2010年1月31日日曜日

日米共通の悩み:本当に変革ができるのか


鳩山さんの施政方針演説を新聞で読んでみた。
 「いのちを守る」との異例の切り出しで、いたるところに「いのち」が言及され、かえって読み苦しい感がした。国民の生命、財産、安全を守ることは当然のことであり、殊更に言及しなくても良いと思ったのだが・・。

 今回の演説の全体の雰囲気は、インド訪問、阪神・淡路大震災記念式典など官邸から外に出て自分で実感したことが基調になって、ガンジーの「七つの社会的大罪」、「新しい公共」など概念が採用されているようだ。

 ガンジーの「七つの社会的大罪」の中でも、「労働なき富み」「道徳なき商業」は、行き過ぎた(?)金融緩和が招いた金融危機の反省に立って、今オバマ政権は金融規制に着手した。これだけの経済破壊を招きながら金融界でのトップは莫大な報酬を得ている。ピンチになれば税金で救済されながらの、この有様は国民感情から決して許されることではないのだ。

 特に「道徳なき商業」は、何もガンジーによらなくても、我が国の二宮金次郎の「道徳なき経済は罪悪」に通じるものがある。社会秩序が守れなければ規制すべきである。金融界は懸念を主張するが、身勝手なわがままだ。

 日米両民主党は、同じ試練にあるようだ。

 オバマ大統領の一般教書を読むと、「職=雇用を守る」ことに重点政策に変えたようだ。失業率は10%、無党派層の支持が得られにくくなって、「CHANGE」を掲げて颯爽と登場した1年前に比べ、支持率も下落している。雇用の創出が緊急の課題なのだ。鳩山さんも「働くいのちを守る」と雇用の確保を訴えた。

 多くの箇所で使用した単語は、オバマさんが「ジョブ」、鳩山さんは「いのち」だ。

 日米共に選挙を控えている。米国は中間選挙、日本は参議院選だ。当然に一般教書、施政方針演説に選挙目当が目立つが、「雇用の確保」は両国にとって、緊急の課題だ。国民の要望に応えられなければ、政権維持は困難になる。

 普天間基地問題で注目されている安全保障についても、お互いに政権が変わったのだから、この辺で基地問題のあり方も見直しするべきだと思うのだが、米国の姿勢は厳しそうだ。ところが一般教書でみると、安全保障で米国が言及しているのはアフガン、イラク、北朝鮮、イラン、ロシアであって、日米安保には一言も触れていない。
 重視していないのであれば、新しい基地問題の見直しをしてもいいと思うのだが・・。

 日本と米国は、ほとんど同時に「CHANGE」「政権交代」を掲げて両国の民主党が政権奪取に成功した。しかし、いま両国民は「本当に変革出来るのか」と悩み始めた。

 オバマさんは、このことを教書でも認め、「私は諦めない」と強調している。一方鳩山さんは、政権交代を果たした初めての予算を提出するこの国会であるからこそ、自分の政治理念を提起したと言う。それが「人間のための経済」であり、「新しい公共」であるらしい。「輝く日本を取り戻すために、共にがんばりましょう」と訴えている。

 国民は民主党に改革を期待して、まだ民主党支持率は高い。しかし、鳩山政権には改革は無理と見たのか政権の支持率は下落傾向にあり、40%を切るのは時間の問題だ。普天間基地問題、「政治とカネ」、「政治主導」、雇用問題で支持率を上げる可能性は低い。

 鳩山さんも不運の連続だ。組閣時の小沢幹事長人事、連立与党構想、日本郵政社長人事、政治資金疑惑後の小沢幹事長続投など重要な局面で自分の考えと異なった動きになったことが新聞で報道されていたが、「最後は自分が決めます」とわざわざ言わなければならないことに、鳩山さんの置かれた立場がある。

 何か一つでも、小沢さんと対立しそうな局面で、自分が主導した実績を残して欲しい。

2010年1月26日火曜日

政局を見誤らないために。勝って勝因を、負けて敗因を

 自民党大会に招かれた楽天前監督野村さんが「勝に不思議な勝ちあり 負けに不思議な負けなし」と、勝っても反省しない処に自民党の落とし穴があったんじゃないかと指摘した。

 元阪神タイガーズの江夏さんも「負ければ必死でその原因を考えるが、私は勝ってもその勝因を考えた」と言ったことがある。偉大な実績を残した勝負師の考えは同じだ。

自民党は未だ、長期政権そして先の総選挙での敗因を総括できないところに、今の低迷があると見られる。

 一方で、民主党にも同じことが言えないか。

 先の総選挙で、想像を超える圧倒的な議席数を確保した。党の総得票数から考えても大きい数である。それは小泉郵政改革選挙の時もそうだった。今の選挙制度によるところが大きいし、25日の広島最高裁での「1票の格差」問題とともに、選挙制度の問題が指摘されている。

 今の選挙制度にあって、圧倒的多数で勝利したからと言っても、それをそのまま民意と受け取ったら間違うのだ。

 小沢政治資金疑惑問題が大きくクローズアップされる今、小沢さんは、幹事長職にとどまり、「自らの信念を貫くため」にも、がんばるんだという。衆参で単独過半数を獲得し、自らやろうとすることを、何でも通せる体制を築き、改革を進めることにあるのだろう。

 小沢さんも、土地取引に関する疑惑で、当初は検察と全面対決の姿勢を示していた。虚偽記載、不記載に関しても秘書がやったことで「自分は知らない」「関与していない」と言っていた。巨額な資金を、秘書任せで動かしていたこと自体が、国民の常識から考えればあり得ない。ところが、26日の記者会見では、「担当者に任せきっていたことは事実だが、それがもし間違ったと言うことをしたなら、私の代表者としての責任がある」と発言が変わってきたように思える。

 対検察戦術では、弁護士に任せていると発言していたが、新聞報道などの経過から見て、「その戦術が間違っていたのではないか」と思える。自分には圧倒的な支持があると見て、強気の戦術をとっていたが、一向に国民感情は好転しない処に小沢さんの落とし穴があったのではないか。
 小沢さんほどの実力者になると、その判断は政局に大きく影響する。プロの法律家に任せていては、民意を間違える。小沢さんは、世論調査などから民意を把握していたが、弁護士や側近議員のアドバイスで、民意に逸れた判断をしたのではないだろうか。

 今回の小沢政治資金疑惑は、「国権である検察の暴走を許さない」、「政権交代での政治改革を続行」、「金権体質を排除し公明正大な政治を目指す」のいずれかに重点を置くかによって判断が違ってくる。

 私は「公明正大な政治の確立」に重点を置くが、前二者では、小沢批判に組みしないだろう。小沢さん抜きでは、政治改革も民主党政権も持たないだろうとみている。

 しかし、それは思い過ごしではないだろうか。舛添さんも認めるように、民主党は優秀な人材を多数抱えている。試行錯誤はあるものの、「フレッシュでクリーン」な政権を築くことは出来るはずだ。

 小沢さんも、自分の信念を通すためには、小沢傀儡政権ではなく、自ら代表になり総選挙を戦い、勝利する必要がある。

 自民党は、敗因をしっかり考え、小沢民主党は勝因をしっかり考え、民意を汲み取った政権運営をやって欲しい。

2010年1月24日日曜日

おかしくないか 与野党で繰り広げられる「政治とカネ」論争

 国民の存在を無視した、ご都合主義の論争が繰り広げられている。

 鳩山さんの親からの巨額な政治献金問題、国会審議では「政治とカネ」に多くの時間を費やすことになり、更に小沢さんの政治資金疑惑問題では、被告発人としての「事情聴取」に至り、与野党が「政治とカネ」の問題で激しく論争を展開している。

 「政治とカネ」の問題は、与野党が同じ土俵の中で、「クリーンな政治」を目指し議論していく問題である。国民の目から見ると、何かおかしい。お家の事情で発言が違うような問題ではない。

 民主党にあっては、支持率の低下への危惧から小沢さんへの批判より、検察やメデイアへの批判へと道を逸れ、数人をのぞいて口をつむぐ状態だ。現状で「説明責任を尽くした」、「もっと国民の生活を守る予算など重要な課題が山積している」と疑惑をはぐらかす。

 一方、自民党は人気の挽回を求めて、宿敵小沢さんへの攻撃に余念がない。「国会での喚問で、真相を国民に明らかにすべきだ」と真っ当な主張をする。

 本来は「どうしてカネがかかるのか」「カネのかからない政治をどうして実現するか」を議論しなければならないが、そこが欠けている。今国民は1人当たり250円、300億円以上の政党交付金を税金から拠出している。しかし、自民党の舛添さんは、1人当たりを500円に上げれば、政治家は政治資金に気をとられることなく政治に取り組めるという。

 考えてみれば、今の政党交付金を検討していたときも、同じことを言っていたではないか。

 今回の問題は、政治活動は秘書、政治家が一体で行なうものであるという認識にも欠けているように思える。本来の意味で、政治家と秘書はどんな関係にあるのか。

 また、政治家は政治資金収支報告書にどの程度係わっているのか。テレビ番組で登場する国会議員に聞いて欲しいと思うのだが、司会者は一向に聞かない。小沢さんの「一切見ていない」は正常なものなのか。

