2018年10月31日水曜日

新車への買い換え時期だが:「車を持つ価値」か、「持たない知恵」か


現在所有している車が12年過ぎ買い換え時期になり後2年で決めようと思うがカーシェア-システムも普及し、「車を持つ価値か」、「持たない知恵か」を考えなければならない時だ。

そんな折、朝日新聞(2018.10.30)の経済気象台で「車の販売、減る主因は」という記事が目に止まった。

それによると、自動車販売の経営者が「シェア-サービスの普及により車の販売台数が減っていくとみているが、新技術、新システムという得体の知れない変化に怯えるより、実は人口が減っていくという確実な変化こそ販売減少の主要因だ」と人口減少の対策を自動車産業に求めている。

これは古くから言われていることだ。若者の車離れ、若者世代の減少が社会現象になり車の需要が減っている。そのため自動車産業は海外へ進出し、アメリカなどとは経済摩擦の原因にもなっている。

特に地方では移動に車は必要になるが、都会に住んでいると交通機関が発達していて余り車の必要性は感じない。イベントなどでは車の渋滞を回避するために「公共交通機関の利用」を訴えている。

東京では車を持つにも駐車場の確保が大変だし最低でも月2万円はかかる。この維持費は問題だ。一番重要なのは車を所有するためのコストだ。

私が持っているのは12年目のクラウンでその維持費を計算してみた。車の保険代、平均ガソリン代、車検代、車本体の減価償却(定額)、駐車場は不要という条件で計算すると年間665500円、月額約55,000円になる(年間2回、オイル交換やタイヤのローテーションもなっているが月に約1000円、これに駐車代を入れると月に2万円となる)。

これをカーシェアリングで計算してみよう。

近県に日帰りで旅行すると24時間パック8230円+16円×走行距離になる。私の場合往復260kmを走るので12,390円となる。日帰りが無理で3日間借りるとすると60時間パックがあるそうだ。20,000円だが諸々入れて約23,000円になりそうだ。ガソリン代、保険料込みと書かれている。レンタカーの場合は満タンで借りて満タンで返す事になっているがどうなっているのかは詳しくは分からない。

車を使う目的は3日間の利用だから車を所有している場合の約55000円とカーシェアリングで60時間パックの場合は約23000円の比較になる。目的地でレンタカーを借りた時にどうなるかだが、1週間借りて10万円かかった例がある(電車代は別)。

便利さも問題だ。自分の車なら勝手気ままに使えるが、カーシェアリングやレンタカーだと借りたり返したりで近くにステーションがないと不便でレンタカーは営業中でないと返せない。カーシェアリングも借りたり延長する場合は他のお客様の都合によるらしい。

結局は、街中をチョコチョコ運転するのはカーシェア-もメリットがあるが、数日間の長く使用する頻度が大きい場合は、所有した方がメリットが大きい事になる。

家内と相談したら「まだ元気なので車を買い換えよう」と言う事になった。娘の家族が5人、私たち2人なので一緒に出かける時は7人乗りを考えてみた。プリウス、CX-8、ステップワゴン、セレナなどが候補に挙がっている。

でも孫達が大きくなると一緒に「どこかに行く」事など出来なくなるのではないか。そう考えると普通で良いのではないかという事にもなる。

デイ―ラーで車を見ると、安全対策、運転支援システムも進化している。今の古い車だってクルージングシステムが付いているが一度も使ったことがない。友人に聞いても使ったことがないと言う。新しい車で障害物に近づくと自動でブレーキがかかるシステムが付いているというので「塀に向かってやってみろ」と言ったがやらない。年を取るとなかなか新しい機能になれない。でも条件があるらしい、「30km程度でないと効果がない」と注意されたようだ。

駐車も自動で出来る。ボタンを押しているだけで自動でやってくれるらしい。年を取るとどうしても窓を開けて確認する。

車線変更するときに左右を見て車の接近を確認しなければならないが、ドア・ミラーに接近中の車があると表示が出るというシステムも付いている。

ほとんどの車種にコンパネに交通情報が表示される程便利になった。制限速度、交通規制まで表示してくれるのは便利だ。
そして自動運転システムも実用化が近いらしい。でもその前に無謀な「割り込み」や「煽り運転」などを防止できるようにして欲しいものだ。「煽り運転」が社会問題になっているが、私もドライブレコーダー「ドラドラ」を付けている。そして後ろに「ドライブレコーダー録画中」というステッカーを取り付けた。

