2018年6月14日木曜日

12日、千葉県東方沖地震:「スロースリップ」現象域周辺でM4.9,震度3

tenki.jpの千葉県東方沖地震の画面に今年の地震発生
の震源域(×印)と昨年のM4~5の震源域(丸印)
を書き込んだ。ピンクで囲まれている領域がスロースリップ
現象の震源域。黄色が震央分布。地震調査委員会発表
の内容を書き込んだ。

12日5時9分に千葉県東方沖で地震発生、M4.9,震度3と言うと「又起きたか」の印象しかないが、今回の発生はチョット意味が違う。前日の11日、地震調査委員会が6月にはいって房総半島沖で「スロースリップ」現象が発生、岩盤が約6.5cm動いたと発表、今後比較的大きな地震が起きる可能性があり注意を呼びかけていたのだ。

国土地理院、防災科学技術研究所の観測データでもGPSによる観測で地盤が南東におよそ1cmズレ動く変化を捉えていたのだ。

この千葉県東方沖周辺は海側のプレート(太平洋プレート)が陸側のプレート(北米プレート)の下に沈み込む境界で「スロースリップ」現象が起きているのだ。それにフィッリッピン海プレートも北上し3枚のプレートが集合している地点とみても良いのだ。1987年12月17日にはM6.6の地震が発生東京は震度4だった。

スロースリップ現象は固着域が一気に剥がれるのではなく1週間で10cm位動くために地震波が出ず地震計に記録されない。ゆっくり滑ってくれるので被害も出ず良いことだと思っていたがそうでもないのだ。

スロースリップが巨大地震の発生と関連していると言うのだ。

あの3.11東北地方太平洋沖地震も、北の方からスロースリップ地震が発生し南下、それが止まったところが巨大地震の震源になったのだ。だから特に注意が必要なのだ。

地震調査委員会の発表資料では房総沖に50km×40kmの領域でスロー地震に伴う震源域があると言う。

そしてその周辺でM4~5の群発地震を伴うのが房総沖スロー地震の特長だという。過去には2002,2007,2011,2014年に地殻変動が捉えられている。2~7年間隔なのだ。

過去4年分のこの周辺での地震の発生件数をtenki.jpで調べてきた。

                              単位 件

M 1
M 2
M 3
M 4
M 5

2018
   0
   1
   9
   3
   4
  17
2017
   0
  12
  28
   6
   1
  47
2016
   0
   7
  31
  10
   1
  50
2015
   0
   2
  32
  20
   0
  52
註 2018年は現在まで
  M:マグネチュ-ド

震源域は銚子沖が発生頻度が大きいが、最近はスロースリップ現象周辺エリアでも発生している。

M3クラスの地震の発生が多いがM5クラスは今年に入ってから顕著になってきた。

注目すべきなのは3.11東北地方太平洋沖地震で「割れ残り」があり、それが心配されている。日本海溝は200km沖合で千葉県東方沖地震の震源域の外に関東東方沖地震の震源域がある。この震源域で発生する地震がそれに該当するのか。

しかし、千葉県東方沖地震の震源域も首都圏から離れているとは言え長周期地震動など受ける被害は大きい。注意だ。

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2013.10.12掲載
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