 「知りません」、「分かりません」で通用する問題ではない。

 国民の存在を忘れた「政治とカネ」の論争は止めて欲しい。

 そして、まず今の政党交付金を廃止すべきだ。そうすれば、ありがたみが身に染みて分かるはずだ。

政治活動は秘書と一体、政治家にも責任あり


「秘書のやったことは、政治家の責任」と殊勝なことを言った鳩山さんも、疑惑が自分に現実のものとなってくると、「私腹を肥やしたことはない。違法性はない」と言い逃れする有様だ。

 23日の小沢さんに対する特捜の事情聴取に注目していた。

 いままでは参考人聴取と言うことであったが、先日、市民団体「真実を守る会」が、小沢さんを虚偽記載の共犯として告発していたので、どうなったか関心があったが、やはり「被告発人として黙秘権の行使」(記者の質問から)が告げられていた。

 この「黙秘権行使」を告げられることは、今後の捜査に大きな意味がある。

 4時間余りの事情聴取のあと、午後8時過ぎの記者会見と言うことは、2時間ほど弁護士と打ち合わせしたのだろう。いつも思うことであるが、国会議員は何かあると必ず弁護士が同席する。鳩山さんの時もそうだった。

 やましいことがなければ、小沢さん一人で会見した方が良かったと思うが、会見での質疑で自分に不利なことがあれば相談する為だろう。それだけでも心証が悪い。

 小沢さんの説明では、深沢8丁目の土地購入の資金のこと、政治資金報告書での記載のことを「知っていたか」「どうしてこうなったか」を聞かれたらしい。

 小沢さんは、秘書の事務所兼不動産について後援会原資の貸し付けについて事実のすべてを話、具体的には担当者が行なったので実務については関与していない。更に原資について、後援会の資金をすべてあてると、運営資金がなくなってしまうので、個人的な資金を提供することになった。何も隠し立てすることはないので、知っている事実を包み隠さず話したという。

 「実務は担当者が勝手にやった」「隠し立てすることは何もない」と従来の発言を繰り返したことになる。

 記者の進退に関する質問に「幹事長を止めなければならないようなことをやっていないが、秘書達のことはわびなければならない。自分としては与えられた職責を全うしたい」と応えた。秘書のやったことに政治家としては責任を感じないらしい。「身を粉にして・・」と言った鳩山さんと考えが似ている。

 水谷からの資金の流れについて、「不正なカネは一切受け取っていない。秘書達もそのようなものを受け取っていない」と強調した。 

 「今後も断固戦う決意か」との質問に、「不正なカネはもらっていない。この主張を貫く考えだ。公平公正な捜査に協力する」と言う。

 検察に対する戦闘意欲が軟化しているようだが、小沢さんにとっては賄賂と見なされることは絶対に避けなければならないことは当然だろう。

 政治活動は秘書と一体のもので、政治家にも責任が及ぶことは当たり前のことだ。それが嫌なら、政治家を辞めることだ。犬にだって飼い主責任がある。

 小沢さんは、「黙秘権の行使」を通告された以上、相当な疑いを持たれていると考えるべきだろう。

 今の小沢さんに説明責任を要求しても「捜査中なので」と拒否するだろう。国会で喚問しても肝心なことは言わないだろう。小沢さん個人の「人権」を守るか、不正な政治活動追求の「国益」を守るか。

 世論が今後も盛り上がり、民主党の支持率が下がれば、小沢さんも進退を考えるだろうが、最終的には岩手県の有権者の判断だ。

2010年1月23日土曜日

民主党は間違っていないか、まず党内で小沢疑惑検証作業を急ぐのが筋では


「政治とカネ」の問題での小沢政治資金疑惑で、民主党内、特に参議員は選挙を控えてどんなに大変なことか伺い知ることが出来る。

 しかし、メデイアの報道に対して怒りが爆発していることは分かるが、検察関係者の情報漏洩に関して新聞記事を分析し公表することに至っては、大いに疑問を感じる。

 新聞やメデイアを目の敵にする前に、政治家としての説明責任を果たすために、小沢疑惑の党内検証をやり公表するのが筋ではないか。

 今回の疑惑は、すべて小沢さんの政治活動から発生した問題であり、政権与党の幹事長という要職にある以上は、他の政治家にも増して、説明/解明する必要があるのではないか。

 そして何故、このようなことが蔓延っているのか。民主党の小沢さんは、どうしてこれ程の大金を集め、蓄財し、小沢シンパをつくる政治活動を展開しているのか、そしてそれは理想的な政治活動なのか。

 政権交代で支持してくれた国民にしっかり説明することだ。

 そしてカネのかからない政治活動するために、どうしようとしているのか。

 小沢疑惑の本質をはぐらかした検討チームなど、期待していない。国民はバカではない。新聞を読めば、その情報源が何かぐらい想像は付く。
 民主党としては、党としての検証をし公表すべきである。それが政権与党の責任である。国民の期待はずれの行動は、支持を失うことになる。

マイナスイメージが増殖する民主党


今、若手国会議員が明暗を分けている。
 自民党の小泉進次郎さんは、新人議員でありながら、自民党総裁選合同会見で質問にたち「理想とする政治家は誰か」と問いかけた。先日の予算委員会では、フリップをかざす裏方の役にも徹している。テレビ画面で3回ほど「自由があるのが自由民主党、自由がないのが民主党」と民主党内の自由な発言がないのを揶揄していたが言い得て妙だった。自民党が将来を期待する新人議員であることは分かる。

 一方、民主党の石川さんは、小沢さんの政治資金問題で虚偽記載の張本人になってしまった。確か当選初期には、高額の議員宿舎に入るより、ビジネスホテルに泊まって週末選挙区を往復する方が安いと言っていた新人議員だ。小沢さんの秘書になったのが不運の始まりだったのか。

 それにしても、政権トップ2人が、共に政治資金疑惑を抱えての政権維持は異常な状態であることは明らかだ。小沢さんは、秘書らの逮捕で「検察と戦う」と宣戦布告し、鳩山さんも同志として理解を示したが、検察組織を相手に戦うのでなく、問題は政治資金規正法での虚偽記載、不記載容疑の有無をめぐり対決するのではないか。

 その政治資金規正法を、修正申告すれば片づくと2人は安易に解釈している。しかしこれは間違いだ。議員の公明正大な政治活動を国民の監視下におく民主主義国家では重要な法で、それに違反している疑いがあり、禁固刑をもって処罰することも出来るのだ。

 民主党も野党時代に比べて、あらゆる面で歯切れが悪い。

 野党時代は「政治とカネ」の問題では、「秘書のやったことは議員の責任」「私だったらバッジを外す」と言いながら、自分のことになると「私腹を肥やした訳でない」と責任逃れする鳩山さん。「なんら意図的に法律に触れることはやっていない」と訴える小沢さん。

 いろんな意見が党内で活発だったが、実力者小沢さんの献金疑惑では、報復を恐れて口をつむぐ。小泉さんが、「自由のないのが民主党」といったことは当てはまる。

 総理や閣僚の軽い発言も問題だ。指揮権発動共受け取れる発言、メデイアア批判ともとれる総務相発言など、改めて撤回されたり、釈明される誤解を生む発言は、政権与党の自覚に欠ける。

 今の民主党は「大政翼賛会の様相だ」と指摘され反論する鳩山さんだが、「捜査の行方を静かに見守る」、持ち上がってきた「可視化法案を時期尚早」と言うのがやっとだった。

 大事な国会審議も、「政治とカネ」の問題の目処が立たない限り、身のある審議は期待できないようだ。

 ところが不思議なことに、鳩山政権の支持率は降下するものも、民主党の支持率はまだ高い。自民党を大きく引き離している。

 国民はまだ民主党に期待しているのであれば、早めに鳩山総理、小沢幹事長は退き、新しい政権で国民の期待に応えるべきだ。小沢さんが抜けた後を心配する向きもあるだろうが、イメージ・チェンジしか今の民主党の起死回生の道はない。

2010年1月22日金曜日

活字媒体メデイアとしての新聞:公共性の高い情報源としての存在

朝のテレビの情報番組を見ていると、ニュース源は「新聞」だ。新聞の記事を紹介することで、番組を進めている。各紙が小沢問題の疑惑を報じると当然テレビも同じ情報を流すことになり、大量の疑惑報道があふれることになる。

 これが、メデイアによる世論操作と受け止められている。しかし、今報道されている小沢政治資金疑惑報道の内容は、検察でなくても、市民団体や新聞記者なども指摘できるものであり「検察リーク」と目をむく内容なのだろうか。

 検察は起訴→裁判がある。最重要物証についてオープンに出来ないものもあるし、人権に係わるものもあるだろう。小沢さんに違法性があれば立件しなければならない義務がある。

 小沢さんにとっては、メデイアの溢れる報道は目障りだろうが、国民にとっては政治家に絡む不正疑惑報道は、公共性の高い報道であり、新聞の存在価値は大きい。

 肝心なのは、報道の受け手側の受け取り方だ。一紙で疑問を感じるときは、複数の新聞で確認する。週刊誌も重要な情報源だ。新聞での報道も、週刊誌の記事で「やっぱりそうだったのか」と理解できることが多い。

