2011年10月29日土曜日

続く円最高値:コンピューター自動取引に倫理感などない

円相場が最高値を更新し、超円高が止まらない。27日のロンドン市場では一時的だったが75円67銭をつけた。コンピュータープログラムによる自動取引が横行するなかで、コンピューターに経済倫理など期待できない。29日の外国為替市場は75円75銭~85銭だとNHK深夜便が伝えている。

ギリシャの債務問題をはじめ、ポルトガル、スペインなどの欧州の経済不安、米国経済の低調で基軸通貨のドルもその立場に変化が見える。それでもまだマシなのか、国の借金が1024兆円になろうとし、債務残高が先進国一悪い日本の円が買われている。

このような異常な経済の中で、投機的為替取引は世界経済の安定化を阻害している。

この世界経済を揺るがす債務危機に対してバチカンが提言を発表した(朝日新聞 2011.10.26「債務危機 バチカンが提言」)。

それによると、IMFの機能を強化し、世界中央銀行の設立を求め、国際的な金融通過システムの再編を提言し、さらには、倫理的アプローチとして金融取引への課税など3項目をも提言している。国を超えたレベルでの公共の利益を守る仕組みを作ることがわれわれの世代の責務だという。

「金融取引にグローバル課税」の必要性は、ロンドン大学名誉教授のロナルド・ドーア氏も説いている。

なんでもそうだが、やりすぎ、行き過ぎはよくない。今の世界経済にあって経済倫理が要求されるのは当然のことだ。

しかし、コンピューターによる自動取引が横行している為替取引にあっては、倫理感など期待できない。

為替デイーリングのトップクラスの銀行などでは、コンピューターによる取引ツールの競争にしのぎを削っているのだ。コストダウンにつながる取引の自動化、利益を最大限にする最適なタイミング、市場に気づかれないうちに大規模取引を終わることも重要なのだ。

銀行、機関投資家、ファンドにとっては、世界経済の安定こそ自分たちの利益につながるのではないのか。
「利己心」を超えて、世界経済の安定を優先させるべきだ。

2011年10月25日火曜日

ロナルド・ドーア名誉教授の「為替など金融取引にグローバル課税」に大賛成だ

ロンドン大学名誉教授のロナルド・ドーア氏の「金融取引に課税せよ」に大賛成だ。為替の投機的取引が世界経済を混乱させ、経済の安定化を阻害している。

私も2日前の私のブログの記事「財務相為替介入発言:また口先だけか、黙ってやってみよ」で、「投機的動きであるなら誰が動いているのか分かるはず。公表し、警告して差益に対してしっかり課税するなど考えられないか」と提案した。こんなことが出来るのか本当のところは分からなかった。

ところが、今日の朝日新聞(2011.10.25)の経済欄に、「金融取引 グローバル課税の必要性」を訴えるドナルド・ドーア氏の記事が掲載された。

ロナルド・ドーア氏は社会学者で、ロンドン大学の名誉教授、近著「金融が乗っ取る世界経済」の出版を機に、東大で講演をするために来日したのだ。

EUでは、金融取引に課税すべき機運が盛り上がっている操舵し、米国から世界に広がった「ウォール街占拠」運動でも、為替取引に課税すべきとの声が上がっているそうだ。

さらに、課税することにより、投機を抑えるばかりではなく、危機対策、貧困、格差対策の財源を目指すというのだ。

良いではないか。金融取引に徹底的な課税をすべきだ。

経済学者が何をしているのか分からなかったが、この動きには大賛成だ。

2011年10月23日日曜日

財務相為替介入発言:また口先だけか、黙ってやってみよ







安住財務相の為替市場介入発言は、またまた口先だけか。これといった要因がないのに、NY為替市場が21日一時75円78銭をつけ戦後最高値となった。安住財務相は翌日、「投機的な動きがあるのは確実で、断固たる措置をとる時はとりたい」と市場介入も辞さない考えを示したとメデイアは報じた。

「とる時はとる」と言っても、今とっていないので、その時ではないのだろう。どういうときに介入するのかはっきりしない。市場に舐められている。

わが国だって財務状況は先進国一悪い。債務残高は、個人資産額に迫ろうとしている。実体経済にあっていない動きであることは確かだ。

瞬間的な投機的な動きであれば、財務省、日銀も打つ手がないのか。

しかし、円高はジワジワ進んでいる。菅さんが財務相になったとき、91円ぐらいだったか。「適正為替(?)」を記者に聞かれて「90円台半ば」と応じて顰蹙を買っていたがあれから2年経つ。

その間、政府、財務省は何もせず、産業界から強い要望が出るたびに「市場を注視している」と言うだけ。日銀の動きも弱い。

やっと介入したのが8月4日、4.5兆円の単独介入となったが、一時的には円安に動くも円高傾向に歯止めがかからない。500兆円もの為替市場では1%弱の介入は効果が薄いと専門家は指摘する。

「やるかもしれない」と警戒心を持たせる一方で、「やっても効果はない」の本音の葛藤か。

口先ばかりの牽制ではなく、「黙って突然やってみろ」といいたい。介入する、介入すると言うと市場は織り込んで動き効果は薄いが、突然の介入はショックを与え効果が大きい。

また、投機的な動きであるなら、誰が動いているか分かるのではないか。公表し、警告を与え、差益に対してしっかり課税することなど考えられないか。投機的動きを封じる知恵がないのか。

写真左:安住財務相の市場介入発言を伝える読売新聞 2011.10.23
写真右:8月以降のドル、円相場の推移 2011.10.23

2011年10月22日土曜日

大阪都構想:橋下さん 急激な改革で大丈夫か

急激な改革で大丈夫かと心配になるが、国の政策を待っていられないと大阪府の橋下前知事が大阪都構想に走っている。この構想を推進するのが「大阪維新の会」で大阪府議会では過半数を、大阪市議会でも第一党を確保した。大阪市の平松市長がなかなか言うことを聞かないので橋下さんが、府知事から大阪市長に鞍替えして中から改革を目指そうというのだ。

チョット独裁的で、メデイアは「ハシズム」などと言ってニュースを報じているが、大丈夫かと心配になる。民主党はポピュリズムで政権交代にありつけたが、橋下「大阪維新の会」もポピュリズムに負うことが大きいのではないだろうか。議席の確保も有権者が既存政党に飽き、維新の会の候補者も既存政党に乗らない戦術で勢力を伸ばしてきた。

しかし、今ポピュリズムも下火になっている。無党派層も反省しているのではなかろうか。本当に大阪都構想に有権者は賛成しているのか。

大阪都構想とはどういうものか

上山さんの「大阪維新」、研究会の「大阪にふさわしい新たな大都市制度を目指して」の中間とりまとめを読めという。要は、広域行政を一本化することと、大阪市内に8~9人の公選された首長を置く区長公選制だ。

東京都のように都はインフラ整備、区が住民サービスを担当するようにしようとしているらしい。今は大阪府がインフラ整備をしているが、住民サービスに加えて大阪市もインフラ整備をやっている。橋下さんは、ここに二重行政のムダがあると言い、ここを改革しようと橋下さんは言っているのだが、平松さんは既得権益を守り(?)、急激な改革に抵抗しているのだろう。

