2016年8月31日水曜日

豊洲市場移転延期:小池知事の決定が何故、舛添さんの時に出来なかったのか

築地市場 正面入り口 11月7日豊洲市場開場の看板が
小池知事が注目されていた豊洲市場移転を延期した。地下水の最終調査開始が11月18日に始まるのでその結果を待って判断するという。当然の話で何故、舛添前知事の時に11月7日と決定したのか。更に安全性、不透明な予算、情報公開など市場関係プロジェクトチームで検証し都民が納得のいく結果を出すというのだ。

誰が考えても土壌汚染の最終調査結果が出てからと思うが、今まで土壌汚染の基準をクリアーしていたので大丈夫とみていたのか。

更には最近、床の厚みが薄すぎて落ちる危険もあるし耐震性にも問題が出て来た。衛生面では排水溝が築地と比べると小さく汚染水がはけないのではないか、真水しか使えないので排水に細菌がわきやすく不衛生でもあると言う。

慎重派業者から言われていることにスペースが狭く、マグロなどの解体が出来ないと作業性が指摘されている。

それまでは移転も出来なければ、築地市場の解体も出来ないという。そういえば2020年の東京オリンピック関連で環状2号線が通過する道路工事が予定されており移転計画が遅れれば支障が出てくるとも言う。

こんな事がどうして急に出て来たのか不思議だ。市場内の柱には東中労が「公約破りの裏切り行政の横暴と欺瞞を断じて許さない」と看板を出していた。この移転には以前から何かあったのだ。

東中労の抗議看板
舛添前知事の時に着工したが、こういった細かい事項を検討していなかったのか。あるいは、舛添さんは蚊帳の外で、ドンこと内田議員の主導でドンドン進めて行ったので議会でも余り問題にしなかったのか。

そうなると、巷で言われている小池vs内田の戦いになるが、大事なのは小池知事も言っている情報公開だ。

ところで、今日31日、5年ぶりに築地市場に行ってきた。

途中、TOKYO MXが通行人の女性に、豊洲移転について質問し女性は築地に残って欲しいような発言をしていた。

築地の街中で、競り落とした魚を料亭に配達するターレーの姿を見たが、公道をナンバープレートもなく走るターレーは違反ではないのか。

TOKYO MXが女性に移転の是非をインタビュー
市場正面入り口には、「平成28年11月7日豊洲市場開場」の看板が出ていた。場外市場を歩くと「正式決定 場外市場は築地に残ります」との看板も出ている。そんな事でチグハグな内容にならないのか。

可燃物が無造作に積まれている
10時を過ぎていたためか、仕事は終わり後片付け、清掃の時間だった。発泡スチロールの空のボックスの多さには驚く。それが至る所に積み上げられていたが、これは可燃物、火災にでも遭ったら消火しにくい廃棄物だ。

その消火設備である消火栓を見ると板で囲まれ、前には荷物が置いてある。注意書きに「物を置くな」と注意書きがあるが消防署は見ているのか。

床面は水で洗われていると思うが汚い。衛生面では問題だ。市場内が汚く4Sが出来てないからきれいにする気にならないが、新しい豊洲に移ると全体がきれいなので4Sも行き届くのではないか。

場内の製氷所
新しい豊洲では製氷能力が不足していると重大な指摘があったが、築地の製氷現場を見る事が出来た。トラックで大きな氷り柱を運んできて破砕機に投入し発泡スチロールの箱に魚を入れるときに詰める粉砕した氷を作っていた。面白いのか見学の外人観光客がシャッターをしきりに切っていた。

豊洲では店のスペースが狭いために冷凍庫等入れるとマグロなどの捌きが難しいと移転反対派が主張しているが築地をみると隣との間に仕切りがないので広そうに見える。

仕切りが少ないノで店のスペースは
十分なのか
感心することに、あちこちで氷や水を流しても排水溝が詰まらない。聞くところによると結構大きい排水溝らしい。逆に豊洲では排水溝が小さいので詰まる恐れがあるらしい。

こんなに床、排水溝が汚いので細菌等が増殖しないのかと心配になるが、海水を使っているために心配はないのだそうだ。ところが豊洲では真水しか使えないので、その心配は出てくるらしい。

ターレーによる運搬は狭い通路での運転で危険に見えるが上手く運転している。「逆走禁止」という注意書きがある。安全を確保しているのだろう。

建物は老朽化が激しく、通路も狭い。危険が一杯だ
既に80年経ち老朽化も激しい。降雨時は配管からの水漏れが激しいし、天井からはいろんな物が落ちてくるらしい。全体を見ても移転は必要だ。

ところが当初4300億円といわれていた投資がどうして5880億円にもなったのか。簡単に1500億円も高くなったことに小池さんでなくても不思議に思う。その理由の情報公開がなかった。

小池知事もプロジェクトチームで検証するという。大いにやって悪を裁いて欲しい。

でも、どうして舛添さんの時に徹底的に検証しなかったのか。もう決まっていた事だから仕方なかったのか。オリンピック関連で500億円の上乗せを要求されたとき、「都民は納得しない。組織委員会は責任をとれ」と強行に追求していた舛添さんが、突然変心し了承したことがある。森さん、自民党当たりから圧力が掛かったことは分かるが、何故、5880億円にクレームを付けなかったのか。

女性知事だから出来るのか。

関連記事
2010.5.4掲載
危険が一杯の築地市場買い物記
yamotojapan.blogspot.jp/2010/05/blog-post_04.html




今日の新聞を読んで(23):参院選で読者の70%が新聞を参考に投票

先の参院選で新聞読者の70%が新聞記事を参考に投票したという(讀賣新聞2016.8.30)。新聞など19紙の共同調査の結果でわかった。それならゴタゴタが続き間際になって党名を変えた民進党など野党には不利で、安定政権を目指す自民党に有利ではなかったか。

それによると、テレビ37%、選挙公報33%、他にネット情報もある。2015年に日本新聞協会が調査した接触、評価結果でも政治、選挙に関心がある人のうち64%が新聞、テレビの政見放送が53%、選挙公報が39%、政見放送以外のテレビが36%となっているので大きくは変わらない。

そうだとすると、新聞やテレビの政治、選挙情勢の報道は大きく影響することになる。

先の参院選での報道内容を思いだしてみよう。

民進党は共産党との選挙協力で右往左往していた。最終的には協調路線をとることになったが、支持母体の連合などは反対姿勢だった。

一方で、安倍総理は民共共闘路線を痛烈に批判したし、自民党幹部は野合と言ってのけた。

「民進党は伸びず」という論調が多く、逆に自民党は「単独過半数」の可能性が出て来たと憲法改正も発議でき安定政権を匂わす。

又、自民党は選挙に不利と思われる憲法改正を表に出さず、経済を最優先にする争点隠しに出た。

それに対して民進党は「憲法9条を守れ」と自民党の憲法改正に反対したが、自民党が争点にしなかったために空振りで終わった。岡田さんは以前の選挙戦で「他に道がある」と自民党政策を批判したことがあるがピント外れのスローガンとして批判されていた。

何よりも民進党内が保守系とリベラル派、中間派とバラバラで統一感がなかった。
こんなメデイア報道では民進党が議席を伸ばす可能性など皆無だと思ったが、前回の選挙に比べると成果があったと岡田代表は評価している。

選挙の度に「総括、責任を取れ」と党内抗争を繰り返す民進党に政権交代のチャンスなど出てこない。

考え方を変えれば民進党や野党の不甲斐なさを報じるメデイアが選挙妨害をしているのではないか。


2016年8月30日火曜日

NHKの「管理職が育児体験」を見て:妻の会社は負担増だが、夫の会社は何をしているのか


30日朝のNHK「おはよう日本」で「管理職が育児経験」の番組を見て感じた「夫の勤めている会社はどう考えているのか」と。番組は妻が育児、家事で十分仕事が出来ないことから、妻が勤めている会社が家事、育児を支援し、時間に気を取られず仕事をしてもらうと言うのだ。

自分の家庭のことではなく、部下の女性を支援するため、管理職が5時に退社しその女性の家で子どもが学校から帰ってくるのを迎え、宿題も見るらしい。

もう一人別の女性が炊事、夕食の用意し子どもに食べさせていた。支援を受けていた女性は夜9時に帰宅だ。

管理職は「仕事より大変だ」と感想を述べていたが、極端すぎる事例で本当かどうか疑問だが、真面目に受け止めれば女性を雇用している会社にとっては負担が大きいように思える。