 明日23日の事情聴取の意味合いも今までとはチョッと変わってくるだろう。朝日新聞(2010.1.22)によると、市民団体「真実を求める会」が小沢さんも共犯として告発状を東京地検に提出した。今までは参考人であったが、これからは当事者になり、首謀し、主導したかどうかが問われることになる。

 小沢さんは、今までの自分にのしかかる疑惑を国の機関が検証してくれることに感謝し最大限の協力をしなければならないし、国民にとっては税金で公明正大な政治が行なわれているか、検証することになる。「検察ファッショ」だと騒ぐ必要はない。

 最近、特捜部の存在が大きくクローズアップされ、テレビで特捜部長経験者の出演が多い。皆、冷静に特捜の考え方、今後の捜査の進め方を説明している。その中で「特捜は毎日どんな仕事をしているのか」との質問に、熊崎さんが「新聞を読んでいる。いろんな新聞を」、「週刊誌にも目を通している」と言う。「街に出て情報を集めることはしない」ともいう。

 これがすべてではないだろうが、私達と同じように活字メデイアの情報に頼る場合もあるらしい。その存在価値は大きいのだ。

 健全な報道があって初めて、民主主義が保てるのだ。

政治家はメデイアを批判する前に、自らの政治活動を見直してはどうか。

2010年1月21日木曜日

小沢政治資金疑惑:辞任で幕引き?


 検察庁の任意聴取に応じると決めてから、急に「国民の理解が得られるようにしたい」と小沢さんは言い出した。意図的な違法性はないと言っているのなら、何故もっと早い段階で対応できなかったのか。内閣支持率も下落が続き、小沢さんが政治生命をかける参議院選への影響も否定できなくなった。

 ここは一旦身を退く覚悟を決めたのか。

 この事件は、検察の強制捜査に国民の批判が集まっているようであるが、検察だって本腰を入れてやらなければならない理由がある。それは政治家の不正を暴くことであるが、それに加えて、市民団体の告発事案である。妥協や不十分な捜査で不起訴にした場合に、検察審議会のチェックも受ける。2回にわたり「起訴相当」と判断されると、起訴しなければならなくなる。

 当然、捜査も十分に尽くさなければならない。あらゆる角度から違法性がないかどうかを調べなければならない。

 今回一番問題のは、政治資金規正法は、不記載、虚偽記載があっても修正申告すれば咎められないという形式犯と見られていることだ。しかし、この法律は政治家の公明正大な政治活動を国民の監視下に置く、最重要な法律であり、実際に罰則でも禁固刑で処せられる。そのことを国会議員一人一人が再認識すべきである。

 国会議員が作った法律だから、内容も相当なザル法で、そのために運用上いろんな解釈/混乱が出てくる。それを改善するには具体的事案で最高裁まで争い判断を仰ぐことだが、余りにも時間がかかりすぎることになる。

 資金の流れが問題になっているが、銀行口座での出し入れは相当分かっているはずだ。私達だって少し高額になると、身分を証明するものの提出を要求され、コピーされる。

 中堅ゼネコンからの裏献金の疑惑が持ち上がった。金額的に土地購入金額の不足分に相当するので、裏金づくりが疑われている。検察は胆沢ダム工事関係の土建会社を調べているが当然だ。

 小沢さんは、「やましいカネは使っていない」と主張しているが、ではゼネコンが「献金した」、「石川さん、大久保さんに渡した」といっている金はウソなのか。もし本当であれば所得になり脱税の疑いも出てくる。

 政治資金報告書は、国会議員であれば、一番注意しなければならないが、「秘書に任せている」「見たことがない」と発言する例には驚く。小沢さんは、田中角栄さんの裁判を全部聞いたというのであるから、記載には相当注意しているはずだ。恐らくキチンと目を通しているはずだ。

 だとすると、記載事項、不記載についても何らかの関与をしているはずだ。

 更に、小沢さんは不動産取引疑惑報道で週刊誌を訴えたが裁判では敗訴した。その不動産の所有が小沢さん個人になっていることを指摘され、急遽作成した「確認書」で個人に帰属するものではないとしたが、これが何ら法的拘束力はないのだ。なぜ公証人役場で作成しなかったのか疑問が残る。小沢さんには、どうしても蓄財で疑惑が残るのだ。

 結党/解党を繰り返す小沢さんは、党の代表であったために、それまで受けた政党助成金の残金を自分の関係する団体に寄付しているらしい。そのことも蓄財への疑問になっている。小沢さんは、この点もはっきりさせることだ。この反省にたって、自公は解散時「政党交付金の国への返納を逃れる脱法行為」を防止するために政党助成法改正案を衆議院に提出したほどだ。

 一度、小沢さんの金脈は徹底的に解明すべきである。小沢さんの辞任で幕引きでは何の解決にもならない。

2010年1月20日水曜日

小沢さんがまかり通れば、民主主義は暗澹たるものに



小沢さんが先に、検察批判をした時に、語った言葉を捩るとこうなる。



 小沢さんの足跡から日本の政治を見ると、暗い権力闘争は見えるが、明るい政治は見えてこない。明るい兆しかと期待すると、疫病神を引きずっている。



 小沢さんの傲慢さを見せつけたのは、自民党時代、経世会が総裁に誰を推薦するかを決めるとき、大先輩の宮沢さんを呼びつけて面接したことだ。絶大な権力を背景に出来たことであるが、時のメデイアは驚きの報道をした。



 自民党内で主導権を握れなかったため、党を飛び出し新進党を結党した。あのド派手なオープニングセレモニーには目を見張るものがあった。



 一度だけ、国民に束の間の希望を与えたのが、日本新党など7党会派で発足させた細川政権であったが、権力を掌握したい小沢さんとは権力二重構造を構築、旧大蔵省を取り込んだ環境福祉税や細川さん自らのスキャンダルで、あっけなく崩壊した。これ以降、小沢さんが絡むと必ず、権力の二重構造が心配されることになる。



 結党/解党を繰り返す小沢さんは「壊し屋」の異名をとるようになった。この時の政治資金の処理をめぐって疑惑が出てきたが、これが今土地取引の原資になったのではないかという疑惑が持たれている。



 民主党に吸収合併されてからも、小沢さんは相変わらず権力闘争の中にいた。合併時は「私の方からうかがわなければなりません」、「すべて民主党のやり方で」と低姿勢であったが、代表選に打って出た。



 「変化」を求めて、菅さんが優勢だった代表選で、「私こそ、変わらなければなりません」と意表つく宣言で、代表選に勝ち抜いたこともある。



 しかし、残念ながら、小沢さんは少しも変わっていないのだ。



 党首討論をやれば、自民党総裁を相手に一枚上手の論陣を張る小沢さんであったが、小沢さんで日本の民主主義が良くなった例は思い出せない。民主党代表→総裁候補として総選挙を戦い、国民の信を問うこともせず、裏で政権を操る行為は民主主義とは言えない。



 好き勝手に、わがままな権力闘争を政治のなかでやる小沢さん率いる今の民主党政権に、どうやって希望を見いだせるのか。



 国会参議院での自民党尾辻さんの代表質問での「天に恥じることがあれば、即刻辞するべきだ」との警告を鳩山さん、小沢さんはどう聞いたのか。

この民主党が、本当に国民が期待した政党なのか


小沢さんの土地取引疑惑事件で危機に立つ民主党は、情報操作があるのではないかとメデイア、検察批判を強め、「検察捜査の問題点を追求する会」のようなものまで立ち上げた。

 自分の選挙のことなどがあって民主党は村越さんをのぞいて、誰も小沢批判をせず、ダンマリ戦術を決め込んでいる。野党時代はいろんな意見が続出していた政党とは思えない変わり身である。

 国会の代表質問も当然のことながら、鳩山、小沢さんの「政治とカネ」の問題が大きく取り上げられた。政治姿勢を問うのは当たり前のことである。

 ところが、鳩山総理の答弁は「民主党代表としての答弁」に終始し、私達の代表である日本の総理としての品格が全くない。これだけの疑念が出てきて、国民の90%近い人が「納得できない」と言っているのだから、もっと他の答弁の仕方があったのではないか。

 野党の自民党から「これでは、大政翼賛会だ」という意見が飛び出すのもうなずける。

 しかし、ここに来て、反響の大きさに驚いたのか、泥沼に入り込むのを避けたかったのか、疑惑が持たれている資金繰りに説明がつく目処が付いたのか、小沢さんは検察の任意聴取に応じることにしたらしい。国会も開会し逮捕される心配がなくなったことも一因ではないか。

 これ程までに、大きな問題にしたのは小沢さん自らの姿勢にある。任意聴取にすんなり応じていれば、もっと違った展開になっていたのではないかとも思う。

 あれほど、野党時代は「政治とカネ」の問題で、追求の声を上げていた民主党がどうしてこんな体たらくになったのか。

 鳩山さんは「秘書の責任は政治家の責任」「私だったらバッジを外す」とまで言っていた
が、自分の疑惑については「検察の捜査で、自分の関与はなかったことが証明されているものと思う」と答弁し、小沢さんに「どうぞ戦ってください」と言った真意は「日本の政治の変革に向かって共に戦うことを了とした」という。

