2019年3月31日日曜日

都会でも「買い物難民」増:何だって自分も「買い物難民」ではないか、他人事ではない

東京都の食料品アクセスマップ2015
2019.3.31 TBSテレビ 噂の東京マガジンより

以前にも自宅から500m圏内にスーパーがなく、車、自転車がない65歳以上の人を「買い物難民」と定義しその「買い物難民」が増加し社会問題化していることはわかっていた。他人事ではない、私だって「買い物難民」なのだ。

私の住んでいる東京大田区だって高齢者の一人暮らしも増えている。車のバンで野菜や食料品を販売している人を街角で見ることができる。

そういえばスーパーらしき店は駅前に立地し500mは離れているし高齢者では歩いて15分ぐらいはかかる。帰りに大きな買い物袋を提げると大変な仕事になる。平坦な土地もあるが、坂道があるとさらに大変になる。

地方の過疎化の進む田舎では「買い物難民」は社会現象になっている。以前は地域に中小規模のスーパーがあったが郊外に大型のスーパーができ閉店したために「買い物難民」になった例を身近に見ていた。

ライフラインの問題として行政も取り組まなければならない社会問題になった。2015年には「東京都の食料品アクセスマップ」なるものが発表され買い物に苦労している地域が赤く表示されているほどだ。

ところが31日、TBSテレビの「噂の東京マガジン」で「大都会で急増!買物難民」を見た。

それによると、買物難民は全国で824万人、東京でも60万人、地方では44%増という。

具体的事例では南青山で「ピーコック」というスーパーが老朽化のために閉店したという。何でもあったので近くの人は便利だったようだ。価格も安い。ほかにも2つスーパーがあるが値段が高く、魚はないらしい。

高砂の例では、スーパーまで長いスロープ、長い橋、階段は使わないので大回りし片道18分かかる。行きは手ぶらだが帰りは買物袋を提げるので時々休憩しながら帰るそうだ。雨や強風の時には長い橋を渡るのは一苦労という。

このような不便は食事を悪くし、健康を害する結果になり病院通いということになる。社会問題の悪循環なのだ。これによる経済的損失は外国では8000億円と森本キャスターが言っていた。

そこで大事なのは事業者、商店街、行政の知恵だ。

行政サービスには限界があると、以前から「とくしま丸」の事業を展開している経営者がいう。大事なのは地域で困っている人を一軒一軒見つけ出すことだというのだ。そしてその家の前まで食料品を運ぶのだ。

村山団地のように広大な団地では団地内の店まで750mの距離がある。商店街が自転車での送迎をやっているとも言う。何をやるにも事業者が利益を確保できなければ長続きしない。

高齢者も店に行って品物を選び、知り合いと話ができることに生きがいがあるのだ。健康にもいいのだ。歩けるとさらにいいのだが・・。

町を歩いていて買物袋を提げた高齢者を見ると明日は自分かと他人事ではないのだ。困っている人がいたら手助けしようと思っているが、まだそんな人には出くわさない。田舎よりも都会のお年寄りのほうが元気なのか。


今日の新聞を読んで(233):米・海兵隊という組織を維持するために在沖海兵隊は必要なのだ


アメリカが海兵隊組織を維持するために沖縄に駐留しているのだ。私たちは「米軍がいれば安心」「その抑止力に期待」と考え在沖海兵隊を容認し、一方で遠く中東有事の際は出動する事態は知っていたが、朝日新聞(2019.3.31)の「「在沖海兵隊 海外に年100日超」で実態が明らかになった。在沖海兵隊は米国の世界戦略のために存在するのであって当然に日本防衛が主力ではないのだ。

今、沖縄は普天間返還は当然としても辺野古移設で政府と県が法廷闘争中だ。県民投票の「NO」にもかかわらず安倍政権は移設工事を強行している異常事態なのだ。

朝日新聞によると、年に100日以上、多いときは160日も海外で訓練したり紛争地へ派兵され沖縄を離れているのだ。

当然に沖縄駐留の意味があるのかということになる。

アメリカ政府も以前に在沖海兵隊の是非を検討したことがあり、其のときの米政府の高官が朝日新聞のインタビューに答えていたことを思い出す。

その高官は沖縄の基地は狭いし、駐留する規模の小さい。有事の際はグアムは米国本土から出動すればすむ問題だとしているが、海兵隊という組織を維持するためのコスト的には沖縄駐留が一番安価なのだという。

そうだろう。基地は日米同盟で日本から提供される。米軍駐留費も駐留費負担が1968億円、防衛省外予算が1820億円で計3789億円、それに特別協定で1588億円が拠出されている。

にもかかわらずトランプ大統領は大統領選で全額負担しなければ撤退すると言ったが、最近は5割増額を提案してきた(朝日新聞デジタル 2019.3.12)。

キャンプハンセン、金武部ブルービーチ、伊江島、北部訓練場など沖縄基地は狭いので訓練のためにタイ、フィッリッピン、豪州、インドネシアまで出かけている。

隊員も6ヶ月ごとに本土から交代し沖縄で訓練した後、海上に出る訓練のパターンらしい。

これでは海兵隊の拠点はダーウィン、グアムでいいのではないかという考えも当然だ。

でも安倍総理は「日米同盟の抑止力、其の中核」というし、米軍の在沖海兵隊のトップは「有事の際の前方展開では即時に展開できるし、太平洋の玄関口にある日本は重要な財産」という。沖縄は地域で起きる人道危機に対応でき日本を支援したり守ったりするのには完璧な場所」という。

でも、有事の際の人道支援、日本を守ることも政治的色彩が強い。中国が尖閣問題で領海侵犯など脅威拡大を図っていたとき、オバマ政権はなかなか日本防衛に言及しなかったことがある。日本政府の強い要請で「尖閣は安保の範囲内」とコメントしたのは相当後になってからだ。日本外交にあまりかかわりたくないというのがアメリカのスタンスだった。