しかし、どんなに便利になっても進化した技術を頼らず、自分で安全確認しながら運転するプライドが年配者にはあるのだ。



東電強制起訴裁判(4):勝俣被告は従来の判例を踏襲した証言で責任回避か


30日の東電強制起訴裁判公判に出廷した勝俣元会長は「自らの責任」について従来の判例を踏襲した証言に終始した。企業の事故で経営トップまで責任は及ばないのだ。

勝俣被告人は当時の東電の会長でどう証言するか注目していた。31日の新聞報道でその供述を拾ってみると従来の判例を踏襲していることが見え見えで「あれほどの事故」を起こした責任はどこに行ったのか。犠牲者、被害者を無視して「自らの責任回避」に走る姿に日本を代表するトップ企業とはとても思えなかった。

従来の判例は事故責任は経営トップには及ばず担当部門の管理職、担当者が責任を取ることで終わり、企業責任はあいまいになっている。

経営トップには日常の業務として「安全に対する配慮」が要求されていないのだ。今回の経営陣3人に対する裁判も無罪を主張しているのだろう。検察が不起訴にしたことも強気の姿勢だ。

会長の権限について:「業務の執行にかかわらず社長や各部門を指揮する立場にない。責任は原子力・立地部門にある」という。東電の組織がどうなっているか知らないが、「カミソリ勝俣」と言われた元会長が主要事業に関して発言しないことなど考えられない。

経営責任について全くないのか:「全くとは言い切れないが基本的にはそうだ」と証言した。「全く責任がないと言い切るには何が不足していたのか」と問いかけてくれなかったのか。

巨大津波を予見できたか:会議で「14m津波が来るという話を聞いたことがある」と言い、14mの根拠を質問しなかったのは「社長に任せている。私は余計なことは言わない」と言うのだ。

その時点でなぜ、「14mに耐えるかどうか」の話が出なかったのか。15.7mと14mでは危険度が違うのか。このような話が出れば経営者としては確認すべきではなかったのか。

肝心なことに関しては「社長や部下に任せている」と逃げ口上だ。

原発の安全性について:国の基準をクリアーしており、原子力・立地本部が安全対策を取っていると思っていた。「対策に疑義を挟む情報はなかった」と言う。

原発の安全対策としては原子炉の安全対策もあるだろうが、地震や津波に対する安全対策も重要だ。長期評価を信用していなかったということは安全対策に欠陥があったことにならないか。

14mの話があった時に15.7mのシミュレーションの報告があったはずだ。切り売りした証言は信用できない。

そして、安全対策は職務外:従来の判例を踏襲すればその通りなのだ。

ではなぜ、責任がないのに謝罪に言葉を述べたのだ。犠牲者、被災者にとっては不思議に思うのは当然だ。結果に対して経営者としての姿勢を示したのか。

先日、テレビ東京で「ガイヤの夜明け」だったと思うが、作家の村上さんと女優の小池さんがJR東日本の社長招いて対談していた。JR東日本の社長は今まで起こった事故を風化させないためにいろんな施策を講じていることが紹介されていたが。その中で「安全は守るものではない。作り出すものだ」という発言が忘れられない。

JR東日本は社長自ら安全確保、社員の安全教育に努力しているのだ。

関連記事
2018.10.30掲載
東電強制起訴裁判(3):経営トップにも「業務上」「安全配慮義務」を



2018年10月30日火曜日

難民移民で揺れる米独、外国人労働者受け入れの日本はどうなる


米国、ドイツで難民問題が先進国の内政に大きく影響しているが、日本も難民、移民ではないが14業種に外国人労働者を受け入れようと安倍政権が入管法改正を急いでいる。

産業界、地方自治体の人手不足対策の要望を受け、従来の高度の専門職から介護、建設、農業などの単独労働へ拡大しようとしている。政権は「移民政策ではない」「国家を維持する政策ではない」というが、日本の現状は外国人労働者抜きではやっていけなくなりつつある。