 今の状態は、悪い方向への変革になっていないか。

 国民は、こんな政党をフレッシュと考え、政権を託したのか。何故か自民党議員の発言に「真っ当さ」を感じる。

2010年1月19日火曜日

政治改革:小沢さんのような国会議員を排除するために


自民党の悪しき金権体質を未だ引きずっているらしい小沢さんの政治活動に驚くが、政治に「クリーンさ」を要求しても、なかなか達成できない。政治の貧困と言って諦めるモノでもない。

 足尾鉱毒事件で被害者の救済に生涯を尽くした田中正造も「国民監視怠れば 為政者盗人になる」と警告したのは、今から100年以上前だ。政治家や官僚の不正、利権に群がる者達への警鐘であった。

 今日の本会議を見ても肝心なところで退場する小沢さん、「今まで多くの議員が疑惑を持たれたが、無罪になった人が沢山いる」と発言する赤松さん、「特捜も説明責任がある。何を事件にしているのかわからない」という国家公安委員長の中井さんの発言に至っては驚く。一方説明責任の必要性を訴えたのは、前原さんだ。

自民党参議院議員会長の谷川さんが「国民はよくこんな議員を選んだなと呆れる」と、民主党が「検証する会」を発足させたことを批判した。

 安月給の私設秘書、国が支給する公設秘書手当から政治献金を強制される秘書、政治資金集めに苦労する議員がいる一方で、20人にも及ぶ秘書軍団を抱え自分の子分を増やすことに余念がない小沢さん、政界はいろんな人種が入り乱れている。

 官僚主導から政治主導へ、小沢さん好みの国会改革も進められているが、まず政治改革をやるべきだ。

 毎年300億円以上の税金が拠出される政党助成金は廃止すべきだ。小沢さんにはこの政党助成金の処理疑惑も大きくのしかかっている。今回の土地購入疑惑でもこの政党助成金が絡んでくると、問題は大きくなる。党運営の8割を政党助成金に頼っている政党もあるが、10数年前はなかったし共産党は受けていない。

 世襲制も禁止すべきだ。親から地盤、看板、カバンを非課税で相続できるなんておかしい(政治だから良いのだという理由はない)。憲法の「職業選択の自由」に反するのではないかと言うが、何もないところから立候補しようとする新人と比較すると公平感に欠ける。意欲のある新人を発掘する機会を失うことの方が大きいマイナスだ。

 今、注目されている政治資金規正法は、議員の公明正大な政治活動を国民が監視するものであるが、国会議員が作った法であるためにザル法だ。政治への監視を続けるNPO等が独自に改正案を作り、議員立法で国家へ提出したらどうか。ザル法であることが疑惑を大きく、複雑にしている。政治資金で不動産を購入しているのが小沢さんだけというのも不思議だ。小沢流の勝手な法解釈をしているのか。

 有権者も意識の改革が必要だ。国会議員の堕落は、有権者の堕落が原因だ。イベントや辻立ちが主たる政治活動であってはいけない。握手した人数が重要なファクターだなんて呆れる。候補者の政策を最優先し、国民の代表者を選ばなければならない。

 さらには、有権者(国民)が利権を求める行動は止めるべきだ。民主党の陳情のやり方を幹事長室に一本化したことは、族議員をなくすことに役立つかも知れないが、民主党が支持団体を独占する構図が出来つつある。

 小沢さんは、民主党の票集めに利用しているのだ。これでは自民党は干し上がってしまう。健全な政権交代の可能な二大政党制など出来るはずがない。理想的政治家でない小沢さんが進める理想的政治とは、この程度の改革なのだ。

 これからの選挙には、政治改革を約束する候補者を選びたいものだ。

 国民の政治への監視を強化するために、各地域で活動するNPO法人にはがんばって欲しい。

検察vs小沢:今のままでは小沢さんは不利

小沢さんの土地取引疑惑問題は、硬直した状態にある。
 小沢さんは、地検の任意聴取にも応じず、厳しい質問のない党大会や記者会見では強気の地検批判を繰り返すが、一向に「なるほど、そうだったのか」、「やっぱり、そうだったのか」の判断が出来ない。

 関連情報が増えるに従い、「検察の世論操作では」との批判も出ているが、関係者の話としながらもメデイアの独自取材、取材源の秘匿もある。

 小沢さんは、党大会でも、いままで捜査には協力してきたとして検察のやり方を激しく批判し協力の経過を説明したが、検察はそれでも「資金源について」小沢さん自らの聴取が必要としている。

 私もそう思う。特に小沢さんには「政治とカネ」では、黒い噂が付きまとっている。「クリーンさ」を要求される民主党にあっては、ここは小沢さん自ら説明すべきである。それが国民の支持を得続けられるかどうかのポイントになる。

 今の小沢さんは、悪徳業者まがいの姿勢である。「弱い犬ほど良くほえる」の例え通り、以外に小沢さんは小心者で、周りに大勢の支持者がいなければ不安だから、幹事長職も手放さないのだろう。

 鳩山さんは「民主党内に反対意見が出ないが」との質問に「小沢さんを信じて、一枚岩になっている」と与党vs検察の構図にもっていった。総理発言に批判が大きくなってきたため、最近は発言を軌道修正しているらしい。「これが私達の選んだ総理なのか」と思うと情けない。

 ところが、小沢さんの発言も少し変わってきたかのように思える。

 昨日の福井での記者会見では「出来る限り、公正な捜査に協力し、早い機会に国民の理解出来る結論を得て・・・」と殊勝なことを言っている。90%もの国民が小沢さんのいままでの対応に納得できないとの世論調査も出てきた。検察の任意聴取に応じる考えに変わったのか。
 
 兎に角この事件は、小沢さんがしっかり説明すべき疑惑である。そうでなければ、小沢さんの政治生命のみならず、今はまだ政党支持率は高いが、民主党の存在自体にも疑問符が付く。
 現状では小沢さんは不利なのだ。

2010年1月18日月曜日

小沢幹事長土地取引疑惑:高まってきたメデイアの世論操作への危惧


小沢さんの土地取引疑惑事件で、現職国会議員を含む関係者3人が逮捕されたことで、疑惑に関するメデイアの詳細な報道が増え、小沢さんへの批判が高まる結果を目前にして、世論操作の危険を訴える声も出てきた。

 情報番組のコメンテーターに一部にメデイア報道の「行き過ぎ」を心配する人も出てきたが、この人だって、最近までは「疑惑あり」の発言をしてきたのだ。コメンテーターなんて一概に信じてはいけない。

 メデイアが作り出す世論は、関係者のリーク→メデイア報道→世論形成となるのだろうが、情報量が増え、注目度が上がれば当然のことだ。

 問題は情報の受け手側にもある。

 情報を流しているのは誰か。新聞報道では、「関係者」とあるが、本当はどんな関係者なのか。メデイアは、検察なのか、容疑者なのか、ゼネコンなのかあるいは党関係者なのか区別して報道しているように見えるが、検察は国家権力だから検察が流してと思われる情報は、特に注意すべきなのだろう。

 多くのメデイアの情報を比較しながら考える人もいれば、忙しいので新聞記事のタイトルやテレビの画面をチラっと見ただけで判断する人もいるだろう。

 しかし、今回の小沢さんの疑惑事件もそうだが、憶測を絶ち、国民に正しい情報を流すには、該当する本人が「説明責任」を果たすことだ。小沢さんが説明責任を避けていることに世論操作の最大の責任がある。

 そうでない場合にどうするか
 
 「政治家の人権を犠牲にしてでも不正を撲滅するか」、「メデイアの世論形成を危惧し、政治家の不正に手加減を加えるか」の選択になる。

 政治家は公人だ。公人である以上は不正行為など疑われるようなことはやってはいけないし、人権もある程度犠牲になる。嫌なら政治家にならなければいいのだ。小沢さんも蓄財がしたいなら、国会議員を辞してからやるべきだ。

 今回の土地取引に関する疑惑事件は、小沢さんがまず説明責任を果たすことだ。
 小沢さんにとっては、親からもらった資金なのに、どうして鳩山さんは上申書の提出で幕引きになるのかという疑問もあるだろう。

 そこは、検察が説明する責任がある。説明不足が疑惑を大きくし、メデイアによる世論操作の危険を醸し出す。

2010年1月17日日曜日

民主党大会:自分のことしか考えない政権トップ2人の判断の甘さ


「新鮮さ」「クリーンさ」「何かが変わる」、大きな期待で政権交代を実現したはずだったが、小沢さんの「政治とカネ」、土地取引に関する疑惑への判断で一気に危機に直面し、性政権の闇の部分があぶり出された感がする。

 民主党大会での小沢さんの幹事長続投は、政治家としての政治倫理をどう考えているかを問う結果にもなった。

 17日の大手新聞各紙は社説で、「首相も党も一丸の異様(朝日新聞)」、「説明欠く続投は許さぬ」(毎日新聞)、「小沢氏の責任は極めて重い(読売新聞)」と論評し、小沢批判が影を潜めた民主党大会、一向に説明責任を果たせていない小沢さんに監視の目を向ける。

