2018年2月22日木曜日

異次元の量的・質的金融緩和:黒田総裁続投でどうなるか 吉と出るか凶と出るか 


どうなるか黒田総裁続投で異次元の量的質的金融緩和、吉と出るか、凶と出るか。私達の生活、物価の安定を守る日銀の総裁に黒田総裁続投になる。「2年で2%物価目標」達成も6回の先送りで目処も立たず。今ではマイナス金利で銀行経営は悪化、ETF(株の買い上げ)で官製相場を作り、買い入れている国債購入も限界に近づき市場には不安が広がっている。

非伝統的金融政策と言われていたが今では政策も手詰まり感が出て来た。

そして今回の黒田総裁と2人の副総裁の任期切れによる新人事は、黒田総裁続投、他の2人の副総裁人事は若田部・早大教授、雨宮・日銀理事だという。若田部さんはリフレ派で日銀に高い総合力を発揮できるように配慮したという。

でも黒田さん続投は、このまま金融政策に大きな変更はないというメッセージと共にアベノミクスの「第1の矢」の異次元の金融政策失敗の責任を安倍総理は黒田さんに押しつけたことと、出口戦略を口に出すことはアベノミクスの破綻である事を考えると「出口戦略に触れるな」という警告だろう。

欧州中央銀行は金融緩和縮小へ、FRBは金融政策正常化に向け利上げのペースを加速するのではないかとみられている。そんな状況下で何故、日銀だけが2%物価目標の拘るのか。

今年1月26日のダボス会議の会合で「インフレ目標2%は良いことなのか」という質問が飛びだしたそうだ。2%目標はグローバルスタンダードと言われていたがIMFのラガルト専務理事は「インフレ目標2%は国によって異なることもある」と2%未達でも緩和縮小の動きに同調した。

日本では安倍総理が民進党の前原さん(当時)の「2%の根拠?」という質問に「2,3,4%と専門家は数字を上げているが1番達成可能な2%にした」と答えていたことがある。2%に拘っているようだがその程度の根拠なのだ。

黒田さんも「物価統計にはバイアスがあるので若干プラスにしている。のり代だ」と大阪での講演会で講演したことがある。

でも私は思う。今は非伝統的異次元の金融政策と言われているように副作用に注目する専門家が出て来た。日銀の内部だって副作用に気づいているはずだ。
副作用が大きくならないうちに早めに出口戦略に移った方がいい。総裁や副総裁は責任をとって止めれば良いが国民生活はどうなるのか。選挙で安倍政権を
潰すしかないのだが・・。

メデイアも方針転換を主張する。

朝日新聞(2018.2.20)は波聞風問「ぬるま湯に浸り続ける日本」で景気はいいのに株が下落。原因は異常な金融政策にあると指摘、ぬるま湯に浸り続けるか、冷水を浴びても早く常識の世界に戻すかと問うている。2018.2.9の経済気象台「金融政策の正常化を」で金融機関の経営も揺らげば日本経済にゆゆしき問題だ。出口を模索する時期ではないかと主張している。

全く同感だ。日銀が今後市場とどう対話していくか。遅れれば遅れるほど対話も難しくなる。

ところで今回の人事を政府、野党、銀行、市場はどう見ているのか、新聞で探ってみた。

日銀の考え方は、極めて緩和的金融環境にあり企業業績も良く完全雇用の状況にある。中国経済の減速で金融市場も動揺、先行き不安感もあるが金利は低下し設備投資、住宅ローンを刺激しているが長期金利0%をいつまで続けるか課題であると言う。

でも今は政府と考えが対立する状況にはないが長期金利0%、非伝統的金融政策をいつまで続けるかが課題になる。

政府は黒田総裁を信認しているが、与党内での反安倍は財政政策、金融政策も方向転換の時期が来ていると見ている。野党は2年で2%を6回も先送りしている。財政ファイナンスの疑いも出てくると批判している。

銀行関係者は、マイナス金利は銀行経営にボデイブローで効いており導入前後では1兆3000億円のマイナスだ。年金生活者の暮らしにも影響する。先々問題は大きくなるだろうとみる。国債の運用利回りが悪化すると保険会社にも悪影響が出る。

市場関係者は当面の政策変更は無いと好意的だが、国債の発行残高の4割を占め、106円という円高だ。緩和にも限界説が出て来た。副作用にどう対応するか大きな課題だ。又デフレ意識が強固なことも考えるとアコード見直し論も出て来た。

日銀はこう言う市場の動きは把握済みだろう。問題は安倍政権がいつ、どんな判断を示すかだ。異次元の金融政策見直しは即、アベノミクス破綻だ。責任をとって退くときは黒田総裁、副総裁も同罪だ。

自民党総裁選に向け、石破さん、岸田さんは金融政策をどう考えているのか。今は憲法改正が目立つがこっちの方が国民生活に影響が大きいのだ(戦争に巻き込まれる危険も大きいが)。

2018年2月21日水曜日

景気が良いのに株価が下がる 何故だ


景気は良いのに株価が下がる。昨日の株価は22000円を切っているし、為替は106円97銭で大企業の想定為替を大きく上回っている。株価も高すぎるという専門家もいるが、何故従来の動きと違うのか。

恐らく要因はFRBと米国投資家の心理だろう。

賃金も上がり大幅減税で設備投資の動きも出て来て米国経済は好調だ。そこでFRBはインフレ懸念から利上げのペースを加速するだろうという投資家は見てドル高、輸出減で米国の景気は悪くなると考えNY株価が下がる。

当然にNYが下がれば東証株価も下がる。国内の経済指標に影響されているのではない。

しかし、黒田総裁が続投と言うことになれば市場は現状維持で安心するだろうが、株価は下がっている。でも日銀は出口戦略を検討しているはずだ。出口戦略が明らかになれば長期金利も上がり景気は悪くなり株価は下がる。

今後はFRB、日銀の金利政策の動向が為替、株価に大きく影響する。

働き方改革:誰のための法案? 労政審に戻し再審議を


安倍政権にとって今国会の目玉政策は「働き方改革」だと言うが、その関連法案が労働者のために過剰労働を禁止する法案と思っていたらその根拠がぐらついてきた。もう一度労政審に戻し徹底検証すべきではないか。

攻める野党は法案撤回、調査のやり直しを要求しているが、政権側は来月に回すと言い出した。

問題は新しく導入する「裁量労働制」は一般労働者に較べて労働時間がみじかいのは本当かと言うことだ。

安倍総理は野党の質問に「一般労働者より短いというデータもある」と答えたがそのデータの根拠が曖昧になり撤回謝罪したのだ。勢いづいた野党が法案の撤回を要求する。

厚生労働相もデータ作成の不備を認め謝罪した。

政権は裁量労働の方が一般労働者より労働時間は短いと主張したかったのだろうが、逆に裁量労働者の方が一般労働者に較べ労働時間が長いという「労働政策研究・研究機構」の調査結果があるのだ。

安倍総理もその調査結果の説明を受けていたが、答弁には触れなかったのだ。

詰まるところ自分の主張する論理に都合の良いデータを使い、都合の悪いデータは無視したのだ。当然のことながら良くやる手だ。やり過ぎると「捏造」になる。

安倍総理は厚生労働省の責任、予め労政審で審議され了承されており「お墨付きを得ている」ことを主張する。

確かに労政審で審議を通っていたのだろうが安倍政権が多用する審議会もいい加減な審議をしている。御用学者、知識人を集めた審議会で役所が作成した資料をみて簡単な意見交換で了解されてしまう。労政審だから国民やメデイアの目につくことは滅多なことではない。

過剰労働で体調を崩したり自殺者が多く出ている社会現象に歯止めをかけようとする重要な法案だ。労働者にとっても事業者にとってもメリットのある法案にしなければならないのに検討が不十分では目玉政策を急ぐ政権の稚拙な国会運用だ。


2018年2月20日火曜日

2030年、中国が覇者?:経済はトップになっても政治体制に魅力なしか


2030年頃、中国が経済で米国を抜いて世界の覇者になる? でも経済でトップになっても、その政治体制では不協和音か。IMFの専務理事がIMFの本部がワシントンから北京に移る日が来るかも知れないとコメントしていたが最近の中国に関する経済状況でその根拠がはっきりしてきた。

中国の発表する経済指標には信憑性で問題があると思っていた。先進国の成長率が2~3%であるのに中国は6.7%で異常に高い。でも信じるしかないのだ。

今、メデイアで発表されている予測では、2030年には米国を抜いて世界のトップに出、2035年に中国は世界のGDPの30%を占める。IMFの本部は最大出資国に置くことになっているので10年後にはワシントンから北京へ移る可能性が出て来たのだ。

世界の2016年名目GDP、2017年予測を検索してみた。

 アメリカ 2016年18624.45(10億ドル)、2017年予測20493(10億ドル)、以下同様に中国 11232,12633,日本 4936,57600だ。私が学生の頃は日本とアメリカは倍半分の関係にあったが今は約4倍になっている。日本が長期停滞していたためか。

世界のGDPにしめる割合を見ると

中国 18%(2016年)、20%(2021年)、同様に日本 4%、3.6%、アメリカ 16%、14%だ。長期予測では中国だけが伸びることになっている。

これで行くと約20年後の中国の30%もウソではなさそう。他の先進国は縮小しているのだ。ある予測では2027年前後には世界最大の経済大国になるとみられている。

1人当たりのGDPも2016年8113ドル、2020年12000ドル、2035年には20000ドルを超え中所得国からの脱皮を目指すとも言う。

でも経済大国になっただけでは世界を牛耳ることはできない。

2050年までに「社会主義近代化強国」を目指す。共産党一党独裁を維持しながら近代化国家を目指すので統制も強化され市場経済を阻害する危険があるのだ。最近外資系企業に「党の方針を経営に」と要求していることからも分かる。

中国は共産主義を標榜する独裁国家で「北京コンセンサス」が盛んにもてはやされているが模倣する国はない。

一帯一路など中国の戦略を採用する国はあるが中所得国以下で、中国のカネで経済成長を狙っている。後進国の港は中国のカネで開発がなされているが、借金が払えなければ港周辺の開発地域は中国の領土になる。99年後の世界地図には中国の飛び地が出来るのだ。

一方、中国社会を見ると厳しさが迫っている。

高齢化が進んでいる。2025年には14.5%の高齢化社会、2036年には21%の超高齢化社会だ。予測通りの経済成長は望めないのではないか。人口も2050年の14億人をピークに減少に転じるとみられている。

2050年、中国は興隆するだろう。しかし北京語が英語に変わる事はないし、科学者が世界をリードすることもない。

中国の元も基軸通貨にはならない。売り込み先は中所得国だし、金融市場は成熟なし、法の支配、民主主義もない。

経済大国になる可能性は大きいようだが、世界を牛耳ることはできない。カネにモノを言わせて世界の安泰をかき回す事ぐらいだ。

今の政治制度ではついていく国はないのだ。



2018年2月19日月曜日

憲法9条自衛隊明記:政府解釈で「合憲」を憲法で「合憲」にするのか


安倍総理は憲法9条2項に自衛隊を明記することを提案し、今まで政府解釈で自衛隊を「合憲」としていたのを堂々と憲法で「合憲」とするつもりらしいが野党から解釈上疑問が出ることを予算委員会で指摘、かえって野党が結集する動きになったとメデイアは言う。

ただ、安倍総理は2項の「戦力の不所持」を残したままで自衛隊を明記すると言うが、どんな表現になるのか未だ分からない。だから正確にどう解釈できるのか分からないのだ。

更に自民党案を提案するらしいが自民党案では過去に2項を削除し「国防軍を置く」と言うことになっていたがその点をどうするのか。石破さんはこの点を問うているのではないか。今の自衛隊の実力は戦力なのだからこっちの方がはっきりする。

「戦力の不所持」を残せば自衛隊は違憲、「自衛隊を明記」すれば自衛隊は「合憲」となるが、後から加えられた条項が優先解釈されるので自衛隊は合憲で決着を付けるのか。

更に憲法改正案では9条以外に追加される条文が公開されている。問題は国民投票に一括提案なのか、個別に条文毎に〇、×表示にするのか。個別条文毎に信を問うのであれば憲法9条改正の是非がはっきりするが、一括提案だと国民の信が分からない。

特に、国民投票で否決されたら自衛隊は違憲となるのか。

通常の考えでは「自衛隊は違憲」となるが、安倍総理は政府の憲法解釈を「自衛隊を合憲」とする従来の考えを変えるつもりはないと言う。そうすると、今のままでは憲法9条改正は反対が多く国民を二分してまで国民投票に懸ける必要はないと思うのだが。

安倍総理は「憲法改正は自民党の党是」といい、自分の手で改正したいらしい。内容はどうであれ「自分の手ではじめて改正した」という実績を安倍総理は欲しいだけだ。

安倍総理の功名心だけで混乱を招くようなことがあってはならない。政権与党内でもしっかり検討すべきだ。

2018年2月17日土曜日

今日の新聞を読んで(135):日銀・黒田総裁続投、これしか選択肢はなかったのだ


日銀総裁人事案が提示され、黒田総裁続投が決まりそうだが、安倍総理にとってはこれしか選択肢はなかったのだ。2人の副総裁人事は早稲田大の若田部教授と日銀の雨宮理事だ。若田部さんはリフレ派だが極端な立場ではなさそうだ。

市場もリフレ派が占めることで大きな変化はなく安心感を持ったのだろう。

しかし、黒田総裁も厳しい立場に置かれる。

FRBは利上げのタイミングを狙っているし欧州中央銀行も出口戦略を検討している。そんな中で「2%物価目標」達成まで異次元の金融緩和策を継続する日銀は厳しい立場に置かれることは確かだ。

異次元の金融緩和策の出口戦略を口にしようものなら即、アベノミクスの破綻になり安倍政権の基盤は崩れる。安倍総理が黒田総裁を信任していることは、即「出口戦略を口にするな」と言うことだ。

このまま「2%物価目標」を掲げても達成は無理だろう。FRBは米国内のインフレ懸念から利上げのペースを上げるかも知れない。ドル安は円高になり株価も下落の心配がある。既に為替は106円台で大企業の想定為替の109円台を越えて円高だ。業績の心配が出て来ている。

株安はアベノミクスの成果をも否定することになる。どっち道、安倍総理にとっては3選も危うくなり、アベノミクスの見直しを掲げた総裁候補が出てくるだろう。

そうなると安倍総理の手段は黒田総裁に責任をとらせるしかないのだ。

黒田総裁の続投はアベノミクスの主要政策課題である異次元の金融政策の責任をとらせ、安倍総理は生き延びようとする手段なのだ。黒田総裁もそのことは覚悟しての続投なのだろう。

2018年2月16日金曜日

今日の新聞を読んで(134):小選挙区制で国会は民意を反映する場になっているか


小選挙区比例代表制で国会は民意を反映している場と言えるのか。政党の獲得票率51%でも議席獲得率は75%になる異常性が目立つ。政権交代を可能にする選挙制度として導入され今まで自民党から民主党、そして約3年後のまた民主党から自民党へ。2回の政権交代を経験した。

期待された民主党政権は寄り合い世帯で内紛、権力争いが絶えず、おまけに3.11東日本大震災という未曾有の非常事態への対応の未熟さを露呈し、口を開けば「いつ解散か」の政局になった。

その後再び政権の座についた安倍政権も傲慢な政権運営、疑惑まみれな政権に活を入れようとするも野党の不甲斐なさもあって政権交代まで持っていくことができない。ポスト安倍不在の安倍一強独裁政権が更に3年延長する事態も出て来た。

打倒安倍政権という状況でも選挙となると自民党が議席を独占する状況だ。

当然に小選挙区比例代表制の弊害が議論されることになる。朝日新聞(2018.2.14)「小選挙区制 見つめ直し動き」で小林良彰・慶大教授、建林正彦京大教授、砂原庸介神戸大教授らが考えを述べている。

私自身は政党本位の現制度よりも以前の人物本位の中選挙区制がいいと思っている。国民の政治に対する要望も多様化しているためだが、政党数も多数で「政権交代」は余程のことができない限り不可能かも知れない。ただ死票は少なくなる。

でも現・小選挙区比例代表制も見直しすれば何とかなるらしい。

小選挙区制は多数決型民主政治で死票が増える。政党が多いため得票率が50%以下でも当選し25%以下の民意と言う事になる。だから比例代表制にしろというのだ。合意形成型の政治になるが多党化が進めば「決められる政治ができるか」と言うことになるらしい。

もう一つは衆院、参院、地方選で異なる選挙制度になっている。衆院は政党本位の政治、地方は候補者個人本位になっている。そこで参院も地方も政党本位に統一すべきだというのだ。そうすれば全体が政党本位の政治になってくるというのだ。

折角、選挙制度を変えたのだから30年は続けるべきだという意見もある。そこでフランス型の「2回投票制」を導入したらどうかというのだ。1回で50%を取れなかったら決戦投票する事によりポピュリズムの横行に歯止めをかけようというのだ。

今、テレビは情報番組が謳歌している。毎日毎日同じ内容の政治状況が流されればどうしても「風」が吹く。どこかのメデイアが言い出せば同じ「風」が吹く。今まで我が国の2回の政権交代は「風」に煽られた。

しかし、今は野党がだらしないままだ。2大政党制など夢物語となれば中選挙区制に戻した方がいいと思うのだが。そうすれば小選挙区で落選した候補者が比例代表制で復活する事などあり得ない。

一度落選した議員に民意を託することが出来るのか。