逆に、男性の会社はどう考えているのか。何もせず、遅い帰宅を強いているのかと思うと片手落ちの感がする。

夫婦が共同して育児、家事をすべきではないのか。夫は残業で深夜に帰宅する働き方をどう思っているのか。

今、安倍政権は「働き方改革」を目玉政策にしている。超過勤務を防止しようとしているのだ。待機児童問題で保育施設の充実も図るという。

でも、夫と夫の会社も家事、育児支援に対応すべきである。それが女性の社会進出を手助けする一番の近道ではないか。

仕事は増えるが、社員は増やさないでは超過勤務も避けられない。経営者の意識改革が求められる。


イエレン議長、金融政策正常化に向け「利上げ」するなら早くやれないか

イエレン議長、利上げするなら早くやれないか。米国の雇用統計、経済指標次第で先送りが繰り返され市場は右往左往している。日本だって円高―ドル安、と円安―ドル高それに株価が変動しアベノミクスが抱いていた経済の好循環もままならない。

そんな時、新聞報道によると、イエレン議長が「この数ヶ月で利上げ条件は整ってきた」と発言するとドル買いが進んだという。

米国は何時も雇用統計、経済指標の市場予測との乖離で先送りを繰り返してきた。それによって、日本も円高―株安、円安―株高を繰り返し円高傾向が続いたがここに来て円安に転じた。

安倍政権の経済政策ではどうしようもないのが日本経済の動きだ。円高で政府は為替介入を匂わすが米国は牽制する。「今の為替水準に問題はない」と言う姿勢だ。

市場混乱の原因はFRBの決断力のなさではないか。一度小幅な利上げをやったらどうか。

ただドル高になると、「アメリカ NO1」を訴えているトランプさんなど新しい米大統領候補には反対だろう。輸出が伸びなければ国内産業に痛手だ。雇用にも影響する。

一方、日本は円安で経済の舵取りは楽になるか。日銀の出口戦略も決まってくるのではないか。世界に先駆け量的緩和策をとりながら、未だ頼っている日銀に問題はないか。以前、アメリカ経済がおかしくなってきたとき、当時の白川・日銀総裁が国際会議で「日本の量的緩和策を参考にしろ」と提案したことを覚えている。米国の反応は「他国のことに干渉するな」だったと思うが、米国も量的緩和策を採用した。

でも日本も政府の反対を押して日銀が利上げに踏み切ったとき、経済は停滞局面に入った。政府は日銀の無策を批判したが日銀は再び利下げに向かった。

何時も世界経済で混乱があると、円が安全資産とされて買われる。要因は日本は債権国、米国は債務国と言うことらしい。

だったら、英国のEU離脱、イタリアなどの金融機関の経営危機、米国の経済指標を気にせず「日本独自の経済リスクを直視すべきだ」と提案する学者もいる。

ところが日本経済の現状は、地方、国を合わせた借金は1050兆円、対GDP200%越え、2020年度までのPB黒字化も5.5兆円の赤字、各政権は公約に掲げるが誰が達成責任を負うのか。

国債もほとんどが国内消費で安全と言うが、40%を日銀が買い戻している現状では流動性がない。財政ファイナンスと見られれば一気に国債が下落し、日銀や金融機関の経営を圧迫する。

消費も伸びない。2%物価安定目標達成も4回も先送り、達成無理とみると経済指標の改ざん(見直し)を目論んでいる。

世界経済の安定のためには、まず米国が利上げをすることだ。当初は混乱するだろうが市場はバカではない。監督官庁の姿勢がはっきりすれば落ち着くのではないか。


2016年8月29日月曜日

民進党よ何処へ:蓮舫vs前原で党はどう変わるのか

民進党よ何処へ、代表選は蓮舫vs前原ということになりそうだが、党をどう変えようとしているのか。メデイアの世論調査の政党支持率は6~8%程度、とてもじゃないが政権交代出来る状態ではなく支持基盤の弱い議員は連合など組織票に頼る。

保守系の前原さんや旧維新の会出身は個人票など支持基盤はしっかりしているだろうが中間派、リベラル派は労組頼りだろう。

蓮舫さんは参院で東京選挙区、160万票を獲得したと言っても東京選挙区はミーハー票が100万票あると言われる。行く行くは衆院に鞍替えと言うが東京でどのくらいの個人票があるのか。

党内指導層の世代交代を狙うと言うが蓮舫さんは48歳、前原さんは54歳、大きな違いはない。

蓮舫さんは、人気度、女性であることを訴えようとしている。安倍総理が女性登用に力を入れているが大臣と党代表では大違い。大臣は官僚の言うとおりにやっていればいいが党代表は誰も助けてくれない。

後は前原さんが言うように経験と実績だ。

蓮舫さんはパフォーマンス一点張りのように思える。民主党政権時、行政刷新相での事業仕分けだったが、結果は財務省の手のひらで踊っていたようなもの、廃止勧告の事業もことごとく政治復活したという。でも国のやっているつまらない事業を国民の関心事にした功績は大きい。