ドイツ、メルケル連立政権に争いが生じピンチだと報じられていたが、メルケル首相は与党の党首を辞退し、2021年に政界を引退すると言い出した。東ドイツ出身で物理学者、05年に首相になりG7では一番長い首相だった。保護主義を訴えるトランプ大統領の席に駆け寄り翻意を促す場面が世界に発信されてもいた。

リベラル色の強いメルケル首相も100万人にもなるシリアなどからの難民受け入れに反発され、2つの州議会選挙で大敗、難民排斥の新興右翼政治が台頭してきた。難民問題は政権内の争いごとになり仕事が進まない。次の党首には保守系がうわさされている。

ここはきっぱり辞任を決めたのだろう。ドイツは議院内閣制だからすぐに首相を辞任しなくてもよく2021年に引退を決めたようだが、今後の政局ではどうなるかわからない。

トランプ大統領の「アメリカ第一」主義は、米国民の仕事を難民に取られているということで難民排除の動きにもなり、右翼ポピュリズムの台頭になったが、
今、メキシコ国境へ多くの難民が押し寄せているが、トランプ大統領は5000人の軍隊を国境に配置すると新聞は報道している。

ブラジルでも極右ポピュリズムが台頭し「なによりもブラジル」を掲げたボルツナール新大統領が登場した。貧困層や少数族を優遇する政策に中間層が反発したという。

トランプ大統領は難民問題で「安倍政権も難民が押し寄せるとぶっ飛ぶぞ」と忠告していたことがある。

その日本が人手不足で単独労働まで外国人労働者受け入れを急いでいる。勿論産業界や地方自治体の強い要望からだろう。

介護や建設、農業では人手不足で外国人労働者がいなくてはやっていけない状況にある。3K職場に日本人労働者は見向きのしないのは昔からあった。

後継ぎがいないので職人も廃業する羽目になっている。そこに外国人労働者が入ってきたのだ。しかし不法労働の疑いもある。

地域でのトラブル、不法滞在者の増加、治安の悪化ばかりではなく年金や医療制度などを混乱させる原因にもなっている。

しかし、都会でも外国人がいなければ地域のイベントもやっていけない団地も出てきている。日本人がやらないことを外国人は率先してやっているのだ。

外国人労働者が増えると選挙権も問題になる。地域の市議会に外国人が入ってくる。もしかしたら外国人の市長が出るかもしれない。

必要な労働力も日本人労働者との賃金格差はどうなるのか。海外でも賃金で過酷な競争し、国内でも賃金格差と戦わなければならなくなった。

日本もそのうちに外国人労働者がいなければ国家を維持していくことができなくなる日が来るのではないか。少子高齢化は喫緊の課題である。



東電強制起訴裁判(3):経営トップにも「業務上」「安全配慮義務」を


これを機会に経営トップにも「業務上」「安全配慮義務」があるという法理論(?)、判例を積み上げていってほしいものだ。今まで発生した事故を見ると担当者、その上司が責任を追及され経営トップは無罪放免だった。勿論社会的責任は大きいが・・。だから企業の事故は無くならない。訴えられた企業もひとまずホッとする。

福島第一原発事故の責任を問う東電強制起訴の公判で今日、当時「カミソリ勝俣」と言われたほど頭の切れる勝俣社長が出廷し証言する。どう証言するかに注目だが、おそらく長期評価、15.7mの巨大津波に対して信頼性を疑ったのだろう。「そんなことが本当に起きるか」と言うことだ。

だから津波により非常用電源が使えなくなった結果、原子炉の冷却ができなくなり今回のようなメルトダウンによる甚大な放射能事故を起こした。こんなことを「予見できる可能性があったか」と問われると「なかった」と言うのだろう

だとすると、「どうすれば今回のような甚大な被害を防止できたか」と問いかけてほしい。「信頼性がない」と言い逃れしていたが「信頼して対策を立て被害を防止できた原発もある」のをどう思うのか。

今回の公判はすでに検察が経営者の責任を追及しようとしたが断念した結果、検察審査会が「起訴相当」として強制起訴された裁判なのだ。

長期評価、15.7mの津波シミュレーション、土木学会、「業務上」の定義、若手の提案が社内でどう処理されたのか、御前会議の議事録、社員の証言などを検案し既存の法理論、証拠物件で検討し不起訴(?)にしたのだ。

