2011年1月31日月曜日

民主党よ 党内をクリーンして出直さないか


民主党創設者の一人である鳩山さんが、名古屋の選挙応援での街頭演説で「こんな党を作ったわけではない」と言ったそうだ。稚拙な政権運営、党内抗争そして小沢さんの強制起訴にあたり、国民こそ「こんな民主党に政権を託したわけではない」と言いたいほどだ。

鳩山さんは党内融和を訴えているが,民主党のように多義の主義主張にわたる政治グループが集合したパッチワーク政党では、党内抗争、分裂回避が政局の節目節目に見られる。政権交代の気運が高まってくると弱い団結力ながら一つにまとまり政権交代を果たしたが、人事、政策では主導権争いが絶えない。

その根源が、ハードルの高いマニフェストを具にした小沢vs反小沢の内部対立にある。小沢擁護派は「今こそ小沢さんが必要なのだ」と党内融和の政権運営を訴える。

しかし、その小沢さんもついに1月31日、強制起訴になった。検察に直接起訴されたわけではないので、通常の起訴とは異なり、離党、議員辞職の必要はないと論陣を張る。しかし、検察が不起訴処分にしたときの検察庁内部での特捜検事と最高検の確執をみると、起訴の可能性も十分にあるグレーだったのだ・・勿論今、その石川さんの証言の信憑性に疑問も出てきている。

巨額の土地購入代金を秘書の任せていた小沢さん、親から巨額の政治資金をもらいながら「知らなかった」と言い張り責任回避した鳩山さん。トップ2人がこの調子ではとてもではないが「クリーンな政党」
とは言い難い。

鳩山さんは、自分のことをどう考えているのか。

政策を云々する前に、「クリーンになって出直してこい」と言いたい。

そして党内整合を急ぐべきだ。党内でも政策の不一致が見られ、代表的な問題がマニフェストに対する見解であり取り組みだ。政権を取りたいための詐欺的マニフェストと言われても仕方がない。
写真:小沢さん強制起訴にさいして指定弁護士の記者会見 2011.1.31 テレビ朝日Jチャンネル

政権を弱体化する政界黒幕の存在

政権に就きたいだけで、「何をするか」がないと常に言われるが本当なのか。党内基盤が弱く、担がわれなくてはならない総理にとっては、その政権の背後に蠢く黒幕の存在があり、ご機嫌取りが欠かせなく、当然に指導力の欠如、方向性の欠如が批判され政権は弱体化する。

鳩山政権では小沢さんの存在であり、菅政権では仙石さんの存在だ。2人共に腹黒く権力掌握には何をしでかすか分からない存在だ。「人は顔が9割」を地で行くほどだ。

しかも政権にあって国民の信を問うていない影の実力者なのだ。

鳩山さんは、政権交代、官僚主導から政治主導へ、ムダの削減、予算の根本的組みかえ、日米対等外交を抱え、総理の座に就くたが作成したマニフェストは票の掘り起こしのため小沢さん主導の内容だ。政策がぐらつく中で、小沢さんが出てきて方向性を決め決着する。メデイアは政権の窮地を小沢さんが救った格好だと報じる。

国民は鳩山さんに「指導力なし」、「考えがぶれまくる」との印象を強くした。

菅さんも「クリーンで開かれた政治」、「社会保障と税の悪一体改革」で財政再建を目指し、TPPでは「第三の開国」の必要性を説くが、人事、外交では仙石さんに振り回され、自分の思い通りにはなっていなかったはずだ。

菅さんも「指導力の欠如」、いざというときのコメントのひ弱さが政権の命取りになりかけている。

江田さんをして「心眼」で作ったはずのマニフェストをそのまま進めるか、財源不足、財政再建に向けて見直すかでこれも小沢系議員と党内抗争の具にまでなってきた。

日本の政界は、「総理になりたい人」と「担ぐ人」の2点セットで成り立っている。どう考えても不安定な政権だ。

次の総理はと言うと、民主党には仙石さん率いる前原さんがいるという。一方で自民党はどうか。あれだけの強い権限を持っていた派閥の領袖も地に落ちた。谷垣さんでは選挙に勝てないと言うが、三役は石破さん、石原さん、小池さん。以前総裁選で戦った人としては河野さん。黒幕が見あたらない自民党では総裁・総理候補選びも迫力を欠く。

結局、「悪さ加減の少ない」コトを判断基準に政権を選ばなければならない。そのためには黒幕の存在もしっかり見極める必要がある。

有無を言わず、ここは解散・総選挙だ


破綻したと思われるマニフェストも、まだ任期の半分を折り返したばかりでこれからだと言い、相変わらずの党内抗争も一致団結を訴え、まだ小沢さんの復権を狙う輩もいる不安定な民主党政権に愛想を尽かせた。

政権交代後に繰り出し、何かやってくれるのではないかと期待を持たせた鳩山政権、菅政権の稚拙な政権運営、国民を大いに惑わす言動には国のリーダーとしての品格の欠けらもない。

世論調査での内閣支持率が政権維持に大きく影響し、政権がクルクル変わる不安定さを露呈していると批判する向きもあるが、支持率が下がることには、それなりの理由があり国民の支持が離れることだ。

総理の指導力の無さ、政策のブレ、言動の不一致、ここという場面で明快に国民にメッセージを送れない、政権党内の基盤が弱く党内を律する力のない代表であり、総理に誰も期待はしないのだ。

一方、また政権交代となると政権奪取を目指す立場にある自民党はどうか。

小泉政権で壊された自民党は、次々に繰り出す政権のたらい回しで国民の信を失い、谷垣さん曰く「政治姿勢、政治手法を申告に反省し再出発した」という。野党生活で自民党も変わったようだ。今までの自民党ではない。

今国会での代表質問で、谷垣さんは「解散」を13回も主張し、「今年こそ勝負する時」と政権奪取に燃えている。自民党大会での挨拶でもその意気は伺えるが、政権奪取が政策課題であってはならない。

最近の世論調査で、政党支持を見ると自民党が民主党を抑える結果になっている。

しかし、自民党は国民の後から付いてくるのではなく、国民の前を歩かなければならない。民主党の敵失で支持を盛り返すのではなく、政策で国民を引っ張っていかなければ、政権奪取したとしても期待はずれに終わるだけだ。

菅総理は、国会で「解散は考えていない」という。しかし、そう言わざるを得ないのだ。「解散も考えている」というと求心力は急になくなり、政権維持は難しくなるのだ。

しかし、解散しか道はない。

「国民の生活」に関連する予算関連法案を通すか、時限立法で制限しこの場を凌ぎ、新しい政策は国民の信を問い、新政権で実行に移すことだ。

「マニフェストに掲げて選挙に勝ったのだから実行するのは当然、有権者は理解しているはずだ」と強弁出来る位の政策を打って、総選挙で国民の信を問うべきだ。

4から5月にかけての総選挙しか残された道はない。内政、外交共に信頼される政権を築け。

2011年1月29日土曜日

鎌倉・江ノ電沿線 歩いてみるのも面白い
















江ノ電鎌倉駅では満員だったが、鎌倉大仏、長谷寺見学の長谷駅でほとんどの客が降りるのを見かけるが、今回が江ノ電沿線を歩いてみた。鎌倉の歴史や立地を知ることが出来て面白い。

蒲田で鎌倉・江ノ島フリーキップを買って、JR藤沢駅で江ノ電に乗り換え腰越駅で下車、満福寺に寄った。狭い踏切を渡ると正面に満福寺への階段が見える。ここは義経縁の寺だ。

頼朝の挙兵に参加し義仲を討ち、一ノ谷では平氏を破り後白河法皇の覚えよろしく検非違使・左衛門少尉の位をもらったために頼朝の怒りを買い、平氏を討つも不和は深まるばかりで、鎌倉入りを拒否されたとき、ここ腰越に逗留し,勘気を晴らすために大江広元の取りなしを依頼する手紙を書いた。この手紙が腰越状というそうだ。境内には弁慶が墨をする水を汲んだ池もある。

歴史では聞いたことがあるが、ここが由来の地かと思うと感慨深い。

今までは街中を通っていたが、ここからはグッと海が迫り海岸線に出る。電車は使わず歩いて鎌倉高校前駅に向かう。海面に映る日の光が眩しいくらいだ。ドドーと打ち寄せる波の音も聞こえる。

鎌倉の土地は、山側は急峻で住宅やホテルなどが建ち、墓地も多い。駅も山際にあり、狭い踏切を通れば駅だが、出札は機械化され無人だ。この「鎌倉高校前」駅は、駅100選に選ばれた駅だ。海に面して気持ちが良い。高校生が乗ったり降りたりしている。

今日のように天気が良ければ、椅子に座って夏目漱石の小説でも読みたくなる雰囲気である。

「坂を上がって行ったところに瀟洒な校舎があるのでは」と思い学生の後を付いて坂を上っていく。ファインダーを覗いて見るシーンは、青春ドラマのロケ地としてはうってつけのようだ。

続いて極楽寺駅を目指す。道路に面する歩道も良く整備され、年配の夫婦、2人づれの若者、ランニングしている人で結構人出がある。

極楽寺への途中、托鉢を持った僧侶に会う。念仏を唱えながら歩く僧侶の前に自転車に乗った年配の男性が止まり、はつの中に硬貨を投げ入れ、コロンコロンと音がする。帽子を脱ぎ、頭を下げた男性に向かって僧侶はお経らしきものをあげ、礼をして足早に歩き去った。

極楽寺は、忍性上人が開山し、井戸を掘ったり、病人救済のため治療院を造ったり社会事業に貢献し、広大な敷地に多くの寺院が建っていたそうだ。今かやぶきの山門を改修中である。参道には桜並木、サルスベリの大木が植えてあるが、境内には「撮影、写生禁止」の注意書きがしてある。チョット珍しい寺だ。

近くに極楽寺切通がある。京都・鎌倉間の主要道路で、新田義貞が倒幕の挙兵をし、幕府軍を討ち鎌倉に迫ったときに三隊に分け極楽寺切通、巨福路坂切通、化粧坂切通から攻めたという。幕府軍も三隊に分かれて防戦したという。鎌倉は3カ所からでしか入れなかったのだ。