 小沢さんは、地検特捜部に対する積年の恨みをはらすためにも、「徹底的に闘う」「何らやましいことはやっていない」と語気を強め、一方鳩山さんは「信じています」「戦ってください」と我々の総理であることを忘れたかのような「うかつな発言」を繰り出した。先の西松事件の時、2人して「国策捜査」と批判した構図と似ている。

 こう言うのであれば、指揮権発動でもして、2人一緒に議員辞職に追い込まれた方がすっきりする。

 民主党大会で、鳩山さんがどんな挨拶をしたのか知ろうと朝刊(17日の朝日、毎日、読売)を見たが、小沢さんの挨拶は掲載されていたが、鳩山さんの挨拶は掲載されていなかった(16日の夕刊は見ていない)。党代表の挨拶が割愛されたとは、低く見られたものだ。

 小沢さんは、「形式的ミス」「個人の資金」と相変わらず同じことを繰り返すばかりであるが、この程度の説明で小沢さんの疑惑が説明出来たという民主党議員がいたが、国会審議もこの程度かと思うと心配になる。

 鳩山、小沢の政権トップ2人は、事あるごとに「国民の皆さんのため」と力説するが今回の判断は、小沢さんは検察と戦う為には「大きな力の背景」が必要であるし、鳩山さんは「総理の座」を死守するためには、小沢さんを頼らざるを得ない。

 2人は、「自分の利」のために、公党を利用し行動しているだけだ。

 今、民主党は「政治とカネ」の問題を、緊急を要する「予算審議」「法案審議」にすり替え、予想される国会冒頭からの混乱を回避しようとしている。

 今回の2人の判断は、民主党のイメージダウンに大きく影響した。私達は、政治の「小沢頼み」の危うさをしっかり認識すべきだ。

2010年1月16日土曜日

小沢さん続投で、鳩山政権に明日はあるか


大方の予想通りと言って良いのか、予想を裏切ってといった方がよいのか、小沢さんは幹事長を辞めず、検察と闘っていく姿勢を明らかにした。

 記者会見で曰く、「土地購入で石川らが逮捕された。形式的ミスでの逮捕で検察と闘っていく。計算や記載ミスについては訂正や修正で許されてきたが、党大会にあわせた逮捕は容認できない」と言い、「土地の購入で、不正な献金が使われたわけではなく、個人の資金であり、銀行口座を調べていけば分かる」と言い切った。

 更に「こういう事態になったことは非常に残念なことで、国民の皆様にお詫びしたい。献金を隠した訳でもなく、裏献金をもらったわけでもない」とも言う。

 この状況下でも、鳩山さんは「小沢幹事長を信じている」と言うし、小沢さんは「総理の気持ちを自らの支えとして全力投球する」とすることを主張した。

 厳しい追及を受けない会見では、流ちょうにコメントするが、今までの考えを繰り返しただけで、秘書が逮捕されたことに対する管理責任、さらには政治責任に対しては自ら疑惑を晴らす意思はなさそうだ。

 違法献金のマネーロンダリング、土地代金支払いでの操作、政治資金規正法での虚偽記載あるいは不記載に対する小沢さん自らの関与の有無は、これからの検察の操作に委ねられる。

 しかし、またしても鳩山さんは、脱小沢のチャンスを自ら潰した。もうどう考えても鳩山内閣の支持率は、下がることはあっても、上がることは期待できない。

 これを機に「ストップ・ザ民主」の風が吹き荒れれば、「ねじれ国会」の状態は継続するだろうが、かえってその方が、健全なのかも知れない気がする。

自民党は、本当に死ぬしかないのか


 鳩山さん、小沢さんは窮地に立ったとき、必ず「国民の皆さんのため」を連発する。国民のために一生懸命政治に取り組んでいることを訴えたいらしい。しかし、今の民主党のこの2人に「国民の皆さんのため」など行って欲しくない気持ちだ。

 一方、野党に転落した自民党は、本当にどうしようもない政党になっているのか。「政治とカネ」の問題で小沢さんの責任を追及するPTを発足させたのはよいが、この問題だけで自民党が立ち直れるとは思えない。

 ところが、自民党に関する報道は、夏の参議院選での高齢の立候補/公認をどうするか党内で揉めているなど、自民党が先の衆議院選で敗北した原因が未だ分かっていない。高齢の候補者が民主党の若手、女性候補者に敗れたり、接戦になったり下のは、小沢さんの候補者発掘が上手だった面もあるだろうが、有権者は「新鮮さ」を求めたのではなかろうか。

 今の自民党は、反対に「新鮮さ」の欠ける候補者の扱いに右往左往している状態だ。

 さらには、世襲制の禁止、世代交代を思い切って進めるチャンスなのだ。そして「クリーンさ」を出すことだ。今、民主党は「クリーンさ」に躓いている。国民は「何かがが変わる」と期待していたが、自民党以上にダーテイーさが目立ってきた。反転攻勢のきっかけにしなければならないのだが・・。

 そして、何よりも大切なのは、政策戦略がどうなっているかだ。普天間基地問題では、自民党幹部から批判の声が聞こえるが、他の政策課題では、何らメッセージが聞こえてこない。民主党はマニフェスト違反の追求で窮地に立っている。現実を重視すれば自民党政権時代の政策の妥当性もあったと思うが、どうして自民党は」主張しないのか。

 逆に考えると、「自民党の政策はダメだったのか。ダメな政策をどうして掲げたのか」と問いたくなる。

 谷垣さんは、広く国民の声を聞く必要があると判断して、「歩く。聞く。応える」をスローガンに全国行脚をスタートさせたはずだ。そこで何を吸収し、政策に活かそうとしているのか。

 情報の発信がなければ、メデイアは離れていくばかりだ。そうでなくても地味な谷垣さんにとっては、国民に向かってメッセージを発信し続けなければならない。
 そして、通常国会は波乱が予想される。自民党も早く体制を整えて、国民の支持を得るため、キチンとした方針を示さなければならない。

 小沢さんの陳情改革などで、自民党は支持団体を失う環境にある。政権をとった党に群がる団体があるのは、まだ利権を狙ってのことだ。こんな国民意識では本当の政権交代の可能な二大政党制などほど遠いが、仕方ないことだ。

 まず自民党は生まれ変わる姿を国民に見せるべきだ。それが第一歩だ。

小沢金脈の徹底解明を


小沢さんやメデイアは小沢さんの力を過大評価しすぎていたのではないか。
 事件解明には、物的証拠を確保する子おtが大切であるが、糺問主義と言って問いただすことも重要なのだ。しかし、小沢さんは地検の任意聴取の要請に「応じられない」と頑なに拒否している。

 一向に疑惑が解明できないので事件の関係者に強制捜査が入るのは当然だ。国権力の横暴などと批判する向きもあるが、要は疑惑の解明に為には仕方なかったことだ。

 ただの形式犯だと見られている政治資金規正法の目的は「この法律は議会制民主主義政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の責務の重要性に鑑み、政治団体及び公職の候補者により行なわれる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行なわれるようにするため、政治団体の届け出、政治団体に係わる政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係わる政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより政治活動の公明よ攻勢を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」とある。

 小沢さんは、形式犯だと安易に考えているが、法の目的をしっかり読めば、政治活動上最重要な法律である。決して安易に考えてはいけない。

 「クリーン」を売り物にしているはずの民主党NO1の幹事長が悪しき自民党の金権体質をそのまま受け継いでいたことに違和感を感じる人は多いはずだ。

 鳩山さんの決断力の無さに支持率が下がり、参院選を戦うことが難しい場合は総理のすげ替えが話題になったが、何のことはない小沢さん自らの「政治とカネ」の問題で小沢さん自身が身を退きかねない状態になったことは皮肉なことだ。

 こんな人間が、「理想的政治」を標榜し国会改革を目指すなんて、お笑いだ。小沢さん、「まず、貴方が変わらなければならない」のだ。

 小沢さんは、常に政界の中枢にいて、良きに付け、悪しきに付けキーパーソンであった。

 しかし、ここに来て小沢さんの金脈を解明し、田中―金丸―小沢の悪しき金権体質を葬り去り、「脱小沢」で本当の民主政治を目指して欲しい。

 「国民の皆さんのため」と言うのであれば、まず2人が政治姿勢を正すべきである。

2010年1月14日木曜日

価値観を変え、チョッと高めの商品を選んでみないか




デフレ脱却は容易ではなさそうだ。企業の収益が減れば雇用調整、人件費の削減で家計に大きく影響することは分かっている。しかし、安くしなければお客が集まらないのが現状だ。

 値引きして集客を試みるが、お客は値引き品しか買ってくれず、店の売り上げに貢献しないとスーパーの店長はぼやく。一方、銀座にも安売り店が進出し、客を集めているが、高級ブランド店は閑散としており、ドアマンが付いているので、ますます入りにくい。

 ユニクロでは、ネオレザーでキャンペーンを張っているが、昨年末6000円でおつりが来たが、今度は期間限定で5000円でおつりが来る商品を出した。私もフリーズのきっかけを作ったシャツを色変わりで3着(1着1000円だった?)買ってみたが、首周り、手首周り、胴回りがしっくりいかず、結局余り着ずに破棄した。家内は「若者に良いのよ」と言ったが、ブームは既に去っている。

 ズボン(パンツ)も通販で1本6900円ぐらいの物を愛用しているが、毎日穿くので裾がすり切れたり、汚れが落ちなくなり棄てることになる。ところがタンスの中に以前買ったメーカーのブランドのズボンが見つかって穿いてみた。今でも十分穿けるし、材質が綿100%だから寒い朝のはき始めも暖かい。今では再び愛用することになり、家内は「今度クリーニングに出そう」という。今の安い商品を着る余り、昔のブランド品の良さを忘れていた。

 低価格商品もそれなりに良いが、チョッと価値観を変えて高めの商品をブームに関係なく、永く使うことも良いのではないか。

 家具も同じことが言える。

 訳あってベッド、パソコンデスク、本棚、テーブルを揃える必要が出てきた。低価格ではニトリ、IKEAを見て回った。シンプルなデザインで価格も高い商品もあったが、どうしてもライフスタイルに合わない。他の店はどうなのかと高級ブランド店(?)へも行ってみた。

 揃えられた商品の数が圧倒的に多く、ベッドも固め、柔らかめ、その中間と自分で寝ころんでみて、値頃で良さそうな商品を選ぶことが出来る。パソコンデスクも天板にスチールパイプを付けた物でなく、しっかりした机で組み合わせることが出来る。本棚も結構イメージにあった物が見つかった。

 価格は確かに高めであるが、好みにあった、チョッと豪華さを味わえることが出来、「まずまずの買い物だったね」と家内も満足している。

 低価格は、生産は東南アジアで、日本に輸入販売しているが、自社ですべてをやっている。お客はカートに商品を入れ、持ち帰り、自分で組み立てることにより、コストダウンをしていることは分かる。

 しかし、今回の買い物は、国内のメーカー品なので、買えば国内の生産者が潤うことになる。メーカーの販売員もいるので、商品の説明を聞き、お買い得感、商品の特徴に満足することも出来る。商品にもよるが、標準価格と売値があり、約40%の値引き品もある。「「値下げしました」とPRすれば良いではないか」と問うと、「うちではそれが出来ないんです」と困惑する。

 そのチョットした満足感など、考え方を少し変えて高級品(?)を買うことも考えてみたらどうだろう。昔、やはり安売りの時代があったが、その時、一点豪華主義の考え方が出てきて高級品も売れたことがある。安物は必ず飽きるのだ。

 安物を買って、直ぐ飽きて棄てるのではなく、少し高めの商品を買ってブームに関係なく、永く使用する。こんな消費生活はどうなんだろうか。

どんなことが脱デフレのきっかけになるのか、興味のある所である。

2010年1月13日水曜日

小沢さんの土地取引の疑惑を確信した


小沢さんは、検察と駆け引きをしているのだろうか。12日の会見は「意図的の法律に反するようなことはやっていないと信じている」と贈収賄疑惑を否定している。

 単なる形式犯で、ミスを訂正すれば解決すると主張するのであれば、どう訂正するのか説明出来るはずだ。それが出来ないと言うことは逆に「容易に説明出来ない」何かが裏にあると言うことを確信できる会見であった(親小沢派は別として)。

政権与党の幹事長であり、国会議員である前に一人の国民である。一般国民はやらない「駆け引き」をしているとすれば言語道断である。私達の代表者としての資質に欠ける。

 今までの小沢さんの政治資金規正法違反事案に関する報道は、検察側の情報であったとしても、カネの流れには小沢さん本人の承諾、署名などがいったはずだ。本人が一番事情を知っているとしか思えない。

 どうすれば小沢さんの疑惑を解明できるのか。

 元秘書の石川さんや大久保さんを再聴取すると言うが、関係事務所などの家宅捜索を早くやらなければ、重要資料が隠され、ますます解明がしにくくなるのではないか。おまけに通常国会を目前に控えて、国会議員の不逮捕特権も小沢さんや石川さんに利する。

 小沢さんは多忙そうだが、参院選候補者の掘り起こしや囲碁の対局が政治資金疑惑解明に優先する仕事なのか。

 小沢さんは、12日群馬県高崎市で、小寺前群馬県知事を参院選比例区で立候補を正式に表明する記者会見に同席した。私も県知事選では小寺さんに投票してきたが、こんな小沢さんに評価された候補者を今回は支持することは出来ない。

 しかも小寺さんは、八ッ場ダム建設で地元推進派と協調し推進した県知事だ。川原湯地区の移転先に行くと、墓地も移されていて対策委員長だった萩原好夫さんの墓に書名されている。それなのに、建設を中止する民主党の公認を受けるなんて有権者にどう説明するのか。

 知名度があれば票が取れる小沢さんの候補者選考基準に納得がいかない。節操のない小寺さんにも失望する。
 小沢さんは、最優先で地検の疑惑解明に応じるべきである。

新聞の衰退が、政治への監視を怠ることになるのは確かだ




もう50年近く新聞を読んでいると、「新聞がなくなったらどうしようか」と考える。勿論インターネットで新聞社の無料ニュースサイトも閲覧しているので、新聞がなくなればネットのニュースサイトを見ることになるのだろう。

 紙の新聞の状況は厳しい。広告収入に影響する発行部数を多くするために「押し紙」が横行している。販売店に新聞を下すが、直ぐに回収する割合が10~15%あるらしい(あるいはもっと多いかも)。

 新聞広告収入は、ピーク時の70~80%位に落ちている。ネットは閲覧者層が絞れるので効率的に広告が打てるメリットが大きいらしい。私のような人間は、店で実物を確かめて購入するので、ネットで物を購入するようなことはしない。まだまだ信用が出来ないからだ。

 米国では「紙の新聞は死んだ」と言われているようで、多くの地方紙は廃刊になっているし、ニューヨーク・タイムス紙など大手新聞は紙からネットへ経営の重点を移そうとしている。しかし、ネットのコンテンツは無料が常識になっており、経営のことを考えて有料にするかは大きな問題であるらしい。

 我が国でも日本経済新聞がネットでの有料化を検討しているらしいが、結論は出ていないようだ。産経新聞が月1980円で有料ニュースサイトを公開していたはずだと思って、産経新聞のHPを開いたが、その有料ニュースサイトが見あたらなかった。うまく行かなくて撤退したのだろうか。

 有料となると月1980円の料金は目安になるのだろう。これで優秀な記者を雇用出来、質のよいニュースが配信できればよいのだが、無料という意識が強ければビジネスとしてはなりたたない可能性もある。

 そうはいっても、新聞にはがんばってもらわなければならない。

 NHKクローズアップ現代「新聞 押し寄せる変革」(2010.1.12)を見ていて痛感した。米国のジャーナリストのコメントは、我が国でも言い当てている。

 新聞が読まれなくなった結果、「投票率の低下」「候補者の減少」が現れてきたという。我が国でも、若者の新聞離れは現れており、若者の投票率は低下、無党派層が50%近くまでなったことがある。更に各政党は候補者の掘り起こしに苦労している。得票を挙げようと思えば、名前の知れた有名人になるが、政治家として役立つかは疑問だ。それでも見つからないときは元職、前職が候補者になる。これでは、有権者に飽きられる。

 そして、新聞の大きな役目は、「政府を監視すること」で、このままジャーナリズムが崩壊すると米国は汚職天国になると指摘されているが、我が国だって例外ではない。

 長年の自民党政権下での族議員の跋扈、呆れかえるほどの官僚の省利省益行動、国の財政を蝕む税金のムダ遣いなど上げたらきりがない。経営難にある毎日新聞の社長が「記者クラブでの会見の内容で記事を書くような記者はいらない」と言うように、政府とのなれ合いでは、政府を監視できない。

 今一番おかしいのは、政権与党の総理、幹事長2人が巨額の政治献金疑惑の渦中にあることだが、鳩山さんの疑惑を許そうとする考えが国民にあることだし、小沢さんの献金疑惑は場合によっては贈収賄にもなりそうであるが、追求はままならない。12日の会見でも「計算上のミスはあったかも知れないが、意図的に法律に反するようなことはしていないと信じている」と繰り返すばかりだ。地検特捜部の徹底的な事件解明が期待される。

 発生している政治への国民の不信は、新聞、ジャーナリストの監視が十分でなかったことにあると言えるのかもしれない。
写真(左) 「紙の新聞は死んだ」 経営の悪化、地方紙の廃刊が続くアメリカ
       2010.1.12 NHKクローズアップ現代より
写真(右) 田中正造 100年前に「国民監視怠れば、為政者盗人になる」と警告している
       田中正造記念館

 いみじくも、足尾鉱毒事件で被害者の救済に生涯を捧げた田中正造が、「国民監視怠れば、為政者盗人になる」と警告したのは今から100年ほど前のことだが、一向に日本の政治は変わっていないのだ。

 日本の新聞がなくなることは考えられないが、しっかり新聞を読んで、政府を監視しなければならない。

2010年1月11日月曜日

小沢さん 国民に説明責任を果たすか、身を退くべきかだ




小沢さんの土地取得の原始に対する疑惑報道が後を絶たない。関係者(勿論、検察側か)の話として、問題のポイントを指摘する記事を毎日目にすることになる。読売新聞(2010.1.11)の世論調査を待つまでもなく、小沢さんの説明責任は果たされていない(91%)のは確かだが、強面会見では、記者の追求も腰砕けになる。

 小沢さんは、「今まで、十分に説明してきた。これ以上何を言えというのか」というコメントを最後に、ダンマリを決め込んでいる。窮地にかかれば、無言でマスクをする始末である。

 一連の小沢さんの疑惑報道をどう見るのか。

 こういう点が不明確なので、十分説明するべきだという検察からのメッセージで、最後は幕引きとなる説と、秘書だった石川さんや、大久保さんが否定あるいは明確に応えていないが、検察はここを重要視しているという対決姿勢の現れと見る説が考えられる。

 「何も、やましいことをやっていない」のであれば、直ぐに説明できるはずだが、弁護士を雇って対応するに及んでは、「何か背後にあるのでは」と疑いたくなる。自民党幹事長、結党、解党の繰り返しと長年の政治資金との付き合いがあれば、当然疑惑も出てくるだろう。

 しかし、こういう問題が持ち上がったときの常套手段は、任意段階では「知らない」「やましいことはない」とコメントすることだが、いざ強制捜査になると、うってかわって疑惑を認めることだ。

 小沢さんが逮捕されることがあるかどうかは分からない。贈収賄の疑いが出てくれば可能性はあるが、政治資金規正法は形式犯の軽い法律と見られているが、公明正大な政治活動を行なうには重要な法律である。規正法に違反することは、政治家倫理に係わることで、それ自体が政治家の資格を欠くことだ。

 そんな人間を代表者として国会に送ること自体、有権者の資質が問われる。小沢さんを制するのは岩手県民でしかない。

 この案件は、市民団体が告発した案件である。検察はしっかり解明し、国民の期待に応えるべきである。それが出来なければ、検察は信用を失することになり、政界の浄化は難しくなる。
それにも増して、国民は「政治が変わる」ことを期待して小沢さん率いる民主党を選んだのだが、何のことはない旧態然とした政党にがっかりだ(勿論、多くの人はその懸念を抱いていたが・・)。

これを機会に、小沢さんは一旦身を引き、小沢抜きの政権与党の力量を見せてほしいが、どうだろうか。非小沢系議員ががんばって、試行錯誤しながら政治の仕組みを変え、脱官僚/政治主導の布石がうてないものだろうか。

兎に角、自民党政権に変わって何が出来るか、権力闘争ではなく、政策で競って欲しい。

小沢さん 国民に説明責任を果たすか、身を退くべきかだ




小沢さんの土地取得の原始に対する疑惑報道が後を絶たない。関係者(勿論、検察側か)の話として、問題のポイントを指摘する記事を毎日目にすることになる。読売新聞(2010.1.11)の世論調査を待つまでもなく、小沢さんの説明責任は果たされていない(91%)のは確かだが、強面会見では、記者の追求も腰砕けになる。

 小沢さんは、「今まで、十分に説明してきた。これ以上何を言えというのか」というコメントを最後に、ダンマリを決め込んでいる。窮地にかかれば、無言でマスクをする始末である。

 一連の小沢さんの疑惑報道をどう見るのか。

 こういう点が不明確なので、十分説明するべきだという検察からのメッセージで、最後は幕引きとなる説と、秘書だった石川さんや、大久保さんが否定あるいは明確に応えていないが、検察はここを重要視しているという対決姿勢の現れと見る説が考えられる。

 「何も、やましいことをやっていない」のであれば、直ぐに説明できるはずだが、弁護士を雇って対応するに及んでは、「何か背後にあるのでは」と疑いたくなる。自民党幹事長、結党、解党の繰り返しと長年の政治資金との付き合いがあれば、当然疑惑も出てくるだろう。

 しかし、こういう問題が持ち上がったときの常套手段は、任意段階では「知らない」「やましいことはない」とコメントすることだが、いざ強制捜査になると、うってかわって疑惑を認めることだ。

 小沢さんが逮捕されることがあるかどうかは分からない。贈収賄の疑いが出てくれば可能性はあるが、政治資金規正法は形式犯の軽い法律と見られているが、公明正大な政治活動を行なうには重要な法律である。規正法に違反することは、政治家倫理に係わることで、それ自体が政治家の資格を欠くことだ。

 そんな人間を代表者として国会に送ること自体、有権者の資質が問われる。小沢さんを制するのは岩手県民でしかない。

 この案件は、市民団体が告発した案件である。検察はしっかり解明し、国民の期待に応えるべきである。それが出来なければ、検察は信用を失することになり、政界の浄化は難しくなる。
それにも増して、国民は「政治が変わる」ことを期待して小沢さん率いる民主党を選んだのだが、何のことはない旧態然とした政党にがっかりだ(勿論、多くの人はその懸念を抱いていたが・・)。

これを機会に、小沢さんは一旦身を引き、小沢抜きの政権与党の力量を見せてほしいが、どうだろうか。非小沢系議員ががんばって、試行錯誤しながら政治の仕組みを変え、脱官僚/政治主導の布石がうてないものだろうか。

兎に角、自民党政権に変わって何が出来るか、権力闘争ではなく、政策で競って欲しい。

2010年1月5日火曜日

地下500mで、約2億年前の岩石との出会い




群馬県下仁田町は、中央構造線が東に延びる大断層が露出し、町中を断層が走っている。地質学的にも面白い場所で、今年、「ジオパーク下仁田」の申請を進めている。そこから車で30分の上野村で地下500mに約2億年前の岩石に触れることが出来るというので、元旦に見学した。

 上信越道下仁田ICから約40分、南牧―上野線を上野村に向かう。湯の沢トンネルを越え、しばらく走ると上野村ふれあい館が左手に見える。ここに東京電力神流川発電所の見学ツアー・ステーションがある。

 あの日航機事故のあった御巣鷹山の尾根沿いの山の中に東京電力が、地下揚水式発電所を建設し、上部ダム(南相木ダム)から約1400mにわたり直径2~8mの導水管を通し、下部ダム(上野ダム)に落差約650mで水を流し途中でポンプ水車を回し、発電する。

 今は、発電機1基で47万kWを発電して15万世帯分の電気を供給できるが、2基目を工事中で、最終的には6号機まで設置し、最大出力282万kWの規模になるという。

 見学ツアー・ステーションで、ビデオ撮影は禁止、所内の写真も個人で記念写真にするのはよいがインターネットで流すのは禁止、手洗いは緊急時以外はダメなので、すましておくようになどの注意事項を確認、見学バスで発電所に向かった。

 発電所に入るトンネルの前には、シャッターが閉まっていて、富岡市にある管理事務所で遠隔操作で開閉される。安全のためと野生動物が入ってくるのを防止するためらしい。

 トンネル内を約2km程走るが、道路幅、傾斜は設備類を搬入する為の大型トレーラーが走行できる設計になっている。前進(まえ)するときはクラクションを2回、後進(うしろ)するときは、3回ならして周囲に知らせるルールがあるという。

 バスを降り、シャッターが開くと、薄暗い広大な空間が目に入った。高さ52m、幅33mの大きな空洞が2カ所、地下500mになる。薄暗く、スポット照明が007の映画のシーンに格好の地下空間に見える。

 上部からトンネルを堀、岩石を爆破しながら下へ掘り下げていく。山体の圧力対策ではPSアンカーを打ち込んでいるとビデオが放映されていた。
 そして、念願の約2億年前の岩石層に触ることが出来る。直径30cm程ののぞき窓が3カ所設けられ、写真を撮ったり、手で触ることが出来る。ここの地質は砂岩の主体岩と礫岩、泥岩、玄武岩の混在岩から成り立っているようだ。砂岩は古生代二畳紀~中生代三畳紀(約3~2億年前)の地層だ。ボーリング・コアも展示され、上下にどうなっているかが分かる。この時期は、ペルム紀とかジュラ紀と言われ、まだ日本列島の形は出来ていない頃だ。

 いつも巨大な土木工事には驚かされる。この工事現場でも、長さ1000m、勾配48度、内径8mの導水管トンネルをTBM(トンネルボーリングマシン)で下方から一気に掘り上げていったと言うが、勿論国内初だ。

 昼間、電気の必要なときは、上部ダムから水を落とし発電し、電気需要の少ない夜間に下部ダムから上部ダムへ揚水するようになっている。これを電気を貯めると説明されていた。

 この揚水式発電は、3秒という短時間で立ち上げ出来ることが特徴で、電気のピーク需要に対応しているという。

 日本列島の誕生と日本の土木技術のレベルの高さとともに、エネルギー確保の大変さと省エネの必要性を実感できた元日だった。
写真(左) 見学ツアー・バスで、トンネル入り口へ 赤と白の格子戸のシャッターが下りている。安全確保と野生動物の侵入を防止するためらしい。遠隔で操作されている。
写真(右) 地下500mにある、約2億年前の岩石層ののぞき窓から砂岩を触ることができる
所内での写真は、個人で記念に使うことはできるが、ネットで流すことは禁止されている。
この写真は、パンフレット「神流川ジオイーサイト」から