だからまともに従来の考え方からすると起訴、経営トップの有罪など考えにくいかもしれないが、企業の事故防止と言うことを考えると経営トップの業務上に「安全配慮義務」を加えるべきだ。日常業務として安全には十分な配慮を企業トップが負うべきなのだ。

A「巨大地震の発生」→B「15.7mの津波来襲」→C「非常用電源ダウン」→D「メルトダウン」→E「あってはならない甚大な事故」
経営者がどこまで予見できたか、表向きは信頼性の問題で否定しているが、内心はA,Bまで理解できたはずだ。

C,D,Eまで予見できた技術者、社員がいるのか。東電福島第2原発ではC,D,Eに至らないように現場技術者が必死で対応したと新聞に載ったことがあるし、日本原子力発電ではA,Bを信頼し対策をとり被害を未然に防止したという。

考えれば考えるほど東電トップ、福島第一原発の問題点が浮かぶのだが・・・。



2018年10月29日月曜日

日中首脳会談:安倍総理の「3原則」発言、外務省否定、中国コメントせず


日中首脳会談直後の安倍総理の「3原則」発言が物議を醸し、外務省が必死に否定するが、中国はコメントしない。日中2国間のことを考えると当然の合意だろうが、これにトランプ大統領の保護主義に反する合意があったために外務省が慌てているのだ。

何のことかと思って改めて新聞を読んでみた。

安倍総理はツイッターで「国際スタンダードの上、競争から協調へ。隣国同士としてお互いに脅威とならない。自由で公正な貿易体制を発展させる」と言い「3つの原則」を確認したというのだ。何処も問題はない。

一方、習主席も「協同でグローバルな挑戦に対処し、多国間主義を維持し、自由貿易を堅持しよう」と政治的合意に応じている。

ところが日本の外務省が必死で3原則発言を否定するには理由があった。トランプ大統領の保護主義貿易を日中が否定しているように受け取られることなのだ。

中国も米中貿易戦争、トランプ大統領の保護主義には反対し自由貿易をことある毎に主張している。日本も先進国の首脳と同調している。

今、米中は「新しい冷戦」状態で、そのはけ口を日本の求め7年ぶりの安倍総理訪中を目論んだようだ。安倍総理も有頂天になり一帯一路で後れを取っていたアジア諸国への海外進出を進めようと「競争から協調」発言へ、尖閣諸島周辺の領海侵犯、中国の軍拡に対して「互いに脅威にならない」、そしてトランプ大統領の保護主義に対して「自由で公正な貿易体制の発展」を3原則と表現したのだ。

トップ会談にはそれぞれに思惑が有り会談後に物議を醸すことは大いにある。第1回目の米朝会談でも思惑の違いを露呈し、結局は内容のない会談で終わった。

日本は強固な日米同盟の上に成り立っていると言うが、日中の2国間協議にまでアメリカがちらつくのは問題だ。独自外交の道を探るべきだ。

読売新聞世論調査を読む:「他の内閣よりマシ」(19%)だが、「信用できない」(18.5%)か


読売新聞(2018.10.29)の世論調査を見て考えた。「首相は信用できない」(18.5%)が「他の内閣よりマシ」(19%)と言うのだ。内閣支持率も「支持する」49%と「支持しない」41%と拮抗している(?)。内政、外交を考えると今後5年間の政局運営も厳しい。外交で海外を飛び回っている暇などない。

計算根拠を示そう。内閣支持49%のうち「首相が信用できる」は10%で安倍首相を信頼しているのは全体の4.9%、一方内閣不支持の41%のうち「首相が信頼できない」は45%で信用できないが全体の18.5%になるのだ。内閣支持49%のうち「他の内閣よりマシ」と答えた人が39%だから全体としては19%になる。

こういう計算をすると
                          %
設    問
期待できる
期待できない
政策に期待できる
7.4
9.0
首相に指導力がある
 5.0
 2.0
首相が信頼できる
4.9
18.5
閣僚の顔ぶれ
0.5
3.7
自民党中心の政権だから
9.3
5.7

政策に関して期待されていないのは突如強調しだした憲法改正、社会保障制度、少子化、高齢化対策、消費税増税そしてアベノミクスの成果が見えてこないことが影響しているのか。

憲法改正では自衛隊明記で賛否拮抗するが、改正案を今国会に提出することには反対が多い。やはり「急がず」と言うことか。災害が続き、自衛隊の救援活動がテレビ画面に映る機会が多くなった。その姿を見て国民も自衛隊を評価しているのではないか。