アメリカでも今は在沖海兵隊が必要だが、ゆくゆくは自衛隊に取って代わる必要があると説く専門家もいる。そのためには辺野古移設も必要なのだというのだ。

沖縄県民の犠牲の上に本当に日本は守られているのか、首を傾げたくなる今だ。米海兵隊という組織を維持するために在沖海兵隊があるということだ。

関連記事
2019.2.27掲載
普天間返還、辺野古移設(2):23年前の合意、情勢の変化に対応しているのか


2019年3月30日土曜日

今日の新聞を読んで(232):無投票選挙は野党弱体の時代の趨勢か


新聞は統一地方選で無投票選挙が全体の4割を占める結果になったというが、野党弱体で安倍政権の民意を踏みにじる政局が続いている時の趨勢ではないか。41都道府県議選と17の政令指定市議選が告示されたが都道府県議選で無投票選挙区が全選挙区の39.3%と過去最高になったという。

立候補する権利、投票する権利が軽視され選挙の空洞化は民主政治維持に危機感が漂う。

新聞によると其の要因は、まず、なり手不足という。引退しようにも後継者が見つからないのだ。兼業もできない、収入は少ない。定年退職者は増えるが急に議員活動などできない。女性候補者も考えられるがこれも急には対応できない。あらゆる面でそれなりの準備が必要だ。

自民党、公明党、共産党はそれぞれ日常活動で固い地盤を持っている。しかし、野党は候補者の擁立に苦労している。分裂、解党、新しい政党結成を右往左往するごとに支持者が減っている状況だ。そして組合を主とする支持基盤は一般の有権者まで広がらない。労働者といっても管理職は自民党支持を強いられる。

その無投票選挙区が年でも増えているというのだ。

自公そして協賛は支持層が安定しているが旧民主党系は不安定だ。

野党が弱く、争点がないのも戦いにくいらしい。野党は憲法改正を争点に選挙戦に出るが肝心の自民党は争点かくしではぐらかす。市議は生活に直結しているが県議は存在感が薄い。

私も群馬に住んでいたが、市会議員選は25人定員に2~3人オーバーする。選挙予想は誰が落選するかだ。トップが2000票以上獲得すると最低ラインは700票ぐらいだった。

候補者の職業はほとんどが「農業」だが、企業の労働組合から出ている議員もいた。働きながらの議員活動は自営業、農業しかない。兼業ができないことに抵抗があるのだ。さらには収入も少ない。議員歳費だけでは食っていけないのだろう。

市会議員がそうだから県会議員はさらに厳しい。県会議員は市会議員からなる例が多かった。県会議員で十分な政治活動ができないと見ると市長選に出る。

無投票がだめというなら自分が出ればいいじゃないかと思うが、仕事があり兼業できない。今から支持団体を作るのも困難、面倒くさい選挙運動などやりたくない。そして選挙資金の工面だ。

選挙制度も見直しが必要だ。最低限ポスターを印刷、政策は選挙公報というわけに行かないか。

どうにもならなければ議員定数を削減することだ。民意をくみ上げようと思うと有権者数あたりの議員数も必要だろうが大統領制のようにして議会は行政監視でいいのではないか。今だってそうだろう。

都道府県議選ばかりではない、迫る参院選、衆院選でも同じことが言える。

選挙制度のこともあって政権与党は獲得票数の割以上に獲得議席数が多い。だから民意以上の力を自民党に与えることになり、民意を省みない安倍政権が誕生した。

政権交代可能な選挙制度ということで細川連合政権で導入、民主党政権が誕生したが行政力に差があり、3年で自民党に奪還された。アメリカのように8年毎の政権交代も野党が弱体では可能性はない。

小選挙区から中選挙区への変更も話題にはなるが、どうか。

また、よい候補者が見つからない。支持基盤の固いと思われる自民党でも候補者には困っているようだ。思いもかけず票を獲得すると比例で質の悪い候補者が当選する。○○チルドレンといって評判が悪い。

しかし何といっても野党の弱体には困ったものだ。野党に元気がなければ、政権与党と戦えず地方議員も魅力がない。


森友問題で「不起訴不当」議決:検察は法適用ばかりでなく国民、市民の目にも耐える捜査を


検察の捜査は法による罪状成立要件に合うかどうかも大事だろうが市民の批判の目にも耐える捜査をしてほしいものだ。捜査不十分で証拠が不足していれば立件は難しい。それでは国民は許さないのだ。

森友学園の国有地格安払い下げ、公文書改ざん容疑で告発された佐川氏ら10人を大阪検察審査会は「不起訴不当」の議決をし再度大阪地検が捜査することになった。今回の事件では大阪地検特捜部の「不起訴」処分に多くの専門家、国民が批判していた。

おまけに「不起訴処分」を発表した特捜部長は函館地検検事正にご栄転だ。官邸や内閣人事局の御褒美か。

ところで検察審査会の議決は「不起訴不当」であって「起訴相当」ではなかった。なぜか。この弱い議決に大阪地検は安堵しているらしいが、検察審査会のアドバイサーである弁護人の意向が働いたのか。

そこで30日の朝刊で「森友問題 検察審の議決(要旨)」を読んでみた。

大幅値引き売却―背任罪について

見積もりにある工事の必要性、他業者による合い見積もりなど捜査をつくせという。管理官が幹部職員に詳細を報告し判断を仰いでいないのはおかしい。売り払いをとめることができると思っていたのではないか。また大阪航空局に埋め立て物の撤去費の積算金の上積みするように指示している。さらに政治家による働きかけも不明のままだ。

決裁文書改ざん、有印公文書変造、同行使罪について

決裁文書の作成権限があいまい、いったん作成した決裁文書を修正するには再度決裁が必要ではないか。大幅な削減は内容が変わるのだから変造に当たらないか。

さらに佐川さんは実質的に指揮命令権を有するが「指示していない」とは信用できない。総務課長、国有財産審理室長にも重大な責任がある。作業を進めるに深い関与があったのではないか。

公文書毀棄罪について

事案終了、学園側との応接記録の破棄は公文書毀棄罪に該当する。売却契約が終了しても事案の終了とはいえない。公文書保管は国民の知る権利、残っている以上は公文書に該当する。

佐川局長の「支持していない」は信用できない。万一指示していないとしても責任は重大だ。総務課長、審理室長も深く関与していることが認められる。職員は「命令に逆らえない」として責任は問えない。

以上が審査会議決の要旨から要点をピックアップした。

改めて考えると「不起訴不当」の議決が妥当で「起訴相当」まで持っていくのはチョッと無理かとも考えられる。

犯罪を立件するためには本人に「意思があったかどうか」が重要だが、悪事を働くのに「素直に認める」役人はいない。

役人が仕事をするときは「勝手な判断はしない」はずだ。必ず上司に報告、指示を仰ぐはずだ。しかし、上司に報告することは組織の幹部が関与していることになり今回で言うと財務省理財局の関与だ。森友事案は「総理案件」ともなると末端の担当者の独断で逃げるしかないのではないか。