大阪市長選に大阪都構想に難色を示す平松さんが出るということで、構想の進展のために橋下さんが対抗しようとしているのだ。

橋下さんも知名度で先の府知事選に180万票という大量得票で勝ち、職員の抵抗にあいながらも改革を進め、11年ぶりに単年度ではあるが黒字に転換したという実績をあげたが、市長選に出るために22日未明、府議会に辞表を提出したのだ。

橋下さんの考えに共感が持てるが、強引で独裁的でなく、もうチョットスピードを緩めて確かな足で構築していった方がよいのではないか。ポピュリズムは何時下火になるか分からない。そうなると残るのは行政の混乱だけで、府民、市民が犠牲になる。

議員や記者の質問は、国民の判断材料になるのだ



国会議員や記者の質問は私たちの判断材料になるのだが、その質問力が劣化しているのではないかと思えることが多い。どんな場合でも馴れ合わず、怖じ気ず、ポイントを付いた質問を期待したいが出来ていない。外国人記者の可笑しいと思ったらトコトン突いて来る根性を見習い、国民に正しい情報を提供すべきではないか。

先の国会審議をテレビ中継で見ても、フリップまで用意して質問する姿は視聴者を意識したものだが、質問での突っ込みがたりない。「もうチョット押せば」と思うのだが、時間がないので次の質問に行きますと言って中途半端に終わる。

各党の質問者が同じ質問をするので、答弁も「先ほども言いましたように・・」で始まる。

党首討論でも、自民党の谷垣総裁が、不完全なまま質問を打ち切ったために、身内から「もっと質問しろ」との野次が飛んだほどだ。案の定、翌日の新聞では評判が悪かった。

記者会見でもテレビや新聞の報道は、ある場面でのみの報道で全体のことが分からない。したがって、真実がどうかは分からない。おまけに司会者が質問者を選り好みするので、ヨイショ質問しか報じられない。

10月6日の小沢氏後半後の記者会見も物議を醸している。あれほど検察を批判しながら、肝心の4億円の原資については、詳細を知っている検察に聞いてくれと人を食ったような答えをしていた。

そして、国会での証人喚問への出席を聞かれて、「三権分立」を楯に出席を否定した。さらに、質問した記者に「よく勉強して筋道立てて質問してください」と逆襲した。これに記者はどう反論したかは分からないが、小沢さんの悪い面が出たと評する議員もいたらしい。

確かに憲法62条では、議院に国政の調査権が規定され、何人も正当な理由がない限り応じなければならないことになっている(議院証言法第一条)。しかし、現行の裁判事件に関連して司法を干渉し、司法の独立を侵してはならないというのが通説だ(憲法Ⅰ 法律学全集 清宮 有斐閣 昭和39年3月)。

その点に関しては、小沢さんの主張は正しい。しかし、立法に関して政治資金規正法の改正や運用についての調査であれば、なんら問題はないのではないか。裁判に関している箇所は「裁判中なので」と拒否すれば済むことだ。小沢さんの器の小ささを感じさせる頑なな拒否と国民には映る。

兎に角、議員や記者の質問力が劣っているのは分かるが、思い出されるのは外国人記者の質問のやり方だ。

田中角栄元首相が、外国人記者クラブに招かれた丁度その頃、立花さんの「田中角栄 その人脈と金脈」という記事が文芸春秋に載った。

当然、外国人記者は、その記事に関してコメントを求めると、田中角栄元首相は「納得のいかない部分もある」と答えた。すかざす記者は「納得のいく部分もあるのか」と、質問が次々に飛んだ。これを機に日本の政治を変えてしまったという(この項 globe.asahi.com 特派員日本を走る 2009.4.6)。

外国人記者は言う。「不正があれば追求することだ。時には無礼なほどの質問をする。そうして国民に対し、選挙のための判断材料を提供している」と。

日本人記者にも、マスコミの役目をしっかり考えてほしい。国民に正しい判断材料を提供してほしいのだ。

写真:小沢氏公判後の記者会見を報じる朝日新聞 2011.10.7

2011年10月21日金曜日

財政破綻危機:ギリシャと日本の類似点と相違点




ギリシャの財政破綻危機は、国債信用を失い、ユーロ不安から世界経済に大混乱を巻き起こし全世界がユーロ圏の対応に注目しているが、日本だって他人事ではないのだ。ギリシャの債務は対GDP比160%、3500億ユーロ(約39兆円)、一方日本は債務残高が対GDP比200%超、1000兆円を超え、GDPの規模の違いはあるが、ギリシャより悪いのだ。

危機対策として、ギリシャの債務を50%削減し、デフォルトに持って行き、世界経済への影響を最小限にするために、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充、銀行の資本増強などが検討されているようだ。

ギリシャ政府も、公務員3万人の一時帰休、高額年金支給者への支給額カット、所得税の課税免除額引き下げ、公務員給与の平均2割賃下げなど財政緊縮策を18日国会で通した。EUやIMFがギリシャにつなぎ融資80億ユーロ(8400億円)を実施する前提条件だったのだ。

ところが、新聞報道によると、官民の2大労組がゼネストに打って出、ギリシャ国内は大混乱になっている。テレビの映像を見ると「これがあの文明国ギリシャなのか」と驚く。

そもそもの発端は、2009年政権交代したとき、旧政権が財政赤字を実際の対GDP比12.7%を5%と過小評価していたのだ。新政権は破綻危機回避のために財政緊縮政策を策定したのだ。

日本との類似点は、対GDP比が他国に較べて非常に高く(イタリアも高いが)、財政再建を国際公約しなければならない立場にある。

一方、相違点は、ギリシャは公務員などが自らデモなどで緊縮策に反対しているが、日本では公務員はおとなしくしている。その代わり、財務省が公務員の利権をしっかり守ろうとしている。

政府の立場も、ギリシャは切羽詰って財政緊縮策を打ち出しているが、日本の政府は国家公務員の削減など公務員制度改革など言ってはいるが、人事院勧告を見送り、平均7.8%引き下げる給与削減法案の成立を目指す他は何ら進展させていない。これも財務省が反対しているからだ。

一方で、財政再建は財務省主導の増税が先行している。
ギリシャの問題は、決して他人事ではない。遅かれ早かれ必ずやって来る。そのとき、政府、財務省はどうするのか。

写真:ギリシャの大規模デモを報じる読売新聞 2011.10.20

犬の効用:孫の「ワンワン」の声に見知らぬ人との会話が始まる

犬は「人類の最良の友」と言われているが、犬の存在、「ワンワン」は子供の成長ばかりでなく、見知らぬ人とふれあいに重要な役をしているのだ。

1歳と6歳の孫の保育園への送迎が私達夫婦の毎日の仕事だ。途中で下の孫が「ワンワン、ワンワン」と指差しながら声を張り上げる。散歩中の犬を見つけて叫んでいるのだ。

すると、散歩中の飼い主が笑いながら立ち止まってくれ、犬を抱っこして孫に近づけ触らせてくれる。孫はチョット怖そうにしていたが、ニコニコしながら手で触る。それから挨拶、会話が始まる。

「よく手入れされた良いワンちゃんですね」というと飼い主はうれしそうに笑う。洋犬で大きい犬が颯爽と歩いてきた。「大きい犬だね」と孫に言うと、飼い主が止まってくれた。その立ち止まった姿が、前を向いてキリットしている。「すごい犬ですね」というと「ありがとうございます」と言って去っていった。