極楽寺駅は、駅100選にも選ばれた。隣の長谷駅に比べれば閑静な駅で、ドラマの撮影に使用されるらしい。

更に歩いて長谷駅方向に向かう。山際の住宅の玄関や門が、線路ギリギリまで迫っている。線路の柵が切れている所を渡るのだが、線路はむき出しで踏切のような対策はされていない。江ノ電は生活に密着した電車だ。

このまま歩いて鎌倉駅まで行った。14駅のうち9駅を歩いたことになる。電車に乗っていては分からない発見がある。
写真上段左:鎌倉高校前
写真上段右:満福寺
写真中段左:極楽寺切通
写真中段右:極楽寺駅
写真下段:線路沿いに建つ住宅の玄関 

これでよいのか 異常な通常国会幕開け

通常国会幕開けを見て、これで良いのかと思う異常さを見た。自民党谷垣さんは、13回も「解散」を訴え、政権党である民主党の党内事情も影響してか、輿石さんが「政治を動かす力は絆だ」と言えば、広野さんは「政権交代の最大の功労者である小沢、鳩山さんの恩を忘れたのか」という。

早速開かれた予算委員会もテレビの映像を見ると野党は欠席だ。重要案件を控えているとは言え、後が思いやられる国会だ。

その中で、政権党の民主党内抗争が影響しているが、それで「元気な日本の回復」、「国民の生活が第一」が実現出来るのかと疑う。

その混乱の原因は「政治とカネ」での小沢、鳩山問題である。

小沢さんの強制起訴を控えて国会での参考人招致、証人喚問への対応が右往左往し、与野党で考え方が違い、未だ決まっていない。小沢さんは出席すると言うが、政権運営の「カード」に使おうと考えているからコトは揉める。今国会でも野党の追及課題である。

そして、党内で多数を抱える小沢擁護派が、政策でも執行部に挑戦している。

執行部のマニフェスト見直し論に対して、一度示したマニフェストは責任を持って実行すべきだという姿勢を崩していない。江田さんに言わせば「心眼」で作ったマニフェストには実現へハードルも高く見直しが必要というのだ。

では、小沢擁護派はマニフェスト実現に向け、どうしようとしているのかは全く分からない。何故党内でしっかり議論しないのか不思議だ。「小沢さんがこう言ったからこうだ」では情けない。

これでは「絆」など出来ない。あの政権交代へ向けたあの熱気は何だったのか。

民主党内では「政権交代の功労者は小沢さん、鳩山さんだ」という声を良く聞く。本当にそうだったのか。

確かに小沢さんの票の掘り起こし、鳩山さんの「政権交代してみませんか」と訴えるテレビでの映像を見ると、「今度は民主党に」と言う気にもなった。

でもそれだけではない、野党時代の予算委員会でのフリップを使った正当な追求は納得がいった。菅、長妻、馬淵、前原、岡田さんらの勇姿を思い出す。そう言った若手、中堅の国会での活動が認められたのは間違いない。

でも最大の功労者は、長期政権で不条理も目に付くようになり、飽きられてきた自民党だ。

政権投げだし、信を得ないままの総理のたらい回しの敵失に加え、実現へのハードルが高いマニフェストで圧倒的な支持を得た。「ここは一度民主党に」の気運だ。

民主党、民主党政権は、自分たちが政権を取れた原点に立ち返り、奢ることなく山積する難問に取り組むべきだ。

小沢さんの作られた虚像に悩まされている暇はないはずだ。

2011年1月28日金曜日

秒速170万円で迫り来る国の借金1000兆円







我が国の借金は、秒速170万円で今年度末に1000兆円に迫っている。この財政悪化を懸念して、米の格付け会社S&Pが日本国債の格付けをAAからAA―の4順位に下げた。あのスペインより格下というのだ。

円安になるだろうと見ていたが、一時83円台になったが、27日は71銭安で終わった。しかし、市場は警戒の目で見るだろう

IMFも以前、消費税上げで財政再建を急げと警告していたが、なかなか進まないと見ている。ある情報通は、IMFには日本から財務省などの役人が多数派遣されており、その人達の意見が反映され、それが政府・財務省の消費税あげの方針を後押ししているとも見ていた。

どうしても、財務省の影を疑うと素直に受け入れられない状況だ。

菅総理の進める「社会保障と税の一体改革」にも援護射撃するようなニュースであるが、菅総理は記者団の質問に「そう言うことには疎いので、改めてにさせてください」と、ニュースを知らない振りのコメントをする姿がテレビに映った。

何故、自信を持って「だから日本は税制再建を急がなければならないのだ。早急に税制も含めた対策案をまとめて、国民の皆さんの信を問う」と言えなかったのか。これでは財政に疎いと言われても仕方ない。

確かに日本の財政は厳しい。国債の評価が下がることは国の評価も下がることだ。国が責任を持津べきであるが、この国に力がないと見られかねない。

債務残高を財務省のHP「債務残高の国際比較 対GDP比」を見ると、債務残高は日本が断トツに高く2008年で170%、イタリアが117%、他は50~60%だ。この純債務残高から政府保有の金融資産などを差し引いた純債務残高でも日本は86.8%、イタリア90.7%、他は40~50%で、それでも日本は先進国で一番わるい。ただしこの資料は2008年度であって今はもっと悪化している。

財務省の「日本の財政を考える」に借金時計がある。1月28日午前7時10分では、908兆8664億58万6168円75銭を示している。猛スピードで借金額が積み上がっている。今後1年で54.6兆円増えるとすると秒速170万円だ。

日本には1400兆円の資産があり、国債の買手はほとんどが国民だから心配ないという意見もあるが、それも限界がある。真剣に財政に向かい合わなければならないが、削減策はあるのか。

消費税増税に反対する人は、まずムダの削除を上げる。当然の話だが、その削減がうまく行かない。事業仕分けも聞きに行ったが、根本的な特別会計の組直しではない。寧ろ特別会計は「すき焼き」ではなかった感がした。

国民と痛みを分かち合うには、国会議員自ら報酬、手当の見直し、公務員の削減、人件費の削減などを実施すべきだという国会議員もいるが、遅々として進んでいない。それで国民に増税を強いるなんてもってのほかだ。

政権を維持しようとすれば嫌われ者の財務省との距離が影響する。財務省が言うように事を運べば懐柔されたと言われ、政治主導をうたえば情報が入ってこない。内閣の支持率も大きく影響する。

財務省が言うように財政はピンチであることに違いはない。問題はその程度だ。ムダをトコトン削って、それでも財源が不足するのであれば仕方ないが、まだムダを削ったとは思われない。

国民は勿論のこと、市場を納得させる方策を強力に進めないと日本経済はズルズルと破綻に向かうコトになる。今、国債の金利は1.25%位だが、昔は6%だった。強い経済をうたうのであれば金利を上げて欲しい。

国債の格付け下げの感想を聞かれて、直ぐにコメントできない総理に、社会保障と税の一体改革を任せられるのか。不安が増すばかりだ。
写真上段左:純債務残高対GDP比 2008年度日本は86.8%で先進国中最悪 財務省HPより
写真上段右:日本の借金時計 1月28日午前7時10分 908兆8664億58万6168円75銭 財務省HPより
写真下:日本の借金が2011年度末1000長円になることを伝える読売新聞(2011.1.27)

2011年1月27日木曜日

与野党協調:国会議員は政治姿勢、国民は政治意識の改革を


ねじれ国会状態で、簡素売りは重要法案作成寺から共に審議しようと「熟議」を連発、野党はここに来て、政権奪取のチャンスとばかりに攻勢を強める。与党は「反野党」、野党は「反与党」を基本姿勢に通してきた今までの政治からすると、急に「熟議」を求められても「何を今更」との思いだろう。

与野党が考えを主張しあい、折り合いを付けて成案に持っていく政策の進め方には賛成する。利権に偏りがちな動きを中立に持っていけるチャンスもある。ザル法防止にも効果があるだろう。

しかし、そのためには国会議員が一人一人「国民の代表」として政治に参加すること、討議に束縛されず審議する国会議員の政治姿勢の見直しが必要だ。

そして国会議員を評価する有権者の政治に対する見識が必要になる。

議員の数に物を言わせる政権交代、政権奪取、主導権争いの党内抗争、支持団体への配慮、利権誘導から本来の姿から遠のく政策に明け暮れる政界は「熟議」とはほど遠い。

「熟議」出来る土俵には、国民、国会議員の意識改革が必要だ。

有権者たる国民が、まず国会議員に対する見方を見直すべきであり、国会議員も「国民の代表者」としての自覚を持って政治へ取り組む政治改革が要求される。

2011年1月26日水曜日

脱デフレ:一層のこと、今までの逆をやったらどうか


日銀は超低金利政策を維持しているが、25日の金融政策決定会では、更に脱却を促すためにゼロ金利政策、基金による資産の買い入れなどをするという。

政府筋からもインフレターゲットの目標設定が要求されているが頑なに避け、ゼロ金利政策の解除は消費者物価の前年度比上昇率「1%程度」を目安にしているようだ。日本の消費者物価指数は前年同月比は平成22年9月まではマイナスの領域であったが、11月は0.1%とプラスの領域になっている。

日銀は、「展望レポート」で2011年度の消費者物価の上昇率予想を0.1%から上方修正したがそれでも0.3%だ。

日本はデフレからの脱却に四苦八苦している。アメリカは日本経済のように為るのを回避しようと必死だ。

主要国の消費者物価指数変化率を見ても2010年11月は、日本0.1%、アメリカ1.1%、カナダ2%、イギリス4.7%、ドイツ1.5%、フランス1.6%、イタリア1.6%、中国5.1%、韓国3.3%出、日本は極端に低い。一方イギリスはインフレを警戒している。

日本がデフレから脱却出来ないのは、日銀の政策が間違っていると指摘する学者が多い。日銀のように超低金利政策を続けていると、金融政策の効果は効き目がないと言う。

消費者物価上昇率が1%になるまで様子を見るのではなく、一層のこと金利を上げてみたらどうか。中小企業は資金繰りに支障を来す心配があれば、その対策を考えればいい。

インフレターゲットを3~4%に設定することも考えられる。今は言わないけれども2%程度を考えているはずだ。

また、紙幣を増刷しインフレに持っていく。通貨の価値は下がり円安になる。輸出は伸び景気は回復基調になる。国の借金は減るが、国民の資産、預貯金は目減りする。更にはハイパー・インフレの危険もあるかも知れない。

今まで何をやっても効果がなかったことを考えると、いろんな手を打ってみる価値はあるのではないか。

ただ、今の経済環境下での財政出動か、財政再建かは大いに迷うところである。国債を発行して景気刺激をしても効果がなく、赤字だけが残るコトになっては困る。広く会議を興し、納得のいくスピーデイーなデフレ対策が要求される。
写真:日本銀行

2011年1月25日火曜日

政権維持に欠かせない嫌われ者・財務省との距離


政権運営にとっては政策決定、財源確保で財務省との強調は欠かせないが、その財務省は官庁の中の官庁として絶対的な権限を持つ一方で、国民から嫌われている存在だ。政権を維持しようと思えば、財務省とどう距離を取るかが重要になる。

憲法で国民に納税の義務があるが、納税者は税務署を好きになれない。少しでも誤魔化そうと思えば税務署は敵だ。でっかい疑惑事案になると査察も出来る.