工事見積もり、埋設廃棄物の量の推定となると広い場所だから数箇所のボーリング(少なくとも5箇所)で廃棄物の混入状態をチェックすべきだ。それがやられていない。

文書改ざん、公文書の変造は民主政治の根幹を揺るがす大事件だ。公文書保管意力を入れた福田元総理の怒り心頭は当然だ。

そして今回の問題のポイントは「安倍総理夫妻の関与」だ。それに言及されていない。国民の80%は関与があったと疑っている。説明不十分なのだ。

恐らく表向きは指揮権発動はなかっただろうが、ことがことだけに総理側近連中が関係者に「あれはどうなったか」と探りを入れれば地検は忖度するだろう。

「起訴相当」の議決できなかったということはアドバイサーの弁護人の意向が働いていたためではないか。

何かしら総理夫妻が関与する大疑惑事件になると思えるが、なんとなく「やる気」の起こらない事件にも思える。



2019年3月29日金曜日

新年号(2):4月1日11時30分、それまで、それ以降でどれほどの国民が精力をつきすのか


新元号の発表が4月1日、11時30分ごろとなったが、それまで、およびそれ以降どのくらいの国民が精力を尽くして対応するのか。官房長官が新元号が書かれた額を掲げた瞬間から始まるが、メディアは一刻も早く知り他社に先駆けて電波に乗せようとがんばる。其の前にどこかのテレビ局の美人記者がスクープするかもしれない。

発表後も大変だ。関連する会社は準備を整え、新年号がわかり次第コンピューターに打ち込むと一斉に印刷などが作業が始まる。

新年号だから其の発表は一大イベントで、国民全員が何らかの影響を受ける。だから関連する事業にかかわる国民は精力を尽くすことになる。

官邸では発表のリハーサルを繰り返したという。

発表は先の「平成」での小渕官房長官を習って、官邸では菅官房長官が新年号が書かれた額を掲げるらしい。記者からの質問に菅官房長官は「ニンマリ」の笑顔になる。

やっぱり一大イベントだ。どうするかは総理と官房長官の出番の問題での駆け引きだ。安倍総理だってやりたいだろう。「平成」のときを例にするということは発表は官房長官だが、新年号の趣旨説明をどうするか。「平成」のときは官房長官があわせて行った。

当時の竹下総理は「顔は小渕」、「名前は竹下」とか何とか言ったそうだが顔を売られたことは残念に思っただろう。

だから今回は新年号の趣旨説明は安倍総理がやるという。さらに皇居や皇太子への説明も安倍総理が頻繁にやっているようだ。自分の存在感を示そうとしているのだろう。

年号の検討も有識者、衆参両議長の意見を聞くというが「これでどうか」というようになるらしい。最終的には閣議で決定だから安倍総理の意向も重要だ。

すでに決まっているのだろう。

私は西暦を重視しているが免許証や健康保険証など公の資料は年号が重用されている。どう変更していくのか。

テレビの情報番組を見ていたら若者世代でも年号の使用に賛成が多い。でも高齢者になると明治、大正、昭和、平成そして新年号と西暦に比べて年の計算が簡単にはいかない。

経歴を書くときは西暦とあわせて計算することになるのだ。19○○年○月にどういうことが起きたと説明する人は多いが、昭和○○年○月という人は少ない。

早く、西暦に統一すべきではないか。そうすれば今回のように多くの人が精力を尽くすことはなくなるのだ。



日産・ガバナンス強化:ゴーン被告が去ってゴーン対策か


日産ガバナンスは諸悪の根源だったゴーン被告が去っていったのにゴーン対策をやっているように見えないか。ゴーン被告の「経営者不正」が明るみになりガバナンス欠如を省みて、日産立て直しのための外部有識者による「ガバナンス改善特別委員会」が提言を発表した。

過去の人となったゴーン被告に「日産が心配だ。強いリーダーシップが必要」と言わしめた発言は日産の経営の問題に迫るものではないか。

日産の歴史をたどると労働組合委員長、歴代経営者にはそれだけの独裁性、カリスマ性があったのは確かだ。それが日産の業績を悪化させ2兆円を超える負債にもなった。

経営者の質を問われることになったがゴーン被告の「典型的な経営者不正」で終止符が打てるのか。

特別委員会の提言は「業務執行」と「経営監督」を分ける内容だが、経営監督に重点がありそうだ。

それによると、取締役の過半数を社外取締役にし、取締役会議長には社外取締役が担う。社外取締役は定期的の会合を開くことになる。日産経営の権力の二重構造にならないか。

役員、報酬、人事がゴーン被告にゆだねられていたが、「指名委員会など設置会社に移行する。

業務執行では会長職を廃止し、日産のCEOをルノーの取締役や執行役員が兼務できないことになる。

監督ばかりが重視されコンプライアンスを含めた日常業務がどうなるのか。特に提言はないが、今でもゴーン被告のやり方に好意的な発言をする社員もいることを考えると経営陣と従業員とのコミュニケーションのあり方に問題があったのではないか。

日産は提言を重く受け止めできる限り実現していく方向で進めるというが、社外取締役の選任が問題になりそうだ。

日産の自主性がどこまで活かせるかだ。

また、ゴーン被告の不正行為にも言及している。金融商品取引法違反、特別背任罪に関する事実を認めた。ゴーン被告がそれぞれの事案でどこまで反論できるかわからないが事実と認定したのだ。

ところでこの一連の不正行為での現経営陣の責任はどうなるかだが、これに対しては言及を避けた。私は十分なチェックもせずズブズブの経営をしていた現経営陣にも大きな責任があり、ある時点で引責辞任すべきである。ゴーン被告の「クーデター」論を排除する必要がある。

そして、日産とルノーの経営統合の問題だ。不平等条約的な取り決めもあるがどうするか。恐らくルノーが要求したときに社外取締役会がどう判断するかだ。

日産の現在の状況はルノーとの経営統合に反対し「日産の自主性」を確保したいための「クーデター」ではなかったのか。だとすると社外取締役会重視の経営は問題ではないのか。



2019年3月28日木曜日

19年度予算101兆円超:赤字国債32兆円、消費増税対策1兆円、アベノミクス成果?


19年度予算案が決まった。101兆4600億円で初めて100兆円越え、それでも赤字国債は減っているとはいっても32兆円、消費税増税対策で1兆円の支出、安倍総理はアベノミクスをどう評価されるか。世界経済減速により消費増税の見送りの見方も出てきた。

19年度の予算案は
予算 101兆4600億円(前年比 プラス3.7兆円)
税収  62兆5000億円(前年比 プラス3.4兆円)
税収外  6兆3000億円(同   プラス1.36兆円)
赤字国債32兆6600億円 GDP500兆円とすると対GDP比6.4%
              参考 ECでは赤字国債 対GDP比3%未満ルール

防衛費は5兆2574億円で対GDP比1%枠を少し超えたか、対中国の軍拡で膨張?

消費増税対策費がキャッシュレス対策ポイント還元2798億円、プレミアム商品券で1723億円で総計約1兆円、これに自動車、住宅減税などが加わる。幼児教育無償化に4808億円が充てられる。

消費税増税織り込み済み予算だとすると、やめると対策費4521億円が浮くが、幼児教育無償化4808億円はどうなるか。税収62兆5000億円も減額になり赤字国債が増えることになるのか。

新聞報道では財政出動、消費増税反対派の前内閣府参与の藤井京大教授と会食したという。自分の迷いを藤井さんに問うたのだろうが、藤井さんは自論を主張したのだろう。官邸も自民党も賛否両論だ。

統一地方選、保守分裂、場合によっては政権のレームダックと安倍総理の政権運営は厳しい内容になる。

更にG7大阪会談が控えている。安倍総理はリーダーシップを発揮できるだろうか。

異次元の金融緩和も6年を経過するが経済の好循環、税収増に結びつかず、アベノミクスは破たんしている。そこに消費増税だ。世界経済の減速に加えて国内経済の減速の懸念がある。赤字国債はEUの対GDP比3%ルールも守られていない。

G7に切り込んできた「一帯一路」への対応をどうするか。日本は条件付きで協力の姿勢だ。

そしてトランプ大統領の「保護主義」にどう対応するか。何とかなだめすかして共同宣言まで持ち込めるか。

外交面でもトランプ大統領来日をどううまく利用して支持率向上に結びつけるか。

安倍総理の選択肢は狭い。一層のこと衆参W選に持ち込むか東京オリンピック後に総辞職するか。

関連記事
2019.3.25掲載
難しい金融政策の舵取り:世界経済減速で財政赤字、インフレ容認か


福島第一原発「廃炉」への第一歩は、トリチウム処理水放出で誠意ある話し合いか


福島第一原発の「廃炉」への一歩は、遅々として進まない漁業関係者とのトリチウム含有処理水の海洋投棄での誠意ある話し合いではないか。先に「核燃料デブリ」をつかむニュースが流れ、まだその程度かと思っていたが、その前に解決しなければならない大きな問題がトリチウム含有処理水の海洋放出ができるかどうかなのだ。

新聞報道によると、廃炉に向けた工事では広い作業場の確保が必要だが今、処理水をためておくタンク群で敷地が一杯なのだ。トリチウム排水は112万トンを950基のタンクで保管されているが137万トンまでは予定されているがその後は未定だという。

以前からトリチウム排水の保管が場所的にも大きな制限条件になるといわれていた。汚染地下水を減少させるために凍土壁を設けて原子炉建屋の下に入る地下水を遮断する工事もやった。

海洋放出に懸念を示す漁業関係者も地下水バイパス、サブドレンの排水は認めてきたという。

それでもトリチウム排水の処理が喫緊の課題なのだ。

新聞を読むと、うまくいかない理由に東電、政府と漁業関係者との間での不信感が大きいようだ。東電は本当のことを言わない、重要なことを隠している、政府も動きが悪い。さらには素人の福島の漁業関係者だけでなく全国的は議論をすべきではないかという。

確かにトリチウム排水は今、稼動している原発でも海洋に放出している。福島第一原発の排水のトリチウムによる被爆が人間の健康に影響を与える可能性はほぼないという(「福島第一 増え続ける処理水」読売新聞2019.3.27)。

そんな排水なのだが海洋放出で風評被害が心配されているのだ。折角いままで漁業関係者の努力で約15%までは回復したという(同上)。それがまたゼロに向かうのは耐え難いのだ。当然の話だ。

私も海洋放出したときのシミュレーションを知りたい。恐らく持っているはずだし、すでに公開されているかもしれない。以前、東京湾でセシウムが増えたという報告もあったような記憶がある。

放出地点からの拡散シミュレーション、海底泥の高さ別濃度、周辺の魚介類の蓄積状況、そして今稼働中の原発の周辺での同じ比較調査が必要だろう。

当事者でないので他人事であってはならない。福島第一原発の負の遺産は私たち国民の負の遺産なのだ。

関連記事
2019.2.16掲載
福島第一原発「核燃料デぶり」つかむ:忘れがちになるが廃炉への道も其の辺か

新元号(1):「安」という字は避けた方がよいのでは

新元号の発表まであと4日、制定までのスケジュールが流れているが、国民誰もが納得のいく元号になって欲しい。いやしくも「安」という字を使って安倍総理に忖度した印象を与えてはならない。

安易に「安」を選べば検討した委員にも忖度の疑惑が付く。誰も好まないだろう。

もし、どうしても使う必要があるのであれば忖度を跳ね返す選定理由が欲しい。

2019年3月27日水曜日

改憲論議広がらず:前のめりの安倍総理の「功名心」だけではダメ、与野党で糸口を探れ


国会内外での改憲論議は広がらず、憲法9条改正だけの安倍総理の功名心だけでは改憲は無理だ。ここは各党の意見を集約し衆院憲法審査会で議論できる内容から始めたらどうか。世論調査でも憲法改正は国民に期待する政策では最下位に位置付ける。急ぐ必要がないのだ。

友党である公明党は慎重論、憲法改正に賛成だった維新の会も大阪W選での維新会vs自民府連からどうなるか。立憲民主は安倍総裁の下では改憲に応じられないというし、国民民主は議論できる環境づくりを謳っていた。

最近の動きを毎日新聞WEB版(2019.3.27)で見ることができた。

夕刊フジ主催の改憲派集会に安倍総理はビデオメッセージを寄せ「自衛隊明記し違憲論争に終止符を打つ、その責任を果たしたいという。

9条1,2を維持したまま9条の2で自衛隊を明記する手法で本当に違憲論はやむのか。私はそうとは思えない。むしろ活発になるのではないか。今は社会党が連立政権に入った時に「自衛隊合憲」の立場を取って静まっているだけではないのか。社会党は自衛隊合憲論を取ったためにその後、党は衰退の一途だ。

野党は国民投票でのCM規制強化を優先すべきだという。確かに自民党、与党は大量の資金を使って憲法改正賛成のCMを流すだろう。一方の野党はそれほど資金はもっていない。当然に規制強化を要求する。

民放などメデイアは賛成、反対に平等なCMを乗せることができるか。

自民党改憲推進本部の意見も分かれている。新しく本部長になった下村さんと今まで推進し役職を放された船田さん、安岡さんらの考えに違いがあり船田さん、安岡さんらの意見が正論だと思う。

下村さんは「職場放棄」発言で野党の信頼を失っている。その下村さんは、世の中は激変している、「教育の充実」は法改正だけでは対応できないという。

改憲4項目に上がっている「教育の充実」だが、野党も言うように何も憲法改正する必要はなく、法改正で十分対応できるのではないか。

船田さんは、4項目は一旦わきに置いて各党と新たな共通テーマを探したらどうかと提案、保岡さんもどんな内容から始めてもいい、野党が審議に応じられるように努力すべきだという。

私も船田、保岡案に賛成だ。与野党が同じ土俵に上がることが第一だ。ただ、上がったとたんに4項目提示され議席数で自民党に押し切られる危険もある。ここは与野党の信頼関係を築くことだ。

自民党案改憲4項目の9条改正、緊急事態条項、参院合区の解消、教育の充実ももっと専門家の意見も聞き入れながら内容を見なおしたらどうか。緊急事態の定義はいいとしても災害復旧には国民の私権の制限も必要になる。参院合区解消も国会改革、選挙制度改革とも関連する。国会議員の定数削減と関連付けて議論すべきだ。

安倍総理が憲法改正を自民党の党是として自分の任期中に果たしたい功名心が透けて見えるが、言われているように「日本のかたち」をどうするかだ。2年以内にやらなければならないテーマではない。

2019年3月26日火曜日

「大風呂敷」[論点ずらし」「取り繕い」の不誠実な安倍総理の答弁では政策の是非が議論できず


折角の安倍総理の出席を受けての国会審議だが総理の答弁が不誠実で政策の是非が議論できないことが続いている。NHKの国会中継を見ても野党の質問者が「総理 質問に答えていない」と発言することが多い。まともな答弁もできない安倍総理の出席を求めて審議するのは時間の無駄、担当大臣に質問したらどうなのか。

朝日新聞(2019.3.26)の「首相、批判をかわす3答弁」が目に付いた。安倍首相の国会答弁姿勢の3つの特徴が記されていた。3つの特徴とは「大風呂敷」「論点ずらし」「取り繕い」だという。

それによると、「大風呂敷」では統計問題の実態解明に「政府、与党、野党なく協力して実態を解明する」と答弁しながら参考人招致も小出し、招致が実現していないキーパーソンもいるというのだ。

行政を指揮する安倍総理に何ができるか。統計資料は政府が打ち出す政策の根拠にもなる。統計不正があっても政策には影響しないとは何事か。

これで政策に成果が見出されるのか。アベノミクスに成果が乏しいのも統計資料が不良だったためではないか。

安倍総理に質問すると「参考人招致は国会が決めること」と責任回避するだろう。

厚生労働相、総務相を相手に厳しく追及すればいいだけの話ではないか。おそらく担当大臣もそんなにやる気はないだろう。だからこそ「安倍総理は両大臣にしっかりやれ」といわせたかったのだろう。

「論点ずらし」では「実質賃金の下落」を指摘され「総雇用者所得は名目でも実質でもプラス」と、はぐらかして自分の都合のいい指標に言及した。

この例はほかでも見られた。質問者は工夫すべきなのだ。「総理はよく総雇用者所得は名実ともにプラスといわれているが、実質賃金は下落しているどうしてか」と聞けばいいのではないか。安倍総理の言いそうなことを先取りすべきなのだ。

これはアベノミクスの成果とも関係するのでマイナス評価はご法度なのだ。

あるいは、質問事項はあらかじめ提出され担当閣僚が答弁書を作成しているはずだ。答弁書では実質賃金下落での記述もあるはずだが、そこのところが言いたくないので安倍さんは都合のいいところだけ拾い読みしているかもしれない。

重ねて質問すると仕方なく其の省いた箇所を読み上げるかもしれない。「時間がないので次の質問に行きます」という野党議員もいるがそれでいいのか。

最後に「取り繕い」だ。NHKで安倍総理が「さんご礁は移した」と発言したが、玉城県知事は「事実に反する」と反論したことがあり、野党議員が「NHKでの発言は不正家訓青で撤回を要求した。

安倍総理は「南側のサンゴを移植したのは事実。間違いではない」と説明不足を認めなかった。

さんご礁保存を訴えているのであれば、もっと正確に数字で質問すればいいのではないか。○○%のサンゴをどこそこに移したということになる。実態がなければ答えられないはずだ。詳細なことで安倍総理に無理なら担当大臣を追及すればいいだけの話ではないのか。

そしてサンゴ礁など自然保護のために埋め立て中止を安倍総理に質問すればいいはずだ。恐らく拒否するだろう。軟弱地盤対策で大きな変更が必要になっているがそれでも工事を続行する強引な総理なのだ。

日本の首相は国家審議に拘束される時間が世界一長いといわれている。しかし、まともに答弁できない安倍総理をどうして国会審議で拘束するメリットがあるのか。得意という外交で国益を害されるよりも国会に釘付けしておいたほうがよいとでも言うのか。


中国・習主席の「一帯一路」G7へ :トランプに代わり世界経済のリーダーを目指すか


トランプ大統領が保護主義、二国間交渉に熱を上げている間に世界のリーダーを目指し習主席が「一帯一路」でG7メンバー国にまで手を差し伸べてきた。米軍の撤退、縮小、軍事費負担増は世界のリーダーとしてアメリカの存在が希薄になってきたが、その間隙をぬって中国の覇権主義が切り込んできた。