飼い主のマナーも垣間見ることが出来る。

ワンちゃんが他人の家の塀にオシッコすると、飼い主がバッグからペットボトルを取り出し、水で洗い流す。道路わきにウンコをすると、ポリ袋を被せた手でウンコの処理をする。上の孫が「何しているの」と不思議そうに聞く。「他人に迷惑をかけない飼い主のマナーだよ」と教える。

午後の5時ごろになると、通りのあちこちで犬の散歩が見受けられる。街角では飼い主同士の会話がはづんでいる。情報交換の場になっている。

「ワンちゃん」は人間を癒し、子供の成長に貢献し、見知らぬ人との会話、お付き合いが始まるきっかけを作ってくれる。

でも、ワンちゃんにも老いて来ると介護が必要になるのは人間と同じだ。後ろ足がまずダメになる。犬が手押し車に乗って、老いた人間が押して散歩している姿を見ると、元気な時に楽しませてくれた犬を大事にしている姿が良く分かる。

「ワンちゃんは人類の最良の友」とは、うまく言ったものだ。

2011年10月19日水曜日

九電やらせメール:どうなっているのかコンプライアンス




電力供給という公益事業を担っている九州電力の「やらせメール」事件での最終報告書に経済産業相からクレームが付き、「重く受け止める」と再提出の羽目になったという。社会的に大きな問題になった事案に対して、どうしてこうも権威のない報告書が提出されるのか。九電にはコンプライアンスの意識があるのか疑いたくなるほどだ。

この程度で良いだろうと甘く見た九電側の誤算は大きい。またまた、失態を繰り返したことになる。そういえば、最初に問題が発覚した時の社長の記者会見も見ても、重要な問題との認識はなかったのだ。

メデイアの報道によると、経済産業相が不満を述べたポイントは、第三者委員会が指摘した佐賀県知事の関与を明確にせず報告書の都合のいいところだけを取り上げたこと、そして社長など経営陣の引責辞任を撤回したことにある。

原発の発電再開に先立つ経済産業省主催の県民説明番組がどんな意義付けの説明会だったか良く分からないが、一般に言う公聴会の一種なのだろう。この番組での賛否が原発再開に向け、どの程度の影響力があるのかも分からないが、認めるかどうかは最終的には首長の判断ではないか。

そうすると、佐賀県知事の「やらせ関与」の疑いは、はっきりしなければならないし、その行政責任は大きいのは確かだ。

しかし、九電は県知事の辞任にも発展しかねない「やらせ関与」に対して、九電自身が認めたとは言いたくないだろうし、県知事側にしたら辞任要求が強まることを避けたいために、発言を曖昧にして何とか逃げようとしている。そこに問題がある。

九電が県知事側の関与を認めるのは、もっと大きなプレッシャーが必要だったが、案の定、第三者委員会の委員長が反発した。そして経済産業相の発言を、これ幸いとばかりに再提出で方針転換をしようとしているのではないか。

念のため九州電力の「経済産業省主催の県民説明番組への意見投稿呼びかけ等に関する事実関係と今後の対応について(ご報告)」を九電のHPで見た。

40ページ程に及ぶ報告書でふんだんに資料が添付されている。

それによると、意見メールしたのは社員45人、社外106人の合計151人という。

再発防止策として、コンプライアンスの本質や重要性に関する意識の徹底を図り、経営者層をはじめ全社一丸となって信頼回復に努めるという。

そして、社長及び取締役並びに関係者の厳正な処分では、会長、社長は100%減額、3ヶ月、副社長は50%減額、1ヶ月など減額処分で、他の関係者は10月中に実施するという。言われていた引責辞任には触れていない。

九電のコンプライアンス行動指針には、「お客様との信頼関係の構築」を挙げているが、今回の「やらせメール」は、信頼を失墜することになった。

広く県民の声を拾い上げる公聴会への不当な関与は、あってはならないことであり、経営者の責任は重い。

コンプライアンスに反する判断をした企業の責任として、会長、社長は引責辞任だろう。県知事の責任は自ら辞職するか、県民がどう判断するかになるだろう。

今回の事件は、どの企業もコンプライアンスを強調するが、実際の事案では旨く働いていないことが分かった。そして、国に対する報告書ぐらいは、しっかり権威付けされ、批判があっても押し通せるものであってほしいと思う。


写真:九州電力の「経済産業省主催の県民説明番組への意見投稿呼びかけ等に関する事実関係と今後の対応について(ご報告)」 九州電力HPより

2011年10月16日日曜日

野田首相! 国民に信を問わず、このまま政策を進めて良いのか

野田総理! 国民に信を問わず、このまま政策を進めて良いのか。私たちは、2009年夏、民主党に政権を託す一大決心をした。「新しい開かれた政治」に期待したし、民主党が掲げるマニフェストにも共感したが、今、政治は政権交代時と大きく変化している。

2年前の衆議院300議席という圧倒的多数の背景を持って、このまま新しい政策、変更になった政策を進めることは、有権者の民意を反映していないことにならないか。

ここ1週間のメデイアの伝える報道で、政策を拾っていっても、ドンドン変わっているし、民主党のマニフェストとも内容が変わってきている。また、国会では、モタモタして進まない政策、ゴタゴタして方向性も定まらない政策もある。

復興財源確保のための増税、さらには次期通常国会で提出が予定されている消費税増税、社会保障と税の一体改革と財政再建問題は、景気後退懸念もある中で賛否両論ある。基本的には、今の日本の経済をどう見て、どう構築しようとしているのかがはっきりしない。経済成長2%を目指すようだが、プロセスは曖昧だ。

度々、言われているデフレ脱却も、一向に成果が出てこない。日銀との協調を言っているだけでは、どうしようもない。

社会保障の安定のために、65歳までに段階的に支給年齢を上げているが、さらに68~70歳を厚生労働省が社会保障審議会年金部会に提案している。厚生労働相は記者会見で「それは無理だろう」と発言したが、すぐに年齢上げを否定してものではないと発言を訂正した。

TPPも大変な政治課題になってきた。APECで菅前総理が参加を言い出したが、農業関係者、民主党内にも反対が根強い。今は農業が問題になっているが、医療などいろんな分野で影響が出てきそうだ。民主党では党内を二分しかねないと言う発言もある。

在日米軍の普天埋設問題は、鳩山政権時国外、県外移設を訴えて無茶苦茶な状況にしてしまった。野田政権の幹部が沖縄県訪問を重ねているが、沖縄県は頑なに反対の姿勢を崩していない。ついにオバマ政権は、痺れを切らして一歩前進を要求してきた。強行すれば、民主党政権はもたないのではないか。

最高裁から違憲判決の出ている、「1票の格差」問題もかかわる選挙制度改革は、来年2月末に衆院選挙区画定審議会が首相に勧告するという。自民党の谷垣総裁は中選挙区制に戻す提案をしているが、民主党は小選挙区制を見直す考えのようだ。二院制による雪崩れ的な政権交代は、今回の民主党を見ても明らかに異常だ。

財政再建は、G20で安住財務相も国際的に約束したが、喫緊の課題であることは分かるが、経済成長とどう絡めて行くのか。日本経済の今の姿、それをどういうプロセスでどう導こうとしているのかわからない。