財務省は、国の財布を握り、国民生活に密着する政策の査定をする。国家財政の管理をしているのだ。そして政権の中枢に財務省関係者を送り込んで、情報の収集、政策の提案などに力を発揮する。

内閣支持率を上げようと思えば財務省に厳しい姿勢を示し、政治主導と見せればいい。しかし、対立すると情報は入ってこないし財源を確保しての政策作成が思うように行かない。今まだ小沢さんに任期があるのは、財務省に対する姿勢であり、言いなりにならない減税論者あるからだろう。

菅総理は、現実論者で政治主導と唱えて官僚をバカにしていると、政策推進に支障来すコトが分かって、政治主導を避ける姿勢に変わってきたところ、国民は政権から離れ始めた。

菅さんが政治生命をかけるという「社会保障と税の一体改革」を推進するために、中枢に野田、藤井、与謝野、菅の財務相及び財務相経験者が付くことになった。国民の60%は財政再建には消費税増税も仕方ないと思っているが、この政権のシフトを見ると財務省の懐柔ではないかと疑い、増税に抵抗する。

与謝野経済財政相が「経済財政の中長期試算」で、2020年度には国と地方合わせて23.3兆円の赤字になると言う。その額は消費税9%引上げたときの金額だそうだ。

一方、国、地方を合わせた借金は900兆円、秒速150万円で上積みされている。

財務省は、国家財政の危機を叫び増税への機運を高めようとしているが、一方で税金の無駄撤廃、公務員改革に利権を守ろうと抵抗している。

時の政権は、政権維持のため「財務省との距離」をどうするか悩むことになる。財源確保の難しい今の財政下では、財務省の協力は欠かせないが、財務省に懐柔されると国民は離れて行き、政権はもたない。

菅総理も難しい舵取りを迫られている。

菅首相施政方針演説:今まで出来なかったことが、本当に出来るのか




177回通常国会での首相の施政方針を聞こうとチャンネルを合わせた。「元気な日本復活を目指し、どんな国を作るのか、どうあるべきか」を申し上げると言い3つの国づくり理念を述べた。「平成の開国」、「最小不幸社会の実現」、「不条理を糾す政治」だ。

「平成の開国」は、APEC開催にあたり唐突な感のあるTPPへの参加で出てきた。農林漁業に大きな影響が出ることから、与野党問わず族議員(?)の猛反発が出ている。選挙を控えればダンマリを決め込むしかない。

若者の農業離れが進む中、若い人が参加できる豊かな農村生活が可能なように農業者戸別所得保障制度を導入したと言うが,実際に農業従事者に聞くと、その分農産物の出荷分から差し引きを強要され、何のメリットもないらしい。

雇用も成長戦略に結びつけようと法人税の5%下げ、中小法人の軽減税率も3%引き下げたという。しかし、企業が新しい成長分野への進出、雇用の創出に答えるかというと確信はない。逆に地球温暖化、再生エネルギー買い取り制度導入で企業、家計へ負担が強要される。

最小不幸社会実現に向けても雇用は重要課題である。成長が期待される医療、介護、子育てや環境の分野での雇用の創出が念頭に置かれている。しかし、この医療、介護、子育て分野は税金による補助金頼みの分野である。事業拡大、職員の待遇改善では当然に国の政策、財源が影響する。

今までだって何時のそのことが指摘されるが、良い方向に進んだとは聞かない。

国の安定財源の確保が先決だ。社会保障と税の共通番号制度を創設すると、税の取りこぼしなくなるという。国民背番号化が話題になったとき猛反対されたことがあるが、納税義務をすり抜けるなんて許されない。

「社会的孤立」問題は高齢化社会に向かって避けて通れない。身よりのない人が孤独死する事件も見受けられる。巨大な団地、地域社会で一人暮らし高齢者宅への訪問活動を進めている組織もあるが、NPO法人として認めて資金援助していく方法もあるのではないか。

不条理をただす政治では、社会問題に対して政治がどう関わるかが述べられている。

政治家の不透明な政治資金の問題も国民が求める「政治改革」としてあげられている。政治資金の一層の透明化、企業・団体献金の禁止、などいつも上げられる項目であるが、今までどうだったのか。「政治とカネ」の問題での小沢さんの政治資金疑惑は、国会での説明責任も果たせず、おまけに民主党内には小沢さんを擁護するうごきがあり、党内抗争の様相を呈している。国民としては迷惑な話だ。

国会議員には、まだやってもらわなければならないコトがある。行政のムダの徹底排除、自らの問題としての議員定数削減、公務員制度改革、国家公務員人件費の2割削減、天下り改革などである。

菅総理は国民の皆さんと一緒に考えていきたいと言う。しかし、ムダの排除、議員数削減、公務員制度改革、天下り廃止など国民の誰一人として満足はしていない結果だ。難しい問題は「先送り」がうまかった菅さんはこれからどう進めようとしているのか。国家公務員制度改革など支持母体に官公労を抱える民主党では、できっこないと言うのが定説ではないか。

国民と一緒に考えようと言うのであれば、解散・総選挙で国民の信を問うべきだ。
写真左:国会で施政方針を説明する菅総理 2011.1.24NHK国会中継
写真右:菅首相施政方針演説全文 2011.1.25読売新聞

2011年1月24日月曜日

民主党執行部の苦悩:「小沢氏との距離」に加え「与謝野氏との距離」という「しがらみ」

与謝野さんはどう民主党政権に溶け込んでいくのか。否、民主党政権がどう与謝野さんに溶け込んでいくのか。「政治とカネ」の問題で小沢さんとの距離のシガラミに苦悩する執行部が、新たに与謝野さんとの距離というシガラミに苦しみそうだ。

案の定、国会審議に向け閣内不一致の事態だけは回避すべく、勉強会を始めたという。見守る国民も不安で一杯だ。

小沢問題で紛糾しそうな予算委員会から「親小沢」派議員を差し替える強硬手段に出ている。政治倫理審査会への出席を何かにつけ拒否する小沢さんに残された道は証人喚問しかない。強制起訴を控え指定弁護人が小沢さんとの聴取を要請したとき、「検察審査会の議決にない事項についても聞きたい」と言っていたように、小沢さんの政治資金原資に疑惑の目が向いている。

小沢さんとの距離を広げ、影響力を遠ざけることが野党対策にもなるが、それでも小沢さんを守ろうとする議員の存在は鬱陶しい。強制起訴を受け一緒に離党した方がわかりやすい。

一方、新たに入閣した与謝野さんとの距離をどうとるのか。

自民党は、マニフェストとの関係、与謝野さん入閣の政治姿勢に対して追求し、「政治とカネ」の問題も絡んで、谷垣さんは解散に追い込む構えだ。

「民主党が日本経済を破壊する」とまで攻撃した与謝野さんだが、財政再建の必要性では意見が一致するも消費税増税ではマニフェストも絡んで菅総理が考えるほど簡単ではない。

今夏までに民主党マニフェストを見直すと言うが、政権交代へ大きく影響したマニフェストだ。根本的に信を問う必要があるのではないか。子ども手当、高速道の段階的無料化、予算の根本的組み直しなど政権交代へ大きな流れを作った政策を国民に簡単に諦めろと言うのであれば、政治的詐欺だと言われても仕方ない。

与謝野さんは政治生命をかけても、社会保障と税の改革をやらなければならないと考え政策を進めようとしているが、民主党には増税に対しての抵抗が大きい。国会で、そして民主党内で与謝野さんがどう説得できるか。菅、野田、藤井、与謝野の財務大臣経験者が主要をポジションを占める政権に財務省の胡散臭さを感じるが、わが国の借金は秒速150万円で積み上がっているようだ。

しかし、増税への動きは選挙で敗北を意味する。

24日に通常国会が開会するが、主要法案である税制改正関連法案、輸入品400品目の関税軽減のための関税定率法改正案、子ども手当法案、赤字国債を発行できる特例公債法案、郵政民営化見直しの郵政改革法案、国家公務員制度改革関連法案、幼稚園、保育所を一体化するこども園関連法案などの審議は難航必至とメデイアは見ている。

これだけ与野党対決情勢であれば、機密費を使っての懐柔策は使えないだろう。党首会談、総理会見などあらゆる手段を使ってでも説明責任を果たすべきだろう。

そして、社会保障・税一体化改革案、スケジュールが出来た段階で、国民の信を問うべきだ。それまでに民主党は、まとまらなければならない。

2011年1月22日土曜日

墨田区向島の弘福寺で「風邪除け祈願」











「家族皆が風邪をひかず、元気で暮らせますように」。新型インフルエンザも流行期に入ったというので、「風邪よけ祈願」に向島の弘福寺にお参りしてき来た。隅田川七福神の布袋尊にもなっている。

地下鉄浅草線の押上駅で降り、現在の高さ559mの表示のある東京スカイツリーを見ながら向島5丁目を目指した。神社らしい建物が見えたので近づくとここは牛島神社だったが、この付近に七福神で恵比寿神の三国神社、布袋の弘福寺、弁財天の長命寺がある。長命寺の桜もちは有名だ。

引福寺(こうふくじ)は、300年前に創建され布袋尊の像が安置されている。布袋尊は実在の禅僧で、いつも大きな袋を持って歩き、困窮している人に財物を施した無欲恬淡として心の広い人物で、「真の幸福とは欲望を満たすコトだけではない」と諭して尊敬されたらしい。

この境内の右手に小さな祠がある。ここに「風邪に効く」という爺婆尊の石像が置かれている。爺像と婆像が寄り添っている。大きい方が爺像と思っていたが、どうも逆で婆像らしい。

この像は、風外禅師が山中の洞窟で求道しているときに、父母の孝養を尽くせなかったことを悼み、岩石を持って自ら刻んだ父母の像で、「咳の爺婆像」と言われているらしい。口の中に病のある者は爺像に、咳をやむ者は婆像に祈願すればいいらしい。風外の名前から信仰が始まったという(解説板より)。

「この像が風邪に効くのか」と家内と話していたら、年配の女性が「効くらしいですよ。この前、朝日新聞に知人が風邪を引いて困っていると聞き、ここへお参りに来たら、知人が良くなり、その御礼に来たと言う記事が出ていたので、私もお参りに来たんですよ」と話しかけてきた。

更に、その女性は「咳止め飴も売っているようですよ」という。「それじゃ、川崎大師と変わらないじゃないですか」と言うと、「私もそう言っていたんですよ。あら!こんなことを言ったら罰が当たるかも知れませんね」と言って笑う。

兎に角、大事なことは信ずることだ。

境内から建設中の東京スカイツリーが見える。長命寺近くで「桜もち」を買って土産にした。

帰りは、隅田川の堤を浅草に向かった。天候も良く人出もある。浅草側から見ると、東京スカイツリーがアサヒビールの建物のゴールド色のガラス壁に映っていた。
写真上段左:爺婆像
写真上段右:弘福寺
写真下段左:アサヒビールのビルに映る東京スカイツリー
写真下段右:弘福寺から見た東京スカイツリー

社会保障・税の一体改革:菅総理は信を問わず、国会議決で強行する腹か


勿論、民主党菅政権があってのことだ。解散・総選挙で国民に信を問えば負けるに決まっている。そんな決断は菅さんには出来ない。案の定、統一地方選での反発を回避するために一体改革の案を4月に社会保障、6月に税を含む改革案を示すという。

国民の信を問わずとも、国民の負託を得た国会議員が議決することは、国民の信を問うたのと同じコトだと考えているようだ。自民党政権下で、総理のたらい回しに異論が出たとき、麻生政権でそうコメントしたことがある。

そのため菅総理は、議決できる体制へ向け、野党とも協力関係を築きたいようだ。

簡素売りは熟議として、野党と協議しながら成案に持っていきたいようだが、野党はまず政権党で案を提示し、その後審議にはいるのが筋だという。これでは時間がかかり、おまけに成案など出来ない恐れがある。

しかし、菅政権が行き詰まって自民党政権に変わっても、自民党でも財政健全化責任法案を持っている。消費税も10%を目処に上げると言う。この時、野党になった民主党はどう動くのか。相変わらず自民は「反民主」、民主は「反自民」では、旧態然とした政治だ。

消費税上げを時期尚早という人は、ムダの削減が十分なのかと言う。民主党の反執行部派はマニフェストに反するという。民主党執行部は、マニフェストの見直しが必須と切り返す。

こんな経済状態で増税は禁物であることは、自民党時代の橋本政権で経験したコトだが、推進しようとする菅政権に成算はあるのか。

メデイアや学者連中は、消費税上げで財政再建を目指す意見が大半だが、選挙があるから目くらましに姑息な手段を執ることに、民主党政権の自信のなさが伺える。

菅政権は、正々堂々と国民に訴えるべきだ。

2011年1月21日金曜日

経団連vs連合:その社会的責任




今最大の課題は雇用の創出である。菅総理は「デフレ脱却、国内投資、雇用拡大」のため法人税5%下げを決断したが、財界は雇用創出の確約は難しいという。一方で連合は経済活性化をめざし「賃金の引き上げによる消費拡大」のために給与総額の1%引き上げを求めたが経団連は定昇のみ認めた。

連合の調査でも「日本の安定的な成長や発展に効果があると思うこと」に72%が「就職率の向上や終身雇用など雇用の安定」を上げている。かって日本が持っていた良き慣習が「国際競争力」という名の下に破壊されてしまったことを残念に思う。

今経済環境は改善し企業は金余り状態だが、家計は逼迫状況が続いている。

連合大阪の「大企業の内部留保と経済波及効果と雇用創出」(2011.12.17)によると、この1年間の全国の大企業の内部留保は244兆円で、11兆円の積み増しになっており、手元資金が52兆円と「空前のカネ余り」でお金が対流しているという。役員報酬や株主配当は増額するも労働者の年収は200万円以下が4人に1人だ。

日銀の「資金循環統計」から家計と企業の資金状況を見ても、1年間出し入れされた資金の差額は09年度企業が17兆円で、給与総額への配分だけでなく、設備投資や株式投資に廻さず手元資金で残っている。逆に家計は11兆円で2年前都比べて半減だという(この項 朝日新聞 2011.1.21)。

春闘に際して、連合の古賀会長は「経営側は旧態依然の主張を続けているが、国際競争が激化するのは当然であるが、内需をどうしていくのか」ともっともな指摘をする。

経済団体は、「法人税を下げろ」とか、「規制緩和を進めろ」と要求ばかりする。菅総理は財源の当てもないのに、「デフレ脱却、国内投資、雇用拡大」を期待して1兆5000億円にもなる減収を省みず、法人税の5%下げを決断した。

しかし、経済同友会は雇用の創出は難しいという。経団連は言及を避けている。

経団連も雇用関連の指標配膳として停滞、雇用問題は将来不安の最も大きな要因の一つで、この解消が経済回復のカギであると認識しており、新産業を育成し雇用を創出すると言うが、その分野はサービス関連の分野だ。

経団連のHPを見ると、2011年版経営労働政策委員会報告(2011.1.8)では、目次しか掲載されていないが、「全員参加型の雇用社会の実現に向けて」で若年者の就職機会の創出、高齢者が活躍できる場の創出を上げているが、その内容は不明だ。

又、日本社会活性化には内需拡大も重要政策である。内需拡大は相当前から指摘されているが一向に改善されない。国内消費を改善するには、コスト削減ではなく、家計の改善が必要になる。

しかし、連合が経団連の「2011年版経営労働政策委員会報告」に反論する処によると、経営側は、従前から総額人件費抑制に拘りデフレを深刻化させ、持続的成長の確保の対する責任ある姿勢が見られないと言うのだ。

減税しても、海外へ投資したり、内部留保されては何の意味もない。国内雇用創出した結果で、その企業を雇用減税するなどの方法を採った方が良いのではないか。

今の日本社会は、大卒の就職率70%弱、アルバイト、フリーターの増加、失業率5%、そして世界に類を見ない賃金指数の低下と、政府は景気の上方修正をしているが、実体社会で改善は感じられない。
普通であれば、就職し社会人教育を受け結婚し、次の労働力になる子供を育てることになるが、今のように職に就くことも出来ず、社会人教育もろくに受けることもなく育つ若者に何が期待できるか。

次にやってくるだろう有能な労働力の確保が出来ない事態は、必ずツケとなって企業に跳ね返ってくる。
企業経営者は、しっかり考えるべきだろう。
写真左:経団連 東京大手町
写真右:連合 東京駿河台

2011年1月20日木曜日

異変? 党首の顔のない民主、自民の政治ポスター







余りにも頻繁に党首が替わるので「今だれか」急には思い出せないときもあるが、民主、自民系議員の街頭演説の政治活動ポスターに異変が起きている。党首の顔のないポスターが増えているのだ。

勿論、今のポスターは統一地方選用の街灯演説用ポスターであるために、党首の出る番ではないと言ばそれまでだが、公明党や共産党は党首の写真を載せているものだから、チョッと違和感がある。

菅さんは政権与党の党首であるが、鳩山政権に続き指導力の無さ、失政で評価を落とし、民主党と言うだけで有権者に無視される事態になり、選挙に勝てる顔ではなくなり「菅隠し」の動きが出ている。

一方、民主党政権の失政で世論調査でも支持政党の逆転が起こっているが、自民党はと言えば地味すぎて存在感の薄い谷垣さんでは、これも選挙には勝てないと見られている。

党首の任期を背景に新人議員のみならず、ツーッショット写真で、自分を売り込んでいたのは、つい最近まであるから急な変わりようだ。

しかし考えてみれば、議会に私達の代表として送るに相応しい人物を選択するのであるから、議員あるいは候補者自身を見せるのが当然で、ツーショットの相手方の人気を利用すること自体が可笑しい。

政権党と野党第一党の党首に選挙に強そうでない人材がついていることに、所属議員は危惧するのだろうが、国民にとっては、生活を守る政治をやってくれる党首が望まれる。

統一地方選では、人物本位、政策本位で選ばなければならない。「政権奪取」などのスローガンに惑わされないことだ。
写真上段左:自民党系議員の政治ポスター
写真上段右:民主党系議員の政治ポスター
写真下段:各党の街頭演説会を知らせるポスター 期日は4月末、5月はじめが予定されている。統一地方選あるいは総選挙をにらんだポスターか

2011年1月19日水曜日

与謝野さん登用で、社会保障と税の改革の問題点が明確に

皮肉なことだが、批判が多い与謝野経財相の登用で社会保障と税の一体改革の問題点が明らかになってきた。自民党政権時にさかのぼり、民主党とのマニフェストの相違も浮き彫りになった。

メデイアは菅政権と与謝野さんとの考え方の違いを掲げ、閣内不一致を危惧する。

日テレニュースZEROに生出演した与謝野さんに、キャスターが自民党提案の消費税10%をたたき台にしているのか質問した。2007年の社会保障費21.3兆円、消費税5%で13.3兆円が、2015年にはそれぞれ25兆円、消費税は10%で25兆円の試算があるからだ。