消費税増税の景気への悪い影響に関しては、大いに感じる(26%)、多少感じる(53%)で「全く感じない」がたったの3%を考えると買い物の前倒し、や米中貿易戦争の行方、バブルの崩壊など心配は尽きない。
指導力では、今まで強引に引っ張る政治手法を「指導力あり」としたのは5%、
憲法改正では安倍総理の強引なやり方にお友達で構成しなおした自民党推進本部が推し進めようとしている。

今まで民意に背く政局運営をやってきたが、その反省(?)で今回の所信表明は原敬元首相を引っ張り出して「民意」を重視する姿勢を打ち出したが、信用する国民は少ない。

自らの重大な不祥事でもある「モリカケ」問題での安倍総理の説明を80%の国民が納得していない。

そして先の自民党総裁選ではあらゆる手を使って石破陣営に圧力をかけたし、政策討論を避けるために逃げ回った姿を見せつけられた。

安倍総理は「信用できない」が、「他の内閣よりマシ」と言う消極論での内閣支持なのだ。

内閣の顔ぶれも「良い」0.5%、「良くない」3.7%、案の定、新任大臣の失言、尽きない政治とカネ、そして片山大臣の「口利き疑惑」は野党の総攻撃を受けるだろう。野党の厳しい質問に「公判が予定されているために答弁を差し控えたい」と供述拒否のために文春を告訴した。弁護士にはあの敏腕弁護士を付けてけん制したのだろう。

長期政権になると世論調査結果もマンネリになる。おまけに3年と言う期間限定内閣だ。今まで忖度していた官僚も正気を取り戻せば安倍総理にとっては不利な局面も出てくるだろう。


2018年10月28日日曜日

今日の新聞を読んで(187):沖縄県民投票条例は憲法95条から意義は大きい


沖縄県の住民投票条例案可決は憲法第95条(特例法の住民投票)から考えても成立の意義は大きい。沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設の賛否を問う県民条例が可決した。政権は「法的拘束力はない」と冷静を装うが憲法第95条を知ってのことか。

憲法第95条(特例法の住民投票)には「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定する事は出来ない」と規定する。

その地方に適用される特別法は、住民投票で過半数の賛成が筆お湯なのだ。直接民主主義だ。

住民反対運動が大きかった原発建設でもこの規定を問題視する専門家もいる。

特に、安倍政権は一党独裁の状態で、民意を無視する政権運営が目立つ。国民が負託する国会議員も「安倍化」自民に寄り添う(?)。

沖縄には辺野古移設反対が大きい。政権、防衛省は沖縄県の抵抗にあらゆる策を講じて工事を推進しようとする。

でもこの県民投票条例は無視できない。こう言う動きが日本全土に広がれば政権には痛手だ。

折角の県民投票条例だ。高い投票率で「yes」、「no」の判断を示そうではないか。

安倍総理訪中:強かな習・中国、立ち位置を迷う安倍・日本か


今回の安倍総理の訪中は習主席の強かさに日本の安倍総理が立ち位置に迷う姿を現したのではないか。日中関係改善の兆しかと思っていたが、会談内容を新聞で読む限り習主席の誘いに安倍総理が飛びついたが相反する対米関係のために日本は立ち位置に迷う結果になった。

習主席は「客観情勢の変化によって中日双方の高度な協力の可能性がもたらされた」という。米中貿易戦争、一帯一路計画の見直しの必要性が出てこなければこんなことにはならないと暗に言っているようだ。

これに対して安倍総理は「競争から協調」と言いながらも「日米同盟を基軸にしつつアジア太平洋地域の平和と安定に貢献する」と日本の外交の基本姿勢を伝えたようだ。東シナ海、尖閣問題、海洋資源開発、対北問題が前提にある。

今回の目玉になっている「第三国での日中インフラ協力」は一帯一路への評価だろう。中国が先行し、日本が遅れている。しかし、米国には一帯一路への協力ではない事を事前に言っているようだ。

アメリカに変わる中国の覇権主義が目立ってきたが、今、日本の立場をはっきりする必要があったのだ。

日本にとってはトランプ大統領の保護主義、貿易戦争、関税問題、為替条項は受け入れにくいが日米同盟はこれからも維持していかなければならない。集団的自衛権行使も憲法改正でなく、閣議決定という暴挙にでたのもそのためなのだ。