一方で、増税だけが先行している。

円高対策はどうなっているのか。70円台後半が長く続いているが、「市場を注視する」とは何もせずに見ているだけのことか。世界全体では500兆円規模で動いているというが、4.5兆円ぐらいの為替介入では効果は低いとも言われている。為替介入しても効果がないので、見ているだけかもしれない。でも企業は困っており、何とかしてほしいのだ。

外交も難問を抱えている。対米では普天間移設問題、TPPなど、対中、対ロ、対韓では、領海、領土問題だ。主権を守るために強い姿勢で解決に向かわないと、ズルズルでは既成事実を作ってしまうことになる。

「政治と金」の問題は、民主党議員をはじめ根深い問題だが、何ら手を打っていない。自分で自分の首を絞めることはやりたくないのが国会議員・政治家の本音だろうが、最終的には国会議員・政治家の責任を明確にすべきだ。

小沢さんの問題に早くけりをつけて、公明正大な政治活動をやってほしいものだ。

100項目以上の政策を掲げて選挙戦を戦っていくのも良いが、どうしても勝ちたいために無理な公約になる。それで議席を勝ち取っても後が大変だ。

でも、今回は政策の内容が見えている。どちらかを有権者が選択すればいいことだ。しっかりした方針が決まっていないから、利害関係者が動き回りゴタゴタする。

ここは、有権者の考えを吸収するためにも、野田政権は国民に信を問うべきだ。

政権交代時の勢力で、新たな政策を進めるのは危険だ。それほど民主党は国民の支持を得続けていない。

2011年10月15日土曜日

今なら「想定外」とは思えない地震予測
















以前だったら「想定外」と思われた地震発生の可能性も、今なら「想定外」とは思えない地震予測が、あの東北地方太平洋沖地震以降、多く見られるようになった。M9クラスの地震は、それまで想定されていなかったのだ。地震記録がなかったり、見つからなかったことが大きな要因ではあろうが、地震発生のメカニズムから来る学会の「固定観念」が、あのような巨大地震が発生することに否定的だったのだ。

しかし、古文書解析、地震考古学の発展、湖底堆積物の調査から、過去に巨大地震、巨大津波があったことを報じる研究報告は見られたが広く認知はされず、対応も後手になっていた。

今までの主流は、繰り返し起きる地震を中心にした解析だ。日本全国には2000本以上なるといわれている活断層のうち調査されているのは98活断層で、地震が起こってみて初めてこの断層が動いたというケースが多いように思える。

朝日新聞(2001.5.16)に載った「地震列島」には、中央防災会議が対策を考えている地震、地震調査委員会が確率を発表した断層帯や地震、地震調査委員会が今後確率を発表する予定の断層帯や地震が図示されている。

これには、宮城県沖地震はM7.5~8、発生確率81~98%になっているが、3月11日発生の東北地方太平洋沖地震M9の図示はない。発生当時、想定された宮城県沖地震の想定震源域と違うので、まだこの地震の発生が心配されていた。ところが最近の解析で、蓄積していたひずみ量は解消したので、その心配はないという研究報告がなされたそうだ。

その後に発表されている危険な断層を見ると、立川断層帯、三浦半島断層帯、神縄・国府津―松田断層帯、富士川河口断層帯、牛伏寺断層、近畿地方では京都の花折、琵琶湖西岸、京都盆地―奈良盆地、大阪では上町の断層が危険だとされている。

関東地方では余り知られていないが、それは厚い関東ローム層に覆われているために見つからないだけなのだ。安政の江戸地震の震源は旧江戸川河口と見られていたが、東京湾北部地震との震源で調査されたが断層は見つからなかったと報告されているのを見たことがある。

でも各断層は、それぞれ単独で存在するのではなく日本全体の地殻を考えると、お互いに関係しあっていることは分かる。
東北地方太平洋沖地震発生後、立川断層、牛伏寺断層、糸魚川―静岡構造線が活性化していると政府が発表した。それらしい地震も発生している。

南海地震、東南海地震、何時発生しても可笑しくはないと言われる東海地震が関連する南海トラフの動きは要注意だ。

高知大の岡村先生は、土佐市の蟹ヶ池の湖底堆積物の調査から、2000年前に地形が大きく変わる規模の地震があった可能性を指摘している。さらに大分県にある龍神池でも巨大地震による津波堆積物が確認されている。

このことは、南海地震の震源域が、これまで考えられていたよりも西の日向灘まで広がっている可能性を示すもので、三連動型はM9クラスの地震になる可能性があるのだ(読売新聞2011.9.2)。

そして今、神戸大名誉教授の石橋先生は、西ばかりでなく、内陸部の活断層も地震を起こす可能性があると警告している。南海トラフ沿いに地震が起きると、富士川河口断層帯、糸魚川―静岡構造線断層帯の活動が起こりやすくなり、同時に起きれば700kmというとてつもなく長い震源域になるという(朝日新聞2011.10.14)。

今、研究者は古文書、湖底堆積物などの過去の記録を考慮しながら最大規模の地震予測に取り組んである。

寺田寅彦博士も言うように自然現象は間違いなく繰り返す。時期は不明であるが、巨大地震、巨大津波にどう対応すれば良いのか迷う此の頃である。


写真下段:地震列島 朝日新聞 2001.5.16


写真上段左:三連動地震を警戒 読売新聞 2011.9.2


写真上段右:南海トラフと糸魚川ー静岡構造線 同時地震発生の可能性も 朝日新聞 2011.10.14

2011年10月14日金曜日

消費税増税:国民に信を問うのが先か、国会で通すのが先か




消費税増税成案は、国民に信を問うのが先だろう。デフレから脱却し、経済成長へ持って行き税収増をはかり財政を再建する道は険しい。今、税収増は消費税増税しかないことは誰でも分かっている。

だからこそ、民主党税制調査会長の藤井さんが言うように姿勢としても、国会議員、公務員から身を削り、ムダの政策を廃止し少しでも国民の負担を軽くすることぐらい分かっているが、何故か出来ていない。逆に震災対応をはじめとする政策推進のために公務員は増員するらしい。

鳴り物入りではじめた事業仕分けも、すでに化けの皮は剥がれている。財務省所管の朝霞の公務員宿舎も廃止評価から復活を許すなど、何のための事業仕分けだったのか。その曰く付きの「事業仕分け」を11月から再開するという。また財務省に踊らされるのかと思うとうんざりする。

その一方で、民主党政権、財務省は次期通常国会で消費税増税案を国会で通したい意向のようだ。

菅政権のとき、消費税増税に民主党内でも反対が多く、野党からの追求に菅首相は「実施前に国民の信を問う」と言わざるを得なかった。続く野田首相も同じ発言をしている。

しかし、この発言が問題なのだ。

普通なら消費税増税は、総選挙で国民に増税を訴え国民の審判で増税するかどうかを判断すべきであるが、野田政権は次期通常国会で増税案を国会で通して成案にし、総選挙をしてから実施にもって行きたいらしい。今の国会の勢力図からするとどうなるか。民主党は選挙公約で4年間は増税しないと訴えていたが、党としては増税なのか。自民党はすでに消費税増税を主張しているが、野党だから与党ほど発言に耳を傾けられない。