これが望んでいた「政権交代」なのか




 民主党政権の姿がだんだん明らかになってきた。これが本当に私達が求めていた「政権交代」なのか。先の総選挙では、得票数比例以上の議席を確保し、小沢さんは多数の国会議員を引き連れての恣意行動を展開し、権勢を振るっている。

 不安に明け暮れる2010年が始まった感じだ。

 先の民主党代表選で、岡田さん優勢の大方の予想を覆し、鳩山さんが代表→総理の座に就いた。案の定、小沢さんとの権力二重構造が出来、小沢さんの思うままの政局運営が始まった。

 鳩山さんは「何とかマニフェストに沿った政策運営」を心がけているようだが、小沢さんは夏の参議院選があるため、「マニフェスト違反はやむを得ない」と言うことか。バラマキ予算、陳情処理による支持団体の強化も図っている。自民党は支持団体からも見放され再建どころか、解体への道を歩んでいるようにも思える。

 民主党は野党時代に自民党政権の政策に反対の一辺倒だった。当然のこと政策も180度転換したモノだが、政権に就いた途端に現実問題が大きくのしかかり、理想政治も吹っ飛んでしまった感じだ。

 税収減も相まって、予算編成では財政出動か、財政規律か。景気対策では需要サイドか、供給サイドか。根本的な政策の転換が問われる。

 政治運営も「政治主導」へ大きく舵を切ったが、肝心の国家戦略部門が未整備のために十分には機能せず、政務三役の仕事ぶりも良いニュースは伝わってこない。70人から100人に増員すると言うが、民主党内での権力の集中化もあり、本当に国民目線での政治が出来るのか。

 なんと言っても問題は、国会での審議が十分に為されないままに、「国民から信を得たマニフェストに書いてあるとおりに政策を推進している」では、説得力がない。国会で与野党が論戦を張って初めて政策の内容が明らかになるのだが、党首討論も逃げた先の臨時国会では、政策論争は不十分であった。今度は鳩山政権も逃げるわけにはいかないだろう。

 通常国会が、民主党にとっても、野党である自民党にとっても正念場である。

 ところが、谷垣さんは「政治とカネ」の問題で、内閣総辞職か再度国民に信を問うと発言している。しかし、景気対策、雇用の創出、普天間基地問題、JAL再建など与野党協調して取り組まなければならない問題は山積している。しっかり国会で審議し、現在考えられる一番良い方策を見つけ出していかなければならないのだ。

 その過程から、参議院選の争点が絞られてくる。国民が民主党を選ぶか、野党の自民党を選ぶか。小沢さんの選挙対策は争点がない。

 願わくば、その前に鳩山さん、小沢さんには辞して欲しいのだが・・。

2010年1月4日月曜日

148cm2の狭い紙面に何を託すか

14.8cm×10cmの年賀はがきのことだ。
 新聞報道によると、2010年の元旦の年賀状は、昨年比0.5%減の20.9億通だったそうだ。10年前に比べ約20%の減になる。
 100枚買えば、5000円、5000円の利息を得ようと思えば、結構な貯金をしなくてはならないことを考えると、無駄な気もするが、時期が来ると出すことになる。

 私は、年に一度のことで年賀はがきには近況を出来るだけ詳しく書こうと努力しているが、挨拶文の後、「元気ですか「何してる」と書き込むのが多い。一筆書き込まれているのはマシな方で、裏表印刷のままなのは何とも誠意がない。昨年の年賀状を見ながらそう言う人には同じようにしている。

 しかし、重要な情報も入ってくる。喪中はがきだ。この時期は生存の確認を刷る時期でもある。2年前に大学卒業後入社した時、世話になって以来の先輩が亡くなった。そのころの先輩達は皆亡くなった。

 そんな中に、子供さんが若くして亡くなった例も多い。残念で仕方ないが、「何で」と思うが理由が聞けない。

 「世の中で一番幸せなことは、順番通りに行くこと」と言ったのは小林一茶だそうだが、全くその通りだ。何でも順番通り行くことが一番幸せなのだ。政治の世界でも同じこと。世代交代とか、順番を通り越して総理の座に就くことは、何かとギクシャクする。

 ところで、今年思いがけない人から年賀状を頂いた。

 手書きされた箇所を読むと「頂いたインターネット新聞の私の記事は、闘った私の足跡になります。ありがとうございました」とある。あの元神奈川県立川崎南高校の跡地利用で、行政側が計画しているショッピングセンター構想ではなく、住民側が望んでいる地域に役立つコミュニケーション施設としての利用を訴える「住民訴訟」の責任者からだった。

 4回ほど取材した時に、付き合ってくれた方だ。「何故、県は住民の要望が聞けないのか」という記事を投稿した(初稿はjanjanではない)。当時は記事も随時更新されていたので、注意して閲覧し掲載されて記事をコピーして送ったことがある。

 きざな言い方だが、記者冥利に尽きる。

 年末の忙しい時期であるが、みんな年賀状を書き終えて初めて、一年の仕事が終わった気になるのだ。年賀状を作成し、インターネットで年が変わって「送信」をクリックすると相手先に一斉に送信されることを考えているのだが、全員がアドレスを公開していないので難しい。

 狭い紙面に、どう自分を表現するか。そのセンスが今後も問われ続けるのだ。

権力闘争しているときではない。与野党協同してこの難局にあたれ!


 鳩山さんの煮え切らない態度からどうしても小沢さんに注目が行く。小沢さんを権力者に祭り上げているのもメデイアの仕業としか思えない。その小沢さんが夏の参院選での勝利を至上命題に、民主党単独過半数確保を狙っているという。

 しかし、今年の政治・経済を見ても難題山積で、権力闘争をやっているときではない。政界一の権力者が「選挙に勝つ」ことしか頭にないなんて、余りにもお粗末である。

 今重要なのは、脱デフレ、雇用の創出、円高、株安などの国民の生活、日本経済を守ることであるが、民主党政権から期待される政策は見られない。と言うか、どの政党、誰が総理であっても同じことしかできないのだろう。

 民主党は「政治の仕組み」から見直すと訴え大きな支持を得たが、野党時代に考えた選挙公約も、実際に政権に就いてみると現実が大きくのしかかり,加えて税収の大幅な減収で、マニフェストを実行しようとすると、赤字国債の発行になる。財政出動か、財政規律か、曖昧な予算編成になった。

 財政再建には消費税増税が考えられるが、鳩山さんは4年間は増税しないと宣言した。増税は選挙では禁句らしいが、国民はそんなにバカではない。正直に増税を工程に入れたマニフェストの方が説得力がある。そう言う意味では、岡田さんが代表時代のマニフェストの方が訴える力があると思うのだが・・。

 自民党麻生政権の公共事業を削減したため即効性のある予算から遠ざかり、「コンクリートから人へ」の予算編成は景気回復にどの程度効果があるのかは疑問だ。

 大騒ぎした「子ども手当」も取りあえず半額から始まるそうだが、当初の景気対策(?)効果は薄れ、貯蓄に回るという見方もある。おまけに税制改革で、家族構成によっては不平等、増税の家計もでてくる。実際に増税として懐にひびくことになれば、「こんなことではなかった」と民主党政権から離れていく動きも出るだろう。

 公約違反も問題になりそうだ。英国などのように十分に検討され、コンセンサスを得て作られたマニフェストではないので、状況によっては変更もかまわないと思うが、裏切られたと判断する国民が多そうだ。

 政治改革も最重要課題であるが、政策一元化、陳情の幹事長室集約、官僚答弁の禁止など国会運営の大きな改革が進められようとしている。しかし、これに小沢さんが絡んでくると、何やら裏があるのではと疑いたくなる。

 政治改革だったか国会改革だったか忘れたが、審議会に諮問し報告の中から小沢さんが政策課題に取り上げたが、それを見て審議会の会長が「つまみ食い」されるのを危惧する発言をしていた。審議会のお墨付きで、自分のやりたいことだけをやる小沢さんの手法に疑問を感じる。

 通常国会冒頭から揉めそうなテーマが、相変わらず「政治とカネ」だ。鳩山さんと小沢さんの偽装献金問題は、次々に新しい疑惑が出てきて一向に解決しない。説明責任が果たされていないから疑惑は増すばかりだ。公明正大な政治活動を監視するために重要な政治資金規正法違反行為は、政治家倫理に関する重大事項である。そんな2人が政権の中枢に居座っていること自体が、日本の政治の汚点である。

 余りこのことが批判の対象にならないのは、「政治が変わる」方が重要と考えているためだろうか。鳩山さんもそこのところを見抜いた行動をしている。

 民主党の政治主導の実体も見えてきた。官僚が書いた政策をレクチャーしてもらい、大臣が自分の口で説明することなのだ(自分の考えを説明することではない)。この政権交代を革命だと言った人がいるが、そんなことはない。

  どの政党、誰が総理であれ、出てくる政策は同じようなモノだ。

 「政治は闘争だ」などと豪語して、一党単独政権を目指すより、与野党協同してこの難局を切り抜けることが、本当の政治ではないか。