与謝野さんは、たたき台にしていることの明言を避けた。

しかし,今誰がやっても同じコトなのだと主張する。ムダを削減→経済成長→増税のプロセスを考えるが、この考えは逃げの考えだと言い、この3つは同時にやっていかなければならないのだと主張した。

確かにそうだろう。ムダの削減だって事業仕分けでは余り効果がなかった。経済成長も何時になるか分からない。その間に景気対策と言って赤字国債の発行を続けると、益々財政は逼迫する。

社会保障と税の一体改革の進め方は、まず夏までにどういう考え方をするか案を作成する。そしてどうすれば国民の承諾を得られるかを検討しなければならないという。

来年の通常国会に提出かとキャスターが切り返すと、与謝野さんは「これは決まっていない」と逃げた。

菅総理も6月までに一定の結論を得るべく社会保障の案を作ると言っているように、法の付則に規定されていることに沿って作業を進めるらしい。しかし、可笑しなもので、この法の付則事項には当初野党であった民主党は反対していたのだ。

財源についても意見がわかれている。民主党政権は税方式で消費税でまかない、最低70,000円を支給するとしているが、与謝野さんは25年以上納め、66000円の現行方式の社会保険料方式を進めるという。

与謝野さんに対策を丸投げした菅総理は、どう舵取りをするのか。

一体改革を図るのであれば、赤字国債に頼らなければ為らない子ども手当などバラマキ予算の見直しなど、民主党マニフェストの見直しも必要になってくる。

更には、消費税増税となれば解散し、国民の信を問うことは当然である。閣内でも海江田さんや前原さんがコメントしているようだが、総選挙になれば民主党に勝ち目はない。

与謝野さんが政権に加わって、社会保障と税の一体改革を担当するようになり、政局がらみで問題点が明らかになってくるが、ここは政治哲学の問題だ。

しっかり監視する必要がある。

2011年1月18日火曜日

政治の混乱:税収減と集票目的の政党のエゴ

菅内閣は改造しても禍根を残したまま、政治は混迷の度を強める。民主党が掲げたマニフェストも税収減で実行には赤信号、目前の危機に立ち向かおうと菅総理が熟議を訴えるが、集票マシーンの支持団体のエゴで与野党共に、のっぴきならぬ状況だ。

政権交代で国民が期待した「新しい政治」を構築する力は、もう民主党にはない。

民主党が躓いた要因に、税収の大幅減がある。

先の衆院選では、「反自民」の政策を掲げ、国民の期待を背負って政権の座に着いたが、あらゆる点で財源不足に突き当たった。当時税収は46兆円あったと言うが、今は37兆円の大減収だ。税収よりも赤字国債での予算編成も民主党政権で2年目に入った。先の官房長官の仙石さんが「こんなコトは、3年は続かない」と言ったほどだ。

予算の組み直しで16.8兆円もの財源を確保するとも言ったが、鳴り物入りの事業仕分けでは数兆円にとどまった。事業仕分け効果は、参院選での東京地方区で蓮舫さんが171万票を取ったコトぐらいか。選挙戦では、事業仕分けでの彼女のシーンをシルエットにした幟を使っていたほど専売特許になった。

日本の財政については、財務省は勿論のこと、財務省からの出向者も多いIMFからも危機感が伝えられているが、政府が持っている資産などを考慮すると、そんなに悪い状況ではないと反論する経済学者もいる。

我が国財政の本当の姿を示し、財政健全化を志向すべきではないのか。

そして各党の取る政策には、党の集票マシーンである支持団体の意向を反映させなければならないところに与野党のエゴが丸出しになる。

悪いことに政権政党である民主党には主義主張を異にする支持団体がごちゃ混ぜになっている。それが、民主党の政策が筋の通った1本の政策でないことになる。菅総理の唐突な政策の提言、野党に対する政策の事前協議申し込みに、野党はまず政権与党の民主党内で議論し成案にしてからもってこいという。

自分たちの利権のために多くの議員を国会に送り、有利な政策の推進を期待するのは当然かも知れないが、エゴに走りすぎていないか。政治家に族議員ができ、それに官僚が乗っかって、利権を追求する国民の敵となる構造が、今も脈々と築かれている。

民主党が国会改革と言って取り組んだ改革も、民主党への利権誘導だったコトからも明らかだ。

「日本の危機」に立ち向かうのは民主党ではなく国民一人一人だ。組織のエゴに頼っていたのでは危機は克服できない。

又、政策の多くは、日本の慣習を無視する無理筋なものも出てきている。行き詰まると海外の方式が議論に上る。年金制度に至っては「スウェーデン方式」を参考にしているらしいが、「税方式」も考えられるそうだ。

農業政策ではTPPが出てきた。消費者の立場を取れば開国は吉であるが、生産者から考えると農事業は廃れる運命にあるらしい。定年退職者、失業者や若者が農業へ向かおうとしている今、衰退させては為らない分野であるが・・。

政治改革も本家では否定されてきた「イギリス式」を参考にしようとしている。菅総理も政権交代前にイギリスを視察している。

政治も経済も海外から持ち込んだ手法を使って日本本来の慣習は消え失せた。しかしここでもう一回、日本式慣習を思い出し、「党派を超えて日本人としてどうあるべきか」をしっかり議論すべきではないのか。

政党は二大政党と言っても、何処も同じだ。民主党だって「自民党化」してきた。知名度と握手だけで国会議員を選ぶ選挙でなく、しっかりした政策が訴えられる候補者を選ばなければいけない。「選挙に強い」と言う神格化は裏に何かがあることだ。「政策に強い」と言うことであって欲しい。

2011年1月17日月曜日

与謝野氏経財相で入閣:菅総理は何故、無理筋を通すのか


どう見ても無理筋としか思えない与謝野さんの経済財政相での入閣だ。菅総理は、財政再建に政治生命をかけると言った。日本を財政危機から救うきっかけを作った総理として政治史に名を残したいのか。それにしても何故与謝野さんという訳ありのベテラン議員を持ってきたのか。

超党派で日本の危機に立ち向かうというが、与謝野さんを入閣させたことで、超党派での取り組みと見せたいのか、自分も財務相を経験し財政再建が緊急の課題であるが、菅さんにはその道筋が描けないので、経験が豊富で財政再建については意見が合う与謝野さんに丸投げしたのか。

与謝野さんは、確かに自民党政権時代に財務相など要職をこなし、経験も豊富だ。自民党の主張する消費税10%に与謝野さんが係わったかどうかは知らないが、財政再建に消費税増税も念頭に置いている。

一方で、穿った見方もある。「ねじれ国会」対策として、自民党、公明党への橋渡しを期待されているらしい。しかし、これは無理な話だろう。自民党比例で復活当選しながら自民党を裏切り、民主党に対抗するために一緒にやろうと「立ち上がれ日本」に参画したが、これも裏切る結果になった。日本の社会ではこんな人間は通用しない。

節操のない国会議員で、東京1区の有権者のみならず、全国民がどう見ているのか。案の定、メデイアの世論調査では、半数が「評価しない」という。

悪いことに、野党ばかりでなく、政権与党内でも異論が強い。

国会審議は、与謝野さんの政治姿勢、唐突な消費税増税への危惧、統一地方選への影響を考えると相当混乱するだろう。参議院では、仙石さん、馬淵さんに次いで与謝野さんが問責決議されるかも知れない。

菅総理に無理筋を押し通す力はないだろうが、本当に今やらなければならないのか。財政再建は重要政治課題であることに間違いないが、自民党政権時代の橋本政権の例もある。

もう失政など御免だが、財政再建こそ超党派で責任を持つべきだ。
写真:与謝野経財政相を報じる読売新聞2011.1.14

2011年1月16日日曜日

公人よ 故土光敏夫さんの「清廉潔白さ」を見習え

公人よ 故土光敏夫さんを見習え

組織のトップに付く人が利権や待遇を確保しようと考えるのはとうぜんかもしれ内が、今回のNHKの次期会長人事をめぐり、改めて故土光敏夫さんの偉大さが見え、「その清廉潔白な精神を見習え」と言いたい。

NHKの次期会長に当初押された安西さんは、就任の条件として、都内での住居の確保、副会長の人事権、交際費の条件などをNHKに要求したため、経営委員が懸念を抱き安西さんの会長就任は流れた。安西さんは、全面否定し「名誉毀損だ」と身の潔白を主張した。

NHK会長として、ことが起こった時、横浜から駆けつけるのは大変で都心の立地の良いところに住宅を確保しようとしたのだろう。就任前にはっきりしておかなければならないと考えても不思議ではない。

地方自治体でも、高級官僚が自宅があるにもかかわらず、都心の立地の良いところに官舎を構え、家族と生活しているコトが以前曝露されたことがある。

高級官僚を辞めた人が、専用の部屋、車、秘書を持った生活をしている事例に事欠かない。

特殊法人の理事長になった人が、専用のトイレがないとクレームを付けたと言う。「あの人が」と呆れかえったものだ。

こんな人が、どんな仕事をしているのか、この人でないといけないのか。

そんな話を聞く度に、東芝の会長、経団連の会長をやった故土光敏夫さんの逸話を思い出す。

土光さんも財界の重鎮だ。経済疑惑に係わった疑いが持たれたことがあるらしい。当時警視庁の担当者2人が、土光さんの住所に行ったが、それらしい建物が見つからなかったそうだ。当然に大邸宅を想定していたが、住所には簡素な家が建っていたらしい。

玄関を入ると、奥様が出てきて「主人は今朝早く電車で出かけました」と答えたそうだ。2人の警察官は、こんな土光さんに汚職など出来るはずがないと納得したそうだ。

もう一つ、東芝の会長だった時、系列会社の社長と相手先の企業に行くために国鉄の駅周辺で待ち合わせ手いたときのこと、系列会社の社長は社長専用車で待っていると、土光さんはトコトコ歩いてやってきたそうだ。社長は大恥をかいたと述懐しておられたそうだ。

社会的に要職に付いている人は、土光さんを見習うべきだ。

政治家、官僚、政治が関わる事業などのトップに付く人達は清廉潔白さがなければ国民の信頼を得ることは出来ない。

小沢さん まず離党し、議員辞職する決断を

小沢さんは、国会開会後に離党し、最終的に議員辞職すべきである。先の民主党の代表選で惨敗したことで、すでに過去の人になり、政局を動かすキーマンではない。何かあると「小沢さんとの距離」が「しがらみ」になる民主党政治にはうんざりする。

強制起訴を控えた国会招致問題でも、自分の疑惑解明を「小沢カード」として、政局に利用しようとする厚かましさには驚く。自ら率先して議員としての説明責任を果たすことが常識でありながら、この悪あがきは自分が大物国会議員であると誤解していることにある。

政治家には似合わず寡黙なのか自分の声で考えを述べることは少ない。常に「「小沢側」とか「小沢側近筋」によると」ということになる。それがメデイアを通じて小沢さんの虚像を作り上げた。

民主党内も、党内抗争の根源には「親小沢vs反小沢」の構図がある。執行部に対する批判も小沢さんの主張する「国民との約束は守る」コトにある。森裕子議員が定期大会でペーパーをかざして消費税増税を危惧する発言をしたこともその一つだ。

実施が危うくなってきた衆院選で提示したマニフェストを執行部は見直そうとしている。政権について実現に障害となる問題が出てきたときは、率直に国民に謝罪して方針修正するのが筋だと思うが、小沢さんには、それでも実施を強行する確固たる手段があるのか。

民主党の小沢系議員も、「小沢さんが言うからこうだ」ではなく、その先をどうするのか考えているのか。ただ神格化してついて行っているとしか思えない。

今回の民主党定期大会で、菅代表は「危機に立ち向かう民主党」を強調し、その後のメデイアによる世論調査では、支持率を30%台に回復させた。

次の総選挙では民主党は劣勢である。恐らく政権の座から落ちるだろう。しかし小沢問題が尾を引く結果だけは避けて欲しい。

国民は、小沢さん抜きの「新しい政治の流れ」を望んでいるのだ。

2011年1月15日土曜日

歩行者用信号も、より人間優先に







横断歩道の歩行者用信号機は横断者が歩道を渡るのに必要な時間を確保して横断者を守るためにある信号だと思っていたが、もっと人間優先の信号機が設置されたというので、浅草橋1丁目の交差点の設置場所に行ってみた。

普通の大人だと青信号の時間内に、渡りきることが出来るが、障害を持った人や高齢者には渡りきれず危険な目にあったり、真ん中辺りの緩衝帯で一度休むコトになりかねない。そこで信号機のセンサーが、そのような方が渡っている時に、青信号の時間を延ばすコトが出来る信号機が設置されたのだ。

都営地下鉄浅草橋駅で降り、浅草橋1丁目の交差点に向かった。11時頃であったが、横断者はまばらな時間で、高齢者は見えなかった。信号機に付随してセンサーが設置され、音声装置も付いていた。

赤信号だったので、歩道の縁に立ってチョット動いたら、「危ない。信号は赤です。渡らないでください」との音声が聞こえた。センサーで横断者の動きを監視しているのだ。

時間を計ってみると、青信号になって点滅するまで35秒、赤信号になるまで約50秒。横断者はまばらで、遅れて渡り始めた人もいた。時間を比較するために同じ道路の隣の交差点の信号機の時間を計ってみた。青信号から点滅するまで約30秒、赤信号になるまで約35秒。こちらは横断者も多かった。

同じ道路幅でも青信号の時間は、新しい信号機の方が延長されていた。

高齢者が多く利用する横断歩道では、威力を発揮できるかも知れない。設備費では300万円ほど高く付くから、費用対効果を考えるとそうなる。

ところが、通常の横断歩道の信号機でも「青延長用押しボタン」が設置されていて高齢者などは利用できるようになっているが、すべてではなく都営地下鉄西馬込駅前の交差点(国道1号)など交通量の多い道路の横断歩道に限られるようだ。

これからも高齢者が増えていく。交通量が多く、長い横断歩道では安全確保のためにこのような信号機が増えて欲しいものだ。
写真上段左:新しい信号機の設置された浅草橋1丁目交差点
写真右:横断者の動きを追うセンサーの設置された信号機
写真下段:普通の信号機でも、交通量の多い場所では、「青延長用押しボタン」の付いた交差点もある
都営地下鉄浅草線西馬込駅交差点

2011年1月14日金曜日

「小沢切り」「菅隠し」「超党派」で危機に立ち向かう民主党になれるか


今回開催された民主党定期大会で難題が山積する我が国の政治課題に直面し、この危機に民主党政権はどういう体制で立ち向かっていくかが大きな課題になった。「小沢切り」、「菅隠し」、「超党派」それに「マニフェスト見直し」などがクローズアップされる中で、この危機を乗り越えるために民主党はどう変わるのか。

菅総理にすれば、「日本を元気にする政策」として、子ども手当、農家の戸別所得保障、地方主権を推進してきた自負があるから、「今までの政策は絶対に間違っていない」、寧ろ有権者に十分に伝わっていないと支持率の低さに不満があるようだ。

しかし、子ども手当などに見られるように、受給対象家庭でも財源不足での実施への不安、逆に要求されるのは施設の拡充であることなど、政府の施策と社会の要求には隔たりがある。こういうことは他の施策でもミスマッチがあきらかになっている。

菅総理は自信を持って有権者に伝えたいと言い、「日本が抱えた危機をどう乗り越えるか」を党派を超えて議論する必要があると主張し、「日本が元気な国になって行くには、改革する決意を確認し合おうと呼びかけた。

菅総理の意気込みはもっともだし、改革のための強力な政権が必要であることも理解できる。

しかし、民主党内は未だ小沢さんの政治資金疑惑で解決の見通しが立っていない。この手の問題はすでに解決しておかなければならない問題であるが、手をこまぬいていたが、支持率回復のために強硬手段に出ている。小沢さんともあろう実力者(?)が自ら説明できない事態に呆れかえるばかりだ。

菅政権での唐突な政策提言、菅総理のリーダーシップの欠如から、菅総理では統一地方選が闘えないという事態にいたって、「菅隠し」が始まった。

民主党の年末、年始用張り替えポスターに菅総理の写真のない新しいポスターが作成されたと言う。白地に「国民の生活が第一」と党名が赤字で書かれたポスターらしい。私の住んでいる地域でも自民党、公明党のポスターは目立つが、あるべき場所に民主党のポスターはない。

更に、総理の写真のない6種類のテーマ毎の重点政策ポスターを28日から張り出すらしい。政権交代の成果と政策への取り組み姿勢をアピールするのだというが、菅総理の姿はない。

そのテーマは、地方分権、社会保障、子育て支援、雇用・成長戦略、農業、税金の無駄使い一掃
の6テーマだ。どんな内容か見ようと民主党のHPを開いたが、見つからなかった。小沢さん時代の「国民の生活が第一」が姿を消し、菅総理の「元気な日本」が幅を利かせるらしい。

大きな課題については、超党派で議論することが必要であることは間違いない。政府は消費税、TPPなど唐突な提案でなく、国会でしっかり審議し国民のコンセンサスを得なければならない。「日本の財政が本当にどんな状態であるのか」、TPPなど「平成の開国」の必要性を与党、野党という枠組みではなく、国民の代表としてしっかり議論すべきだ。

菅2次改造内閣で、菅さんは過去の宿敵与謝野さんを入閣させた。与謝野さんは自民党時代財務閣僚としての経験があるが、違和感はあるだろう。定期大会で森裕子議員が、ペーパーをかざして質問させるよう要求する姿が、テレビで映った。「与謝野さんは増税派、マニフェストにない増税を行なうのか」というヤジには同感だ。

今の民主党政権が躓いている要因に,[マニフェストの見直し]がある。政権交代前後で税収の落ち込み、野党であったために得られる情報も乏しく、当然のこととしてマニフェストが現実問題として適さない部分もあるが、国民の信を失うことが怖くてズルズル赤字国債の発行を続けるか、ここは国民に実体を説明してマニフェストを見直すか。民主党執行部は見直しを主張しているが、小沢系議員は約束の実行を強く迫って党内対立の要因になっている。

今回の定期大会の前後に明らかになった民主党の「危機へ立ち向かう姿勢」には一抹の不安を感じる。

以前にも記事にしたように、「菅政権が民主党最後の政権の現実」にかなり近づいている。今度解散・総選挙があれば民主党は確実に下野するだろう。一方自民党には、「自民党よ 国民の後でなく、前を歩けないか」で書いたように、民主党の失政から世論調査で自民党が人気を回復するのではなく、自民党の政策で国民の賛意を得られるようにならなければ日本の危機に政治が立ち向かうのは無理だろう。

何時になったら、政治が国民の信頼を取り戻せるのか。
写真:民主党のロゴ 円は和でもある。語り合い、論じ合いながら、一つの力になっていく。その無限大の∞の形に、未来への限りない可能性を示しつつ、真紅に「民の力」は結合されていくという(民主党HPより)。民主党の和は、政権交代までだったのか?

2011年1月12日水曜日

小沢さんは、民主党にとって敵か、味方か

今の民主党にとって究極の「問い」である「小沢さんは敵か、味方か」の質問が両院議員総会で出た。
答えは簡単だ。「民主党がどういう政党を目指しているか」により敵であったり、味方であったりする。

小沢問題の処理に当たる執行部と、それに異を唱える小沢系と言われている人達の間で見にくい抗争が繰り広げられているが、問われるのは民主党議員一人一人の政治哲学だ。

「クリーンで開かれた政治」を目指す政党にあっては、「政治とカネ」の根深い問題をかかえ、気に入らない者は遠ざける強権政治をする小沢さんの存在は障害になる(敵とまで言えるかどうかは疑問だが)。

一方、少々のダーデイーさには目をつぶり、強力な(?)リーダーシップと国民に約束したことは守る政党を目指すのであれば味方のはずだ。

先のマニフェストの原点に帰ることを重要視する議員は、小沢さんの手腕に期待するのだろうが、約2年間の政権を経験に実態を知った今、マニフェストの見直しが必要とする議員は、執行部を支持する。

小沢支持グループは、「政治とカネ」問題での小沢さんの政治資金規正法違反事件は、「法の何処に違反するのか」と強弁し、党内抗争をやっているときではないと執行部を批判する

でも、何故「国会で、法に違反することはやっていないことを説明すべきだ」と進言しないのか。

一度約束したマニフェストは実行すると言うのであれば、財源を含めた実施方法を国民に示すべきではないのか。予算の根本的な組み替えが出来ていないのであれば、どうして具体策が出せないのか。今の小沢支持グループの主張には納得がいかない。

先の地方選での惨敗、内閣支持率の下落の責任を総括することは当然であるにしても、春の統一地方選に向けての戦略も見えてこない。

2011年1月9日日曜日

それでも地球は寒冷化に向かうのか




本当のところはどうなんだ。CO2の蓄積で温暖化しているのか、逆に気候変動で寒冷化するのか。科学的検証も不十分なままに政治課題に走った地球温暖化問題だが、先進国、開発途上国の思惑もあり地球規模での対策が右往左往していることは、毎年開催されるCOPを見れば明らかだ。

保温効果がなければ、地球の平均気温はー15℃位に為るらしいが、今のような15℃が維持されるためには、何らかの要因があることは分かる。大気中にあるCO2は赤外線を強く吸収する作用があり地上からの熱が拡散するのを防ぐために温室効果ガスになるし、水蒸気でもその効果があるという。

夏になると、豪雨、大洪水、巨大な台風、酷暑が続くと地球温暖化のせいだと考え、一方冬になり豪雪、寒さが続くと、赤道付近の海水温の影響とか北極振動など要因はあるが、寒冷化に向かっているのではと考えやすい。

地球温暖化の原因はIPCCのいう高い確率、地球シミュレーションでも確認された人為的要因であるCO2起因説で温暖化防止策ではCO2排出量の削減が検討されているが、一部の学識者から疑問が投げかけられているし、地球物理学、天体物理学などの分野の専門家から自然・気候変動説が唱えられている。

CO2起因説のこだわる学識者は、今までの大気中のCO2の濃度と気温の上昇パターンを検討すると、自然現象、気候変動だけでは説明できないが、これにCO2排出量を加味するとパターンが一致し、説明が出来るというのだ。

これに対して、一部学識者は反論するのだ。

しかし、両者の見解を見てみると、年平均気温の出し方、データの使用、長期データの読み方にお互いに誤解があるらしい。データの読み方、採用したデータに疑義があっては根本的に狂っていることになる。

運悪く、IPCCの国連報告書にミスが多発し、信用回復が急務と指摘され、学術団体がIPCC運営体制に根本的改革が必要と指摘した(2010.8.31)。CO2起因説に反対する人達が勢いずくかと思ったがそうはいかなかったようだ。我が国でも日本学術会議が検討会を開催したが、お互いの考え方を主張するだけの平行線に終わったようだ。

そんな中で、太陽活動に起因する気候変動説が出てきた。

太陽から地球に注ぐ宇宙線が、地上2000~3000m付近の大気をイオン化し、水滴を形成、これが下層大気に雲を作り、地球が雲に被われる。太陽からの電磁放射エネルギーが雲に反射され寒冷化すると言うのだ(この項 「移り気な太陽」桜井著 恒星社厚生閣 2010.10)。

それによると、1999年頃から太陽活動が低下しているが、地球の年平均気温も2000年頃から上昇が止まっている観測結果と一致するというのだ。

他の気候変動説提唱者も、そう遠くないうちにCO2起因説と気候変動説のどちらが正しいかが分かるという。
アラスカ大の北極圏研究の第一人者である赤祖父先生もその著書で、IPCCのレポートには重大な誤りがある。今進行している地球温暖化のほとんどは、「地球の自然変動である」と言い、地球温暖化という都合の良いプロパガンダに踊らされてはいけないと警告する(「正しく知る地球温暖化」 赤祖父俊一 誠文堂新光社 2008.7.7)。


このだだっ広い地球で平均気温をどうなって測定、算出するのか。地球シミュレーターでCO2の関与が確認できたと言うが、CO2のどんなデータを入力し、どういうロジックでそう言う結果になったのか。

地球の実測値のない気温は、樹木の年輪、南極の氷床、湖の湖底の泥から推測するらしいが、ねつ造のようなことはないのか。

専門分野の異なる学者が集まって議論し、コンセンサスを得る必要がないか。学者の考え方(持論)によってデータの読み方が違っていては、本質を追究することは出来ない。

地球が温暖化に向かっているのか、反対に寒冷化に向かっているのか。昔も今より気温が高いこともあったと言うし、テームズ河で全面に氷が張っている写真を見たこともあるし、今は氷に被われているグリーンランドも、その名の通り昔は緑に被われていたこともあるのは確かだ。

地球は氷河期に入っている。寒冷化に向かっているのか。
写真左:地球温暖化防止に協力していることを訴える金融機関のポスター 東京・日本橋通の金融機関で 2008.10.9
写真右:世界の平均気温の変化と計算による再現結果 、上は人為起源に自然起源を加味、下は自然起因のみ (2009.6.26 朝日新聞朝刊)

2011年1月8日土曜日

自民党よ 国民の後ろではなく、前を歩けないか




野党に転落して以来、相変わらず自民党は国民の後を歩いている。何故国民の前を歩けないのか。
民主党が人気を落とす一方で、世論調査の支持政党では自民党が逆転するが、マニフェストに対する不満、党内抗争、政治とカネの問題で民主党が失点を重ねての結果で、特に何かが評価されているわけではない.

最近の新聞でもニュース性に乏しい自民党だ。

8日の読売新聞の朝刊40ページを見ても自民党に関する記事は、「国会日程協議の持ちかけられるのでは」に5行、「TPP参加の即時撤廃を求める会」に関連し6行、日本改新の記事の中で「自民党政権末期の発想力の枯渇」と3行しか見あたらない。

如何に野党に転落してからニュースの発信力が減ったとは言え、あまた多くの記事の中で、すべてが関連記事の中での申し訳程度の記述だ。これでは政権奪還も心許ない。

政権与党はどんな内容でも記事になるが、野党では、よっぽどの内容でないと記事にならないのか。

自民党の「NewsPochet」vol484を見てみた。確かにニュース性は乏しいが、やっていることやっている。選挙関係では300議席のうちまだ候補者が決まらない支部の公募も行なっている。これはメデイアでも報道されていたが、候補者が見つからないのはどの政党も同じだ。

民主党のように訳の分からない候補者が、新人として出てくるなんて国民をバカにしているのではないか。

谷垣さんでは華がない。石破さん、石原さん、小池さん、大島さんのいずれかが総裁になれるのか。
予算委員会では、帰り咲いた町村さんが質問に立っていたが、もっと優秀で能力のある中堅がいるはずだ。

そう言った人達で若返りすることが自民党の先決課題ではないのか。民主党でも野党時代の予算委員会で質問に立った中堅議員が、政権交代に活躍したはずだ。決して小沢さん一人の剛腕ではない。

自民党もそう言った中堅議員を表に出して、国民の前を歩かなければならない。
写真左:自民党総裁の椅子 国民の前を歩ける総裁が期待されるのではないか
写真右:自民党本部 往年の賑やかさは去ってしまった 政策を評価されての政権奪還を期待したい

小沢問題は「政治の淀み」、浚渫し新しい「政治の流れ」を

小沢さんの政治資金問題は、政治の底流にヘドロとして堆積し、政治に淀みをもたらしている。今まであらゆる機会に指摘はされていたが、これといった手を打てなかった。今回予想される強制起訴、或いは国会招致、証人喚問などが浚渫手段となり、「政治に流れ」を取り戻すことを期待する。

民主党政権、執行部は、「ねじれ国会」での議会運営、内閣支持率、政党支持率の挽回に、小沢さんの政治資金疑惑に対し政治決着を付けるべく処分の検討がされているようだが、如何にせん党内最大の実力者だ。小沢系議員も対抗手段に躍起になっている。

難しい政治課題山積の今、「そんなことをやっている時か」との声が小沢処分に反対する議員らから聞こえてくるが、小沢支持者からそんなことは言って欲しくない気持ちだ。

小沢さんに降りかかる政治資金疑惑は根深い。民主党政権交代後に発覚した金権体質、利権誘導
から小沢さんの政治資金原資に疑わしい面があることは確かだ。

先の政治資金収支報告書でも新たに91人に総額4.5億円を配った報告し対しても、新生党解党時に残った政党交付金ではないかと思われている。法的には問題なさそうであるが、それなら尚更説明が必要だ。

「やましいことはない」というのであれば、「では何故、説明責任を避け、逃げ回っているのか」という疑問が募る。

「新しいクリーンな政治」を掲げる民主党の小沢グループにも、「小沢さんの指導力、実行力がなければ、この難局を切り崩せない」と小沢登板を強く望んでいる議員もいる。だとすれば、どうして小沢さんに、「しかるべき処に出て説明し、疑惑を晴らせ」と進言できないのか。進言すれば遠ざけられるおそれがあるのだろう。

小沢さんは、これから刑事被告人として厳しい立場になる。そんな小沢さんが政権或いは政権与党の要職に付くこと自体が、迷惑な話である。

35万人の党員、サポーターでの代表選で、惨敗したことで小沢さんはすでに過去の人になっている。
自ら身を退くことが一番良い結果ではあるが、そうはいかないだろう。

新しい「政治の流れ」を作るためにも、早期に決着さてほしい。

2011年1月6日木曜日

破魔矢の元祖といえば新田神社の「矢守」、平賀源内の考案だという











正月の縁起物の一つに「破魔矢」であるが、平賀源内が考案し、その発祥の地が矢口の「新田神社」だと言う(おおた区報 おおたの自慢大特集)。何事も「はじめて物語」には興味があるので、新田神社に詣でた。

平賀源内と言えば、江戸時代の科学者で、エレキテル(摩擦発電機)は有名であるが、寒暖計などを作ったが、各地の産物や資源の研究も行ない特産物の生産をも奨励した博学者でもあったと言われている。

ここ新田神社神殿の後ろの「御塚」には、源氏の白旗を立てたモノが根付いて、雷が鳴るとピチピチと割れる伝説の「旗竹」と言われる篠竹が生えているが、平賀源内はこの篠竹と5色の和紙で厄除け開運、邪気退散の破魔矢「矢守」を作った。これが破魔矢の元祖であり、全国に広めたと言われている。