国会議員は選挙が怖いから増税は訴えたくない。だから選挙の前に成案に持って生きたいのだろう。

そうすると、国民が選挙でどう審判を下そうが、すでに増税は成案になっているから実施に移されることになるのだ。

大手メデイアは、どうして増税に向けたプロセスに発言しないのか。

改革派官僚として名をはせた古賀茂明が退職時「ギリシャのようになってはいけない」と公務員改革の重要性を訴えたが、そのとおりだ。

消費税増税の可否は、まず総選挙で国民の信を問うべきだ。

お詫び:大手メデイアが増税に向けたプロセスに何故、積極的に発言しないのか。その原因に「消費税免除の約束があるのでは」と記しましたが、コメントに「新聞代に消費税は払っている。よく調べて」との記入がありました。

新聞社に確認しましたら、朝刊、夕刊込みの新聞代に内税ではいっているとの回答でした。

私の間違いでしたので、その箇所を削除し、お詫びいたします。

2011年10月13日木曜日

増税を言う前に、野田首相、財務省は日本経済像を示せ







増税論が、かまびすくなってきたが、増税を言う前に野田首相、財務省はどんな日本経済像を描いているのか。今回の震災復興は歳出増で景気は回復基調になると考えていたが、その前に復興財源の問題があり、さらには財政再建、安心できる社会保障の制度改革があるのは分かるが、政策推進に当たって政権、財務省は今の日本経済、今後5年間の日本経済を動描いているのか。

政府・民主党は次期臨時国会で復興債発行法案、臨時増税法案などの提出を考えているようだ。

さらに、社会保障と税の一体改革法案は「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」ことになっている。消費増税への一歩だが、菅政権の時に実施前に国民に信を問うと約束した。

しかし、これが曲者なのだ。通常国会で税制改革法案を通しておいて、総選挙で国民に信を問うというのだ。例え国民が否定したとしてもすでに法案は通っている消費税増税は出来ることになる。

本来であれば、通常国会に法案を提出する前に、総選挙で国民に信を問うのが筋なのだ。野田政権、財務省の悪巧みを感じる。

ところで、こういった増税が今の日本経済にどう影響するのか。

増税しなければ財政再建は出来ないと考えている政治家は、増税で景気が悪くなるとは考えていない。むしろ歳出が増えるので景気は回復軌道に乗るという。

一方で、今のデフレ状況の中での増税はさらに需要が落ち込み、日本経済は悪化すると主張する。まず、デフレ脱却で経済成長軌道に持って行き税収を増やせというのだ。

日本は世界的に見ても税が安いので、増税するべきだという考えもあるが、逆に諸々のことを考えると決して安くはないという研究者もいる。

適正税率ってあるのか。アメリカでレーガン大統領のときだったと思うが、ラファー曲線というものが提案された。放物線を逆さまにして横軸が税率、縦軸が税収とする。税率を上げていくと、ある税率までは税収も増え最高税収に達するが、その税率を過ぎると逆に税収が減ってくるというものだ。でも適正税率がいくらかは分からないし、レーガンの時代と今の経済環境は違うので、一概には言えない。

ところが、知りたかったデータが見つかった。週刊ポスト(2011.10.21)の「消費増税で「景気は後退」「税収は減少」の衝撃データ」で、総税収を見ると消費税増税で日本経済は悪化しているのだ。

消費税増税については、菅首相が参院選の時に唐突に消費税10%を打ち上げたように、民主党、自民党でも消費税増税は既定路線のようであるが、増税が日本経済に与える影響について、しっかりした議論をし国民に示すべきだ。

そして、今の、そしてこれから5年程の日本経済を野田首相や財務省はどう導こうとしているのか。

今後、「実質経済成長率を約2%にする」とは、よく言われている戦略であるが、プロセスがはっきりしない。インフレターゲットとは言わないが、2~3%のインフレ率をも目標にしているらしい。

マネタリーベースで紙幣を増やせばデフレ脱却につながり、円高対策にもなるというが日銀の腰は重い。そもそも日銀は今の日本経済をデフレとは認めていない。日銀は物価の監視をしていればいいのであって、経済成長に責任はないのだろう。

兎に角、野田政権、財務省、日銀は日本経済像を国民に責任を持って示せ。

写真左:「消費増税で「景気は後退」「税収は減少」の衝撃データ」 週刊ポスト2011.10.21

写真右:財政再建のため増税路線を突っ走る財務省 民主党の政治主導は何処に言ったのか

2011年10月10日月曜日

八ッ場ダム:政権に翻弄され混迷極まる公共事業










































止(や)めようにも止(や)められず、止(と)めようにも止(と)められず、政権に翻弄され、混迷する八ツ場ダム建設。民主党政権で中止→検証→先送り、再度自民党政権で推進になるのか。民主党政権交代での公共事業見直しの象徴となり本体工事を中止させられた八ッ場ダムは、当初建設反対だった住民が今度は建設推進を訴える羽目になった。

まだ紅葉には早いが、八ッ場ダム建設工事がどうなっているか知るために、9日、一年ぶりに川原湯温泉を尋ねた。

まず瀧見橋で吾妻川の紅葉を見たが、まだ早そう。でもすでに葉が茶色くなった木もあり、今年の紅葉もあまりきれいではないかもしれない。

瀧見橋の下流を見ると、ダム本体工事の前に建設された河川水を迂回配水する地下トンネルの呑水口構築物(正式にこういうかは忘れた)が顔を出している。

見物に来ていた年配の夫婦の女性が「こんなすばらしい景色が水没するなんて残念ですね」というと男性は「巨額の建設費を使いながら、まだ完成しない。ダム工事を中止させた民主党も落としどころが分からなくなっているのではないか」、「そう思いませんか」と私に話を振ってきた。「民主党政権で中止、検証そして先送りで再度自民党政権で推進になるのではないですか」と考えを述べた。

さながら、朝の情報番組のキャスターとコメンテーターのやり取りまがいだ。それだけ八ッ場ダム建設は政治マターなのだ。

8月の強雨で川原湯温泉駅まで土砂が流れてきたというので、工事中の盛土部分が流出したのかと注意してみたが、駅前の急傾斜の崖にシートがかけられ、大きな土嚢が置かれていた。崖の上がどうなっているのかは確認できなかった。川原湯温泉街は急峻な崖と脆い岩肌が露出している。土砂崩れが起きても不思議ではない。

最初に打越代替地に向かった。約25軒ほどの新築住宅が建っている。美容室が2軒営業中だった。消防施設なども建っているが空き地が目立つ。すでに地域から離れていった人が多いと聞いたので計画通りに行っていないのだろう。1年前に来た時と町の様子は変わらない。しかし建っている住宅を見ると豪華な建物もある。

向かいの代替地、川原畑地区を望んでも様子は同じだ。


違ったところといえば、代替地を結ぶ仮称湖面1号橋の工事が進んでいることだ。川原湯温泉の歓迎アーチがあり、以前茅葺屋根の食事処があったところに橋脚が造られていた。生活優先工事なのだろう。

温泉街を歩いて上った。住居や旅館の撤去跡のコンクリートの基礎がやけに目に付く。いつ書かれたのだろうか、廃業した旅館の歓迎板に○○ご一行様のかすれた文字が哀れだ。

温泉街の中心地に来た。1年前に来た時、最後の常連客を送り出し「長い間のご愛顧、ありがとうございました」の看板を出していた「高田屋」は、撤去されていた。その隣にあった「みはらし館(?)」も撤去され、残っているのは「柏屋」だが、玄関ドアの内側に「休館中」の表示が出ていた。