今まで多国間交渉で静穏を保っていた国際関係にも荒波が立ち始めた。

東南アジア、アフリカに次いで欧州でも財政危機にあるG7メンバーであるイタリアに一帯一路で「愛の手」(?)を差し伸べる習主席の中国に警戒が必要だ。イタリアは今回、東欧の玄関口になるトリエステ港湾開発などで3100億円の経済支援に署名したという。

中国寄りの政策に警戒する動きに「法的拘束力はない」というが本当か。

イタリアに次いで、習主席はフランスを訪問、中国はエアーバス300機の購入など450億ドルの商談をまとめたという。

マクロン大統領も中国のECでの影響力に警戒し、「二国間ではなく多国間交渉」を訴えパリでは中国、フランス、ドイツ、EUの4者会談をするという。

経済低迷、財政危機にある国に経済支援を申し出てインフラ、港湾、海上交通での協力を約束しているが、一方通行ではなく双方向でイタリア製品の輸出を目指す目的がイタリアにはある。

既にポルトガル、ギリシャ、旧共産圏13か国が一帯一路構想に参加、30か国に世界銀行、国連のトップも参加し国際会議を開催する。

でも、問題も抱えているという。

貸し付けた資金が生産的に使用されるとは限らないし、中国が見返りを望んでも期待できない可能性もある。輸出入など経済成長のための投資と思っていたが軍事施設になり、中国の艦船が停泊し商船の姿がないという。

また、借金が払えず、港湾周辺の土地を99年間中国に貸し付ける結果になる可能性も高い。100年後の世界地図を見ると各所に中国の飛び地ができていることにもなりかねない。

また、計画が途中で頓挫し、技術者が逃げている例も出ている。過去に日本と共同で開発した事業計画を資金面で中国に頼るようになり、日本が競争に負けたこともあるが、途中で中国が放棄したために日本が引き続き計画を進めている事案もあるらしい。

日本はどう参加するのか。以前協力する発言をしていたが、安倍総理は参議院の予算委員会で4つの条件を持ち出した。適正融資による対象国の財政健全性、プロジェクトの開放性、透明性、経済性の確保が必要と言う。

また、これだけ手を広げているが中国の外貨準備高も減少をたどり2030年には1兆7000億ドルになるらしい。共同事業をやっている中途で逃げられすべてを背負い込む事態にもなりかねない。

中国の借金も多いのではないか。対GDP比255%と言われている。現在のGDP 1200兆円とすると中国の借金は3000兆円になる。日本の約3倍だ。

中国が世界で経済活動するのであれば、もっと正確な経済指標を出すべきではないか。専門家の間では信用できないという声も聞こえる。

トランプのロシア疑惑、安倍の森友疑惑:似た者同士の日米トップの政治疑惑に幕引きがあるか


トランプ大統領のロシア疑惑事件でバー司法長官から概要が公開されたが、一国のトップの疑惑事件の究明は政治的にも困難を強いている。日本でも安倍総理夫妻による森友学園疑惑があり、相通じる日米トップの政治疑惑に幕引きがあるのか。

今日の新聞はどこも大々的にトランプ大統領のロシア疑惑事件での報告の概要を報じている。

チョッとまとめてみると、2016年の米大統領選でトランプ陣営がロシアと結託してクリントン陣営が不利になるよう工作下疑惑事件だ。サイバー攻撃でロシアのメールを入手し流出させた。

コ三―前司法長官は元大統領補佐官とロシアの関係者の不透明な接触で調査を開始したためにトランプ大統領が捜査中止を要請したが従わなかったので長官を更迭した。

司法省もモラー特別検察官を任命、ロシア情報員12人起訴、トランプ陣営6人を偽証罪で起訴したが証拠が見られなかった。モラー氏は調査報告をバー司法長官に提出、その概要を議会に公表したというのだ。

トランプ大統領は捜査や民主党の一連の行為を「魔女狩り」と攻撃した。しかし元選挙対策本部長、カネの流れを知っているコーエン顧問弁護士、トランプ大統領の長男、娘婿などに容疑がかかっていた。

誰が見てもトランプ大統領に不利だった。

一方、安倍総理夫妻が関与した森友学園事件を見ると、森友学園の籠池元理事長が新しい小学校を建設しようと豊中市にある国有地の払い下げを受けて建設が始まったが完成間際に疑惑が表面化した。

安倍総理夫妻は学園の寄付金集めに安倍総理の名前を使ったり、昭恵夫人を名誉校長にしたり、建設工事現場を背景に籠池元理事長夫妻との3ショット写真を近畿財務局との交渉に使った。

国有地払い下げでうまくいかなかった交渉が3ショット写真を見せたとたんにとんとん拍子で進んだ。さらに国有地の払い上げで価格で地中に廃棄物が大量に埋め立ててあることがわかり格安の払い下げになったが、その根拠となった廃棄物量の算定に疑惑が出てきた。

本件払い下げが安倍物件であることを忖度し格安算定になったというのだ。しかし、理事長側にも交付金などで詐欺容疑がかかり公判中だ。小学校建設は契約に違反が見つかり払い下げた土地を国が買い戻す結果になった。

この事件に関連し、民主政治の根幹を揺るがす結果になった。財務省は関連する公文書を改ざん、官僚の忖度発言が続き真相究明に至っていない。近畿財務局の担当者は自ら命を絶ったし、キーマンは海外へ転勤や配置換えで「証言拒否」に出た。籠池元理事長も証人喚問を受けたが「刑事訴追の恐れがあり」肝心な点は聞くことができなかった。

米国ではバー司法長官の概要報告でトランプ大統領に配慮し政治的幕引きを図ろうとしている。大統領が罪を犯したとは結論できないが潔白の証明にはなっていないと、トランプ大統領の「潔白」宣言異を唱えている。

何があっても共和党は大統領を支持し、民主党支持層は反対する米国を分断する構図になっていると言うのだ。

日本も森友疑惑での安倍総理の説明に8割の国民が不十分というし、野党も国会での追及を緩めないが、キーマンの国会招致を自民党が頑なに拒否している姿は安倍総理夫妻を守ろうとする以外の何でもない。

