2019年3月30日土曜日

今日の新聞を読んで(232):無投票選挙は野党弱体の時代の趨勢か


新聞は統一地方選で無投票選挙が全体の4割を占める結果になったというが、野党弱体で安倍政権の民意を踏みにじる政局が続いている時の趨勢ではないか。41都道府県議選と17の政令指定市議選が告示されたが都道府県議選で無投票選挙区が全選挙区の39.3%と過去最高になったという。

立候補する権利、投票する権利が軽視され選挙の空洞化は民主政治維持に危機感が漂う。

新聞によると其の要因は、まず、なり手不足という。引退しようにも後継者が見つからないのだ。兼業もできない、収入は少ない。定年退職者は増えるが急に議員活動などできない。女性候補者も考えられるがこれも急には対応できない。あらゆる面でそれなりの準備が必要だ。

自民党、公明党、共産党はそれぞれ日常活動で固い地盤を持っている。しかし、野党は候補者の擁立に苦労している。分裂、解党、新しい政党結成を右往左往するごとに支持者が減っている状況だ。そして組合を主とする支持基盤は一般の有権者まで広がらない。労働者といっても管理職は自民党支持を強いられる。

その無投票選挙区が年でも増えているというのだ。

自公そして協賛は支持層が安定しているが旧民主党系は不安定だ。

野党が弱く、争点がないのも戦いにくいらしい。野党は憲法改正を争点に選挙戦に出るが肝心の自民党は争点かくしではぐらかす。市議は生活に直結しているが県議は存在感が薄い。

私も群馬に住んでいたが、市会議員選は25人定員に2~3人オーバーする。選挙予想は誰が落選するかだ。トップが2000票以上獲得すると最低ラインは700票ぐらいだった。

候補者の職業はほとんどが「農業」だが、企業の労働組合から出ている議員もいた。働きながらの議員活動は自営業、農業しかない。兼業ができないことに抵抗があるのだ。さらには収入も少ない。議員歳費だけでは食っていけないのだろう。

市会議員がそうだから県会議員はさらに厳しい。県会議員は市会議員からなる例が多かった。県会議員で十分な政治活動ができないと見ると市長選に出る。

無投票がだめというなら自分が出ればいいじゃないかと思うが、仕事があり兼業できない。今から支持団体を作るのも困難、面倒くさい選挙運動などやりたくない。そして選挙資金の工面だ。

選挙制度も見直しが必要だ。最低限ポスターを印刷、政策は選挙公報というわけに行かないか。

どうにもならなければ議員定数を削減することだ。民意をくみ上げようと思うと有権者数あたりの議員数も必要だろうが大統領制のようにして議会は行政監視でいいのではないか。今だってそうだろう。

都道府県議選ばかりではない、迫る参院選、衆院選でも同じことが言える。

選挙制度のこともあって政権与党は獲得票数の割以上に獲得議席数が多い。だから民意以上の力を自民党に与えることになり、民意を省みない安倍政権が誕生した。

政権交代可能な選挙制度ということで細川連合政権で導入、民主党政権が誕生したが行政力に差があり、3年で自民党に奪還された。アメリカのように8年毎の政権交代も野党が弱体では可能性はない。

小選挙区から中選挙区への変更も話題にはなるが、どうか。

また、よい候補者が見つからない。支持基盤の固いと思われる自民党でも候補者には困っているようだ。思いもかけず票を獲得すると比例で質の悪い候補者が当選する。○○チルドレンといって評判が悪い。

しかし何といっても野党の弱体には困ったものだ。野党に元気がなければ、政権与党と戦えず地方議員も魅力がない。


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