パフォーマンス優先だから調子に乗りすぎて失言も多い。「岡田さんは大好きだが、1年半付き合ってつまらない男」と言ってのけた。この失言はマイナス要因だ。

「蓮舫さんに不思議な負けなし」と言われかねない。党代表としての資質が問われる。

一方、前原さんはどうか。
今までも党代表、重要閣僚を経験し実績も多いが、期待を裏切る失敗も多い。代表の責任を取った永田事件、菅政権の時、自らの政治献金問題で大臣を辞任したことがある。当時菅政権は何時交代するのかと追及されていたときだ。泥船から皆降りようとしていた時期で批判された。

自ら言っているように今まで「好き嫌いで政治をやっていた」が「私も変わった」と中間派に支持を訴えていた。リベラル派にも支持を広げたいのだろう。
党内では保守派と言われ国会審議中に自民党から「うちへ来ないか」と野次られる始末だった。

今、民進党には保守派の他に旧維新の会出身者など個人の支持基盤のしっかりしている議員も多いが、まだまだ連合など組織票に頼らなければならない議員、労組系の議員も多い。

そうなると共産党との共闘路線を継承するかどうかで揉めるだろう。連合会長は共産党を嫌っているし、基本政策が違う党との共闘には問題があると2人共に発言している。

その大きな点は憲法改正だろう。9条をどうするか。国会の憲法審査会の議論に参加と言うが、9条を守るか改正するかで意見は違っている。

前原さんには、「勝ちに不思議な勝ちあり」と論評されないともかぎらない。


今、自民党政権に交代出来る政権は第2保守党政権だ。自民に変わる保守派を集めることが出来るか。

イタリア中部地震ニュースを見て:妹を抱え助け、亡くなった姉の姿に涙

M6.3,深さ10km、イタリア中部のアマトリーチェで24日発生した地震のテレビニュースを見て、崩壊した建物内で妹を抱いて助け、亡くなった姉のニュースに感動した。瞬時に幼い子どもが良くこんな判断が出来たものだと涙が出る。

2000回を超える余震に救助活動もママならぬようだが、古い建物ばかりでなく新しい建物も崩壊していることを考えると地震他発国にもかかわらず耐震文化のないことに驚く。違法建築の疑いも出て来ているようだ。

実は我が家でも似たようなシーンがあった。

4年ほど前だったか、7時半頃孫3人で兄は宿題、妹と弟はテレビを見ていたときに震度2~3(?)程度の揺れがきた。兄は鉛筆を放り出し弟を抱き上げおんぶして安全と教えていた場所に移動した。妹にも「こっちに来い」と指示していた。

大人の私は何もしなくていいほどの避難行動だった。20秒ほどで揺れがおさまった。孫を褒めるとニコッと笑っていた。夕食時に母親に報告したら褒めていた。

我が家は娘夫婦が共稼ぎで7時過ぎには出勤する。それ以降は私と4人での生活で2人を小学校に送り出し、一番下の孫を保育園に連れて行って私の朝の仕事は終わるのだ。当然に兄は妹や弟の面倒を見る事になるのだ。

災害の発生した地域では、ニュースにはならないが、こう言う事例は多いのではないか。

それに反して中学生の不良グループで殺人事件が続いている。こんな連中が緊急事態でどういう行動を取るのか。

当初発表された震源の深さが10kmではなく、4kmと極浅かったようだ。このことが揺れも大きく町全体が無残な姿に変わった。

熊本地震も10kmと言われているがもっと浅かったかもしれない。首都圏直下も何時は発生してもおかしくない状況下で「生き残り方」を家族で話し合う必要がある。いがみ合って殺人事件など起こしている暇はないだろう。



小池知事の冒頭解散あるいは早期解散の可能性もあるのでは

小池さんが出馬宣言したときの「冒頭解散」は無謀なことと批判されていたが、早い時期での都議会解散を含め、その可能性が出て来たのではないか。

11月7日に予定されている豊洲新市場への移転計画も土壌汚染、耐震設計で疑惑が持ち上がりその移転の是非が喫緊の課題になってきたし、都政改革本部を設置し東京オリンピック利権にも切り込もうとしている。2.2億円にも及ぶ東京誘致での裏金問題、更にはタレント知事を選んできたために、都政の調整役として力を付けた都議会のドンこと内田議員の私利私欲、利権構造への対応、そして舛添知事時代からの負の都政の刷新など議会との対決テーマは多い。

