2017年11月19日日曜日

今日の新聞を読んで(119):財政赤字なのに何故、法人税を減税するのか

財政は赤字なのに何故、法人税減税を急ぐのか。米国のトランプ大統領は企業の大幅減税で揉めているし、安倍総理も海外から企業を誘致するための法人税減税を掲げているが、儲けを内部留保に回し賃上げや設備投資をしないことに業を煮やし3%以上の賃上げをしない企業には優遇税策を適用しないと言いだした。

トランプ大統領は減税で米国に企業と雇用を取り戻すと言う「アメリカファースト」、保護主義、二国間貿易に精を出している。企業活動にとってはマイナスのことはやらないのだ。その1つが地球温暖化対策の「パリ協定」からの離脱だ。

一方、我が国は企業の内部留保が406兆円にもなっている現状から賃上げ、設備投資に回させて景気回復、脱デフレを進めるために3%以上の賃上げをしない企業へ減税優遇策を適用しないと言い出した。

日本経済は異次元の金融緩和継続で市場にはジャブジャブカネを流す。輸出などで企業が儲けても海外投資、株、土地で内部留保も406兆円、日本経済は「穏やかな回復基調」と言うが賃金が伸びないので消費も伸びない。税収も大きく伸びず赤字財政に頼らねばならない。国、地方合わせての借金は1200兆円、対GDP比240%だ。2017年の予算は97兆円、内税収は63兆円、赤字になる公債金は34兆円だ。

米国も景気は良い。FRBは緊縮政策を縮小し、資産の処分、金融政策の正常化に向け利上げのタイミングを図っている。

日米の赤字財政、純債務残高を比較する。
        財政赤字     純債務残高 いずれも対GDP
  日本     -4.5%    130%  
  米国     -5.2%     82%
米国の債務残高の予想は10年後の今の日本より低いが楽観は許されないという。GDP比が5%を越えるとレーガン時代のような金利高騰がおき、ドル高が推移するのだ(朝日新聞 2017.11.17 「財政悪化が招く成長リスク」。

1985年9月、減税による米金利上昇で高くなったドルを是正するためにプラザ合意がなされたが合意後円高が進み、日本経済の長期の低迷にかかった要因とも言われている(同上)。

しかし、あのレーガン大統領のレーガノミクスは眉唾な政策だった。アベノミクスと同様に当初は成果もあったが長続きしない。私も当時、単行本を購入し読んでみたが、ラーファー曲線には致命的な欠陥があった。今の税率が適正税のどちら側にあるかが分からないことだ。税率を下げれば税収が増えるのか、それとも減るのか分からないのだ。

レーガン大統領の減税策が日本経済に長く円高をもたらし、日本経済の失速の要因の1つだったことは紛れもない。世界は金融緩和で対応したが異次元の金融緩和を続けても物価は上がらない。先進国では唯一継続中だ。

それが、トランプ大統領が減税すると言う。法人税を35%から20%に下げると言う。

又、日本は円高に苦しむことになるのか。今、経済学者、投資家、経営者がいろんなことを言っている。

減税が企業を助けると思っているようだが、税率が理由で競争力を失った企業は1つも無い。

企業の儲けを家計に再分配するトリクルダウンなんて見たこともない。

そして我が国の中小企業の経営者が「儲かる仕事があれば借金してでも設備投資する」というのだ。


各国の国内政情、国内経済、緊縮財政への反感などグローバル化が経済に大きく影響し合っている。国内の財政政策で切り抜けられる今の世界経済ではない。

横綱・日馬富士暴行事件:送検されるも嫌疑不十分で不起訴処分か

横綱・日馬富士が貴ノ岩をビールビンで殴りかかった暴行事件がメデイアを賑わしているが情報が入り乱れ分かりにくい事件になっている。鳥取県警も捜査しているが、送検しても嫌疑不十分で公判維持も難しく不起訴か起訴猶予処分になるのではないか。

ビールビンで殴ったと言えば大変な事件と思うが、本人や横綱・白鵬関の証言ではそうではなさそうだ。貴の岩関がモンゴルの親戚に話した内容と違うらしいが殴ったことに変わりはない。同席した力士も状況をまちまちなことを言っているので伝聞証拠としては証拠不十分だ。

特に親方・貴乃花の行動に不可思議な点があることは確かだ。まず力士の不祥事について報告すべき日本相撲協会は1週間遅れで把握したという。しかも協会からの問い合わせに「わからない」と答えていたのに診断書2通を提出したがこれが内容が違うらしい。診断した医師も「診断内容でこんなに大事になるとは」と驚いているらしい。休場、入院する必要はないと見ていたのだ。

そこで出て来たのが八角理事長を始めとする協会側と貴の花親方など改革派の争いだ。

本来は日本相撲協会危機管理委員会がしっかりしなければならないが親方衆からの正しい情報が上がってこない限り無理、先の騒動が生かされていないのだ。

ところでこの騒動も角界のモンゴル村での出来事でモンゴルでは飲酒による暴行事件は絶えないというがそうとも言えない。日馬富士関は後輩の言動が頭に来たらしい。

相撲は国技で外国人には理解出来ない点もあると思うが、横綱はそこのところは心得て後輩達を指導していたらしい。

日本も少子高齢化、社会システムを維持していくためには外国人に頼らなければならない状況下にある。角界もそうだ。モンゴル出身の力士がいなければ弱い国技になってしまう。久しぶりに日本人横綱・稀勢の里誕生に日本中が湧いたものだ。

モンゴル人に頼る弟子育成に警告を発しているのかも知れない。


2017年11月15日水曜日

火山学者・鎌田京大教授曰く「地学の知識は中卒、高校からやり直せ」と京大生に

火山噴火、地震対策でわかりやすい講演、出版物を出している京大教授の鎌田さんが「地学的には君たちは義務教育を終えただけの中卒だから高校からやり直して欲し」と京大生に毎年言っているという(「日本の地下で何が起きているか」岩波書店 2017.10)。

最近の日本の火山噴火、地震災害は9世紀に似て来て「大地動乱の時代に入った」と言われている。私たち一人一人が防災について見直す時なのだ。

だから鎌田先生の考えに同感だ。

私も京大の教養部の時、地学を履修しようと講義に出席したが、講師の机の前に岩石の標本が一杯置かれていた。これが地学の基礎とは思っていたが、がっかりして2回ほどで諦めた。50年前の話だ。

今思うに、地震や噴火の原理を説明し、日本に自然災害の特異性を聞いていたらモット興味が出て来たかも知れない。

フィールドワークとして大文字山を通って大津に抜ける計画も考えられていたが、伏見→京都吉田山→京大グランド→修学院→八瀬→三千院などを通る花折断層などの話があればもっと身近に地学の必要性を理解出来たかもしれない。

50年前の話だから今とは状況が違うが。

今となっては、3.11,熊本地震、阿蘇噴火、新燃岳噴火、阿蘇カルデラ、富士山噴火、箱根山噴火、三浦半島から房総半島にかけての海岸隆起には興味がある。房総の九十九里をドライブしていたとき「〇〇地震時の津波の到達地点」として津波高さが表示され、避難経路が指摘されていたのに気づく。

鎌倉に行った時も「ここは海抜〇〇m」の表示が目につく。由比ヶ浜では緊急時のサイレン通報の標識も立っている。でも鎌倉には地震時14mの津波が押し寄せるのだ。万一の時は鶴岡八幡宮目がけて走るしかない。勿論途中で高いビルがあれば入るのだ。

私の住んでいる東京・大田区は都心南部直下地震の震源域で活断層が品川方向に走っている。

出かける時は「今日は地震が起きないように」と祈る。帰りもJR蒲田まで帰るとホットする。でも電車に乗るとスマホをいじっている人が多いが「地震」が気にならないのか。

「今日は起きまい」という安心感で皆、生活しているのだろう。

「自分の身は自分で守る」、寺田寅彦博士が言ったかどうかは不明だが「天災は忘れた頃来る」、良いことを教訓として残している。

鎌田先生は「東日本大震災で現実が寺田博士に近づいている」と言ったが、寺田寅彦博士の随筆集を愛読している私にとってもためになる記事が多いのだ。


今日の新聞を読んで(118):小池さんは何を「リセット」したのか

小池さんは何を「リセット」したのか。ついに希望の党代表を辞任した。自信に満ちた「希望の党」設立、「リセット」します発言は何だったのか。常に敵を作りやっつけていく細腕政治家の印象は藻屑と消えた。小池さんは「本当の敵は自分自身である」ことに気づくのが遅すぎた。

自分の言動で失速し、衆院選は57議席から50議席に減少、葛飾区議会議員選挙では5人擁立したが当選は1人で、それも旧民進党出身者だった。小池旋風が止んだことはすぐに分かったはずだ。

そんな希望の党の現実、都政では与党になった都民ファーストの会と都知事の関係がチェック機能が無く、今後の都政を危惧する向きが多い。小池さんも現実を直視したのだろう。

元々から優柔不断さでメデイアはコメントを求めて追っかけ本音を聞こうと「小池劇場」を演出した。渡り鳥政治家批判は「政治を見るに機敏」とまで評価されたが、これで生き残りをかけて右往左往する政治家の姿をさらけ出した。

東京大改革、しがらみのない政治、改革保守政党など有権者向けのキャッチフレーズを並べたが実体は内容不明で真逆の政治だった。

石原都政、内田・都議会を批判し大改革を目指したが、彼らを否定追放したまでは良かったが、今度は小池さん自身が彼らの立場に代わっただけなのだ。

「希望の党」は玉木さんらの執行部が発表になったが、民進党のDNAは内在し保守vsリベラルの抗争は続き分裂、消滅の危機だろう。

都政はどうなるか。小池さんをヨイショする与党・都民ファーストの会の議会運用では心細い。そのうちに自民党が蘇り都議会解散とでもなるのだろうか。


「小池劇場」を楽しませてくれたが、もう終焉だ。これでゆっくり政治が見られる。

2017年11月14日火曜日

加計学園獣医学部「認可」:こんな大学に子どもを預ける親がいるか

数々の疑惑が残ったまま加計学園獣医学部が「認可」されたが、こんな大学に子どもを預ける親がいるのか。野党の疑惑追及がママならず、大学設置審の委員も不満たらたらであるが「可」と判断し、文科相が「認可」してしまった。

政府、官邸、自民党に取っては予定通りの過程だったのだろうが、国民は腑に落ちない。今度は子どもを抱える親が「大学の適否」を決める番だ。

設置審の委員がメデイアに登場し考えを述べていた。申請書は当初から不備が多かったという。その都度訂正されるが開校日が決まっており、学生募集などを考えると「可」を出す日程は決まっていたのだ。

さらに通常の設置審に較べて今回は「戦略特区」という印籠がぶら下がった。政治的背景を考えると「法的違反」がないのだから認めざるを得ないのだ。

学校の体制、授業内容、スタッフ教授陣など陣容、実験設備、実験スタッフなど優秀な学生を世に出すことが出来るかどうかを審査するのが目的ではなかったのか。そういうことが文科省の今までの公正、公平な教育行政がゆがめられたことになる。

そして何よりも開校が必要だったのか。50年も認可されていない獣医学部を今、新設する必要があるのか。既設大学の獣医学部の定員を増やすことだってあるはずだ。

これから少子化で学生数は減っていく。今でも定員割れの大学が増え、44%は廃校あるいは学部閉鎖になっている。これからは一層学校経営は不利になるのだ。

しかし学校法人にとっては新設することにより新たな交付金、補助金を得て、関連学校の経営にも資する必要がある。加計学園も岡山理科大は経営が順調でも他の関連大学は赤字で自転車操業なのだ。新たなカネが入らなければグループがやっていけないのだ。

おまけに地方大学。地方の学生数も減ってくるはずで定員割れは確実だ。だから海外の留学生枠を増やし何とか定員に持っていこうとする。メデイアの報道では加計学園が韓国で学生募集をしたそうだ。日本の獣医師の不足を補充するための開学ではなかったのか。

国からのお金が絡めば建設費を水増しして交付金を水増しして詐欺まがいのことも可能になる。

最初は定員割れだろう。何年かしても定員割れで経営がうまく行かなかったらどうなるのか。

こんな疑惑だらけで危なかしい大学に子どもを預ける親がいるのか。今度は親、子どもが選別する番だ。



今日の新聞を読んで(117):都民ファ、葛飾区議選惨敗 小池旋風止みか

13日開票された葛飾区議選で都民ファーストの会は5人立候補し1人が31番目(59人中)で当選、4人が落選し、あの小池旋風も止んだようだ。小池知事が都政で失敗すれば失脚か。

当選した1人は旧民主党出身、落選した4人は小池塾の出身者だ。でも当選ラインを2200票とすると5人ではなく3人に絞っていれば全員当選の可能性もあったのだ。そうなればメデイアはどう評価していたか。

新聞報道によると落選者が敗因として、小池さんが応援に来なかった。あれ以来「小池さんは嫌いよ」と追われだした。小池知事の都政への実績が乏しいと言うのだ。

負け戦を嫌って小池さんは応援に一度も来なかったのか、都知事の仕事に専念する姿勢を見せたのか。あの「排除します」の発言は厳しかったことを本人も認めているが、その後に続く文脈があるがメデイアは報道していない。確か、後になっていろんな考えが出て来てゴタゴタすることを嫌ったのではないか。それがあの時点での民進党の評価だったのだ。

TBSテレビで「たけしのTVタックル」に若狭さん、松原さんや自民党議員が出演し衆院選を振り返っていた。

松原さんは東京3区だが、民進党を早々と離党し小池新党に加わった。選挙では自民の石原さんに負け比例復活だったが、松原さんが小選挙区で勝っていれば若狭さんは惜敗率も良かったので当選していたはずだという発言がアリ、松原さんは「すみません」と頭を下げていた。

松原さんが「希望にうつって良かったのか」と聞かれ「微妙なところ」と答えていた。無所属で戦っていたら実績からして当選したかも知れないのだ。

希望の党の敗因は「小池さんが出馬しなかったこと」という発言が多いが、若狭さんは「始めから出馬の意向はなかった」という。記者に曖昧な発言をして「決定を先送り」にしていた作戦に出たのだろう。

政治評論家が「クルマを発注していた」といえば、若狭さんは「そんな事は無い」と否定していた。若狭さんがNHKで「次の次ぎを狙っている」と発言したことは本音だったのだろう。「小池さんから「どう」言われたのか」と聞かれ若狭さんは「余り言うな」と言われたという。

私は敗因に、小池さんに名前に期待しすぎた、希望の党の体制が出来ないうちに「小池頼り」では有権者は「どんな政党でどういう体制で国政を担うのか」不安だったのではないかと思う。

そして候補者は地元で日頃から政治活動をやっている候補者なら良いが、落下傘候補で団地の名前もしらない候補者では心許ない。

都民ファーストの会の都政での活動も余り評価出来ない。「小池ヨイショ」では飽きられる。

小池さんは今まで敵を作り敵をやっつける姿を見せて人気を博していたが、今思えば「本当の敵は「自分自身である」ことに気づくのが遅すぎたのだ。


今後人気を挽回するのは都政での実績、豊洲問題、東京オリンピック問題などがあるが失敗すれば全て小池さんのセイにされてしまう。政治家は支持が落ちればそういう運命にあるのだ。

2017年11月13日月曜日

よく言った吉永小百合さん、「パールハーバーを言うなら第五福竜丸を忘れないで」と

第五福竜丸 展示館にて
2013.7撮影
朝日新聞(2017.11.12)news 2WEEKSで、吉永小百合さんが「パールハーバーを忘れるな、とおっしゃったみたいですけど、私達は第五福竜丸のことも忘れないで行きましょうと言う気持ち」と発言されたらしい。

トランプ大統領が訪日前にハワイを訪れて真珠湾で「パールハーバーを忘れるな」といったことにコメントされたのだ。先の戦争でアメリカに宣戦布告が遅れて真珠湾攻撃が不意打ちの攻撃になったことが批判されていた。何やら今回のトランプ大統領訪日を前に首脳会談を牽制したような発言だったのだろうか。

真珠湾といえば昨年、オバマ大統領が伊勢湾サミット後に広島を訪問してくれたお礼に、安倍総理が真珠湾を訪問し返礼した経緯がある。その時その時で政治的にいろんな使い方がされている。

吉永さんが「忘れないで」と指摘した第五福竜丸は米国が大量殺人破壊兵器である原爆を開発するためにビキニ環礁で核実験をし当時近くで操業していた漁船で「死の灰」で被爆したのだ。

当時の第五福竜丸は悲運な出港だった。途中でエンジンの部品を忘れたために帰港、再び漁場に向かったがマグロは捕れず漁場を替える途中で漁網を海に流した捜索に数日かかり、思うようにマグロが捕れないためにないために更に南下し、ビキニ環礁に近づいたが、規制海域の外だった。ピカッと閃光がひかり「白い灰」が降ってきた。乗組員に体調を崩す者も出て来たため、急いで日本に進路をとり帰港を急いだ。途中、米国の警戒に引っかからないように細心の注意を払ったらしい。全員入院検査されたが、通信長の久保山さんがお亡くなりになった(これは第五福竜丸展示館を見学したときの資料で覚えていたことを記したので正確さに不安な点が残る)。

アインシュタインの有名な式 E=mC2は原子を操作することによって破壊的エネルギーを取り出すことが出来ることが分かりアメリカ、ドイツの科学者が原爆開発に熾烈な争いをしていたのだ。

開発が進んだアメリカは太平洋戦争を早く終わらせるため(?)に日本での原爆使用をトルーマン大統領が決め、広島、続いて長崎に投下され日本は甚大な被害を被った。
しかし、その後第五福竜丸の事件は原水禁運動のきっかけになった。アインシュタイン博士、湯川博士もメーセージを世界に発信した。

日本は広島、長崎で被爆した唯一の国であり核問題には一段の思いもあるはずだが、日本は核兵器禁止条約に批准していない。曖昧な日本政府の姿勢が問題だが、更に今年のノーベル平和賞は「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が受賞し日本の立場は益々不利になった。

吉永小百合さんはこういった日本政府の立場を批判したのだろう。著名人の言葉として重みがある。

第五福竜丸は500kgの漁獲量しかなかったが、多くの漁船が放射能汚染マグロを日本に持ち帰った。そして全国で風評被害がでて日本は混乱した。注意しなければならないのは、今の築地市場の中に500トン近い汚染マグロが埋没されているのだが場所も不明で確認されていないらしい。

作ったマグロ塚の碑は当時築地市場に設置する予定だったが、今は展示場の敷地内に設置されていた。