標高586mがダム天端の高さでダム水位は583m、ほとんどの旅館が水没するのだ。

最盛期は22軒ほどあったという旅館も、今はどのくらいだろう。撤去したといっても、廃業したのか、休業したのか分からない。

さらに温泉街をあがり、JRの新駅が出来る付近まで行った。詳しい図面が分からないのいだけれど、八ッ場トンネルの工事現場が広がっていた。向こうに有名になった仮称湖面2号橋が見え、すでに車が通っている。

ダム本体工事が中止になるのか、着工になるのか、民主党は今年秋までに結論を出すという。その事業主体の国土交通省の八ッ場ダム検証では、建設しないで河川改修や地下法水路など他の案に比べ総事業費で1000億円以上安いという。そりゃあそうだろう、他の案はダムより大掛かりな工事らしい。国土交通省は、八ッ場ダム建設を継続して進めた方が安いということ強調する検証ではないか。

でも、今回の台風12号、15号による大規模な土砂崩れ災害、水害を考えると、八ッ場ダムによる治水も見直されるのだろうが、常に満杯で水を貯めていてはいざという時に洪水調整が出来るのか。むしろダムを守るために放流することによって下流で水害を増すことにもなりかねない。

発電施設もないので、電力不足対応にもならない。しかし、下流に発電所があるので少しは役立つか。
ダムが出来なければ、県道、国道、JRの付け替え、代替地移転、住民の町外転出は何だったのかということになる。県道、国道、JRの付け替えについては豪雨時に、今の国道の通行止め、JRの運転休止対策にはなるが余りにも巨費だ。

例え、ダムが出来たところでダム湖畔の新川原湯温泉にお客が来るのか。近くに草津温泉、伊香保温泉などを有名温泉があり、十分に競争できるのか。古びた温泉が川原湯温泉の風情であれば新しい温泉に興味がわくか。さらに温泉旅館もさることながら、温泉客を迎える娯楽街が造れるのか。

八ッ場ダム建設は、止めようにも止められず、止めようにも止められない二進も三進もいかない公共工事の様相を呈してきた。検証しようにも、計画時の計算書も無いという。

写真上段左:打越代替地の現況


写真上段右:瀧見橋下流に構築されたトンネル配水路の呑口構造


写真2段目:仮称湖面1号橋の工事現場

写真3段目:川原湯温泉街での旅館撤去跡

写真4段目:新JR川原湯温泉付近の工事

2011年10月7日金曜日

小沢氏意見陳述:小沢さんこそ、議会制民主主義を踏むにじっているのでは






もう過去の政治家だから目くじら立てて言うのも気が引けるのだが、小沢さんこそ、議会制民主主義を踏みにじっているのではないか。小沢さんの公判での意見陳述、公判後の記者会見は、現役政治家の立場を放棄した悪あがきとしか思えない発言が続いた。自民党時代から政権の中枢にいて、その存在は良かれ悪しかれ政治に影響を与えている。

テレビを見ての記憶なので曖昧な点もあるが、検察捜査を強く批判し、今からでも遅くない、直ちに裁判を打ち切るべきだという。さらに政権交代時、小沢さんが代表だったとき、強制捜査したことは議会制民主主義を踏みにじり、国民主権を冒涜する憲政史上大汚点になると怒りをぶっつけた。また、強制起訴に追いやった検察審査会についても、一般の素人が良いとか悪いとか言う仕組みがいいのかどうかと制度にも批判を広げた。そして小沢さんを抹殺するのが目的と国家権力の乱用を追及した。

聞いていて往年の学生運動のアジ演説を思い出す。

議会制民主主義、国民主権を混乱させているのは、小沢さん自身の存在ではないのか。

小沢さんの政治資金規正法違反事件は、究極の「政治と金」の問題で、虚偽記載ではなく、単純な記載ミスで修正報告すれば済んでいた事案だと主張するが、決してそんな軽微な犯罪ではない。政治資金規正法は、政治家が公明正大な活動をやっているかどうかを政治資金収支報告書で監視できる重要な法であり、記載ミスは公正な政治活動を踏みにじる行為である。

国民主権を踏みにじる事でもある。

今回の小沢さんの公判では、真実を明らかにするのではなく、検察側vs弁護側の裁判闘争にもって行こうとする小沢さん及び弁護人の戦術がありアリであるが、これが小沢さんの本心なのか。

国民は、どっちが勝つかではなく、真実を知りたいのだ。

小沢さんがあがけばあがくほど、自身の信頼は薄れ、民主党は国民から見放されていくのだ。自浄作用のない民主党に政権を担わせることなど出来ないのだ。

小沢さんは、自らあらゆる手段を使って国民に真実を訴えなければならない。検察や検察審査会をやじっても何の得にもならないのだ。

裁判中だと抗弁せず、政治家の責務として国家招致に応じるべきだ。逃げ回っている小沢さんこそ、議会制民主主義を踏みにじっていることになる。
今からでも遅くない。弁護団や側近に惑わされず、自分の本心で考え直すべきだ。


写真:公判後の小沢さんの記者会見 2011.10.6 民放テレビニュースより

2011年10月6日木曜日

シーテックジャパン2011:新しいご近所付き合いがITで始まるのか





























ITで新しい近所付き合いが始まるのだろうか。昨年に続き5日に、幕春メッセでシーテックジャパン2011の展示会に行った。今年の特徴は3D、4Kのデジタル家電よりもエネルギーや環境関連の重点が置かれているようだ。太陽光発電パネル、蓄電池、電気自動車そしてこれらで構成される個々の家庭の「スマート・ハウス」化ばかりでなく、地域を巻き込んだ「スマート・コミュニテイー」構想が気になった。

自然エネルギーを利用する太陽光発電、風力発電はCO2削減など環境配慮の創エネルギーであるが、発電しっぱなしではなく、夜間や非常時など必要なときに利用できなければダメで蓄電法の工夫が必要とされたのは、ついこの間のことだったが、今蓄電池は大きく進展したようだ。

蓄電池機能付き太陽光発電、風力発電がクローズアップされており、これに電気自動車とそれに関連した充電施設、蓄電設備としての応用が提案されている。

さらには、家庭内にあっては、省エネで「電力の見える化」も進められている。電気の使用状況がどうか、工夫すれば節電になったかを目で確認できるようになったが365日見ているのだろうか。こんなものは最初の1ヶ月もすれば大体の傾向は分かり、後は感で出来ると思うのだが。

そして、携帯電話による家電の遠隔操作技術も進んでいるようだ。エアコン、給湯、証明、床暖房、家庭内の安全を携帯電話一台で操作、確認できるのだ。でもこんなことを必要とする人が実際にいるのか。快適、安心、便利もここまで要求するのか。何か携帯電話機の過剰スペックのような気がしないでもない。

スマート・ハウスでも課題はある。発電容量、使用容量をどう決めるかだ。非常時に何処までの家電機器をバックアップするかだ。今は必要とする家電機器ごとに別の配線で対応できるらしい。直流家電の開発も必要だ。発電は直流、家電は交流のため変換ロスが出る。