米中関税戦争は新たな「米中冷戦」に入った今、このまま日中改善を目指せば米国にとって「日本は信頼出来るか」という疑念が湧いてくる。

中国はアメリカをけん制する手段に今回の安倍訪中を目論んだんだ。

今回多くの文書が交換されたようだがその内容は分からない。事前に事務レベルで合意され、まとめられたのだろう。合意がなければ会談など実現しなかった。

日本を味方に付けるために懸念事項を抽象的にまとめたとすれば会談、その後の実効性に問題が残る。

特に尖閣諸島問題は喫緊の課題であるが解決には至っていないようだ。中国は歴史問題を掲げている。安倍政権も「改善」ではなく尖閣諸島問題の起きる前の「安定」を望んでいたようだが、どうなるか。

中国は国連でも安全保障常任理事国で世界の安全、平和にリーダー的貢献をすべき立場で有りながら紛争国の当事者になり「歴史認識」を強要している。

つい先日まであれだけ厳しい口調で日本をののしり、日本に対する敵対感情を国政に利用してきた。素直に日中関係が変わるとは思えない。

国会審議で野党の質問に安倍総理がどう答えるか、注目だ。


2018年10月27日土曜日

日本経済の問題:金融政策では解決しない、アベノミクスの潮時か


日本経済の問題は金融政策だけでは解決しない。異次元の量的緩和も一時の成果はあったがアベノミクスも潮時か。株高、円安は日本の輸出企業を復活させ安倍総理も経済指標の好転をことある毎に並べ立て自らの政策を評価して見せたが、金融政策の副作用が目立ち始め国債市場、株式市場を乱れさせる結果になっている。

市場にカネを流し込むが一向に物価は上がらないし、経済成長も先進国一低率だ。安倍政権、黒田・日銀は2%物価を目指し出口戦略は後回し、緩和縮小に向かっている欧米中央銀行に後れを取っている。

新聞報道によると、先日の日銀総裁だった白川さんが日本記者クラブの会見で、日本の00~10年の実質成長率は先進国で下位だったが、働き手1人当たりのGDP成長率はトップクラスだとして「根本問題は急速な高齢化と人口減だ」と訴えた(朝日新聞2018.10.23)。

金融政策は「一時の時間稼ぎ」、政府の財政政策が重要になるとは5年前から白川さんや主流の経済学者は訴えていた。異次元の金融緩和は非伝統的な金融政策だったのだ。

金融政策だけでは物価は上がらない。グローバルスタンダードだった2%物価目標にはほど遠いために出口戦略にも言及できない。出口戦略に言及することはアベノミクスの否定になるので黒田総裁の口からは言えないが、最近の金融政策には金融緩和を縮小するような動きもあるし、日銀の政策委員の間でも金融政策の今後に警戒感を訴える委員も出て来た。

日銀の最近の「経済物価情勢の展望」でも「先行きの経済成長や社会保障制度に関する慎重な見方が値上げ許容の高まりの遅れにつながる」とみている。

白川さんも同じようなことを言っていたし、思い出せば先の自民党総裁選で安倍さんと対峙した石破さんの経済展望も同じだ。

今、アベノミクスの成果が行き届いていない地方格差是正のために地方創生に力を入れる。安倍総理の首相所信表明でも地方創生にスペースを取っていた。ところが、その担当大臣の片山さつきさんが「口利き」疑惑で野党の追及の矛先になっている。皮肉なことだ。

安倍総理が所信表明で特にアベノミクスに言及しなかったのは既に破綻していることを感じ取ったからだろうか。

一方、政府の政策も規制緩和で強固な利権に風穴をあけようとしたがうまく行かないとみると新たに戦略特区構想を立ち上げ強引に推進した結果が加計学園の新・獣医学部問題、森友学園の「モリカケ」問題の不祥事を起こす結果になった。

安倍総理の親友が掲げる事業に利権が移ったことになる。

各政権が成長戦略を掲げるがタイトル、内容をチョット変えただけの繰り返しの政策提言でうまく行っていない政策を何回出してもうまく行くはずがない。民主党政権時の「事業仕分け」を思いだして欲しい。

