2019年3月18日月曜日

マンション管理の適正化(1):管理組合、理事会の主導的運営しかない



マンション管理の適正化は管理組合、理事会の強化、主導的運営しかない。自分の住居の管理なのにどうして何もできないのか。管理組合に任せているから安心しているのだとしたら大間違いだ。

こんなことを経験したことはないか。

「どうしてこんな会社が管理会社に登録されているのか」→「何言っているんだ。選んだのは管理組合だろう」→「そんなことはない。分譲マンションを買ったら勝手についてきたんだ。選んだわけではない」→「管理契約を確認したか」→「最初に渡されたのに理事長がサインして受け取っただけ」「総会の前に重要事項の説明はあるが、理事会で検討したことはない」と。

管理会社のことも管理契約の内容も知らない。これが今のマンション管理の悪い例ではないか。

今、若い世代が多いマンション、一方高齢者の多いマンションでの管理が問題になっている。社会問題化しているものもある。

築数十年の古いマンションでは住民は高齢化、独居老人、買い物難民、建て替えの問題が社会問題になり、これにマンション管理が加わってくる。

駐車場の契約車が減り経理的に負担になってきた。若者、高齢者の車離れが背景にある。だからマンション住民に限らず一般に公募しているし、駐車料金の下落している。

積立金不足で第2回目の大規模修繕が資金不足を起こしている。それが大きいマンションだと数億円になるから大変だ。一時的に数百万円を一括で徴収するか、毎月の管理費を値上げするか。管理会社が提案することはこれしかない。

しかし、「管理会社はあてにならない」と管理組合がカネを借りて対応する方法がとられている。

今まで「管理会社にお任せ」だったことを初めて管理組合が認識するのだ。そこから管理組合主導のマンション管理が始まるがそれでは遅すぎる。

まず、節約が行き届くべきだ。すべてを管理会社に委託していると見積金額が通常の2倍となりやすい。管理組合が独自に見積もりし半額になった事例が週刊誌などで記事になっているが、これは本当の話だ。

平素からマンション管理で無駄がないかどうか目を光らせる必要がある。工事、作業の必要性が理事会で議論されているか、合い見積もりを取って比較されているか、実際に工事、作業が行われたか、そして検収は終わっているか。

理事会や会計監査でチェックすべきであるがほとんどやっていないのが現状ではないか。工事、作業を提案→理事会で審議→実施の有無→検収→請求が妥当か→支払いの各工程の是非をチェックすべきだ。

検収は必ずやるべきだ。無視していると管理会社や工事会社の食い物になる。あのマンションは手を抜いてもわからないと言うことになると大規模修繕工事などやれるわけがない。

理事や理事長は各階から順番に選出される。質、適任者かどうかは問われない。だから管理会社のやりたい放題になり、マンション管理の適正化に反する。

管理組合員に対し背信行為があってはいけないし、予算、決算、会計監査では横領、詐欺まがいの行為も可能なのだ。その認識が不足するとマンション管理費の横領事件が起きる。会社は印鑑、通帳を同一人が保管していたという。これが管理契約にも反することではないのか。なぜ、理事会は確認していなかったのか。理事長であれば自分のところに何もなければおかしいと思うべきではないのか。

デべロッパー系と独立系の管理会社のどちらがいいか。デベロッパー系の管理会社は何の努力もせずに親会社が開発分譲したマンションにつくことができる。一方独立系は必至で管理法の差別化を図る。

デベロッパー系の管理会社は建物の苦情で親会社に言うことを渋る。「親会社の悪口は言えない」と尻込みをする。逆に独立系は柵がないから何でも要求することができる。

管理会社を選ぶときに気を付けるのは、営業とフロントマンの違いがあることだ。営業はいいことばかり言うがフロントマンは良くない場合もある。管理会社を理解するために理事会が変わると管理会社は会社紹介、マンション管理のやり方などを説明すべきだ。会社紹介をやらないかと提案したら何を思ったのか理事長が「必要ない。時間がない」と拒否したことがある。それをいいことに管理会社は一度も資料も配らないし、管理のやり方を説明したこともない。

どうもマンション管理に対する管理会社のマニュアルがなくフロントマンに任せきりになっているのだ。ISO9000番シリーズで品質管理がある。これに倣ってマンション管理のやり方の品質向上に努めたらどうかと思うのだが理解されない。

自分の会社のマンション管理はISO9000番で規定され切磋琢磨していると説明を受けるだけで内容がわかるのだがこういう業界は難しいようだ。

マンション管理は「手抜き」管理だが管理費は他の管理会社と比べて2倍も高い例もある。「高かろう悪かろう」ではマンション管理の基本ができていないのだ。

理事会が賢くならないと管理会社に「手を抜かれる」管理になる。

もし、順番で回ってくる理事、理事会では適正な管理ができないというのであれば、マンション管理の専門家を理事の一人に選任したらどうか。そうすれな管理会社の「身勝手な」手抜き管理に目を光らせることができるし、本来理事会がやるべき業務のアドバイスを受けることもできる。

素人のままで組合員の資産を管理していると必ず問題を起こすのではないか。



0 件のコメント: