2017年10月23日月曜日

人気失墜の「小池劇場」の後に残されたのは政界の混乱だけか

パッと人気が出てパッと失墜した脚本、主演小池さんの「小池劇場」の後に残されたのは一体何だったのか。「政界の混乱」だけと言う事になると「小泉劇場」に似ている。

私は最初から「小池さん頼り」に疑問を持っていたが、橋下さんの「日本維新の会」を見れば地方自治体の首長が国政政党の代表を兼ねて政治活動することは大変な事だと思うし、自分の政治欲のために有権者を利用する事は問題である。資金や地方組織のことを考えるとそう簡単にはいかない。鳩山兄弟が政党を立ち上げたときに母上がスポンサーになられたことを考えるとよく分かる。

同じ劇場でも「小泉劇場」は自民党を舞台にしていた。自分に反対する者は抵抗勢力と敵を作りメデイアをうまく利用して劇場型政治を断行した。国会での所信表明でも「抵抗勢力」と激しく攻撃したのだから自民党の長老連中、既得権益者は腰が引けただろう。メデイアは悪者扱いする。

小泉さんの代表的な仕事は「郵政民営化」だ。郵便が集めた貯金を採算の合わない国鉄の経営に投入することなど理に合わないことは小泉さんの言う通りだ。それを改善しようと果敢に郵政民営化に突き進んだが、この民営化はアメリカが日本に強く要求されていた政策で日米要望年次報告(正式な名称は忘れた)でその進展具合を両政府に報告することになっていたのだ。

でも、自民党の郵政族を始め反対が強く、強行した結果多くの自民党員が離党、新党結成などに走ったが自民党への復党が続き二階幹事長や野田総務相のように要職に就く者も出ている。綿貫さんや亀井さんも離党し新しい政党を立ち上げたがうまく行かなかった。亀井さんは無所属で頑張っていたが「国会には仲間がいなくなった」と言って今回引退した。

小泉さん以降の政権は不安定だった。

第一次安倍政権→福田政権→麻生政権→民主党政権(鳩山政権→菅政権→野田政権)→第二次安倍政権と続く。第一次安倍、福田、麻生政権は自民党内のたらい回し政権で「何時解散なのか」が国会での主要課題であった。

続く総選挙での政権交代後の民主党政権でも鳩山、菅、野田政権はたらい回し政権でここでも「何時解散するのか」が党首会談の主要課題だった。民主党政権は鳩山、小沢の「政治とカネ」、小沢さんとの権力の二重構造で政権内はゴタゴタが続き、菅政権では未曾有の巨大地震、巨大津波災害と同時の福島第一原発の原発事故は日本中を混乱させた。

菅さんはその時の対応に不備があったと批判されているが、どの政党でも混乱するだろう。それほどの事故だったのだ。しかし、菅さんはこの難局を国を挙げて対応しなければならないと考え、野党総裁だった自民党・谷垣総裁に副総理格で震災対応相として入閣を依頼したが、自民党は「民主党の手助けをするだけ」と拒否に了見の狭さをさらけ出した。

どういう訳か、そういう経緯も考えないで「最悪の総理」とメデイアは批判しているが今回の選挙で立憲民主党で菅さんが当選、官房長官だった枝野さんは立憲民主党を立ち上げ代表として反安倍の受け皿の役目を果たした。野田さんは無所属で当選の強みを見せた。

メデイアの世論調査で安倍政権を「他の政権よりマシ」と評価する向きもあるが「民主党政権のだらしなさ」と評価されるのには反対だ。

そして小池劇場だ。

自民党にあって居場所がなくなった東京10区選出の小池さんが自民都連、石原元知事を敵に回し「東京大改革」を都知事選、値議会議員選挙で打って出た結果圧勝し自民党は歴史的惨敗だったのは記憶に新しい。

今度は「政権選択」「安倍一強反対」を掲げ「希望の党」を立ち上げて自民党に戦いを挑んだ。折しも野党第一党の民進党のゴタゴタは尽きなく、「解党的出直し」を主張する議員まで出て来て、前原さんは小池新党に合流話を持ちかけた。希望の党が候補者を立てれば民進党は食われて落選者が多数出、壊滅的結果になるとみたのだ。

民進党からも合流話も前に離党し希望の党の設立に関与する者まで出て来た。ところが前原さんと小池さんの話がどうなっていたのか分からないが、前原さんが「全員合流」と言えば小池さんは「さらさら考えていない。選別します」と言い出したから関係者、世間はどん引きした。

小池さんは希望の党を私物化したわけではないだろうが、選別は「自分より政治活動の上の人」「憲法観」などで選別したのだ。この「排除の論理」が小池人気を一挙に失墜させた。小池さんは権力者の顔になっていたのだ。小池さんは「自らの驕り」を敗因の1番に上げていたがその通りだ。

選別に漏れた人たちは「立憲民主党」を設立、重鎮連中は無所属で戦うことになった。民進党は3分裂し希望の党は立憲民主党の議席にも達しなかった。

しかも希望の党で当選した候補者はほとんどが民進党出身者で「小池人気」も陰りが差し小池さんの代表の地位も危なくなってきたようだ。

更に希望の党の体制がどうなるのか。国会内外で二重の体制になるとすれば生え抜き連中と、民進党出身者との主導権争いが出てくる。希望の党分裂の話まで出てくる状況では何のための劇場だったのか。

そして、立憲民主党が野党第一党となると、国会運営も難しい局面が想像出来る。自民党政権と政策が真逆な点も多い。立憲民主党がリベラル系かと思っていたが枝野さんは「リベラル」と言ったことはないという。

希望の党の旧民進党出身者、立憲民主党、無所属の重鎮達との連携を考えているのだろうか。

小池劇場の後に残されたのは「大改革」ではなく「大混乱」だけなのだろうか。こんな政局を選んだのは私たち有権者なのだ。しっかり自民党安倍政権を監視していかなければならない。



2017衆院選を省みて:地元に根付き自分の顔で戦う候補者が大事では

今回の衆院選を省みて自民が強かったと言うことは地元に根付き普段からの活動に余念のない候補者が自分の顔で戦い勝ち上がったことではないか。確かに民進党と希望の党が合流し野党共闘でも出来れば自民は大きく議席を失ったかも知れないが、それは一時のこと、今回は民進党の3分裂で立憲民主党が立ち上がった。

未だ途中経過であるが自民280,公明29,希望49,維新10,立憲54,共産12,社民1,諸派/無所属26と言う結果が出ている。自民、公明、希望、維新の減席分を立憲が吸い上げ野党第一党に躍り出た。

今回の衆院選を見るとメデイアが煽った「小池劇場」の失敗だ。主演・小池さんの言動が大きく客入りをかえる結果になった。その不人気が立憲民主党のたちあげになり前原さん、小池さんの言う「政権選択」「安倍一強反対」の勢力を分散させた。

小池劇場で小池さんが敵とする自民に刺客が送り込まれたが、その玉が悪かった。地元に密着せず落下傘候補、民進党からの離党、合流組と複雑な構成になった。選挙で「何故、変わったの」「そこは聞かないで」という民進党を離党し希望の党立ち上げに参加した候補者の街頭活動がテレビで流れた。

しかし、小池さんのようなカリスマ的存在の代表の顔に頼るのは危険だ。その言動が情勢を一転させることが今回よく分かった。小池さんも反省しているように「排除は厳しい言葉だった」「私の驕りもあった」と言うが、一方でその言葉を報じたメデイアを批判する事も忘れなかった。

ところで考えてみよう。小泉劇場、橋下劇場、小池劇場はどうだったのか。小泉劇場は自民、既得権益者を敵に回し郵政民営化を戦ったが、何を残したか。「政界の混乱」だけではなかったか。その時離党した議員も今は復党して要職に就いている。

橋下劇場と言うが地方政治では成果もあったようだが、大阪府、大阪市で成功した政策を国政に持ってくること大変だろう。そしてカリスマ的存在の橋下さんが引退すればその勢いも落ちてくる。今の日本維新の会を見ればよく分かる。
橋下さんが注目されたのは何でも会見でコメントしてくれるメデイアのご都合主義ではなかったか。

一方の自民党は議席数を落としているが結果は大勝とみられている。二階幹事長は早々と「安倍政権が信任された」というが、「安倍さんは嫌いだが安定政権を考える」と自民党という結果ではないか。

地元密着の候補者が自分の顔で選挙戦を戦えば、落下傘候補など蹴飛ばすことが出来るのだが、国会で不規則発言、不祥事を起こした候補者も返り咲く危険もある。イデオロギーで右往左往する野党を横目に勝ち抜く地盤の強さは、政権交代という一時の異変もあったが盤石さを見せつける。

しかし、自民党安倍政権が勝ったとは言え、候補者の新陳代謝は重要だ。ベテラン議員の不容易は発言、民意とはかけ離れた発言が目立ってきているのではないか。閣僚候補者にも事欠く状況にあるのではないか。

そして今回の選挙で漁夫の利を得たのが立憲民主党だ。民進党と希望の党の合流時に「選別に落ちた」候補者の受け皿になり野党第一党にのし上がったが希望の党との議席差はたったの5議席、希望の党の当選者もほとんどが民進党合流組だ。

これからの国会運営で旧民進党の悪い例が出てくるのではないか。希望の党で選別されたリベラル系議員が集まったように思えるが、枝野さんも言っているように「リベラル政党」ではないようだ。

では、一体立憲民主党はどんな党の色なのか。「判官びいきの風」で立ち上がった政党だとすると大きな期待は出来ないが、安心出来るのは既に実績のある候補者達であると言うことだ。

次回の選挙でこれらの政党がどうなるか。普段の活動を元に自分の顔で勝負できる候補者に出て来て欲しい者だ。


2017年10月22日日曜日

国の行方?:このまま自民で、安倍政権で良いのか

国の行方を決める選挙と言うが、このまま自民で、安倍政権で良いのか。「安定政権、強い政権」を求めれば自民で仕方ないが、「安倍さんではイヤだ」という。問題は国会での与野党のバランスだ。小選挙区比例代表制ではどうしても一党に議席数が集まるが、小選挙区を自民候補者に書いても比例区は他の党にすべきだ。

メデイアの情報分析では自公300越え、希望失速、立憲伸ばすという。比例区投票でも自民党が32%、立憲17%と自民断トツの強みだ。市場も期待をにじませ日経平均は21457円と57年ぶりの高値を付けた。

安倍自民党は北朝鮮の挑発行為、少子高齢化などを「国難」と恐怖を利用し自分たちの政策、考え方を国民に押しつけようとしている。

国の行方を問うよりも「モリカケ」疑惑封印、野党がゴタゴタし態勢が整わない内の解散で野党壊滅作戦に出た。案の定、希望の党は自滅、代わりに枝野さんの立憲民主が勢いを増してきたが、候補者不足で大きくは伸びないが野党第一党を伺う。

こんな状況だが、丁度マックス・ウェーバーの「国家」を記述した「西洋の終わり」(ビル・エモット 日本経済新聞社 2017.7)を読むところだった。

マックス・ウェーバーは「国家とは与えられた領域で暴力の正当な行使を独占する主体」と定義しているという。

「暴力」とは国際紛争、内紛での力の行使を考えるのだろうが、ここでは国会内での数の力でごり押しすることも一種の暴力ではないか。そして多くの国民が憲法改正を戦争の出来る国にしようとしていると見ている。

「正当な」とは、「善意の」「立派な」「民衆の」「憲法に基づく」というのが本来の意味だろうが西欧では言えてもロシア、中国では言えないことだが(同上)、日本でも安倍政権にあっては当てはまらないのではないか。

寧ろ、「受け入れられている」「太刀打ちするものがない」(同上)と考えると自民党に多数の議席を与える結果だ。自公に300超の議席を与えることが安倍政権に好き勝手なことを許す結果になるのだ。

安倍自民党に「白紙委任」(小池)することなく、国の行方をしっかり考える大事な選挙が今回の衆院選なのだ。


2017年10月21日土曜日

選挙も「釣り」と同じ、どんなエサ(政策)で有権者を釣るのか

選挙も「釣り」と同じなのだ。釣り師(候補者、政党)はどんなエサ(政策)で魚(有権者)を釣ろうとしているのか。

今読んでいる「不道徳な見えざる手」(東洋新報社 2017.6)は「経済とは「釣り師」と「カモ」の永遠の戦いである」と言うのだ。これは今、丁度最終日を迎えた衆院選にも当てはまるのではないか。

それによると、「釣り師」と「カモ」について面白い記述をしている。

釣り師(候補者、政党)の利益にはなるが、その標的(国民)の利益にはならないことを人々(有権者)にやらせる。(かっこ内は追記)。

魚釣りはルアー(政策)を水に入れて用心深い魚(有権者)が通りかかり間違いをしでかして捕まるのを待つ。政策は多様性を持って巧妙に出来ているので慎重になっていてもいずれ引っかかるというのだ。

うまく釣られるカモ(有権者)にも「心理的カモ」と「情報的カモ」の2種類があり、「心理的カモ」には更に「常識を蹴飛ばすカモ」と「現実を誤解するカモ」がおり、「情報的カモ」には意図的に誤解を招くように作り上げられた情報に基づいて行動するカモがいる。

誤解したり、意図的に誤解をもたらされる政策、行動は問題だ。

今回の総選挙の争点はなにか。安倍さんは「国難突破」と言えば、小池さんは「政権交代」「安倍一強反対」という。民進党の不甲斐なさに呆れかえっていた有権者も小池新党「希望の党」立ち上げで自民党に一撃を期待したが、脆くも期待は崩れてしまった。

注目された民進党、希望の党合流劇では前原さん、小池さんは有権者に大きな誤解を与えたことになる。「前原さん 小池にはまってさー大変」と揶揄されている。

有権者と候補者の関係は「釣り」と同じだ。

以前、自民党の要人が「有権者はバカで毛針でつれる」と暴言を吐いて新聞でも大きく取り上げられたが「うまいこと言ったもんだ」と感心したことがある。

今、候補者1200人(釣り師)が議員定数465人(魚)をつり上げようと疑似餌(政策)を工夫し、釣り場を替えて賢明に流している。

メデイアの情勢分析では圧倒的に自民党優勢、期待外れの希望失速、そして立憲民主の躍進だ。残念なことに候補者数が足りない状況のようだ。でも、自民優勢でも「安倍嫌い」が多い。


政党の政策に惑わされず「生活を守る」には、どの政党、候補者が良いのか。バラバラに評価される政策にどう一致点を見いだし候補者を絞るか、有権者の心眼が問われる。

2017年10月17日火曜日

毎日新聞「えらぼーと2017衆院選」は候補者選びをアシスト出来るか

毎日新聞 電子版より
毎日新聞の「えらぼーと2017衆院選」が候補者選びのアシストに役立ちそうだ。何時の選挙でも誰に投票するかは決めづらい。選挙公報を開いてみても候補者が自分に都合の良い公約を掲げるので他の候補者との政策別比較がしにくい。

一度、広報から政策一覧表を作り各候補者の政策を比較してみたが統一されて無くて役に立たなかった。その内容をブログの記事にしたことがある。

ところが、毎日新聞「えらぼーと2017衆院選」が目についた。今まで毎日新聞は読んでいなかったので電子版で気がついたのだ。

このソフトは候補者全員に予め設定した政策にYESNO(具体的には択一式)を聞き、有権者も同じ設問に択一でチェックを入れる方式だ。設問は25問で、絞り込み(自分が優先する政策)が3問、選挙区もチェックするようになっている。もう10年前からやっており今回は9回目だという。

だから、自分の選挙区の候補者と有権者の政策の一致度を見る事になる。25問は恐らくバラバラ感があるだろうが、関心度の高い設問3問で絞り込むのだ。通常は有権者が頭の中でやっていることをソフト化されているのだ。アルゴリズムも見直しが繰り返され精度を上げるように努力しているらしい。

いつも問題になるのは設問毎に候補者と有権者との考えの一致が難しく、候補者を選ぶのに苦労することが、これでトライしてみた。

私は東京3区で、共産 香西さん、自民 石原さん、希望の党 松原さんが候補者だ。石原さん優勢と言う説もあれば落選の危機とも言う。松原さんは民進党をサッサと離党し小池新党に移った。石原さんと接戦という。しかしこの2人は比例区で上位にいるので落ちても国会へは戻ることが出来る。

一致度は54%で共産党と出た。当然の結果だろう。これを東京10区でやるとどうなるか。ここは自民、希望、立憲民主、共産が候補者を立てている。結果は恐らく立憲民主で一致度はモット高かっただろう。

面白い試みだ。有権者は候補者との一致度を参考にしながら経験、人物、選挙区の人気度も考慮し絞り込んでいくことが出来る。

決して他の選挙区の有権者から批判があってはならない。今まで発覚した不倫などの不祥事も選挙区では有名な話という例が多い。選挙区内の評判も確認すべきだ。不祥事が起きると「こんな議員を国会に送って恥ずかしい」と反省の弁を聞くが、そんな議員は選挙区で落とせないのかと疑問に思う。


2017年10月16日月曜日

国内外で賛否が分かれるアベノミクスという経済財政政策

朝日新聞 2017.10.16
安倍政権が訴えるアベノミクスという経済政策は国内外、自民党内でも賛否が分かれてきたが、どう評価すれば良いのか。これまでの実績を評価し、今後の経済政策の信を問う「国難突破解散」になって欲しいのだが。

安倍総理は「この国を守る」と「アベノミクスの加速」を訴えるが、国内外で賛否が分かれるアベノミクスという経済政策をどう評価すれば良いのか。第一の矢「異次元の金融緩和」、第二の矢「財政政策」、第三の矢「規制緩和、成長戦略」で円高→円安、株安→株高へのきっかけを作りアベノミクスを肯定する雰囲気が続いている。

しかし既に5年、成果が薄いと思ったのか、安倍総理は新・第三の矢を出し今回の自民党の公約にもなっている。

海外の専門機関が「アベノミクスの限界、規制改革、構造改革が必要」と指摘するし、機会毎に招聘したノーベル経済学賞受賞者も安倍総理の前では評価するも帰国後は批判する始末だ。

自民党内でも反アベノミクスの勉強会が出来たし、ポスト安倍の閣僚が見直し論を言い出した。今アベノミクスを唱えているのは安倍総理の側近連中や経済財政諮問会議などでのYES MANぐらいだろう。否、もっといた。ヨイショするジャーナリスト、経済評論家だ。

日銀の総裁の首をすげ替えての第一の矢・「異次元の金融緩和」も「2年で2%」は公約破りで6回も先送りされ、それでも達成は疑問視されている。

市場にカネを流せば物価は上がり、円は安くなると政権交代時の選挙では自民党の新人まで「そんな事が分からないのか」と訴えていたほどだ。円安にはなったが物価は上がらない。「脱デフレ」宣言をしたいだろうが無理だ。そもそも景気が良くなって物価が上がるのが経済なので市場にカネがあるから物価が上がるのではない。

黒田総裁はそれが分かっていたのだろう。市場の期待感を煽ったし、金融緩和策は一時の時間稼ぎ規制改革、財政政策の必要性を訴えていた。

欧米の中銀は縮小策へ、FRBは資産売却、利上げのタイミングをとり金融正常化に向けて動くが、日銀は安倍総理がアベノミクスを推進する以上は「出口戦略」を口に出せない。安倍総理も出口戦略については「2%物価目標を達成していない」と拒否する。

第二の矢の財政政策では安倍総理は財政出動派だが財政再建策も掲げ日本経済の両輪だといったが、今回の選挙公約では先送りするが看板は掲げておくと言い出した。

財政再建は国際公約だが、「今は、消費税増税、財政再建は止め財政出動するときだ」というシムズ教授を始め経済学者が多い。古くなったインフラ整備、大規模災害に備え公共投資など確か5兆円を上げている。

麻生さんは経済財政諮問会議で財政出動より「民間出動だ」と主張し民間議員も賛同するが民間企業の動きは鈍い。企業は輸出や海外投資で儲けるが多くは国内の設備投資に回さず、企業の内部留保に努め360兆円にもたっする。これをはき出させようと内部留保に課税しようと「希望の党」が主張する。

法人税の減税などの税収減の一方で企業業績が上がったための税収増もあろうが政策推進には赤字国債を余儀なくされる。90兆円を超える国家予算に中で30~40兆円(?)が赤字国債で借金は安倍政権でも増えている。

アベノミクスの目的の1つにトリクルダウンを期待する。企業の儲けを家計に再分配し消費を伸ばそうというのだが政府が要求する賃上げにも腰が重い。海外の著名な経済学者が「トリクルダウンなんて今まで見たこともない」というのだ。

我が国も外需より内需拡大が要求されたとき、前川レポート、21世紀版前川レポートが報告されたがうまく行かなかった。その要因には企業の儲けを家計に再分配するシステムがなかったことが上げられている。今もその状況に変わりは無い。