また、発電、蓄電池の使用が不統一である。そのため各メーカーの機器を組み合わせることでシステムを構築することになる。そこでこの辺の仕様の統一も考えられるが、そうすると差別化が出来なくなる難点があるらしい。

さらには、太陽光発電、燃料電池、電気自動車には購入時、助成金で割高感を解消し、導入動機づけをやっているが、助成金は税金から拠出される。助成金を当てにしてのシステム構築には限界があるのではなかろうか。

こういったスマート・ハウス、スマート・ホームの技術を地域の街づくりに応用した「スマート・コミュニテイー」構想も出来、実証実験に入ったというのだ。

太陽光発電システム、風力発電システム、燃料電池などを装備した住宅、商業施設、公共施設、電気自動車、バス、それと関連した充電施設の完備、そしてその地域を管理するデータセンターのある街づくりだ。

これから「新しいご近所付き合い」が始まるのだ。

電力不足で東京都知事が槍玉に挙げた自動販売機も地域貢献型が紹介されていた。ソーラーパネルを搭載し、災害情報、地域情報、時事通信のニュースも提供が出来るのだ。停電用のバッテリーも搭載し、緊急時には飲料の無料提供も出来るという(日本コカコーラ株)。
しかもこれらは遠隔操作で情報の配信がされるのだ。

IT、エレクトロニクス技術には無限の可能性がある。


写真上段左:太陽光発電パネル 効率のいいパネルが開発されている


写真上段中:蓄電池機能付き太陽光発電


写真上段右:日産近未来住宅 太陽光発電、燃料電池で発電、EVに充電し電源車として使用


写真下段:スマート・ホームの構想 これを地域に拡大して「スマート・コミュニテイー」を構築する。「新しい近所付き合い」が始まるのだ。

2011年10月4日火曜日

チョッと顔を見せる東京駅復原工事







東京駅が2012年6月の竣工を目指す復原・保存工事をやっているが、その復原部分の北ドームと北切妻部を張り巡らされた工事シートの開口部から見ることが出来る。

1914年12月に竣工、18日開業してから97年、その間1945年5月にはB29爆撃機の焼夷弾を浴び異国的丸屋根ドームは姿を消し、3階建が2階建に。老朽化も進んだことから今回の復原、保存、免震工事が2007年に開始され、来年竣工するという。

南北2つのドーム、消失した3階部分を忠実に復元するとともに、丸の内の駅舎、ホテル、ギャラリーを恒久的に活用、外観も創建時のままに再現されるらしい。

2日に見たのは、まだ工事用シートに囲まれていたが、北ドームと北切妻部が見えた。異国情緒あふれる佇まいは感動ものだ。

3月11日の東日本大震災もこの復原工事に重大な影響が出るかもしれないと以前新聞で読んだことがあるが、屋根スレートを石巻の業者が作っていたのだ。完成を見るということは、大変な苦労で供給できたのだろう。報道によると、津波で流されたスレートをかき集めたという。

私が、大学を卒業し東京へ来た時は、丸の内側は皇居に向かって正面に丸ビル、右に国鉄本社ビル、左に東京中央郵便局があり、ビジネス街だった。ロータリーは都電三ノ輪線の東京駅の乗り場があった。どのビルも高くて7階程度で、大きな空が見えた。

しかし今は、八重洲側と同じように高層ビルが林立し、空の占める空間も狭くなった。

東京中央郵便局も、高層のJPタワービルに建て替え中だ。鳩山総務相のとき、東京中央郵便局の歴史のある建物を保存しようという動きがあり、設計変更で古い建物の一部を保存することになった曰く付きの工事だ。正面に建物が残るらしいが、工事を見ると本当に保存されるのか疑問がわく。

外国と違って、古いよき建造物をドンドン壊し、新しくしていくことにバイタリテイーを感じるが、歴史を捨てていっては日本の文化の損失である。

その点、東京駅の復原・保存工事に拍手を送りたい。

写真左:シートの開口部分から顔を見せる異国情緒の北ドームと北切妻部

写真右:東京中央郵便局がJPタワービルに建て替え工事中

朝霞公務員宿舎建設凍結で見る野田首相、財務省の大いなる悪巧み

105億円の公務員宿舎建設凍結は、野田首相、財務省の大いなる悪巧みとしか見えない。国会で野党に追及され、あたかも野田首相の政治主導で凍結になったかのように見せているが、復興増税の捻出、消費税増税へ向けての財務省の布石であることは見え見えだ。

昨年末、事業仕分けで中止が宣言されていた事業を、野田首相(当時財務相)、3人の政務官によって解除したという。その要因も、あちこちの公務員宿舎を統合廃止し売却して利益を出すということだったらしい。

さらに東日本大震災で復興財源の確保が優先順位で上位になったための処置とも言う。

おまけに、工事を凍結すれば40億円に上る損害賠償額が出るらしい(朝日新聞2011.10.4)。今現場は工事前の準備段階で整地作業をしているようだ。資材のキャンセル、請負業者への賠償などが発生するのは当然としても、金額が大きすぎないか。財務省は工事中止の損失の見せ金にしているのではないか。

さらに問題なのは、追及もされていないのに、都心3区にある公務員宿舎を廃止、売却する方針も出てきたことだ。安住財務相は淡々と記者団に発表していたが、出来すぎで疑う。

復興増税、消費税増税に向けた財務省の悪巧みだ。

追求すべきは、もろもろの財源不足の中で、強引な事業メリットを挙げて、幼稚な民主党政権をそそのかし、公務員の待遇を優先する事業をごり押しする財務省の姿勢だ。

今、要求される人材は、勝・財務省事務次官ではなく、改革派官僚としてがんばり、辞職に追いやられた古賀茂明氏ではないか。

足尾鉱毒事件で被害者の側に立って救済に走った田中正造さんが「国民監督怠れハ、為政者盗人になる」と警告していたが、今も変わらない。

国民は、財務省の悪巧みを見破る力を持って、監督を続けなければならない。

2011年10月2日日曜日

東電中間事故報告書:東電は原発を運用する資格はない







福島第一原発事故に関する東電の中間報告案を見てやっぱり東電には危険で巨大技術である原発を運用する資格はなかったことを確信した。これ程多大な被害を及ぼし収束の目処も立っていない事故を起こしながら反省の考えは伝わらず、原発から撤退する意向か。

すべてが企業秘密というのだろうか、黒でマーキングされた操作手順書の提出、反省が見受けられない今回の中間報告書案。今後の責任追及をかわすための考えだろうが、東電の横柄な企業体質が丸見えである。

本当に福島第一原発は巨大地震での損傷はなく、「想定外」の津波による非常用電源の喪失が主要因だったのか。

想定津波を9m、15mで試行的に試算しているが、土木学会の5.7mを最新の知見として従来の東電の考えを正当化しようとしている。

当初から原発関係者の「緊急対応冷却装置がしばらくは働くからメルトダウンなどは起こらない」という主張も、報告書では暫く動いていたが、その後停止したという。何故だ。

事故後の非常用電源車の仕様の不都合、資材の誤配も新聞報道で知ることが出来た。緊急事態とは言え、何でこの程度のことが出来ないのか。

人災と言われても仕方ない東電の管理システムではなかったのか。東電の副社長が避難所を訪れて住民と対話したとき、女性が「天災ですか、人災ですか」と質問したとき、副社長は小声で「私としては人災だと思う」と答えていた。人災と認めたくない気持ちはアリアリとしていた。