委員の質問に官僚がダラダラ答えなければならないものほど内容がないのだ。

金融政策、財政政策に関して昔使った経済学の本を読み返してみた。

金融政策とは中央銀行が規制手段を通じて高位安定水準の雇用を確保することで有り、財政政策は課税、支出を通して高位安定水準の雇用を確保することなのだ。雇用の他に物価の安定も加わる。

中央銀行は景気が悪いときは貸し出し能力を付与、貨幣供給を拡大し利子率を下げ、投資を増やそうとする。でもこれには限界があるのだ。有利な投資計画がないときは投資はされない。そうなれば成長率も物価もあがらない。

今、日本はその通りなのだ。ある経営者が国内で「儲かる事業」があれば借金してでも投資はすると言っていたのを覚えている。国内需要がないから海外投資、株投資、不動産投資に走る。企業の内部留保は440兆円を越えると言われている。

金融政策も財政政策も一方だけではなく、協力関係になければ日本経済の舵取りはうまく行かない。

世界の投資家は日本の株式市場で大儲けを企んでいる。株価を維持するために日銀はETFをやっている。24000円台から21000円台に大波乱の株式市場の値動きにも日銀が絡んでいる。株価が下がれば日銀が支えるので安心して大ばくちを打っているのだ。

日銀の国債買い入れで4割を保持する結果になり国債市場も取引が乏しくなっている現在、見直しが必要になってくる。出口戦略を頭に置いた日銀の金融決定会合になるのだろう。

急速に進む高齢化社会、人口減、孫達の事を考えるとどんな社会になっているのか心配だ。物価の安定では今のママでも安定しているのではないかとも思う。

安倍総理は所信表明に対する代表質問を受ける身で有りながら中国を訪問したり、インドの首相を迎えたり多忙な外交をこなしているが、代表質問に十分に答えることが出来るのか。「取り巻きや官僚が作文しているのを読み上げれば良いだけの話し」と安易に考えていないか。 

2018年10月26日金曜日

[耳鳴り」には薬は効かない、「カウンセリングでうまく付き合え」と


私も15年ほど前に「耳鳴り」が気になりだし、耳鼻科を受診し薬を処方されたが効果なし。特に重篤な病気ではないということで放置していたが、最近日本聴覚学会が指針を発表し「カウンセリング」で耳鳴りと付き合うことが大事で「認知行動療法」と言うらしい。

特に日常生活に支障をきたすほどではなかったが、他の病気と関係していては大変と思い耳鼻科に行った。いろんな検査をし周波数ごとの応答で標準に比べ遅くなっていることがわかり単なる「耳鳴り」と言うことになった。

「薬を出しましょう」ともらった処方が「血流を良くする薬剤」だった。こんなものが効くのかと思ったがやっぱり効果なしだった。

ところが5年ほど前に5時間の車の運転が終わり車から降りた時にフラツキ、気分が悪くなり車酔いの症状が出てきたが、時間がたっても症状が消えない。

そこでまた、耳鼻科を受診し各種検査を実施した結果、耳鼻科的には三半規管の異常と言うことで、「耳鳴り」とは関係なかった。

しかしまた、血流を良くする薬剤を処方され、驚いたことに10分ほど耳鳴りがやむことがあり、長いときは6時間ほど耳鳴りがやんだ。この処方を続けると耳鳴りが改善すると期待したが、やっぱり一時的だった。

ところが最近になって日本聴覚医学界の指針で「カウンセリング」が大事という。

医者と向き合ってカウンセリングを受け「耳鳴り」とうまく付き合うことが大事だというのだ。

耳鼻科の医者も大変だ。今までは血行を良くする処方をしていればよかったが、これからはカウンセリングが重要になる。「信頼できる医者をどう選ぶか」、患者にとっても大変だ。


今日の新聞を読んで(186):憲法改正は与野党拮抗の下で万機公論に決すべし


憲法改正は焦燥感を持たず与野党拮抗の下で「万機公論に決すべし」だ。伊吹元衆院議長が派閥の例会で安倍総理が「憲法改正で国会議員の責任を果たしていこう」と言ったことに対し安倍総理を忖度し「自民党は憲法改正を党是とし2/3の議席を持っているのに一体何をしているんだ」という焦燥感があってのことではないかと言ったそうだ。