企業活動を活性化し、海外から企業を呼び込むために法人税を減税する。税収は減る一方と思われたが、ここ5年間で効果があったのか。

第三の矢「規制改革、構造改革」は安倍政権でも「固い岩盤にドリルで穴を空ける」と威勢の良いことをいうが戦略特区構想では「森友・家計学園疑惑」で安倍総理夫妻の悪行で行政の公平さ、平等を害する結果をさらけ出し、「安倍さんは信用できない」と内閣支持率の下落を招いた。今回の冒頭解散もこの疑惑を追及されるのを恐れての行為であったことは皆知っている。

官僚、既得権益者の岩盤に風穴を空けても新しい権益者が生まれてくるのだ。

誰が名付けたか、アベノミクス。欧米経済のタイミングも合って当初は成果が認められたために否定に及び腰な点もあるがタダの経済政策、得意な点は「異次元の金融緩和」だが、海外からは「周回遅れの日本」と心配されている。


大事な政策をネーミングで覆い被せてはいけない。希望の党の小池さんは「ユリノミクス」と言い出した。

2017年10月15日日曜日

財政再建で周回遅れの日本:政府、政党、国民はどう対応するのか

G20になると何時も財政再建が話題になり日本は「周回遅れ」とみなされ再建が大きな課題になるが、日本政府は「2020年、PB黒字化先送り」を決めた。会議では「強い異論は無かった」と言うが、選挙戦中にあって政党は人気取りのためか財源の確保もないままに政策を発表、有権者はどう判断するのか。

財源より政策優先が目立つ。安倍総理はアベノミクスの加速で税収増、消費税増税分の用途変更を国民に問うているが、野党は消費税凍結、希望の党は1%ワイズスペンでイングを訴える。

一体何で日本は周回遅れとみられているのか。

地方、国を合わせた借金が1000兆円を超え、対GDP比で200%の先進国一悪い状況、各国が赤字予算をGDP比3%以内に守っているが日本は守れていない。欧州中銀は緩和縮小に向かい、FRBは資産の売却、利上げのタイミングを計っているが日銀は緩和継続だ。2%成長率に対して11.5%、物価目標も0~0.5%程度と景気は「緩やかな回復基調」というが国家財政はピンチだ。

安倍政権は、財源をアベノミクスの成果として税収増を狙っているが海外ではアベノミクスには限界、構造改革、規制緩和を要求する。

ところが安倍総理は財政出動派だ。財政再建を掲げてはいるが先延ばし、海外から財政出動派のノーベル経済学賞受賞学者を招くが、「ノーベル経済学者の無責任な提言」と一笑する専門家が多い。

選挙では教育の無償化、ベーシックインカムと耳触りの良い政策が出るが財源はアベノミクスの加速、企業の内部留保に課税、麻生さんは経済財政諮問会議でこれからは「民間出動だ」と力説、民間議員は賛成するが動きは鈍い。

市場にカネを流せば物価も上がり景気も回復、企業は設備投資し賃金も上がれば家計への再分配も出来消費も伸びる。アベノミクスの目標だったが効果は出ていない。物価は景気が良くなれば上がるもので市場にカネを流せば上がるものではない。

海外からアベノミクスの限界が指摘されているのも当然だが、安倍さんだけはアベノミクスのエンジンを吹かし加速するというのだ。

国、地方の借金の1000兆円も異論もある。純資産もあるのだから純債務は半分ぐらいで心配することはないという学者もいる。先の国会で野党が質問した経緯はあるが詳細なことは分からない。

日銀の緩和継続を海外の中銀、FRBの動向と較べると周回遅れと言われても仕方が無い。いつまで続けるのかと心配になるが、「2%物価目標」達成まではやるらしい。安倍総理も見直しはアベノミクスの失敗になるので容認できないだろう。

G20で説明しても「異論が出なかった」から安心というわけにはいかないのだ。各国は日銀の異次元の緩和を「財政ファイナンス」と見ているが公には言及しない。

しかし何かの拍子に議論になると国債、円の信用はがた落ちになる。一大事であることは誰にでも分かるが、2020年のオリンピック後が要注意だろう。

消費税増税は避けられない。2%で約5兆円の増収になるが、借金の返済でなく少子高齢化、教育の無償化など人材の育成などに流用するらしい。その是非を問うのも今回の選挙の目的だ。

このまま景気の好循環が続かなければ「緊縮財政」ということになるが欧州では評判が悪く政権が不安定になっている。日本で何故、危機感がないのか。