普通破魔矢には木の絵馬が付いているが、新田神社の矢守は黒の帯の短冊が付いている。2本買って1本は神前に、1本を持ち帰って魔除けにするらしい。

買おうとしたが、すでに3が日で売り切れたという。そう言えば今日は7日だ。来年は早めに詣でることにする。
写真上段右:新田神社の破魔矢「矢守」のモニュメント 木の絵馬ではなく、黒帯の短冊が付いた破魔矢
写真上段右:破魔矢の元祖の「矢守」? 境内の説明板より
写真下段左:矢口の新田神社
写真下段右:旗竹の伝説のある篠竹 平賀源内はこの竹を材料に使った

小沢さんはもう過去の人、しがらみを脱し「新しい政治」を目指せ


菅民主党執行部は「小沢切り」に進んでいる、一方で小沢、鳩山さんは「挙党一致」を訴える。政権与党内の権力闘争は、政局の混乱を招き困るのは国民である。民主党内は一向にお構いなしの構えだが、小沢さんはもう過去の人、「小沢抜き」の新しい政治をめざせ。

35万人の民主党議員、サポーターによる菅vs小沢の代表選で小沢さんが惨敗したことで小沢さんの政治生命は終わり、過去の人になったのだ。

確かに先の衆院選での政権交代を目指して民主党に投票した人の大部分は、小沢さんに期待したはずだ。小沢さんの決断、実行力に望みを託した。

しかし、本当に小沢さんに「新しい政治」を期待できたのか。

今、民主党政権は、自ら掲げたマニフェストに、財源不足、現実論から見直しが必要になっている 。今夏までに見直し案を作成すると国家戦略相の玄蕃さんは言うが、このマニフェスト作成に当たっては小沢さんの考え方も大いに取り入れられていたのではないか。

政治主導、対米対等外交、子ども手当、農家戸別補償、予算の根本的な組み替えで財源は確保できる。
「財源はどうにでもなる」と豪語していたのは小沢さんだ。「国民との約束は、守らなければならない」と言いながらも、結果としてうまく行かなくなった。

その一方で、55年体制打破、自民党融解を目指したが、何のことはない自民党から民主党への利権誘導で自民党の弱体化を目指したのだが、自らの「政治とカネ」の問題で悪しき金権体質を民主党に持ち込んでいた。

過去の菅さんとの代表選で、不利が伝えられていたが、「私こそ変わらなければなりません」と宣言し勝利に結びつけたが、一向に変わっていなかった。

そんな小沢さんに「どんな政治」を期待できるのか。

野党は「小沢嫌い」で固まっている。政策もさることながら政局の度に顔を出し、政界再編、連立と蠢いているが、小沢さんに警戒する議員は多い。軒差しをかして母屋を取られる危惧を持っているのだ。

「反小沢」「脱小沢」「小沢切り」などいろいろ表現されている党内抗争も、「そんなことをやっているときではなかろう」と批判続出であるが、「小沢さんとの距離をどう取るか」のしがらみが最大の課題になっている現状では、政界がこぞって、まず解決しなければ先には進まない。

小沢さんを含めた政権与党を認めるのか、小沢さん抜きの政権与党で「新しい政治」を目指すのか。

それは有権者の判断だ。
写真:首相官邸 小沢さんとのしがらみを脱し、「新しい政治」を目指せる基礎固めが必要

2011年1月5日水曜日

周辺のビルに映る東京スカイツリー
















5日、家族で3度目の東京スカイツリー建設現場の見学だ。以前来たときは、東京タワーの333mを超して398mだったが、現在の工事は残すこと約100mの539mに達していた。穏やかな天気で今日も見学者が多い。年末年始6日間で28,000人を記録したと報道されていた。

東京スカイツリーの写真も、いろんな光景が写されて店先などにも表示されている。ライトアップされた夜景はすばらしいものがある。超高層建造物は、その地区の名所になるのは間違いない。

相当前になるが、京都駅が新しく改造工事をやっていたとき、駅ビルの外壁のガラス面に京都タワーが映っていたのを写真に撮り,帰ってパソコンの背景に使っていたことがある。京都タワーが計画されたときに、古都の玄関口に高層タワーは似合わないと反対運動が起こったが、この光景は京都旅行のポスターにも使われていた記憶がある。

そこで東京スカイツリーが周辺のビルにどう映っているか。近接の商業施設が完成すれば、分かるのだろうが今はなかなか良いシチュエーションは見つからない。

対岸に当たる低い商業ビルのガラス窓に映っているが、窓ガラスも小さく、壁もあるのでなかなかうまくは映らない。高層でガラス張りの壁面のあるビルがないのだ。

仕方ないので、浅草に向かった。途中吾妻橋交番前の交差点に東京スカイツリーを模した灯籠が設置されていた。夜灯りを付けると綺麗だろう。

道路沿いの建物、店のガラス面を見ながら歩いたが、ばっちり映る場所はない。

アサヒビール吾妻橋ビルだと映っているのではないかと寄ってみると上層だけが映るガラス張りの壁面が見つかり、数人の見学者がカメラに納めていたが、思うような絵ではない。

周辺をくまなく探せば、良いシチュエーションが見つかるのだろうが、今日はダメだった。


写真上段左:近くの商業ビルの窓ガラスに映った東京スカイツリー

写真上段右:1月22日 浅草方面からアサヒビール吾妻橋ビルに映った東京スカイツリーを見る

写真中段左:アサヒビール吾妻橋ビルに映った東京スカイツリー
写真中段右:539mの東京スカイツリー建設現場

写真下段:吾妻橋交番前交差点に設置された灯篭

2011年1月3日月曜日

小沢政治資金疑惑:政治資金規正法第1条の趣旨を活かした事実解明を

小沢さんの政治資金規正法違反事件における強制起訴を前に、指定弁護人の事情聴取に応じず、頑なに拒否していた国会招致を条件付きで応じる駆け引きをしてみたり、その真意が分かりにくい。

一方、指定弁護士は、告発事実になかった4億円の原資についても起訴内容に加える意向を表明したと、年末、年始にかけて報道されている。

小沢さんやその弁護団は、裁判で白黒をつける裁判闘争の構えを見せているが、果たしてそれで「政治とカネ」の問題が解決するのか。

小沢さんは、故田中角栄元総理の裁判を全部傍聴し、法の表裏を知り尽くしているプロだとメデイアは時々報じるが、本当にそうなのか。政治家が自らの首を絞めるような法律を作るはずがない。ザル法だからポイントを知っていると難無く法をくぐることが出来る。

しかし、そうだと政治資金規正法の目的、基本理念に合わない。

小沢さんの疑惑に、「法の何処に違反するのか」と疑義を挟む小沢系議員がいるが、小沢さんの政治資金疑惑を事例に、「法の何処が問題なのか」、「どの行為が問題なのか」そして「どうすれば規正出来るのか」。法第1条目的の趣旨を最大限考慮した事実解明が要求される。

そして、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行なわれ、公明と公正を確保した民主政治が出来るように全国会議員が襟を正すべきである。

小沢さん自身も、政治改革を標榜していたのだから、自らの疑惑に積極的に答える義務がある。

参考に、政治資金規正法第1条目的を記す。

この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性に鑑み、政治団体及び公職の候補者により行なわれる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行なわれるようにするため、政治団体の届け出、政治団体における政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係わる政治資金の授受の規正その他の措置を講じるコトにより政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

2011年1月2日日曜日

初詣は川崎大師 飴をなめて「災厄をきる」?
















初詣は川崎大師で、家族の安全と健康を祈願した。2000年代に入って初詣客数では全国で第3位の296万人が参拝する厄除大師だ。帰りに飴を買って「厄を切る」ことにしよう。

娘と従兄弟と家内の4人で参拝した。運動をかねて京急川崎駅から歩いて川崎大師まで行こうと考えたが、従兄弟の持ってきたiPadで地図を開くと3駅分ある。女性軍が電車で行こうと言いだし、京急で行くことにした。

表参道の両側に露店が並び道路脇に置かれたゴミ袋からプラスチック食器や割り箸が氾濫していた。元旦の午後だからなのか、参拝客は少なそうだ。

仲見世通りに近づくと「トントントトントン」という例のリズミカルな音が聞こえてきた。帰り客しか通れないが、参拝者も少なく、お土産の袋も少ない気がする。以前はもっと多かった気がする。

仲見世を横目に不動門の方に向かうが規制されていて、10歩ほど歩いては止まることの繰り返しだ。大山門から献香所から大本堂に向かうが、警察官の「止まれ」「すすめ」の指示に従って進む。本堂では中央部分に参拝者が集中するので、「左側がすいています」と警官が誘導するが動こうとしない。やっぱり気分的にも、参拝は中央がいいのだ。

献香所では、線香の煙がモウモウと立っている。煙に手をかざした年配の女性がお孫さんの頭にポンポンと付けていた。「元気で大きくなれますように」と。

堂内では多くの僧侶が読教し、護摩木が燃やされ炎が上がっている。国家安隠、藷願成就の大護摩供(おおごまく)が行なわれているのだ。

帰りは、仲見世を通る。昔は蛤鍋が主流だったが水質が悪化し採れなくなり、くず餅、ダルマ、せき止め飴の土産屋がとってかわったという。

飴を試食しながら、土産を選ぶ。店員さんに「人出はどうですか」と聞くと「年々減っています。以前は向こうからぎっしり込んでいました」という。1人当たりのお土産単価も少なくなったようだ。

何故、飴なのか。

ここの飴は、水飴にハーブやハッカが入ったのど飴らしいが、門前に何故飴かは、分からない。川崎市のHPによると、「飴を切る」にちなんで「厄を切る」になったらしい。

丁度喉も痛かったし、「災厄を切る」コトを考えてのど飴を買った。

1月の大師様の押し絵が、HPの法話板に載っている。「私達も自ら行動することを怠らず、日々が実践修行の場となるように精進して参りましょう」と教える。
写真上段左:本堂前の交通整理
写真上段右:本堂前で待つ参拝者
写真中段左;大護摩供
写真中段右:集まった参拝者たち
写真下段:チョット寂しい仲見世どうり