一国の現役の権力者の罪を追及するのは難しいのは、どの国も同じことだ。

2019年3月25日月曜日

統一地方選:与野党対決の北海道、大阪W選そして保守分裂の4知事選が注目か


統一地方選が始まった。野党は政権交代の足場作りというが与野党対決は北海道だけで、大阪都構想で再び信を問う大義名分なきW選、そして安倍長期政権に暗雲をもたらす保守分裂の福岡、福井、島根、徳島各県知事選に注目か。

北海道の鈴木vs石川に道民はどう判断を下すか。鈴木さんは東京都から夕張市に応援に入ってそのまま夕張市長になった特異な人材だ。財政難、人口減で行政はどこも苦しんでいるが夕張市長として財政赤字、人口減、観光立地の失敗の処理、地場産業の推進を経験した貴重な人材だ。

石原都政治時代、そして菅官房長官とは大学の同窓の関係もあって中央と太いパイプがあることを訴えている。新聞報道では今のところリードしているらしい。

一方の石川さんは小沢さんの秘書から衆議院議員になったが政治資金規正法違反で辞職したはずだ。それでも地元では人気があるらしい。バックに小沢さんがついているのかキャッチフレーズは「北海道独立」(?)とか言って中央に頼るより北海道独自の生き方を目指そうとしている。期待できるのではないか。衆議員時代は経費削減で議員会館は選ばずカプセルホテルで金帰月来を実行していると新聞で報道されたこともあった(確かかどうかは?)。

大阪W選では前市長吉村さんが知事に立候補、逆に松井前知事が大阪市長に立候補し「大阪都構想」の信を再び問うことになった。 大義名分のない選挙に府民はどう判断するか。今の行政では確かに無駄が多い。しかし4つの特別区を作ると施設、議員増などで更なる無駄が出てくるのではないか。今の議員にしてみても自分の生存がかかっている。

しかし、安倍官邸は困りきっているだろう。憲法改正に維新の会は賛成している。安倍官邸寄りの存在なのだが、自民府連は逆で維新の会とは地方選で対決が続いている。仕方なく自民の候補者には会っただろうが腹の中は違っている。

保守分裂になった福岡、福井、島根、徳島県知事選は安倍長期政権にとっても暗雲だ。麻生さん、二階さん、岸田さんは安倍政権の中枢にいるが権力闘争の始まりだ。安倍4選など冗談だろう。

野党は今回の統一地方選を政権交代の足がかりにしようとしているが地方選はそれぞれ地方の特異性が会って与野党対決は無理だろう。

本番は後半になる。安倍自民はアベノミクスの成果を強調し効果を地方に波及させようとしているがどうか。できればすでにできているはずだ。

「安倍政権への鉄槌を」と思うが、どうなるか。


難しい金融政策の舵取り:世界経済減速で財政赤字、インフレも容認しなければならないか


欧州経済の混乱、中国経済の減速、アメリカの財政赤字など経済リスクが高まる中で中央銀行の金融政策の舵取りは厳しくなってきた。経済成長路線を進めるためには財政赤字を伴う財政出動、2%物価目標へのインフレ容認を覚悟しなければならないのか。

25日の朝、テレビニュースは株価が大幅に安くなっていることを伝える。欧州経済の影響でアメリカが460ドル下げたことで日本も20900円台から始まったという。

世界経済は減速の見方が大きい。それでも影響となると下振れリスクを小さく見せようとする。

新聞報道で動きを拾ってみた。

FRBは金融政策の正当化に向け利上げと保有資産の縮小をやってきたが世界経済の減速リスクから利上げは19年度取りやめ、20年度の1回、政策金利は2.25~2.5%とし2.5%で打ち止めのニュースもあった。

でも米国にはいろんな問題を抱えているが今のところ堅調と見ているが、欧州、中国の成長減速が米国にも波及すると見ているのだ。

ECBは利上げを見送り0%政策金利を継続するらしい。

日銀がどうか。2%物価目標まで量的緩和を継続、長期金利0%の政策を取っている。欧米の利上げ中止は円高になり日本企業にも影響は大きい。輸出、生産面で減速するとみているが日銀は中国経済は後半には年後半には回復、欧州も下振れリスクは小さいと見る。

この見方は日銀への追加緩和の期待をけん制するためだろう。正直言って日銀に追加の金融政策としては打つ手がないのだ。

一方、FRBは利下げもあるだろうし、再び量的緩和に向かう可能性も出るだろう。

2%物価目標は頑なにインフレを目指すものであり、行き過ぎればスーパーインフレで処置のない事態になりかねない。専門家は否定するが肯定する専門家のいるのだ。

経済成長が停滞することを回避するために今は財政出動するときと主張する専門家もいるが、財政出動しても経済は成長せず、税収増にはならず赤字財政を積み増すだけだ。安倍政権でも財政は赤字の積み上げなのだ。今、日本は1090兆円ともいわれ、対GDP比245%、先進国一悪いのは相変わらずだ。中国は255%と言われる。

やっぱり、インフレ、財政赤字を覚悟しなければならないのか。

赤字財政国を中国が狙ってくる。投資することにより中国の立場をごり押しするのだ。G7メンバーのイタリアが「一帯一路」で覚書に署名したという。ECではギリシャも中国に頼っている。G7は警戒するだろう。

イギリスはメイ政権がEU離脱で混迷している。6月の離脱を12月まで先送りするらしい。離脱案がEUは勿論、英国内でも反対が多くデモが起きている。既に工場もイギリスでは閉鎖している。

フランスもマクロン政策に批判のデモの規模が大きくなっている。ルノー、日産の経営統合問題も日産が態度を硬化するとルノー、日産、三菱の連携にも影響しフランス経済に影響が出るためにルノーが軟化しているとも見方もある。

日本は、統一地方選で安倍総理はアベノミクスを掲げて地方にも恩恵が行き渡るよう訴えるらしいが6年間の続けるアベノミクスでも変わらない。思い切った政策変更が要求されるのではないか。





2019年3月21日木曜日

聖火トーチの桜モチーフ:上から見ないとわからないが誰が上からから見るのか


読売新聞 2019.3.21
東京オリンピック、パラリンピックの聖火リレーに使うトーチが発表になったが、上から見ると桜の形、ピンクとゴールドの桜ゴールド、素材は仮設住宅のアルミサッシの再利用だという。誰が上空から見るというのか。

被災地の人たちが立ち上がる姿を世界の人に見てもらいたいというのがデザイナーのコメントだ。

発想はいいが聖火リレーを見に来た人たちがトーチのトップの桜を見ることができるのか。ほとんどの人が見ることができないのだ。

関西国際空港
思い出すのは、関西国際空港の第一ターミナルの設計で同じようなことがおきていたのだ。上空から見ると「翼を休める鳥」を模したという。ところが、運営する会社は純民間会社だ。就任した社長が見に来てデザインの説明を聞いたときに発した言葉が「誰が上空から見るのか」といったのだ。上空からでないと見えない外観になぜ贅沢をするのだ。民間会社だから経営ということを考えなければということだったと思う。

その後設計変更をしたかどうかを忘れたが、役人のやる仕事はこういうことだ。

今回のトーチを見ても、横から見ると「立ち上がる姿」は想像できるが、トップ部分の桜は見えない。それでもいいのか。そんなものなのか。民間人の発想ではないと思うのだが。何本作成するのか知らないが節約すべきではないのか。

竹田JOC会長は今回の東京五輪誘致疑惑をどう晴らせるのか


東京五輪招致での疑惑を「自分は潔白」と主張し定年制延長で続投を決め込んでいた竹田JOC会長が、急きょ退任すると発表したが、自身の疑惑をどう晴らせるのか。

前回の弁明会見では潔白と一方的に説明し記者の質問も受けずに終わった会見は顰蹙を買った。IOCも批判的だったという。その後、竹田さんを取り巻く環境は大きく変わった。東京オリンピックへの悪影響、バッハ会長のイベント不参加、海外へ出ればフランス当局に逮捕される危険があり海外出張ができないこと、20年の長期政権、70年定年制に触れること、安倍政権の見はなしなどが挙げられる。

結局6月に退任、JOC,IOCの委員やめることになったのだ。役職もなくし、ただの人になった竹田さんをフランス当局は続けて疑惑追及するか、諦めるかだが招致委員会としての責任がある。

まずいことにリオ五輪での招致運動でブラジルの五輪会長が逮捕されて事実があるが、今回問題になっているコンサルタントと金額がそっくりなのだ。

五輪招致合戦は年々激しさを増していたし、IOC委員の利権あさりは問題になっていた。東京五輪招致も同じ感覚なのだ。

ところで竹田さんはどう自分の潔白を証明するのか。今までも「知らぬ存ぜぬ」でトップの責任を回避してきた事例は多いが、国内にあってはごまかせても海外の司法当局になると通用しないのではないか。

招致活動の過程で打ち合わせもあったろうし、コンサルタント料としての金額の妥当性、コンサルタントに当たる国際陸上競技連盟の前会長とその息子との関係、間を取り持ったという電通スポーツ局の幹部との関係は知っているはずだし、コンサルタント料支払いの最終決済は竹田さんだ。知らずやったとは言えないだろう。

電通幹部とコンサルタントと相手との関係、2.3億円の支払い条件。前払いと成功報酬のタイミングも噂されている。

招致疑惑では長野冬季オリンピック招致でも問題になった。この時は資料がないとか何とか言って真相究明が不発に終わった。

オリンピック貴族の利権あさりが横行しているのだ。IOCのバッハ会長もコメントの中で「IOC活動のために」竹田さんの退任の決断を評価したのだ。IOC自身も招致疑惑を問題にしているのだ。

フランス司法当局に頼らず、JOC自ら真相究明すべきではないのか。

今日の新聞を読んで(228):景気判断も機械的と人間裁量では違うのだ


景気動向指数と月刊経済報告が出たが、政府の景気判断も機械的判断と最後に人間が裁量する判断とではちょっと違うようだが、街角アンケートではどうなのか。政府の発表は失政を隠したり期待をあおる戦略から下方修正とか減速は嫌う傾向にあるが今回はどうか。

景気動向指数では個人消費、企業の設備投資は堅調だが生産、出荷に停滞感があり「緩やかに回復」としながらも景気後退感をにじませた。経済指標で停滞するデータから機械的に判断した結果だろう。3年ぶりに判断下げたと言う。

先には景気拡大期間だ6年2か月を超え戦後最長になる可能性を示したが、景気は後退の局面に入ったと見られて可能性に疑問符がついた。

一方、月例経済報告では、弱さは残るものの「緩やかな回復」が続くという。多くの経済データ、企業への聞き取り調査も加味しての人間の判断が入っている。

どんな条件であれ「景気は緩やかに回復」していると言いたいのだ。

個人消費が堅調と言っても賃上げは不十分、設備投資にも変調が見られる。やっぱり中国経済の減速感で様子見が増えているのだ。国内受注も約30%減、受注金額も3か月連続で減少しているらしい。

中国経済は読みにくくなってきた。昔のように安価で良質な労働力から「世界の工場」と言われていたが今は労働者の賃金もあがり、高齢化も進んでいる。

世界に比べると6%を超える高い経済成長率を掲げているが、専門家に言わせると疑問符がつく。

米中経済摩擦の行く方はどうなるか。経済成長の足を引っ張っているようだ。対中貿易が大きい日本の経済にも影響している。中国からのニーズが減っているのだ。

一方中国は、世界制覇に向けてアメリカと張り合っている。軍拡、宇宙開発、一帯一路、そして知的財産など米国が利権を守ろうとする分野で悉く敵対しているのだ。

FRBも世界経済減速で19年度の利上げを2回からゼロに変更した。資産縮小で米国債の縮小を停止した。政策金利は2.25~2.5%で2.5%で打ち止めの観測も流れている。

国内では消費税10%の値上げだ。景気下落のリスクから先送りのアドバルーンも上がっているが社会保障制度維持のためには消費税増税→税収増→将来の不安払しょく→消費増→経済の好循環を考えれば増税と言うことか。

日銀内での金融政策でも2%物価目標に向け異次元の金融緩和を継続するらしいが以前と違って慎重論に傾いてきている。ゼロ金利政策では次の手がないのだ。

政府の発表する景気判断は言葉選びでどう信用してよいかわかりにくい。悪い条件は見えても景気の基調は「緩やかに回復」を維持したいのが見え見えだ。

茂木経済再生相は「景気回復が戦後最長を更新した可能性」のあることをあきらめてはいないのだ。