改めて新聞で所信表明を読んでみた。

安倍総理は憲法審議会で政党が具体的な改正案を示すことで国民の理解を深める努力を重ねていけば与野党を超えできるだけ幅広く合意を得られると確信すると言いそのあるべき姿を最終的に決めるのは国民の皆さま、国民の皆様と共に議論を深め国会議員も責任をともに果たしていこうという。

当たり前のことを言っている。寧ろ今まで選挙のたびに「憲法改正」を争点隠しし野党が「憲法改正反対」を訴えていたにもかかわらず何も言わなかったのは安倍与党ではないか。

今更、国民の皆様と議論し国会議員の責任を果たすなんてお笑いものではないか。

憲法改正は焦ってやるものではない。国民だって「急がず」で政策の優先順位は最下位である。

2/3の議席だって、安倍政権の野党潰し、野党の体たらくで「漁夫の利」を得た結果で、次の国政選挙では自民党が議席を減らし、発議に必要な2/3議席を確保できなくなるので急いでいるのではないか。

憲法改正は一党独裁でやるものではない。与野党拮抗し議論すべきで国民のやらなければならない仕事はまず野党の議席を拮抗するまで上げることだ。

注目すべきは自民党は憲法改正を推進するために憲法改正推進本部の体制を改めお友達で占め「YESMAN」で固めた。今まで努力してきた船田さんや中谷さんは外された。

所信表明の「終わりに」で、「常に民意の存するところを考慮すべし」とはよく言ったものだ。やってることと言うことが真逆だ。原敬元首相とは大違いであることを認識すべきだ。

やっぱり憲法改正と言う新しい国作りを安倍総理に任せてはならない。

2018年10月25日木曜日

今日の新聞を読んで(185):枝野さん、玉木さん次の参院選が野党結集のチャンスだ


枝野さん、玉木さんそして野党の皆さん 次の参院選が結集のチャンスだ。小異を捨て大同団結できないか。参院選は野党の行く末を占う絶好の機会だ。岡田・無所属の会代表の言うように少なくとも協力関係を築き参議院の改選期で与野党逆転する結集をできないか。

今の安倍自民党は国民の信頼を失っている。

いま反安倍自民が勢いづいている。統一地方選も勝ち抜き、参院選でひっくり返す可能性は十分にあるのだ。

其れなのに、細かなことを問題にし、主導権争いをやっている暇などない。同一の党内に保守、リベラルが共存してもいいではないか。自民党はそれで長期政権を維持してきた。特に政権交代する必要などなかったのだ。

野党統一となると立憲民主vs国民民主になるが大きな違いはどこにあるのか。違いがあるとすれば政党の生い立ちだろう。民進党では生き残れないと考えた議員があろうことか実績もなく、ただの風だけの小池新党になだれ込んだが、ふるいにかけられ再分裂したのだ。

多くの中小企業が一つの会社になる時の障害はそれぞれの企業の経営者の存在だ。そして銀行と言う資金を持っている金融機関が強いリーダーシップを取りまとめていかなければ成功しない。

そのリーダーになる人材がいるのか。自由党の小沢さんの名前が出ていたが、「小沢アレルギー」は強い。世論調査で「安倍政権を支持する理由は」の設問の回答に「他の内閣よりマシ」という項目があり高い率だ。その原因は民主党政権時の小沢さんにあるのではないか。

強い地方組織、支持者の存在、世代交代は進んでいるようだ。くっついたり離れたりで過去の主導者は信頼を失っている。共産党との協力関係も必要だ。

今の野党はどの党を見ても帯に短かし、たすきの流しだ。連合と言う支持組織を持っているが組織力も弱くなっている。隙あらば安倍総理がくさびを打ち込もうと連合会長との直接交渉も辞さない。
しかし今、安倍総理も野党弱体化の行動に出る力はない。選挙をやれば野党より自民党が大きく議席を落とすことは間違いないのだ。優秀な政策マンも多い。前回は大風呂敷を広げすぎ財源の問題を抱えた。その結果国民のマニフェストへの信頼も失った。

憲法改正、原発再稼働か再生可能エネルギーか、社会保障制度の維持、少子高齢化対策そして格差是正、アベノミクスに代わる経済政策で一致できるのはどこか。

自民党と対峙できる道を探そうではないか。