これ程大きく修復に多大な巨額の費用がかかる事故を起こしていながら、「自己弁護」に尽きる中間報告を臆面もなく提出する東電に役所以上に役所的組織であることを感じる。

ここに至っても謙虚さのない東電に、原発を運用する資格はない。

社外有識者の評価を得て公表すると言うが、これを社外有識者が認めると社外有識者の常識を問われるし、社外有識者の指摘で修正するとなると東電の基本的姿勢が追求される。

このほかに政府の事故調査・検証委員会も作業を進めている。問題の本質に迫った検証を期待したいが、如何に内部調査とは言え、「自己弁護」に徹した東電報告に失望を隠せない。

写真左:東電中間事故報告書案を報じる読売新聞 (2011.10.2)

写真右:東電本社 当面の総賠償額は4.5兆円、今後10年間に2.4兆円の経費削減が求められ、電気料金算定で原価より多角見積もられていたことが指摘されている(読売新聞2011.9.30)

そして民主党政権は終わるのか

政権交代から2年、国民の信を問わないたらい回しで2人目の首相の就任、党内のまとまりに欠け、党内融和でできあがった内閣は適材適所にほど遠く、山積する政治課題に取り組む能力に疑問符が付く有様で、これで民主党政権は終わるのか。自民党政権の方がマシだったのではないか。

野党時代はあれだけ批判していた「たらい回し政権」を何のためらいもなく、やってのけその正統性もコメントしない。他にも多数の野党時代での言論に反する行為には呆れかえる.

見通しの甘さから見直しを要求されるマニフェストも4年で果たすもので今は道半ばだと言う。国民に嘘を付いたわけではなく、政治理念である「国民の生活が第一」は守られているという。

財政再建は緊急の政治課題であるが、鳩山さんは4年は消費税増税はしない。菅さんは唐突な消費税増税を訴えて参議院選で大敗した。でも議論はしても良いのではないかと言い、増税前に国民の信を問うと約束した。財政再建には増税が欠かせないのだ。それでも小沢グループは増税に反対する。「2010年半ばまでに10%」と言うが、2013年までに国民に信を問うての増税はスケジュール的に無理ではないか。

野田内閣は、3党による政策の事前協議を提案する。復興などでスムーズに政治を前に進める狙いがあるようだが、政府、各党が一番良い政策を国会に提案し審議して政策が決まるものだ。3党に夜事前協議は議会制民主主義を無視するものであり、自民党をはじめ野党は反対している。

「政治トカネ」の問題は根深い。野党時代が長かった民主党員は筋の悪い献金に頼ったためか政党幹部にも政治資金規正法違反疑惑が絶えない。行き着くところは小沢さんだ。国会招致にも応じず、説得も出来ないのだから自浄作用の無いことをさらけ出し、ゴネル程小沢さん自身もさることながら民主党自体の評価を落とす。

その小沢さんを頼って120人もの議員が小沢グループを形成している。今は、野田首相が融和策で何とか静穏を保っているが、常に反執行部の動きをする。党内での「まとまりがない」要因の一つだ。

何故、多くの議員が小沢さんに群れるのか。1年生議員が多いようだが、国会議員としての経験、資質に欠けどう判断、行動して良いか分らないため、小沢さんの判断に頼っているのではないか。その小沢さんの秘書が政治資金規正法違反で有罪(執行猶予付き)になり、自らの公判も控え民主党内の動揺は計り知れない。次の総選挙では多くの議員が淘汰されるだろう。

野田内閣は、今は安全運転と言うが、この内閣はこの程度しか出来ないのではないか。野田首相の財務大臣経験は、あらゆる面で財務省主導を疑わせる。泡沫候補だった野田さんが代表選で2位に付け、決戦投票で勝った背後に財務省の動きがあったらしい。

政権交代の売りの一つは、「官僚主導から政治主導へ」だが、野田さんが財務省との距離をどう取っていくのかが注目される。その一つが国会審議で注目された朝霞の公務員宿舎建設の見直し発言がある。財務省の3政務官で決めたと言うが、105億円の出費は公務員優遇と疑われても仕方ないことだ。

国民の目線での政治が重要と言うが、民主党も旧来型の目線しか持っていないのではないかと疑う。

さらに適材適所で築いたという野田内閣も今回の国会審議で「不完全な内閣」を疑わせる要注意大臣が明らかになった。復興増税では11.2兆円か9.2兆円かで大臣の国会答弁が二転三転し、山岡国家公安委員長はマルチ商法擁護で集中攻撃を浴びた。

国会審議では、全大臣が質問者の顔じっと見ながら質問を聞く姿は、今までの内閣とは違った好感を持たせるが、山積する難題をこなしていけるかどうかは、甚だ心配である。

そして民主党は終わるのだろうか。

先の「菅降ろし」騒動では、民主党が割れるのを懸念した鳩山さんが、不明朗な調停をし結果として菅政権の延命に加担した。この党内のゴタゴタ騒ぎは民主党の欠陥をさらけ出した。

生き残りを賭けた連立構想もあるが、どうなるのか。小沢さんの在籍のままでは自民党はウンとは言わないだろう。社会党系、民社党系の議員はどう動くのか。取りあえずは選挙で、どうしようもない議員を淘汰してからの話だろう。

ところが、一方の自民党も人事抗争でゴタゴタしている。若手・中堅議員とベテラン議員の間に溝があるらしい。復権に当たっては党内の主導権争いにもなる。

2011年10月1日土曜日

小沢さんの証人喚問が司法に影響するのか




野党からの小沢さんの証人喚問要求が強い。野田首相は「公判も始まる時に、司法への影響も踏まえると、するかどうかか慎重に考えなければならない」と民主党政権の「はれ物」に触る逃げの抗弁だが、本当に司法に影響するのか。

「政治とカネ」の問題は、国会議員にとっては根深い問題で、政党交付金制度で解消すると考えられていたが、一向に改善が見られない。寧ろ民主党幹部に政治資金規正法違反事件、疑惑が目立ち、究極的には小沢さんの問題に行き着く。

常識で考えると、「真実を証言する」のであれば、例え公判が控えていようと、何ら影響するものではないのではないか。その時、その時で「言い逃れ」しているから食い違いが出てくる。小沢さんや弁護人は、それを心配し国会招致に反対するが、検察側はそれに期待する。

我々国民は、真実が知りたいだけだ。政治責任を取るかどうかは、小沢さん本人の問題であり、岩手県の有権者の意思次第だ。

しかし、民主党幹部も今後の政権運営を考えると、国会招致を拒否してばかりはいられないようだ。先日輿石幹事長は国会招致を検討する意向を示したとテレビ報道があった。政治倫理審査会を考えているのだろう。

小沢さんも他人の批判ばかりしていてはならない。29日の新聞報道で、野田首相のことを「もっと指導力を発揮しなければならない時が来る」と言ったそうだが、小沢さんこそ証人喚問を受ける「決断」をしなければならない時なのではないか。

「何らやましいことはない」と常々言っている小沢さんにとって、「真実」を述べるのであれば何処に出ても問題ないはずだが。

写真:民主党本部 小沢さんをはじめ政党幹部の「政治とカネ」の問題で、いつまで騒動しているのか