地震以降の記録が薄い。30年以内のM7.5クラスの発生確率は0~0.03%だから、M6.1ではこれに及ばない。小さい地震は何時おきても不思議ではない。(「大阪府北部地震M6.1,震度6弱:断層付近で忘れたる頃起きたか」 yamotojapan.blogspot.com/2018/06/m61.html

ところがこれに先立つこと12日、千葉県東方沖地震、17日に群馬県南部地震が発生、Mは6クラスだが続いてM7、8クラスが危険視されている。

千葉県東方沖地震は専門家が「スロースリップ」現象を指摘し近いうちの地震を警告した翌日の発生だったために注目を浴びた。このスロースリップ領域の周辺で発生したのだ。この域は沖の関東沖地震域を隔てて日本海溝がある。3.11東北地方太平洋沖地震での割れ残りも心配されているし、スロースリップが止まった時、震源域で巨大な地震が発生することが指摘されている。(「千葉県東方沖地震:スロースリップ現象域周辺でM4.9、震度3yamotojapan.blogspot.com/2018/06/blog-post_14.html」)。

17日の群馬県南部地震の震源域は前橋付近、油断はできない。東京湾から高崎方向に柳瀬川断層帯、深谷断層帯が伸びている。またこの付近は諏訪→下仁田→高崎付近→大宮→太平洋沖へ中央構造線が走っているとみられている。それがどう影響を受けるかはわからないが、浅間山、草津白根が噴火、榛名山も活火山だ。赤城山南面では発掘調査から1mもずれた断層があることがわかっている。(「群馬県南部地震M4.6,震度5弱:中央構造線、深谷・柳瀬川断層帯に接近yamotojapan.blogspot.com/2018/06/m46.html

わたしも今回連続して起きた地震に注目し、何を警告しているのかと考えた。(「今日の新聞を読んで(160):千葉県東方沖地震、群馬県南部地震、大阪府北部地震は何を警告しているのかyamotojapan.blogspot.com/2018/06/blog-post_19.html」)。

そしてメデイア特に週刊誌が「次はどこだ」と専門家の見解を載せている。

「スーパー南海地震に備えてください」週刊女性2018.7.10
「大阪北部地震は南海トラフの予兆」週刊朝日 2018.7.6
「10年以内に巨大地震が来るのかここだ」週刊現代2018.7.7
「「隠れ断層」全国マップ 最新版2018.7.6
「大阪北部地震 データと歴史を示す「直下型は南海トラフ地震の前兆」AERA2018.7.2
「完全保存版 「活断層マップをチェックしておこう」「サインはこんなに出ていた 富士山噴火の確率上昇」FRIDAY 2018.7.6

ざっと拾ってもこんな具合だ。

ただ、覚えておかなければならないことは「いつ足元が揺らいでも不思議ではない」ということだ。

関東大震災級の巨大地震の前に首都直下地震、南海地ラフ巨大地震の前に必ず内陸型直下地震が発生するが経歴のある断層の場合もあるがほとんどが未知、あるいは注目度が低かった場所という場合が多い。「天災は忘れたるころ来る」というが今は「天災は油断したとき来る」ということだ。

首都直下地震は今まで被害想定を震源が東京湾北部、荒川河口付近とみられていたが、最近の研究で都心部に甚大な被害を及ぼすのは「都心南部直下地震でM7.3」とみられている。これは大田区から品川区を通って都心に向かう断層だ。

私も大田区あたりに断層があるのかと疑っていたが、関東大震災の時の震源域は非常に広く本震の震源は小田原M7.9あたりだったが3分後には羽田沖付近でM7.2だった。このことから考えても都心南部直下地震の可能性は妥当だ。

言われている南海トラフ巨大地震は、当初は東海地震、東南海地震、南海地震、日向灘地震が単独で発生するとみられていたが研究が進み最悪の場合は4連動ということになるらしい。太平洋ベルト地帯を含む広域の巨大地震での被害は想像を絶する。

ところが発生時期を巡っては研究が進み200年先という説が出てきたが、港湾施設の海水面の記録、池の堆積物調査から早くて2030年代を主張する研究者も出てきた。

気分的には200年先を希望するが、あまりにも長いと、また「忘れたるころ来る」ことになり後手後手の対策で甚大な被害をこうむるのだ。

おそらく、広域の震源域の周辺で発生する内陸型直下地震は、その前兆になるのだろう。地震の予測は簡単だ。「必ず繰り返すのだ」という研究者もいる。

富士山噴火も忘れてはいけない。

1707年以降噴火なしていないが、3.11東北地方太平洋沖地震のあと、富士山噴火の危険もあったが、どうしたことか噴火には至らなかった。何かの条件が欠けていたのだろう。

箱根山が噴火した時に富士山も噴火するのではないかと考えただろうが、富士山噴火時の古文書での解析では箱根山に影響した記載はない。周期が富士山は300年、箱根山は3000年と言われていることからも推測はつく。直線距離で30km離れているだけ、地下構造も同じといわれているが不思議だ。

ただこれも覚えておいてほしいのは富士山が噴火したら2~3時間後に東京に灰が降るのだ。富士山噴火のニュースが流れると3時間のうちに生き残りをかけた対応が必要なのだ。

専門家の予測の幸いなことに当たる確率が低い。でも安心はできない、歴史的に必ず繰り返すのだ。



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