9月の都議会での所信表明で小池知事がどう出るかだ。

従来の自民党都議連の利権構造に切り込む政策を打ち出せば、自民党都議連も抵抗するだろう。小池知事の政策、人事がうまく行かなければ知事不信任案の提出もある。

そうなると小池知事も解散に打って出るべきだろう。冒頭解散とは行かなくても来年の都議会議員選挙を待たずに早期解散も可能性がある。

そうすれば出馬宣言時の公約を守ることも出来る。

一方で、小池さんも「政治とカネ」の問題で疑惑が出ている。国会議員時代の案件だが自民党議員がネタにして攻勢をかけるかもしれない。

それに打ち勝つためにも強力に都政改革を進めるべきである。都議会早期解散も夢ではない。



日銀に量的・質的金融緩和策を縮小することなど出来ない、安倍政権次第だ

日銀に量的・質的金融緩和策の縮小など出来るはずがない。その政策の変更は即、アベノミクスの破綻、失敗であり安倍政権の信用を失墜し政権の維持が出来なくなるからだ。

ゼロ金利に近い低金利下では金融政策に制限が有り非伝統的な金融政策をとることになった。当初は劇薬と言われたが今では麻薬で止めることが出来ない状況になっている。

日銀・黒田総裁は現状維持か追加緩和の余地を残した金融政策をとるしか道はないのだ。

メデイアの報道によると、ジャクソンホールでの講演で黒田総裁は「マイナス金利について下限制約からはまだかなりの距離があり拡大の余地がある」と言い「この枠組みを使って2%物価安定目標を実現するか、しっかり検討したい」との考えを示したという。

政府の同意を得なければ日銀の専権事項である金融政策をとることができない日銀の悩みは大きい。

黒田総裁に度胸があるのであれば、現行の量的・質的金融緩和を縮小し、総裁を辞任することではないか。


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2016.8.18掲載
日銀の量的・質的金融緩和策の検証:「道半ば」で現状維持も黒田総裁、岩田副総裁の辞任か

2016年8月28日日曜日

哲学の道、猿沢の池:西田先生、岡先生の著名な学者が思考を重ねた道か

讀賣新聞2016.8.28
名言巡札 「沈思黙考 ひたすら歩く」
「哲学の道」は哲学者の西田幾太郎先生(京都大学)、「猿沢の池」は大数学者の岡潔先生(奈良女子大)が歩きながら思考に思考を重ね、フッと思い付き理論が浮かび上がり偉大な業績を築いていったと新聞や雑誌で紹介されていたのでそうだとばっかり思っていた。

ところが讀賣新聞(2016.8.28)の「よみほっと日曜版」の名言巡札「不幸続き真剣勝負の散歩道」で西田先生は「哲学の道」を歩いていないというのだ。

それによると、大哲学者西田先生の人生は苦悩と悲哀に充ちていたという。そんな先生が、何もかも忘れて学問に逃避、思惑に耽って歩いた道が「哲学の道」で西田哲学の中核となる「場所の理論」を完成させたとばかり思っていた。

しかしこれは間違いらしい。

西田先生の次男に当たる人が、思考を深めたのは「哲学の道」ではなく、自宅の二階の「廊下」だったというのだ。10mもある外廊下を行ったり来たりしていたそうだ。その姿を外から見ると異様だったろうと回想しているというのだ。

大学時代はそんなに興味もなく、桜の頃歩いた記憶があるが、その後家族を連れて一度歩いたこともある。銀閣寺近くの駐車場において歩くのだが若王子まで歩いても又同じ道を帰ってこなければならず途中で止めたことがある。

でもこの記事に載っているように周辺のことが詳しく分かっていたらもっと別な散歩があったろうと残念に思う。

「猿沢の池」の岡先生の場合は、確か新聞記事で読んだ。考えに考え抜いて思考していると思いつくのだという。ここも何度か歩いたが、昔だから周辺にはそんなに建物もなく池の周囲の道をゆっくり何周も歩いたのだろう。時には立ち止まって逆に歩くこともあっただろう。

岡先生の家は猿沢の池の近くにあったのか。西田先生の場合、住んでいる家が哲学の道とは離れていたのも理由の1つとみられていた。
私も偉大な学者が、他の人が気がつかなかった理論に行き着く過程には興味があった.最近ノーベル物理学賞を取った益川先生はフロから出るとき「対称性の破れ」(?)に思いついたと言うし、湯川先生は阪大時代に台風で足止めされ寝ていた布団の中で思いついたという。

「東大はどうなんだろうか」と三四郎池に言ってみたが、ここは思考しながらあるくことは危険だ。細い道で上り下りがある。うっかりすると池の中に落ちる。せいぜい三四郎がやったように寝そべって足の親指に釣り糸をくくりつけ昼寝する事ぐらいか。

でも「歩く」と言うことは頭の活性化にはいいのだ。何も特に言わないが多くの学者がそうやっているのではないか。

ところが今、偉人のエピソードが否定されている例が増えてきた。

ガリレオは本当にピサの斜塔からものを落としたのか?、ニュートンは、落ちるリンゴによって重力の法則をはっそうしたか?、ダーウィンはガラパゴスフィンチを見て進化論を思いついたか?、アインシュタインは本当に神の存在をしんじたのか?(以上、「ニュートンのリンゴ、アインシュタインの神、科学神話の虚実」青土社 2015.2)、

「何が本当で、何が噓か」凡人には分からない。誰が作り上げたエピソードか分からないが根拠が見いだせない事例が多いようだ。


8月28日新島、神津島近海地震、M3.6,震度3,首都圏へは

8月28日の新島、神津島近海地震の最近の震源域を
tenki.jpの地震情報にプロットしてみた
2014年~2016.現在までに20回発生震度3は2回。
先日発生した伊豆大島近海地震も多発傾向で首都圏
への波及も心配されている
8月28日、5時44分頃新島、神津島を震源とする地震が発生したとニュースが流れた。M3.6,神津島で震度3だ。この付近は先日も伊豆大島近海で地震が発生、多発しているという。M7クラスの地震発生も危険視されている。

最近この付近での地震のニュースが多いのでtenki.jpで新島・神津島近海を震源とする地震発生を調べて震源域をプロットしてみた。

2016年は今までで7回、15年は6回、14年は7回発生、今回の地震はM3.6,震度3,2015年5月にもM3.9,震度3を観測している。

MEGA地震予測で有名な村井先生は最近の観測で、GPSでの地殻の隆起沈降を見ると、三宅島で隆起している一方で神津島では沈降が見られ、境目には相当大きな歪みが貯まっていると「ただ事ではない」と首都圏を心配している(週刊ポスト)。

3.11東北地方太平洋行き地震の日本海溝から続く伊豆・小笠原海溝では既にエネルギーが貯まっていると言う研究もあるが、この付近は相模トラフにも近く先日発生した伊豆大島近海地震とともに首都圏への波及も警戒が必要なのだろう。

8月17日にブログに掲載した伊豆大島近海地震の発生状況

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2016.8.17掲載
伊豆大島近海地震から40年、伊豆相模地域でM7,そして首都圏は

2015.2.8掲載

yamotojapan.blogspot.jp/2015/02/blog-post_8.html東北沖のぷれーと:既にエネルギーは震災前の水準に、巨大地震の再来の可能性は

2016年8月27日土曜日

今、デフレ、値下がり傾向か:家内曰く「今日は安くなっていたので買ってきた」と

消費税増税(8%)、円安で輸入品物価高騰、食料品などの価格が上昇していると思っていたが、値下がりの傾向も出て来ているようだ。毎日9時半にはスーパーに列び買い物をする家内が「今日は安くなっていたので買ってきた」と満足そうに言う。

最近は口癖になった。「値段が高くなって買いにくくなった」という声も聞いたが、毎朝の新聞の折り込み広告で目玉商品に目を付け買い物をするのだ。娘夫婦達の家族5人分を含め、毎日7人分の食材を買うのだから金額もバカにならない。

スーパーに毎日行くと、普段は高い物も安売りになる事があるのだ。そこを狙って購入するという。

私も時々手伝うが、ドリンクなどは8とか9の数字の金額が入った値札が目立ち割安感を煽っている。あのジャパネットタカタの商法に似ている。

デフレ脱却、2%物価安定目標を掲げる日本経済だが政府が目指す円安、株高による経済の好循環も思うようには行かないようだ。

最近発表された消費者物価は-0.5%、食料、日用品以外に高級品(ブランド品)などに値下がりが目立つらしい。10%位は値がさがっているというが要因は円高らしい。

我が家で一番効くのはガソリン代だ。一時175円/Lだったハイオクが今は120円/L、メンバーカードだと更に2円ぐらい安くなる。

久しぶりに銀座を歩いたが、大きな買い物袋をぶら下げている人は少ない気がする。一時中国人観光客による爆買いで賑わうデパート、中国語が飛び交う銀座周辺を見たことがあるが今は様変わりだ。

中国人の爆買いを当て込んで設備投資した店は軒並み不振で普段の日本人顧客も離れていったらしい

スーパーなどの買い物客の袋もそんなに大きくは感じない。私の場合も必要な物を決めて手に入ると衝動買いは止めてかえって来る。せめて衝動買いとなると孫を連れての買い物だ。

でもこれからどうなるのか。

円高基調が続けば政府、日銀の言う経済の好循環には期待できずアベノミクスも軌道修正が必要になるが、米国FRBが利上げに踏み切ればドル高、円安で好転のチャンスはあるだろうが、なってみなければ分からない。

今の節約は一時の傾向なのか、それとも「欲しい物がない」ための消費行動なのか。

節約であれば、家計への再分配、教育、社会保障など将来への不安を払拭する政策に重点を移せばいいが、「欲しい物がみあたらない」のであれば国民(消費者)が欲しがる商品の開発に重点を移さなければならない。それが医療や介護、福祉などの成長分野なのだろうが、今までにうまく行った試しがない。

今、安倍政権の目玉政策は「働き方改革」だ。長時間労働の廃止、非正規労働から正規労働、同一労働同一賃金、中小企業の人材不足、賃上げ傾向を足がかりに一気に改革を進めようとしている。

経済財政諮問会議でも目玉政策だ。しかし、ここに上がった政策は以前にも出ていた政策だ。今回は1億総活躍社会担当相が兼務し厚生労働省も関係するが、主導権争いでうまく行くはずがない。厚生労働省の焼け太りだけだ。

安倍総理はアベノミクスの3本の矢を放ち、伊勢志摩サミットではサミット版新3本の矢も放ったが成果はないと批判されている。ところが経済財政諮問会議では民間議員が誤解があるという。3本の矢をそれぞれ放ったのではなく、3本の矢を束ねたのだという。だから「成果がない」とか「破綻している」とは言わないのだろう。

年内にはFRBも利上げするかもしれない。日銀も何時までも異次元の量的緩和を続けず出口戦略にも言及せざるを得なくなる。2%物価安定目標も未達の可能性が強い。9月の決定会合での検証結果に注目だ。


何時までも国民を欺くわけにはいかないだろう。

今日の新聞を読んで(22):三反園知事の川内原発・運転停止要請を見る

三反園・鹿児島県知事が稼働中の川内原発に運転停止要請を九州電力にした。政府は再稼働を推進、規制委員会は新規規制基準による安全審査でも「問題なし」としているが関係者の間では、それぞれ思惑のちがいがあり、各地で同じような運動が展開されている。

その根本には電力会社の情報公開への不信感が強いのだ。

テレビニュースで東電が福島第一原発事故でメルトダウンをひた隠しにしていた件で、追求していた新潟県に謝罪したと言う。事件当時、東電が官邸の要請でメルトダウンには言及しないことにしたそうだ。NHK等のニュースでは解説員がメルトダウンの恐れを解説していたがその解説員も画面から消えた。

ところが三反園知事も難しい立場にある。

運転停止を要請した川内原発1,2号機は10,12月には定期検査で停止する予定だという。黙っていても2ヶ月後には止まるのだ。

一方、三反園知事にしてみれば、先の県知事選で原発反対運動グループが担いだ候補者を下ろして政策合意をしたために運転を停止させなければならないのだ。ギリギリのタイミングでの停止要請なのだ。定期検査での停止とは意味が違うのだ。

九電だって大変な立場だ。市長や県知事に停止させる権限はないが、反原発を訴えて当選した県知事の要請を無碍に拒否することは原発立地県の理解を得られないことになる。

ここは、定期検査による停止を前倒しすべきではないか。

民主党政権時の菅総理が福島第一原発事故に鑑み、東海地震の震源域のど真ん中にある浜岡原発の停止を中電に要請した。中電は相当悩んだが総理の要請に応えて停止した。「総理の要請は重い」のだ。

県知事の指摘事項は、周辺の活断層調査、熊本地震による影響の再点検、設備点検、避難計画への支援体制そして情報発信など原発立地県ではどこでも抱いている県民の不安だ。

これに対して、規制委員会は新基準での審査結果でも「安全に問題なし」と言うが、避難計画などは審査の対象外なので十分な審査をしているとは思えない。

立地地元住民も複雑だ。雇用、街の活性化、地方予算などを考えると再稼働に賛成なのだが、原発から離れている住民などは原発事故→避難→長期の離散など大きな社会問題がある。

一方、今回の熊本地震はどんな影響があったのか。九電によると本震時の地震動は8.6ガル、布田川、日奈久断層帯がM8.1でも100ガル、基準地震動は540ガルを想定、原発は160ガルで自動停止しており今回は大きく下回っていたという。

でも安心は出来ない。1997年の鹿児島県北西部地震はM6.5、川内は震度6弱だった。当然に九電は考慮していると思うが、情報公開は住民の一番の願いだ。

原発は電力会社の経営改善には大いに貢献するが、万一の時は周辺地域を荒廃させる。九電は県民の声に答えるべきだ。



2016年8月26日金曜日

高島、高畑さんの身内の不祥事はタレント依存体質のテレビ局に警鐘か

高島さんの夫の薬物・不倫騒動、高畑さんの長男の強姦致傷事件は、女優さんらの責任とまでは言えないが、不利な立場に陥れられたし、タレント依存体質のテレビ局にとっては警鐘となるか。

高島さん、高畑さんは折しもテレビ朝日の「女たちの特捜最前線」に出演し警察官役などをこなしていたと言うから一連の不祥事はテレビ局にとっては踏んだり蹴ったりだっただろうが、昨日が最終回だったらしい。高島さんの夫の不祥事で早めに切り上げたようだ。

高畑さんの長男については日テレが「24時間テレビ」のパーソナリテイ―に決まっていたようで撮り直しなどテンヤワンヤのようだ。

出演者、著名人の関係者の不祥事は以前から絶えない。中村玉緒さん、三田佳子さん、最近ではみのもんたさん、矢田亜希子さん、ASKAさんなどが上げられる。ASKAさん以外は本人の責任ではないが、多大な損失を被った。

何時も言われることだが、テレビ局のタレント依存の番組作りが問題になる。

SMAPの解散騒動は多くのファンを残念がらしたが、事務所とテレビ局の間では○○○枠の取り合いがあるようだ。所属事務所がテレビ番組の持ち時間を持っているというのか。

でも薬物疑惑、不倫騒動等は突然に出て来た不祥事ではなく、業界内では周知の事実のようだ。いずれの事案でも間違いなく噂になっている。それなのに何故、繰り返すのか。

強力な事務所の押し込み、親との合わせ出演要求などテレビ局にも弱い立場があるのだろうが、公共放送だ。毅然たる立場を守るべきではないのか。


安易な番組作成はテレビ局に責任となって自らにかえって来ることを忘れてはいけない。

2016年8月25日木曜日

民進党代表選:前原「私は変わった」vs蓮舫「つまらない男」

民進党代表選もやっと候補者が揃いそうだ。前原さんが出馬を決めたようだ。前原さんが「私は変わった」と言えば、蓮舫さんは何を思ったのか「岡田さんは大好きだけど、つまらない男」と発言し記者の追求を受けている。

新聞報道によると前原さんは支持を訴えて大畠グループの議員のところで「私は変わった。今までのように好き嫌いで政治をしてはいけない」と発言したそうだ。前原さんは民進党内では保守系の最右翼、岡田さんの民共路線を批判していたが、これからはリベラル系議員の支持を得るように努力するという事だろう。

一方の蓮舫さんの路線もはっきりしないが、民共路線も見直すことか。岡田代表をこう評価したことは岡田さんなど執行部の支持を得ているが、岡田路線からの変化を匂わせているのだろう。マイナスイメージになるのではないか。

前原さんの「私は変わった」発言を聞いて思い出すのは、小沢さんが民主党代表選の時に劣勢が伝えられたが、開口一番「変わらなければならないのは私」と発言し劣勢をひっくり返した事例がある。

新聞報道では、前原さんが小沢さんと会談したというニュースが流れた。あれだけ対立していた2人が会ったと言うので憶測を呼んだ。

小沢さんから代表選に出るのであれば「自分が変わったと言うこと」を宣言し広く支持を集めなければならないとアドバイスされたのか。

保守系、リベラル系、中間派を抱える民進党をまとめるのは大変だ。岡田さん、前原さん共に代表経験者だが党運営では苦労していた。

党の旗印を明らかに出来ないために支持を広げることが出来ないのだ。政党支持率が6~8%では政権を担う政党ではない。民主党政権が出来、自民党が下野した時でも自民党の政党支持率は30%を越えていた。

女性代表なら変革を期待し党勢挽回出来るなんて考えるのは間違っている。