2016年8月18日木曜日

日銀の量的・質的金融緩和の検証:「道半ば」で現状維持も黒田総裁、岩田副総裁の辞任か

日銀が量的・質的金融緩和の経済、物価などへの成果について検証するという。「やっとその気になったか」という感じだが、「道半ば」「効果は途上」で継続維持になるのではないか。それでも2%物価安定目標が3年経っても未達である事から黒田総裁、岩田副総裁の辞任は避けられない。

更に、万一量的緩和を縮小するとなると安倍政権のアベノミクス破綻と問われるために政権の存続にも影響が大であり、そういう評価は避けるよう圧力を掛けることは目に見えている。

民主党政権末期の野田政権は量的緩和の金融政策を日銀に迫ったとき、日銀法改正を匂わせた。その結果白川総裁を辞任に追いやった経緯がある。同じ事を迫るのではないか。

8月8日の経済財政諮問会議の金融政策、物価などに関する集中審議で黒田総裁は、物価見通しに関する不確実性が高まる状況下で「2%物価安定目標」を出来るだけ早期に実現するために今後何を成すべきか、次の決定会合で量的・質的金融緩和導入後の政策効果について総括的に検証すると説明した(第14回経済財政諮問会議議事録)。

2%物価安定目標達成時期は、当初2年後を予定していたが世界経済の不安定性から4回も時期の先延ばしがあり、今は2017年度中と言うことだ。

日銀決定会合での主な意見を見ても、予想物価上昇率も長い目で見ると上昇トレンドで、徐々に高まり2%水準は2017年度後半と言ってみたり、先行き急速に上昇する事は考えられず2017年度中には2%に達成する見通しは無いともいう。どっちが本当なのか。

就任時に、にこやかな顔と自信に満ちた態度で、「言い訳はしない。2年で達成出来なければ責任を取る」と言った岩田副総裁は、今は言い訳ばかりで副総裁の座に居座っている。

黒田総裁も同じだ。どういう検証結果になろうとも2人あるいはどちらかが責任を取って辞任すべきだ。

巷では金融緩和の限界、副作用が話題になり、日銀の政策も行き詰まりを感じると言うが、日銀は限界論を否定し、日銀の収益は拡大、増大しているという。

前回のマイナス金利導入では日銀上げてETFの買い入れが最も有効で思い切って倍増する事に委員全員が賛成しているが、効果について「成果は途上」と言う。ところが地方銀行などでは経営に影響が出て来ているらしい。金融庁が日銀に懸念を伝えていると新聞は報じている。

日銀決定会合の委員は安倍政権寄りのリフレ派が増えてきた。政府に政策とコミットする事が重要なのだろうが、日銀の独立性をどうやって確保するのか。白川総裁の時は独立性確保に努力していた。

以前の決定会合の議事録を読むと、民間委員の一人が金融緩和の縮小を提案していた。80兆円から50兆円ぐらいまで減らせと言うのだ。2%物価安定目標の達成時期も先送りを提案していたが、何時も反対多数で否決されていた。今はどうなっているのか。

マネタリーベースは404兆円、日銀当座預金口座には303兆円が貯まっている。そんなにジャブジャブ市場にカネを流してどうなるのか。ヘリコプターマネーの話が出て来たが、黒田総裁は否定した。ヘリコプターマネーは赤字国債を直接日銀が購入するもので、今やっているのは市場に出た国債を日銀が買い上げている。同じ事ではないか。財政ファイナンスだ。政府、日銀は否定しているが投資家が見破れば一気に国債は下落する。

安倍政権はGDP600兆円を目指すという。世界経済の不透明性はあるが、GDPを下支えしているだけで底上げには至っていないのが大方の見方だ。その成長率の試算に日銀が異議を唱えている。日銀の資産では21014年度のGDPは519兆円と言うが内閣府は500兆円ぐらいだ。

世界経済が不安定になれば、何故か安全資産で円が買われ円高になる。困るのは企業だ。

米国のFRBも利上げに機会を狙っているが、雇用統計、成長率が民間予想を上回ったとか、下回ったと言うことで来月か、先送りかで右往左往している。

FRBが利上げに踏み切れば円安。ドル高だ。ドル高になれば米国経済は困るだろう。「アメリカ第1」を考えれば輸出を伸ばし、国内経済を活性化する必要があるが、日本に取ってはメリット大か。

安倍政権は、エンジンをフル回転でアベノミクスを再加速すると豪語している。でも財政健全化、規制緩和、財政出動どれを取ってみてもプラスにはなるにくい。


日銀がどう独立性を保つか、黒田総裁、岩田副総裁が自らの責任をどう取るか、9月の決定会合は見物である。

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