2019年3月16日土曜日

伊方原発3号機・運転差し止め処分却下:如何に裁判官の心証とはいえ、正反対の判断でいいのか

伊方原発立地 近くを中央構造線断層帯が走り、30年以内の
M7クラスの地震の発生確率は40%の震源域にある。
「活断層&活火山ハザードマップ」より

原発の再稼働の是非を問う裁判が周辺住民の訴えで各地裁、高裁に起こされているが、住民の主張、原発事業者の主張、そして裁判官の心証がかみ合っておらず収拾が付かない。

新聞では大きく取り扱っていないが15日の山口地裁岩国支部での運転差し止め仮処分申し立て却下も大きな問題を提起していると思う。

安倍政権は原発再稼働の方針を打ち出しているが裁判所も忖度した判断になっていないか。確かに原発事業者の経営には貢献するし安価な電気代は私達の生活にもメリットが大きいが自然災害における原発事故は、逆に社会に大きな被害をもたらす事は3.11東北地方太平洋沖地震、巨大津波被害で証明済みだ。

朝日新聞(2019.3.16)によると記事は小さいが、裁判所は基準地震動、巨大噴火リスクで四国電力側の主張を認めた。住民側は伊方原発の立地に関して付近を中央構造線断層帯が走り基準地震動は過小評価されていると言う内容だったが四国電力は半島部には活断層は存在しないので「問題なし」という。

カルデラ噴火の脅威 朝日新聞2014.12.1
中国新聞α(2019.3.15)によると、50km圏内の3つの島の3人が提訴したらしい。争点には基準地震動の是非の他に130km離れた阿蘇カルデラ火山噴火も問題になった。

裁判官の判断は、「原発の運転期間中に巨大噴火が起きる可能性は小さい」、「規模の予測も難しい」「四国電力の火山対策は過小とは言えない」と言うのだ。

大きく報道されなかったのはたった3人の提訴、既に今までの裁判で争点は明らかになっている。その繰り返しだが裁判所に判断はマチマチだ。

確かにここ40年間に巨大なカルデラ噴火が起きる可能性は小さく、起きないことに期待したのだろう。しかしこの伊方原発は南海トラフ巨大地震で21mの津波が想定されている。更には30年にM7.4の地震の発生確率が40%と言う安芸灘~伊予灘~豊後水道のプレート内震源域がある。

半島部分に立地するために地震発生、津波発生で道路が寸断されると周辺住民の避難に問題がある。船で九州へ避難する案も発表されていたが避難計画は大丈夫なのか。

伊方原発に関しては裁判事例が多い。

20173月 広島地裁で住民敗訴
201712月 広島高裁 即時抗告を認め運転差し止め
20189月 差し止め仮処分取り消し
201810月 再稼働

20193月 山口地裁岩国支部 住民側敗訴

20189月に広島高裁が再稼働を容認した時の裁判所の考え方を朝日新聞デジタル(2018.9.25)で見てみた。

争点は130km離れた阿蘇山の噴火リスク(巨大カルデラ噴火)だ。原子力規制委員会の火山ガイドでは噴火の時期や程度を「相当程度の正確さ」で予測できることを前提にぁンが得ているのは「不合理」だ。

破局的噴火は「頻度は著しく小さく国は具体的対応はしていない。国民の大多数は問題にしていない」と言い「発生に可能性が相当の根拠を持って示されない限り想定しなくても安全性には欠けない」と言う。

多くの国民が問題にしていないし、根拠も薄弱だから「伊方にする可能性は十分に小さい。これが社会的通念なのだそうだ。

あの3.11東北地方太平洋沖地震、巨大津波の根拠となった「長期予測」も信ぴょう性に欠けると経営陣が判断し対策を怠った結果、起きてはならない甚大は被害となった。

1万年に一回と言う頻度だからここ40~50年では起きる可能性は非常に少なく、国民も心配していないのだ。

朝日新聞(2014.12.1)の「カルデラ噴火の脅威」によると、9万年前に九州中部で大噴火が発生し火砕流は山口県にも達し噴出量は600km3だったという。

九州電力川内原発訴訟で問題になったが、川内原発は再稼働した。九州電力は公判で「前兆が起きたら原子炉を止める」というが火山学者は前兆の判断は難しいと主張した。

経験の少ないカルデラ噴火の予測は難しく、観測網も不十分、異常があったとしても前兆とは言い切れないと地震予知連絡会の専門家は指摘していた。

読売新聞2016.3.10
近くに中央構造線断層帯が走り、30年以内にM7の地震が発生する確率が40%の震源域に立地し、南海トラフ巨大地震時は21mの津波が来襲する伊方原発だ。

日本経済、原発事業者の経営、国民生活への影響を考えると「安全」をどう見るか。首都直下地震、南海トラフ地震、その前に発生するだろう内陸型地震、富士山噴火、いずれもすぐには起きないと安心しているのだろうか。

0 件のコメント: