2010年12月26日日曜日

政権交代を狂わすマニフェストと小沢さんの存在


「マニフェストに拘っていると政権が持たなくなる」と言う内容の記事を以前書いたが、2011年度も赤字国債発行額が税収を超える総額92兆4000億円の予算案が閣議決定したが、不健全財政も2年目に入った。

統一地方選を控えて衆院選の時のマニフェストを実施に移そうとすると、財源不足で四苦八苦し、埋蔵金頼みの予算編成もここが限度だという。

子ども手当、農家の戸別所得保障、高速道段階的無料化、埋蔵金発掘、普天間移設問題での「県外、国外移転」など自民党政権の政策とは差別化を図ったマニフェストを公表した。年金問題など国民を裏切る自民党政権時の不正もあって自民党政権は大きく信用を失ったが、一方で民主党のマニフェストは、メデイアでも大きく議論されるところとなった。

高速道無料化問題は、発案者と自民党議員や猪俣さんがその可能性、考え方の違いを主張し合ったが、利用者負担が当然と思っていても無料化できるのであれば無料の方が良いに決まっている。その絡繰りの是非が分からず、社会テストという中途半端な政策に為ってきた。。

何故か民主党が執念を燃やす子ども手当は子供をもつ親でも反対する程の政策であり、戸別所得補償と共に自民党支持基盤崩しの色合いが強かったし、そうなった。

官僚主導で国民には知らされない巨額の財源が特別会計に眠っているというセンセーショナルな話は注目を集めた。約200兆円になる特別会計だから、10%節約しても20兆円は浮く勘定になると私も考えた。しかし、財務省のHPの特別会計を見るとそれぞれ用途の決まっているモノなど、安易に崩して使えそうなモノは見あたらない。事業仕分けでもあぶり出された。

又、我が国の安全保障に係わる在日米軍再編成での普天間移設問題は、自民党政権下でまとまっていた日米合意を、対等外交の名の下で「県外、国外移設」に大きく方向転換し、挙げ句の果ては日米合意に戻った。鳩山政権の失策であったが、尖閣諸島における中国の無謀な領有権主張をはじめ、外交上の失点に繋がった。

経済政策としては、「強い経済、強い財政、強い社会保障」の実現を目指し、今までの経済ではない「第3の道」を提案した。増税で得た資金を雇用を生む成長分野に投入するというものだ。増税で得た資金を正しく使えば成長する都主張したが、今の経済状態で増税は禁物だとする主張と真っ向から対立するモノだ。橋本内閣で増税し、景気が失調した苦い経験がある。

自民党が財政健全化法案を出しているように、我が国の借金は900兆円に及ぼうとしているが、政府が持つ資産を考慮すると約600兆円で心配することはないと主張する学者もいる。しかし、先進国でワースト1であることに違いはない。

社会保障を目的とした消費税増税で対応しなければ財政再建は覚束ないと自民党は10%を提案した。一方民主党は4年間消費税は上げないコトを公約にしたが、ここに来て菅総理は増税に言及し、自民党案の10%を参考にすると唐突な提案で、参院選に大敗した。

野党である自民党がどんな税率を提案しようが、国民はあまり反応しないが、政権与党の発言には国民は大きく反応した。自民党も言っているのだから影響は同じだろうと考えた菅さんは間違っていた。

提案した公約を頑なに守ろうと赤字国債を発行し財政健全化に逆行する民主党政権に、マニフェストの見直し、優先順位を付けた堅実な予算執行を求める意見もあるが、統一地方選を控えた政権にとっては財政健全化を犠牲にしてでも票を取りに行きたいのだろう。

ここは、国民がしっかり考えなければならないところだ。

先の衆院選での政権交代は、出来もしない民主党のマニフェストへの大きな期待、「自民党政権ってそんなに悪かったのか」という自民党に対する嫌悪感、「政権交代しようではありませんか」のムードにながされ、それに選挙制度の特異性から民主党に大きな勝利を与えてしまった。

有権者は、民主党マニフェストを理解していたわけではない。中央ではメデイアがマニフェスト論争を繰り広げるが、地方ではニコニコ笑顔と握手戦術で名前を売ることしかやっていない。「自民党政権は・・・」、「子ども手当は・・・」、「政権交代してみようではありませんか」を言っていれば、通行人から「がんばって」と握手を求めてくる異様な情景が見られた。

民主党新人候補は、小沢軍団という選挙のプロ(?)が付き、手取足取り指示してくれる。記者に「ノーハウ?」と聞かれ、「企業秘密」を答えていた。小沢さんは選挙の神様ではなく、低俗下させている元凶なのだ。

そして今、小沢さんを抱える民主党は党内抗争中で分裂の危機にある。一度提案したマニフェストを頑なに守ろうとして財政赤字を膨らましている。折しも世論調査では自民党が支持を逆転した。

成熟した熟議は、成熟した選挙民に選ばれた成熟した国会議員からでないと期待できない。

周辺に惑わされず、候補者が何を主張しているのか。しっかり確認することだ。
写真:左中央奥に自民党本部、右中央奥に民主党本部

2010年12月24日金曜日

民主党の変質:「反自民」から「自民化」へ

民主党が変質してきた。野党時代は自民党政権との違いを出すために、ことごとく自民党に反対した。しかし、政権の座に着くと、思わぬ現実に遭遇し、掲げていた政策は大きく変質し、ついには自民党化してきた。これでは「民主党も自民党も変わらないではないか」と思われても仕方ない。

野党時代の民主党は、歯切れの良い正論で、自民党政権を追求してきた。幹事長だった鳩山さんのコメントを聞くと、民主党政権になったら「新しい政治が始まる」と多くの国民は錯覚をおこした。

先の衆院選で掲げた民主党のマニフェストは、後出しの自民党のマニフェストに比べて、政策の作り手である若手の民主党国会議員が、自信ありげに論ずる政策は説得力があるかに見え、雪崩的に自民党を政権の座から引きずり降ろした。

子ども手当、農家の所得保障、高速道路の段階的無料化など、財源の心配はあったが、国の予算は無駄使いが多く、予算の組み立て方を根本的に見直したり、埋蔵金発掘で十分対応できるとの触れ込みは、国民の不安を一時払拭するものだった。

悪の温床だった族議員の利権誘導を排除するために陳情を民主党幹事長室に一元化しようとした小沢改革も、開けてみると小沢さんに権限が集中する結果になった。

しかし、如何にせん何かをやろうとすると、その財源だ。税収が減りマニフェストを推進しようとすると、赤字国債の発行になる。パフォーマンスと批判された事業仕分けも思うような結果はでなかった。特別会計も「すき焼き」ではなかった。

鳩山政権では普天間移設問題で、日米対等の安全保障を重視し「県外、国外移設」を主張したが、うまく行くはずがない。自民党政権で13年間かかって合意に至った日米合意に戻っていった。

財政健全化も最重要課題だ。財政再建か景気対策か、大いに揉めるところであるが、菅総理は唐突に消費税増税を打ち出し、参院選で敗退することになった。税率は自民党の主張する10%を参考にすると言った。これには民主党支持者も驚いただろう。

その後次々と民主党的とは思えない「ダーテイーで閉ざされた」事態が起こった。

「政治とカネ」では、鳩山、小沢さんの2トップの政治資金規正法違反問題が明るみになった。金満、金権政治は自民党の悪の遺産だが、民主党に引き継がれていた。その後の2人の行動は「クリーンで開かれた政治」とは大きくかけ離れ、今その処理に右往左往している。

外交では、対中、対露で大きな汚点を残す結果になった。公開すべき尖閣ビデオも政府は隠そうと試みたが、一保安官によってインターネットに流出した。自民党は「何故公開しなかった」と批判を強めたが、国益を害したのは仙石官房長官で、問責決議され、その責任をどうするかも菅総理の決断にかかっている。

官邸機密費の公開も野党時代に誓ったが、民主党政権になっても高額の機密費が何らのチェックも受けずに支出されている。選挙や国会でゴタゴタが続くと支出額も」増加するらしい。

やっと閣議決定された予算案も92兆4000億円、税収41兆円、国債発行44兆円と赤字財政を2年間継続することになる。菅さんは、元気な日本を取り戻すためと言うが、「こんな国家予算のあり方を何年続けるコトが出来るか」と聞かれた仙石官房長官は2年だろうと答えたこともある。

統一地方選を控えて、票獲得のため国家財政を犠牲にしてでも無理なマニフェストをごり押ししようとする民主党に明日はない。民主党も族議員、支持団体、業界の判断を仰ぐ政策決定へシフトしており、自民党的である。

更に「ねじれ国会」での国会運営の改善のために、衆議院での議席の2/3を確保するための「数合わせ」のため社民党との強調を模索し、野党と連立の動きが活発だ。菅さんは、「たちあがれ日本」に対して入閣を餌に連立構想を展開しているコトが分かった。

連立も人材的には旧自民党が主流だろう。

民主党は、「反自民」から「自民化」へ変質している。結局、「クリーンで開かれた政治」が容易でないのであれば、自民党でもよいのだ。

2010年12月21日火曜日

小沢政倫審拒否:菅さん、小沢さんに展望があるのか

政治資金規正法違反での政倫審への出席を頑なに拒否した小沢さん、決裂で苦悩する菅総理、岡田幹事長だが、小沢さんに今後の展望があるというのか。

予算編成や税制問題など、他に多くのやることがある政治課題をほったらかして、そんな揉め事をやっている時かと多くの国民が首をかしげるのも分かる。

しかし、民主党執行部にとっては、小沢さんの存在自体が「政治とカネ」、主導権争いの党内抗争の火種であるし、野党にとっても政界再編、連立構想のキーマンに小沢さんがなることに大きな警戒感を抱いているはずだ。

強制起訴を待つ身でもあり、小沢さんは遠ざけたい政治家であるのだが、「今だからこそ小沢さんに期待する」と訴える国会議員もいる。

小沢さんに何が期待できるのか。

言われているのは、(1)剛腕で引っ張っていく指導力、(2)行き詰まった政局を打破できる、(3)選挙に強く民主党劣勢をカバー出来る、(4)民主党が訴えている政治主導の推進、(5)ギクシャクした対中、対米関係の改善、(6)マニフェスト推進に当たっての財源不足などへの対応が考えられる。

もし、あるのであれば何故今、菅政権に協力して「日本の危機」を脱そうとしないのか。何もないのであれば、ただの党内権力闘争ではないか。それこそ両者が共に国民の信頼を失う結果になる。

「政治とカネ」で小沢問題にケジメを付けることが、民主党政権の浮揚に良い方向に影響する可能性は考えられ、民主党の目指す「クリーンな政治」に一歩前進することになる。

菅執行部は、本気でケジメを付けるには、企業献金、団体献金に真剣に取り組まなければならないと思うが、小沢さんの離党勧告、除名処分も重要な対応である。ここまで来て腰砕けになることは、「政治とカネ」に反省がないコトになる。

一方、小沢さんの「離党しない」という姿勢は変わらないのか。小沢さんがこのまま民主党内にとどまることは、一兵卒であっても党内はギクシャクする。兎に角、執行部の言うことを聞かないのだから、政策や選挙で権力の二重構造ができあがる。小沢さんを利用し、自分の価値観を高めようとする取り巻き連中が暗躍し続けるだろう。

そして事あるごとに、党内抗争、分裂の危機、分裂回避の繰り返しで不安定な政党に変わりなく、政権を託するに値しない政党なのだ。

通常国会までには、ケジメを付けて欲しい。政権を託せる政党なのかどうか。

2010年12月19日日曜日

小沢さん 国会招致拒否の前に国会議員を辞めるべきでは

国会議員としての矜持はどうなっているのか。小沢さんは国会議員として、その政治活動の是非が問われているのではないか。政治家自ら国会で潔白を主張出来ないのなら、きっぱり議員を辞めることだ。

政権与党内が、小沢さんの国会招致の賛否で揉めていること自体が、政治に混乱をもたらすばかりか、国益に沿う行為ではない。小沢さんに群がり一緒になって反対する国会議員は、何故「国会に出席して事実を説明すべきである」と進言できないのか。それが真っ当な国会議員としての役目ではないのか。

原口前総務相をはじめ、小沢擁護派は政治資金規正法の何処に違反しているのか、何を説明すればいいのかと反論するが、そうだとすれば国会で、そのことを議論すればいいのではないか。国会外で言い合っていても何も進展はしない。

私は法解釈に迷ったら、法第1条目的を読み返せと教えられた。

政治資金規正法は、政治家の政治活動が公明正大に行なわれているかどうかを、国民が判断するためにその活動を規正しているのだ。政治資金収支報告書は政治資金の使い道ばかりでなく、その原資の正当性もチェックしなければならないのだ。

小沢さんには、土地購入、新進党解党時の残った政治助成金の処理、西松建設などからの企業献金で大きな疑惑が持たれている。検察審査会の議決の中に、告発外の項目が含まれていることに、議決の違法性、無効を主張する向きもあるが、政治資金規正法の主旨から言えば、当然のことである。

今まで小沢さん側は弁護士の入れ知恵で、いろんな手を打ってきたが、悪あがきとしか言いようがない。その論法は身勝手そのものではないか。

国会議員として国民から選ばれ、国民の税金で報酬を得ているコトを考えれば、一般の国民と同じように論ずるべきではない。

もしそれが不服であるのなら、まず国会議員を辞するべきである。辞して思うように法廷闘争すれば民主党にも政府にも混乱は最小限にすることが出来る。政治に安定(?)をもたらすのであれば、この方が国益に叶っている。

在籍したまま悪あがきを続けるよりも、きっぱり身を退いた方が小沢さんの評価が上がるのではないか。

国会議員としての矜持を持て。

民主党は党内抗争、分裂回避を繰り返す不安定な政党


民主党はその歴史から見て、党内抗争、分裂の危機、分裂回避を繰り返す政党で、とてもではないが政権を担える安定政党ではない。その危機が又迫ろうとしている。一層のこと分裂し整合性すべきである。

民主党の党内抗争、分裂の危機、分裂回避を見るには、7年前の民・由合流の頃までさかのぼる。

平成14年11月、当時の鳩山民主党代表は「国家と国民のため」という理念を掲げ、小沢自由党党首が無条件でそれを了承し合流の協議をしたが、民主党内がまとまらずご破算になった。鳩山さんは代表を辞任し、菅さんが跡を継いだが、菅さんは合併に消極的、鳩山さんは積極的だった。

しかし、菅さんは、対立する鳩山グループの離党の動きを察知して民主党分裂を回避するために自由党との合併を蒸し返し、平成15年7月23日、菅・小沢会談で小沢さんは民主党の条件を丸飲みし合併した。

満面の笑みで両者が握手し調印する姿がテレビで映ったのを覚えている。

小沢さんは、ひさしを借りて母屋を取る戦法に出たが、菅さんは党内権力をただ維持することのみを目的にしていたのではないだろか。

2007年11月には、福田・小沢党首会談で小沢さんは連立協議を目指したが党内の強い反発にあい代表辞任になったが小沢さんの離党、分裂の危機を回避するために説得され、小沢さんは撤回した。

この時、小沢さんは「民主党はまだ政権を担う能力はない」と弁明した。

そして、今、「政治とカネ」問題で小沢さんを政倫理審に出そうとする菅執行部と出席を拒否したい小沢さん側が、抜き差しならぬ状況になってきた。

今回は、菅総理、岡田幹事長も強気の姿勢だ。出席を拒否するなら離党勧告を出すことになるのか。そこで小沢グループの離党、民主党分裂危機が起ころうとしている。

民主党には、鳩山、菅、小沢という役者で権力闘争し、常に分裂の危機に瀕しており、とてもではないが日本を治める政権に付ける状態にはないのだ。ある意味で小沢さんの見方は正しかったが、先の総選挙で「政権交代」を訴え、政権を取りにいったのはどうしてなのか。今がチャンスと見て無理なことをしたのか。

小沢さんは、代表選に敗れ、「脱小沢」でとんでもない一兵卒になったが、小沢さんの「政治とカネ」問題の処理に右往左往する執行部も情けないが、小沢さんも小さな政治家になったモノだ。

「理念らしいもの」を持っていそうな鳩山さん、「何の理念もない」菅さん、そして「権力を得るには何でもする」小沢さんに何を期待できるのか。

ただ政権維持のために、無理して分裂を回避し続ける民主党に「新しい政治」を期待するのはどだい無理な話だ。

「民主党にこのまま政権を託せるか」を大義名分で、解散・総選挙に打って出るべきではないか。

2010年12月18日土曜日

浅草・羽子板市:景気をハネ上げ、邪気をハネ飛ばそう
















景気をハネ上げようと、今年最後の浅草観音様の縁日である歳の市「羽子板市」に行って来た。大きいのが売れる度に「浅草の皆さん!お手を拝借。ヨオ― ジャンジャンジャン・・・・・、ありがとうございました」の声が、あちこちの店から聞こえる。 

雷門から仲見世通りは大混雑だ。正月らしい羽子板、コマ、賀庄、干支であるウサギの飾り物が飾ってある。宝蔵門を入ると、正面に浅草寺が見える。大修理も終わって屋根も新しくなった。瓦がチタン製になったそうだ。高価だがトータルで維持管理を考えるとメリットがあるらしい。微妙な色の差は分からない。

左手に、羽子板の店が出ていた。小物から本金正絹の高級品まで種類は豊富だが、ほとんどが押絵羽子板で押絵は歌舞伎俳優が多い。「どうして絵柄は歌舞伎なんですか」と聞くと「江戸時代は歌舞伎俳優がモデルだったんです」と教えてくれた。

大きさにより値段が違うが、18、000円が8、000円、55、000円が2、5000円と半額の表示が出ているが、大きいモノだと、値札がない。交渉するのだろう。

今問題を起こしている海老蔵さんの「海老蔵の助六」もあった。すでに作った後で事件が起きたのだろうか。どうしようも無く仕方なしにだしたのか、激励を込めてだしたのか。「精進し、芸を磨いて」とメッセージが掲げられていた。

ある店で、「これはッ」と思う羽子板が見つかった。よく見ると内閣総理大臣賞受賞とある。モデルの顔、着物にも気品が感じられる。「いくらぐらいするんですか」と聞くと、「75,000円です。保証書もつきますよ。デパートでは同じモノが10万を越えるんじゃないですか」という。

中には変わった羽子板もある。ノーベル賞受賞者や大喜利、ゲゲゲの女房など今年1年話題になったモノだ。

昔は、歳の市と言って、正月用品を準備する市だったそうだが、今は羽子板を売る店が主流になった。
それも飾り物としてだ。遊びようの羽子板は別に売られていた。

羽子板は縁起物で、景気をハネ上げ、邪気をハネ飛ばすと言うのだが、気持ちのせいか、余り売れ行きは良さそうになかった。羽子板を提げて帰る人が少ない感じだ。

当分景気回復は期待できそうにないと皆思っているのかも知れない。
写真上段左:お正月の飾りができ、ごった返す仲見世通り
写真上段右:新しくなった浅草寺の屋根 チタン製の瓦で色の変化があるというが分からなかった
写真中段左:「海老蔵の助六」羽子板 「精進し芸を磨け」とメッセージがつけられていた
写真中段右:総理大臣賞受賞の羽子板 さすが気品がある出来だ
写真下段:羽子板市の露天

何故だ:菅さんは総理を辞めず、小沢さんは政治家責任を果たさない

菅さんは「石にかじりついても」がんばると言うし、小沢さんは国会の政倫審に出席せず、政治責任を果たそうとしない。野党時代は正論を吐き、元気の良かった民主党がどうしたんだ。

人間は、非常事態に際した時に、どう行動するかでその人の価値が決まるが、この2人は大した人材ではなかったのだ。

内閣支持率も20%近くに下落し、その要因が「指導力の無さ」にあると言うことで、ここ数日、菅総理が指導力を発揮し決断した政策を官房長官が改めて読み上げたが、そう言うことは、その時にコメントすべきコトで、今更言われても誰も信じる者はいない。

極最近、諫早湾開門、法人税5%下げなど菅さんが指導力を発揮したと思われるものもあるが、「よく考えず」決断した「独断専行」の心配もある。あらゆるコトに財源の確保が必要なのだが、その手当が出来ていない。

「ただ総理になりたくてなった」菅さんには、総理の座にしがみつく面子しかない。内閣支持率を上げることしか念頭にない菅さんに政治を託すことは出来ない。どうやって総理の座から引きずり降ろすかが課題だ。

民主党の両院議員総会、党大会がチャンスだが、新たに代表=総理を決めて、解散・総選挙で国民の信を問うコトになるのか。海外から見れば「何をしているのか」と思うだろうが、今日本政府に期待することはないのかも知れない。

菅内閣支持率の下落は勿論のこと、民主党支持が落ち自民党と逆転したこと、国会審議の曲折が心配される今の政局の原因の一つに「政治とカネ」の問題がある。

そのターゲットが小沢さんであり、与党が主張する政倫審への出席、野党が要求する証人喚問が取りざたされているが、小沢さんは頑なに拒否している。

「やましいことはない」のであれば、何時出て行っても問題ないと思うのだが、小沢さんはそうは思っていない。

自分を「政局のカード」として、今出席しても国会審議や統一地方選が有利に展開するという展望が持てないと言うのだ。

何という高慢な考えなんだ。自分を相変わらず、政局打開の「カード」として使おうとしているのだ。
こんな小沢さんにしたのも今の政界の面々の責任である。今まで政治は常に「親小沢vs反小沢」の構図で進んできた。反小沢、脱小沢に転ずれば支持率が回復する現状からも伺える。

小沢さんは、本当に自分の考えで動いているのか。小沢側近と言う人達の思惑で動かされているのではないのか。

小沢さんに群がるコトで自分の価値、利を見いだしている人も多いだろう。そんな人に利用されているだけの小沢さんではないのか。

小沢さんの政治資金規正法違反事件は、小沢さん自身の疑惑を解明することにある。法定弁護人が事情聴取の意向を示したことに、小沢さんの弁護人が「必要ない」の判断を示した。これでは法廷闘争ではないのか。

小沢さんが政治生命をかけるのであれば、政倫審ばかりでなく、証人喚問も受け、政治家責任を全うすべきである。

今政界は再編か連立かで蠢いている。烏合集散が始まるが小沢さんが国会議員でいる限り、「小沢さんとの距離」が基準になりかねず、日本の政治は間違った方向に進みやすい。

小沢さんが「日本の危機」を憂うるのであれば、自身がまず国会議員を辞することだ。そうすると国会運営は相当改善することが期待できる。

2010年12月16日木曜日

忠臣蔵で考える今の世相











12月にはいると、もれなく出てくるのが忠臣蔵に関連する大型ドラマや特別番組だ。ストーリーに手が加えられ、浅野善人、吉良悪人の構図で語られるが、真相はどうなのか。忠臣蔵から現代の世相が見えてくる。

「あんなコトがなければ、これ程多くの人にお参りしてもらうこともなかったろうに」と老婆が線香を供えながら、手を合わせていた。意外にも若い女性の姿も目立つ。墓所では線香の臭いと煙が立ちこめていた泉岳寺を義士祭翌日の15日に、そして16日に両国の吉良旧訪ねた。

元禄14年(1701年)3月14日、松の廊下で刃傷に及んだ浅野内匠頭は即切腹、一方の吉良上野介は、お咎めなし。これでは納得の行かない大内内蔵助をはじめとする赤穂浪士は、元禄15年(1702年)12月14日、吉良邸に討ち入り本懐を遂げた。今から308年前のことだ。

それから50年後、上演された「仮名手本忠臣蔵」は、手を加えられ、浅野「善」、吉良「悪」のストーリーになり、勧善懲悪で人気を博した。それが今に続いているのだ。

今、メデイアの報道が世論構築に影響していると危惧されている。小沢さんの政治資金規正法違反事件での、検察情報の垂れ流し報道が小沢さん=悪の構図を形成したコトは、真実は別としても事実である。

しかし本当に吉良上野介は悪人だったのか。

泉岳寺で「どうして浅野内匠頭が、吉良上野介を斬りつけたのか」と聞くと、「そこがはっきりしないのです。はっきりさせる前に切腹になったのです」という。「吉良上野介は、悪人どころか、吉良では名君として慕われているではありませんか」と聞いてみた。

農民が苦しめられている洪水対策として一夜のうちに堤を築き黄金提と言われている。新田を作りその一部を塩田にして饗庭塩を作った。討ち入りで不運の名君とまで言われている。

でも地元で評判の名君であっても、幕府に入るとまた別の評価を受けるものだ。浅野内匠頭の接待役を指導する立場にあれば、虐めや賄賂などいろんなコトがあったのだろう。浅野内匠頭が「この間の遺恨おぼえたか・・・」と斬りつけたコトから推定されている

更には、赤穂の塩は品質が良く、吉良の塩は品質が悪かった。今で言う品質管理が行き届いていて、赤穂の塩はグレードを指定すれば実物を確認いなくても安心して買うコトが出来たそうだ(「峠から日本が見える」堺屋太一)。この点でも遺恨があったコトが考えられる。

この重要なタイミングに何故こんな行為に及んだのか。当時浅野内匠頭は35歳、清廉潔白であったが短気で気まぐれでもあったという。後のことを省みず、切れてしまったのか。この時、吉良上野介は61歳。吉良邸跡に新しく設置された吉良上野介の木像を見ると、高齢での老練さは滲ませているが、ドラマで作られた悪面には見えない。

今、子供が親を殺し、親が子供を殺す家族間の事件が多発している。「殺したら家族はどうなるか」推論する力が欠けている。若者が我慢出来ず、キレ易いのも心配だ。

また、為政者は地元では評価される人物でも、国全体で考えると悪者と思われる人もいる。政治とカネ」のスキャンダルを抱えている政治家、地元に利権誘導する政治家然りだ。

何はともあれ、忠臣蔵がこうも人気があるのは、この赤穂浪士47士の行為が主君に対する「忠」「義」
であったことだ。かなり前までは、日本社会にもこの忠義はあった。これが日本経済、社会を引っ張ってきたコトは確かだ。

いかし、今、経営者は簡単に従業員をリストラする。安い原材料、人件費を頼って海外へ進出し、国内は悲惨な雇用状況だ。大企業は社内留保するが、無理した雇用の確保は避ける。アメリカ式の経営が評価され、経済はグローバル化しているが、日本式経営は何処にいったのか。

当時喧嘩両成敗で、双方同じ処罰を受けると思われていたが、幕府はどうしてか、吉良上野介に「お咎めなし」だったコトで、何か不穏な動きがあるのではないか、あったときのことを考えて吉良邸を大川(隅田川)の東に移させたという。

最後に、政府も政策推進に当たっては、国民の常識を無視してはいけない。「国民目線」を大事にした判断を取らないと政権の存亡に係わる結果になる。犠牲になるのは、国民であることを忘れてはいけない。

308年前の出来事から、いろんなコトを考えさせられる。
写真上段左:吉良邸跡
写真上段右:吉良上野介の木像と首洗い井戸
写真下段左:泉岳寺 14日には義士祭が開かれる
写真下段右:赤穂四十七士の墓所 本当は四十六士 一人は広島に討ち入りの報告に行っていたが、6月に江戸に帰ってきた時には、仲間は切腹後だったという。

2010年12月15日水曜日

政治の現状打破は、「数合わせ」でなく、解散・総選挙か


ただ総理になりたくて、一番手に手を挙げて、小沢さんを破って座に着いた菅さんも、臨時国会を何とか閉めたが、年明けの通常国会では、多くの難問を抱え菅政権は行き詰まり状態だ。おまけに国民の支持は失う一方で、打った政策の成果が出るのを見極めたいという希望も叶えられそうにない。

法人税5%下げ、子供手当の7000円上乗せなど、繰り出す政策には財源不足の足かせが付く。税制改革は増税の雲行きだ。

国民の生活を守るために、しっかり審議しなければならない国会も、小沢さん国会招致、証人喚問問題、仙石官房長官、馬淵国土交通相の問責決議で政府は窮地に立たされている。それに政府・執行部vs小沢系グループの党内抗争が表面化し、政権党内のゴタゴタだから政界に混乱を巻き起こしている。

内閣改造は、仙石、馬淵大臣の処理、小沢系議員の処遇など難しい対応を迫られるが、小沢さんにどう距離を取るかによっては政権浮上に影響を及ぼす。それよりも今の支持率下落の要因は「菅総理の指導力の無さ」にもあることを考えると、総理が菅さんであることに問題がある。

菅さんに変わる新たな総理を決めなければならない。「菅降ろし」を小沢系グループで進めるのか、党長老が仲介にはいるのか。「仮免」から「本免許」へ一向に責任を取って辞任する気のない菅さんを誰がどう説得するかだ。

民主党の両院議員総会で責任追及し、引き下ろすコトも可能性はあるが、見にくい泥仕合だ。小沢系グループが目論んでいる作戦か。

それよりも、支持率下落と共に政党支持率も自民党が逆転する結果になっているコトに注目すべきだ。今まで世論調査では、政権支持の大きな理由に「非自民党政権」があった。しかし支持政党が逆転したのだ。

おまけに、メデイアの報道によると、読売の渡辺さん、谷垣さん、舛添さん、与謝野さん、小沢さん、菅さん、鳩山さん兄弟など政界再編(?)、大連立(?)を睨んだ怪しい動きをしている。「関係ないだろう」との見方もあるが、自民党小渕政権時代から事あるごとに話題になってきた。

民主党政権の稚拙さ、党内抗争、寄り合い所帯、数合わせに終始する政権運営、弱小政党の乱立など政治の不安定は否めない。

日本政界をすっきりした政界にするために、大義名分を「国会審議、安定政権」に置いて、解散・総選挙に出ることだ。俗に言うガラガラポンだが、勿論、有権者が判断しやすい構図になっていることだ。

「政治とカネ」でスキャンダルを抱えた小沢さんや鳩山さんは身をひくべきだろう。有権者は自分の選挙区の事情だけで判断せず、国全体で判断すべきだ。
写真:通常国会は日の丸が掲揚される。2008.1.18の通常国会

2010年12月14日火曜日

今の小沢さんに群がる民主党議員の本音とやるべきこと

国会招致、証人喚問を嫌がり政治責任を果たそうとしない、政治資金スキャンダルで強制起訴、国民の80%は期待していない、その扱いに手を焼く民主党執行部を尻目に、小沢さんに群がる民主党議員の本音とやるべきこと?

「国民が聞く耳を持たなくなった」と言った鳩山さんと抱き合わせで幹事長を辞任したのは何だったのか。

多くの国民が「折角政権を勝ち取った党に迷惑をかけたくないので、自分一人で離党する」と言えば、「さすがだ」と感心するのだが、実際は「離党せず、民主党でがんばる」という。折角勝ち取った民主党政権に迷惑をかけている気持ちが微塵も感じられない小沢さんだ。

そんな小沢さんに、何故ついて行こうとしているのか。いや群がっているのか。

選挙にあって、いくらでも欲しい運動資金にポンと援助されたことに感謝しているのも分かる。今回公開された政治資金収支報告書で91人の候補者が、総額4.5億円を小沢さんの政治団体から受け取っている。候補者として掘り起こされ、資金援助されたのだから慕うのも当然だ。

ところがその資金の原資に、疑惑があるのだ。

出てくる総理が皆、「指導力がない」という理由で支持率を落としている。そこで剛腕小沢さんなら政治主導で、国民と約束した公約は守ってくれるだろうという期待があるかも知れない。

しかし、こう財源が不足する国家予算にあっては、誰が総理になってもマニフェスト遂行の足かせになる。

小沢さんに群がる議員には、あわよくば大臣、総理に担がれるチャンスがあるかも知れないと思う議員もいるはずだ。民主党内で小沢系議員がどの位いるか分からないが、150人とすると、総理指名のチャンスもあるかも知れない。

でも小沢さんからは年配の議員は去り比較的若手が多い。今の党内にあって野党的存在であれば経験も積むことが出来ず大臣なんて不可能だ。予算委員会で質問したりする議員もいるが、「政治とカネ」の問題で小沢寄りの「政治資金規正法の何に違反しているのか分からない」と発言した議員もいる。

小沢さんは、もう年だし、他の議員は格下と思ってバカにしている節がある。だから党執行部の言うことも聞かない。それでは党としての統制もつかない。

小沢さんが係わってくると、何となく胡散臭く感じてくる。

国会招致、証人喚問への出席に反対するのではなく、出席して事実を明らかにするよう進言するのが、国会議員としてやるべき仕事ではないのか。

2010年12月13日月曜日

支持回復は、すっきりした民主党再構築から


民主党の不振が止まらない。政権下落の原因は、「政治とカネ」の問題が進展せず、尖閣諸島問題での処置の不手際そして親小沢vs脱小沢の党内抗争などが揚げられている。注目された茨城県議会議員選では、24人の候補を建てながら6人の現有勢力確保がやっとだった。

要因が分かっているのだから、それを解決して再構築する必要が、関係者の動きは身勝手そのものだ。

小沢さんは、民主党政治を成功させるためにも、一兵卒となってがんばると言い、すでに過去の人のはずの鳩山、輿石さん達と何やら蠢いている。

一向に進展しない「政治とカネ」の問題での小沢さん国会招致で、岡田さんは、本人が判断できないのであれば国会で決めると言い、審査会で議決する方向で考えているらしい。輿石さんは「裁判で明らかになるのだから、出席する必要はない」と反対している。

国民生活を守るために、予算とか税を真剣に議論しなければならないときに、こんなコトでゴタゴタしていると批判する人は、与野党に多い。原口さんは「部分的には正しいが、全体では間違っている」と強調する。

親小沢vs脱小沢の構図から考えると、小沢さんの国会招致より、問責決議を受けた仙石官房長官の更迭の方が先だろという。

小沢さんは、以前は「国会が決めれば出席してもかまわない」と発言していたこともあり、出席の必要性は分かっていると思うが、自分が出席しても国会審議が好転するとも思えず、さらには懲罰規定のある証人喚問を要求する声も強いと言う危惧がある。

「何らやましいことはない」と豪語している実力者にしてみれば、何とも小物の考えだ。

民主党が信頼を回復するには、すっきりした再構築が必要だ。

小沢さんは、離党すべきである。場合によっては親小沢派と思われる人達を引き連れての民主党分裂しかない。これにより党内の親小沢vs脱小沢の構図は一掃出来る。先の総選挙で約4.5億円の選挙資金をつぎ込んだのだから、容易には民主党政権を手放すことは出来ないだろうが、小沢さんがいる限り「政治とカネ」、「党内抗争」の火種は絶たない。

あくまで出席拒否であれば、離党勧告を突きつけ、小沢さんを切ることで民主党内はかなりすっきり出来る。

問責決議の出た仙石さんも更迭すべきだ。要職に付かず、反小沢で動いていたときには共感していたが、官房長官について国政を任せると、危なっかしい革新政党色が見え隠れする。民主党のスローガンだった「クリーンで開かれた政治」とはほど遠い言動だ。

小沢さん、仙石さんを処分するコトですべて解決するわけではないが、ある程度すっきりした形にはなるはずだ。

茨城県議会議員選で、民主党市会議員だった候補者がみんなの党から立候補し当選し、民主党候補者は最下位で落選した。民主党への風当たりはすごいようだ。「期待を裏切った」代償は大きい。

2010年12月12日日曜日

小沢さん国会招致:通用しない「やましいことはない」発言


政治資金問題で、小沢さんの政倫審への国会招致、証人喚問が政治課題にあがって久しいが、小沢さんは「やましいことはない」の一点張りで出席を拒否しているが、それが通用しないのが分からないのか。

民主党菅執行部は、強硬姿勢をにおわせ、場合によっては政権与党分裂の可能性もあり、年末、年始にかけて政局に目が離せない。

小沢さんは、政治資金収支については報告書に記されていれば問題ないという立場を取っているが、私達はその内容に疑問を持っているのだ。

特に今回の政治資金収支報告書でも約9億円という断トツの政治資金を誇っている。そして先の衆院選では4.5億円の運動資金を民主党候補者の一部に配っているが、その原資は新生党解党時の政治資金の残額が個人的色彩の濃い政治団体にプールされていた疑いがある。

政党助成金だから国民の税金から拠出されたモノだが、使途は選挙の運動資金だから個人的に使ったわけではなく明朗だから「やましいことはない」と言うことになるのだろう。

検察審査会も指摘しているように土地購入に係わる原資にも疑惑がある。

小沢さんの言う「やましいことがない」のであれば、何処に出ても説明できるはずであるが、「検察審査会は素人だ」などの難癖を付けて国民目線をバカにする。強制起訴を回避すべく行政訴訟を起こしたが、裁判所に却下された。

更に裁判の場で事実が明らかになるのだから国会での招致、証人喚問はそぐわないと言う。しかし、小沢さんは国会議員だ。国民から選ばれた政治家である以上、国会での疑惑解明に積極的に応じる義務がある。

嫌なら国会議員を辞職すべきだ。

これからしばらく小沢さんと民主党執行部の攻防が続くだろう。小沢さんに近い議員は、仙石、馬淵さんの問責決議もあり、そっちを先に処理すべきだという。

政権与党の民主党内のゴタゴタが、政局になろうとしている。政権与党としての矜持がない。

小沢さんは離党し、民主党は分裂、解散・総選挙で国民の信を問う。これしかないが、政界再編、連立構想もあるので、総選挙前にその構図を明確にし、有権者が判断しやすい要にすべきである。

小沢さん! 貴方の「やましいことはない」は通用しないのです。
写真:国会 小沢政治資金疑惑に早く終止符を

鳩山、菅政権に見る政権交代の実感とは


今の民主党政権を見て政権交代の実感は何だったと思うか。あの時、政権交代に向け民主党に一票を投じた人達は、どう考えているのか。期待が不満になり、失点が続けば、さっさと見切りを付け無党派層に戻れば良いが政権は支持を失い政局は混乱する。

本当は、仲が非常に悪いのに、政権に就きたい、総理になりたいの一心から外見上、「一致団結」、「政権交代しませんか」になる。

主義主張の異なるグループの混成である民主党だ。一旦政権の座に着くと主導権争いになる。民主党には綱領がないと言われているが、そんなモノ作れるはずがない。

1年しか持たない政権のウィークポイントは、指導力の無さ、政策の無さだ。政権党内でも求心力を失い、鳩山さんをして「国民が耳を貸さなくなった」と言わしめた。この点は自民党の末期政権も同じだ。

総理の決まり方も変だ。一番最初に手を挙げ、支持を取り付けると流れが決まってしまう。鳩山さんや菅さんがどんな政治家なのか分からないままに決まってしまう。政界では名門の鳩山家、市民運動出身の菅さんと言っても政治的手腕が分かるものではない。

民主党は混成政党で、きちんとした軸足が決まっていないから国を脅かす事態が発生すると、あわてふためく。経験、知識もないから、国益を害することになる。尖閣諸島領土侵犯、中国漁船船長釈放問題にみる対中戦略、普天間移設問題など然りだ。

確かに事業仕分けで、官僚の予算策定の仕方が公になった。政策の発想、費用対効果で仕分け人から集中攻撃される映像は、胸のすく思いだった。でも特別会計は「すき焼き」ではなかった。

政治主導も稚拙すぎた。官僚を使い切っての政治家の最終判断なら良かったのだが、最初から経験、知識に乏しい民主党政権閣僚の政治主導だった。

国家戦略局構想が頓挫したために、政策の司令塔が欠けていた。各大臣が勝手なことを
言い、閣内不一致かと思われるシーンもあった。総理も決断できないから尚更だ。

私も「クリーンで開かれた」政治に期待した。しかし、鳩山、小沢さんの政治資金疑惑とその「政治とカネ」の問題処理に当たっては、とてもではないが「クリーン」にはほど遠い。

クリーンさでは、利権政治を忘れては行けない。自民党政権時代は族議員を中心に、利権が蔓延ったのは明らかだ。しかし民主党政権では小沢幹事長時代に自民党を上回る悪しき利権誘導政治が蔓延った。

情報公開を伴った「開かれた政治」も期待を大きく裏切った。国会審議での閣僚の答弁、仙石官房長官の定例記者会見を見るにつけ、何ら自民党と変わらない。国の情報管理のあり方を検討すると言うが、「開かれた政治」に逆行するものだ。

為政者は「国民目線」を素人の考えとバカにするが、情報公開、説明責任なくして健全な国民目線などあるはずがない。

政権党内での権力争いは、民主党政権になっても後を絶たない。小沢さんの国会招致問題は、民主党を2分するほどになってきた。親小沢がどの程度か分からないが、執行部の強硬姿勢に民主党が分裂する可能性もある。

また、民主党政権は民意に鈍感だ。自民党の方が敏感だった。

民主党へ政権交代して国民が得たモノは何だったのか。政治の混乱しかないのでは。
写真:政界を混乱に導くのか民主党

2010年12月8日水曜日

海老蔵さん会見:ただの「海老蔵は被害者、相手の男が加害者」確認会見だったのか

歌舞伎ファンではないが、これ程騒がれると注目するしかない。7日夜の記者会見を見て言えることは、「彼は被害者、相手の男が加害者」と弁護士が言ったように立場を明確にするための会見だった。

有名人は何かあると、弁護士を同席させての釈明会見になる。今回も例にもれず今度はマル暴専門の弁護士を付けていた。それだけでも相手のことを考えると相当やっかいな事件であることが分かる。

いろんな女優さんと浮き名を流す海老蔵さんの傍若無人さとは余りにも違いすぎる神妙で落ち着いた態度は、違和感を覚えざるを得ない。

役者だから、どんな演技でも出来るだろうが、全体として良く打ち合わせされ、「自分は被害者」の立場を主張する会見だった。

今回の事件の要点である、相手は知り合いだったのか、灰皿でテキーラを飲ませたのか、頭に水をかけたか、髪の毛を引っ張ったか、介抱で挑発することはなかったかなどの質問に全部否定した。

おかしな点として、「介抱しながら、何故けられたのか」の質問にも「分からない」の一点張りで、質問者も「おかしいですよね」と念を押すだけだった。

御多分にもれず肝腎な質問には「警察から口止めされている」「捜査中なので・・」とお決まりの言葉で逃げるコトも忘れていなかった。

松竹の「無期限謹慎」処分に同情の余地はないが、海老蔵返上、歌舞伎俳優を止めることも考えるべきではなかったか。

女、喧嘩は「役者の糧」と良く聞くが、社会的な非常識が、糧などとんでもないことだ。海老蔵さんは、自ら厳しい処分を示さなければならない。

今は、自ら又弁護士も「自分は被害者」の立場を堅持しているが、今後事件の詳細が分かるにつれて、加害者であることも分かってきたら、それこそ信用をなくすことになる。

相手側の「海老蔵側にも加害責任あり」の伝聞話が伝わる中で、早めの会見で自分の考えを説明した方が得策と考えての会見だったようだが、何かはぐらかされているような納得のいかない会見だった。

2010年12月7日火曜日

難しい政権選択の時代に入った日本政界

難しい政権選択の時代に入った。ここ5年間毎年総理が替わり、菅内閣も御多分にもれず最近の内閣支持率は軒並み20%台の前半まで下落、危険水域を超したが、難問山積なのに国会は延長せず閉会した。

延長していれば責任追及で内閣の存亡に係わる事態に至るかも知れない。自民党時代も小泉さんが総理の時、延長案が出ていたにもかかわらず、早々と国会を閉会し内閣が助かったことがある。

一国の総理ともなると、政策よりも政権の維持が重要なのだ。

6日の記者会見でも菅総理は「内閣改造よりも政権運営の出来る体制」にするという。その一環が社民党との協力体制を築くというのだから「何をか言わんや」だ。衆議院の議席3分の2を確保する目的だろうが、普天間問題など安全保障では相容れない政策を掲げている。それで離脱しながら、又協力体制とはどういうコトか。

政権維持のための悪あがきでしかない。

「菅内閣は何をしようとしているのか」、記者の質問に「元気な日本を復活する」ことだと言う。これは菅民主党のスローガンだ。

菅総理は予算で手を打っており成果が出てくると言いたいところだろうが、経済も雇用も一向に改善する様子がない。何をやるにも財源が足かせになる。民主党政権交代前は税収が46兆円だったが、交代後39兆円にまで落ちた不運はあったが、相変わらずの人気取りバラマキ予算が続く。

国民の安全、財産など国益を守らなければならない政権でありながら、対中、対露では国益を害する判断をしている。APECでも惨めな外交を見せつけ、TPPでは党内調整さえも出来ていなかったことが分かった。党内基盤の弱い菅さんに調整など期待できないのだ。

今世論は、菅内閣にNOを突きつけている。指導力がなく、政策に期待できず、政治主導にもなっていないコトが主な要因だ。でも非自民だから支持しているとも言う。

菅さんは発信力が弱かったと反省しているが、党首討論や記者会見などチャンスはあったはずだ。厳しい質問が飛ぶのを嫌がっての発信力不足ではなかったのか。

望まれる総理像?

国民と十分対話でき、党内基盤がしっかりして指導力が発揮でき、政治主導で政策を進められる人材だ。そんな人材が今の政界にいるのか。

政界再編、大連立を煽るメデイア、ジャーナリストも多いが、一体どんな構図になるのか。民主党が分裂し、自民党と再編するなど言われているが描けない。確かに民主党は保守から革新までごちゃ混ぜの政党で軸足がはっきりしない。各グループ毎に分裂し、再編した方が分かりやすい。

結局の処、打開策は解散・総選挙で改めて国民に信を問うことだが、総選挙までに再編
の構図ができあがって有権者が判断できることだ。選挙後再編なんて言うと、またマニフェストが変質してしまい、内閣支持率下落の要因になる。

自民党も今、国民目線の立場に立とうと政策を公募している。自民党のメデイアへの露出も野党になって激減したが、脚光を浴びないのにも何か原因があるはずだ。

メデイアで大受けする人材が、ことごとく失敗している。ここは地味な人材で難局を切り抜ける手もある。

2010年12月5日日曜日

2つの風物詩:外苑のイチョウ並木、表参道イルミネーション
















この時期の風物詩と言えば、イチョウ、イルミネーション、クリスマスツリーなどたくさんテレビ、新聞で報道されている。それに刺激され、神宮外苑のイチョウ並木と表参道の
ケヤキ並木のイルミネーションを見に行った。

4日、地下鉄浅草線外苑駅で降り、イチョウ並木を見ようと神宮外苑へ向かう。残念だが4列あるイチョウ並木の葉はほとんどが落ちてしまった。寧ろ歩道に黄色の絨毯だ。「すごい!」と言う声が聞こえた。カメラは上よりも下に向けている。昨日の朝の大雨で落ちた可能性がある。

比較的温かい場所や街灯近くでは、まだ葉が付いているところもあるが、ほとんどが裸木に近い。イチョウは若葉、青葉、黄葉、裸木と4季楽しめる珍しい樹木だ。

銀杏について、説明書がある。それによると、1億5000万年前に地球上に広く分布し手板が、氷河期の到来で絶滅したそうだ。化石が残っているという。日本に到来したのは、比較的暖かだったために死滅を逃れた中国からだそうだ。

そう聞けば、落ち葉になって掃除が大変だし、実が落ちて踏むと臭いにおいが付きまとう嫌な思いは吹っ飛んだ。

この神宮外苑のイチョウは手入れもゆき整っているようだ。樹高順に植え付けられて背景の絵画館と遠近法が保たれているという。

12月の中旬まで、イチョウ祭りが開催されている。

外苑から一駅分歩くと、表参道に着く。

青山通りから明治神宮まで150本に及ぶケヤキに90万個に近いLEDが点灯されている。一本一本見ると異様だが、全体を見るとすごい。車道近くに身を乗り出してシャッターを切る。陸橋で写そうと思っていたが、通行止めで監視が配置されていた。

1月3日まで点灯されると言うが、樹木にとってはいい迷惑だろう。

OMOTESANDO HILLSにはいると、クリスマスツリーがすごい。賛美歌のような音楽が流れる中で、皆立ち止まってカメラのシャッターを切る。エスカレーター付近では、「立ち止まらないでください」と警備の人が注意していた。

「良い東京の土産話が出来る」と年配の女性が満足げだ。「こういう風景を見ずに死ぬのと、見て死ぬのとでは、どちらが幸せか」と家内に聞くと「そりゃー 見て死ぬのが幸せよ」という。

帰るためにJR原宿駅に向かった。
写真上段左:外苑歩道 イチョウの葉が絨毯状に落ちている
写真上段右:イチョウ祭り会場
写真中段左:OMOTESANDO HILLZのクリスマスツリー
写真中段右:外苑の銀杏並木
写真下段:表参道ケヤキ並木イルミネーション
いずれも2010.12.4撮影

2010年12月4日土曜日

菅総理 居座りは打開策あってのことか


第176回臨時国会は、低い法案成立率と「熟議」にはほど遠い国会審議を残して閉会した。2ヶ月半の改造内閣であったが、実績よりも多くの禍根を残した。

来年早々の通常国会に向け、菅総理に事態を好転させる秘策でもあるというのか。

菅総理が言った「熟議」にほど遠い参議院の国会審議は、政界再編、大連立などがない限り3年間はきびしいままだ。そのために、衆議院を強固なものにするために、社民党を政権与党に引き込もうとしているが、普天間移設、安全保障で大きな隔たりのある政党だ。うまく行くはずがない。後数回の選挙で消えてなくなる政党だ。

参議院の審議は時間の無駄になる。問責決議の出た2人の大臣が関係する審議は、野党に拒否された状態では、国会審議の体を成していない。内閣の再構築が必要になる。

内閣支持を浮上させる策はあるのか.点数を稼げるテーマがあるのか。

今までの経済政策の成果が現れることを菅総理は期待しているようだが,株価は為替に影響していることを考えると、米国経済に大きく左右されるが、直ぐには良くならない。動くとすると2年後の大統領選だ。オバマ民主党政権は国民の不満を買っている。

外交面では、完全に行く詰まり状態だ。

中国、ロシアは、2年後の政権維持に向けた国内事情で領土問題に絡んでくるだろう。普天間移設問題に関わる日米合意の履行は、アメリカが折れない限り、政権の存亡にかかってくる。逆に言うと改めて在日米軍のあり方から考え直す機運が出てくれば、点数を稼げる。

今盛んにメデイアが煽る政界再編、大連立構想はどうなのか。

しかし、その時軸となる政党は民主党か自民党なのか。民主党が今のような各グループ混成の状態で選挙に突入して考えるのか、民主党が分裂後に新しい構想の下で国民に信を問うのか。

民主党が、今のようにゴタゴタの状態では、軸足がはっきりせず、主だった人間だけで作成したマニフェストも信用がおけない。選挙後の烏合集散では、掲げた公約も曖昧なモノになる。

今、菅さんが代表であるが、指導力もなく、求心力の低下した菅さんを担ぐ議員が何人いるのか。菅さんは担ぐ人間ではなさそうだが、担がれる人間でもなかった。

民主党には結局人材がいないコトになると、自民党を核とした政界のガラガラポンが始まるのか。

結局菅さんには勝算はない。

それでも総理の座に居座るのであれば、国民にその策を説明すべきだ。記者会見もやっていないし、党首討論もやっていない。選挙で直接国民に信を問うていない。

私達は、菅さんに何が期待できるのか。菅さんは説明すべきである。出来ないのであれば、総理の座を明け渡すべきだ。
写真:菅官邸 二進も三進も行かない行き詰まり状態と思うが、打開策があるのか。

2010年12月3日金曜日

地球温暖化:科学的検証おざなりで急ぐ対策に政治的理由?




また、気候変動枠組み条約第16回締結国会議がはじまった。その温暖化対策は、国内でも調整が難しいのに、国際的に纏まるはずがない。今までも決裂を回避すべく排出量削減は義務づけずに採択は次の会議へと見送られるのが精一杯だった。その要因は、政治主導で科学的検証が不十分なままスタートしたことにある。

日本はCOP15で90年比25%を提案した(勿論条件付きである)が、2大排出国である米国が提案した05年度比17%は、90年比では3~5%と言う数値、中国はGDPあたり05年比40~50%で安易な数値だと言われる。国内事情があるとは言え、数値を出してきたことに意義があるだけだ。

更に途上国の支援だけでも、約45兆円と言う巨額の費用がかかると言われる。これから発展しようとする途上国は、足かせになることを懸念する。中国だって途上国と思っている。

遅々として進まぬ温暖化対策の一方で、世界の気温は厳しい。世界気象機関WMOは、2日今年10月末までの平均気温が14.55℃で、観測史上最高と予測し、対策を急ぐよう警告した。

IPCCの第4次報告でCO2人為的原因説に強く影響したのは、我が国の地球シミュレーターによる解析結果だ。それによると、気温の上昇トレンドが、自然現象だけでは説明できず、それにCO2のファクターを加味するとトレンドが一致するというモノだ。

日本は民主党鳩山政権で90年比25%削減を決め、停滞する状況を突破しようとしたが、国内では批判が大きい。

日本はどんなロードマップを描いているのか。

環境省は、22年度、地球温暖化対策に係わる中長期ロードマップ精緻化検討費として2億円要求、目的達成のための費用、促進策を検討しようとしている。しかし、この事業は事業仕分け第3弾で、予算計上見送り徹底的に内容精査となった。

ところが、地球温暖化対策税(環境税)構想だけは進んでいる。民主党政策調査会は、税収2400億円確保のために石油石炭税を50%引上げるという。

12年前のCOP3の京都議定書で「先進国全体で5%削減」をうたったが、温暖化の科学を無視した削減率であった。しかし今、科学は2050年までに全体で半減、気温上昇を2℃以内を要請している。

科学は本当に正しかったのか。そこが問題なのだ。

ノーベル賞を受賞したゴアさんの映画は、英国の裁判所から9カ所にわたる事実を否定された。IPCCの報告の一部ねつ造疑惑も明らかになった。

地球温暖化の科学的検証は見あたらないが、一つエネルギー・資源学会が「地球温暖化 その科学的真実を問う」をテーマにメールでのデイスカッションを公開したが、CO2人為説を疑う発言が多かった。お互いに疑問点を戦わせたに過ぎなかった。

最近では、奈良の400歳の杉の倒木から気候変動説を裏付ける研究が報告された。17~18世紀太陽活動が弱まり、0.6℃下がったと言うのだ。北半球は寒冷化したのだ。

太陽は今後、超低活動期に入ると見られている。

向かっているのは温暖化ではなく、寒冷化なのだ。これなら理解できるのだが。

科学的検証をおざなりに急ぐ対策に政治的理由があるのか。

巨額の対策費を要する地球温暖化対策。無駄な投資を防ぐためにも、寧ろ国際的な調整に四苦八苦していることは、良い傾向かも知れない。


写真左:自然現象だけでは気温上昇は説明できず、さらにCO2排出量を加味すると傾向が一致するという JGL 2007.No2 地球温暖化と気候予測・・IPCC第4次報告・・ 
写真右:e-mail討論 地球温暖化:その科学的真実を問う エネルギー・資源学会

2010年12月2日木曜日

不甲斐ない民主党政権:この国民あっての、このレベルの政権か


このレベルの国民あっての、このレベルの政権なのだ。次々に起きる事態が厳しすぎるのか、経験・知識不足がもたらすのか、不甲斐ない民主党政権だ。しかし、いろいろ批判はあるが、所詮は私達国民が託した政権なのだ。

先の衆議選で示された民主党のマニフェストは、自民党政権の悪をさらけ出し、政治の仕組みを変えることにより、「クリーンで開かれた」、新しい政治が期待できると誤解を与えた。

実際に政権に就き、現実の壁に突き当たると、大幅な修正をする羽目になったが、未だ非を認めようとしない民主党政権の姿勢に疑問を感じる。

小沢さんを抱える民主党政権に「政治とカネ」でのクリーンさは期待できないが、鳩山さんの偽装献金問題で政権のクリーンさは吹き飛んだ。更に今回発表された政治資金収支報告書では、小沢さんの巨額な政治資金へのナゾとカネのかかる政権を取ろうとするとカネのかかる現実が明るみになった。

「開かれた政治」にもがっかりする。野党時代に官邸機密費の公開を約束していたが、完全に反故にした。逆に野中さん、鈴木さんから曝露があった。

尖閣中国漁船船長釈放問題での対中、更には対ソでは国益を害する処理に走り、APECでも議長国として手前みそ的評価ばかりで、諸外国に期待されている存在なのか甚だ疑問だ。

程々、愛想の尽きた民主党政権であるが、私達はこの政権をどうできるのか。

菅さんは、解散、総選挙は考えていないと言う。「石にかじりつき」「歯を食いしばって」もがんばるらしい。参議院で「内閣不信任案」が可決される可能性はあるが、小泉さんのように衆議院を解散してまで信を問う勇気は、菅さんにはないだろう。

内閣改造という手もある。しかし、内閣支持率の下落要因は総理の指導力の無さにある。菅さん自身の資質の問題だから、内閣の中身を変えても解決しない。

世論調査では、「自民政権ではない」からと言う理由で、民主党政権を支持していたが、今は支持政党も自民党に逆転される始末だ。
総選挙に打って出るにしても、候補者選びが難航している。自民党に至っては100の小選挙区で候補者選びが難航しているらしい。公募しても集まらないらしい。

政権交代の原動力となった、民主党の候補者も「何であんな人が」という感だ。それでもメデイアは○○ガールズとはやし立てる。候補者が集まらないのであれば、議員数を大幅に削減すべきだ。720人から半減させればいい。

選挙のやり方も疑問を感じる。知名度がキーポイントになる。如何に沢山の有権者と握手したかが勝敗を決めるらしい。有権者の集まる処に駆け寄り握手責めするシーンを見るたびに首をかしげたくなる。

政策は党本部の公約一点張りで、自分が何をやりたいのかよく分からない。

国会審議を見ても、言葉尻の取り合い、新聞報道の発言のやりとり、熟議なんてほど遠い審議である。

福沢諭吉の「学問のすすめ」に、政治というのは1国の働きで、内側に政府の力、外側に国民の力でバランスを取る必要があるという。政府の力は内側の生命力、国民の力は外側の刺激だ。人間の健康と同じで、刺激なくして、生命力に任せていては健康は保てないと言う。

偏った報道に問題があるだろうが、新聞をしっかり読んで政府に刺激を与えなければならない。

2010年12月1日水曜日

政治資金疑惑に、お決まりの「法に基づき適正に処理」の1フレーズ


また、政治資金収支報告書の発表時期がやってきた。相変わらずの疑問だらけで、メデイアは一歩突っ込んだ回答が欲しいのに、「政治資金規正法に基づき適正に処理しています」のお決まりの1フレーズで対応するだけ。法の精神が全く活かされていないお粗末な状態が続く。

「政治とカネ」に対する国民の関心は高くなるばかりで、その都度法改正がされるが,如何にせん、国会議員が自らの首を縛るようなことをするはずがない。ザル法の代表例だ。

おまけに内容を鑑査する政治資金監査人として登録した弁護士や公認会計士、税理士による鑑査も大甘で、制度が十分に機能していないらしい。

私達の代表者が、公明正大な政治活動をしているかどうかを国民が判断する重要な資料であるにもかかわらず、この様では心許ない。「政治は三流」の根源だ。

それにしても小沢さんの資金力は、他の議員を寄せ付けないすごさだ。これだけ大きければ当然疑惑も湧いてくる。

先の衆院選では、民主党の代表として政権交代に向け、勝負に出たのだろう。約4億5000万円をばらまいている。使えば使うほど結果も出ているコトに疑問が募る。

小選挙区制導入の理由は、「カネのかからない選挙」があげられていたのではないか。全く逆効果になってしまった。

小沢さんの政治資金管理団体は4億5000万円を支出しているが、うち3億7000万円を小沢さんから借り入れ、他の政治団体「改革フォーラム」から3億7000円の寄付を受けて、小沢さんに返済したという。その改革フォーラムの3億7000万円は政党解体時の政治資金の残金であるらしい。

本来なら国に返金すべきカネだと思うが、法に規定がないために、私物化した疑問が残る。獲得議員数を増やすため、選挙に使ったのであれば、私物化ではないと抗弁できるだろうが、甚だ疑わしい行為である。

それにしても小沢さんは巨額のカネを保有していることになる。一体どこから得たのか。

検察審査会が起訴判決したのも、その入手先に疑問があるからだ。小沢さんは、告発内容にない理由をあげているのは無効であるとして、手続き着手を阻止しようとしたが、裁判所は却下した。裁判で争えと言うのだ。当然だろう。逃げ切ることは出来ない。

ところで、疑惑が指摘されるたびに「政治資金規正法に基づき適正に処理しています」とありきたりのフレーズを使って逃げ回る政治家を信頼できるか。

民主政治の根幹を揺るがし続けるコトになる。柳田前法相が2フレーズ発言で更迭されたことをどう考えているのか。
写真:政治資金収支報告を報じる読売新聞 2010.12.1

2010年11月30日火曜日

愛想も尽き果てる民主党政権




フレッシュさとクリーンさを期待していた民主党政権であったが、次ぎから次ぎに起きる事態への稚拙な対応は経験不足か、直面する事態が厳しすぎるのか。愛想も尽き果てる民主党政権である。

北朝鮮の延坪島砲撃事件を受けて、国会での政府の危機管理が追求されていたとき、菅総理は事件の発生をテレビで知ったという。私もテレビで知ったが、何のことはない総理も私達も同じ程度なのだ。北朝鮮は報復攻撃は受けないという確信のもとで横暴な攻撃、恫喝を繰り返す。

政権奪取前に国民と約束した公約、夢見ていた理想は、現実に直面し大きく後退する羽目になった。一体野党の時に何をしていたのか。ただ自民政権に反対していただけではないか。描いていた政策の2~3割が出来れば御の字と言うが、実際はどうなんだ。

軸足もはっきりしない。主義主張の異なる保守系から革新系までごちゃ混ぜの政党だから、政策に確かなモノがない。ここの政策毎に、野党に相談して進めたいと言っても、野党は「まず党内でまとめてから提案しろ」と痛い点を着かれる。

おまけに政府の基本戦略が決まらない。国家戦略局を設置すると言っていたが、総理の諮問機関の様だ。大臣は」自分が一番偉いと思ってか、勝手な発言をする。調整するにも党内には小沢さんという実力者がいるから、一本化も難しい。

総理の指導力、求心力が試されるが、党内基盤の弱い菅総理は、他グループの顔色を見ながらの舵取りで、指導力、求心力は低下するばかりだ。小沢さんの国会招致問題一つとっても、本人から拒否されている。

政治のショー化で政権浮上を試みるも、事業仕分けでも分かるように国民にそっぽを向かれる。税金の無駄使いの実体が明らかにした功績は分かるが、官僚の抵抗は大きい。

官僚政治からの脱皮で「政治主導」を掲げたが、過去ののいきさつ、約束事など関係なしに、自分の主張を通そうとするから混乱を招く。鳩山政権での普天間移設問題は代表例だ。
日米安保50周年を迎え、日米対等は重要な考え方であるが、有事の際は米国を頼るしかない。尖閣諸島領土問題での対中国、対北朝鮮然りだ。

国益を害する外交上の処理は、将来に大きな禍根を残す。脅せば弱腰になる日本外交は定着している。世界の諸国は日本に何を期待しているのか。援助資金だけではないのか。国連で日本の総理が演説するときの議場を見ると空席だらけである。オバマ大統領の演説の時は満席だったのに。

最近の官房長官の定例記者会見の会場をテレビで見ても、真ん中付近は空席が目立つ。官房長官の発言は、政府談話を除いては数段の記事に載れば良い方で、ほとんどが記事の中での関連発言扱いだ。聞いても仕方がないと言うことか。

もう民主党政権には愛想を尽かした。

もう出てくる総理候補は、前原、岡田さんだろうが、前原さんには偽メール事件での判断ミスは忘れられない。岡田さんに期待も出来るが、党内での寄って立つグループがない。支持基盤の弱さは、致命的かも知れない。

政権担当能力の点では、民主党は?マークだ。野党時代に何をやっていたのか。野党にも族議員がおり、それぞれ専門に政策を戦わせていたはずではあるが、長い野党生活では人材は育たなかったのか。

又、次々に起こる事態は、厳しいモノなのか。TPP一つ取ってみても、農業のように打撃を被る分野もあれば、関税なしで成長する分野もある。普天間移設問題も自民党政権下で静かになっていた日米合意に火を付けてしまった。

沖縄県民も米軍がいることでの危険がある一方で、経済的な問題もある。県知事選での「県外移設」の約束は、民主党政権にとっても大きな足かせになる。民主党政権存亡の危機だ。

この乱世に、強い政権を期待するが、民主党には期待できない。

メデイアは、政界再編、大連立を煽る。

しかし、ここはまず政権与党の民主党が軸足をはっきりさせることだ。そして野党、弱小政党間で考えの合うグループ同志が、纏まるべきではないか。政界を再編成し、国民に信を問うべきである。過半数が確保できず連立と言うこともあるだろうが、公約推進に支障をきたすような連立では脆弱な政権しか期待できない。

民主党単独政権での「新しい政治」の夢実現は限界だ。

2010年11月29日月曜日

晩秋の鎌倉を行く:紅葉、ひこばえ、抹茶アイス?











28日快晴。半年ぶりに晩秋の鎌倉を訪れた。JR北鎌倉で下車するとすごい人出だ。狭い小さな改札で身動き採れないほど混雑していた.紅葉はピークを過ぎているらしい。円覚寺山門前の階段の紅葉が人気を呼んでいたが、光線の具合で綺麗に見える。

兎に角、歩道が狭いと言うか、人出が多いのだろうか歩くのも思うようにならない。車道も渋滞気味で、付近の駐車場は満杯。観光バスが駐車場を探して走っている。「来るまでこなくて良かったね」と若い家族が話していた。シーズンになると付近の住民は生活もままならないようだ。

裏から鶴岡八幡宮に入っていった。「おみくじ」に人集りだ。こんなご時世だから自分の運勢を占ったのだろう。良い結果が出た人は、ニコっと笑っているが、運勢の悪い人は苦虫を潰した顔だ。でも皆、指定された場所に結んでいた。

切り株からでた新芽「ひこばえ」がどうなっているか見に行った。残された大イチョウの株から「ひこばえ」が沢山出て、黄色の葉になっている。

この中から、根から養分を吸い上げて育つ元気の良い芽を残していくのだろう。今は皆同じような太さに見えるが、数百年後には2本ぐらいでイチョウの二股が出来ているのだろうか。

江ノ電も相当込んでいるが、長谷駅でほとんどの客が下車し、長谷観音、鎌倉大仏へ向かった。

大仏前の売店では、オバマ人気か、気候のためか、抹茶ソフトクリームが飛ぶように売れている。ステイック状の抹茶アイスを頼んだが、ソフトクリームしかない。オバマ大統領には、特別に造ったらしい。

ここのソフトクリームの作り方は独特だ。プラスチック容器に入った抹茶アイスクリーム1個毎に押し出し機にセットし、ソフトクリーム状に成形するのだ。観光客はもくもくと食べていた。

200円の入場券を買って大仏を見に行ったが、廻りの紅葉は、ピークを過ぎていた。色ずいている木もあったが、すでに枯れ葉になっているのもある。今年は気温も高かったこともあって紅葉もなく、枯れて落ち葉になるのか。
それにしても樹木は良く出来ている。気温を感じ取って色が変わり、葉の根本にホルモンが働きポロリと落下するらしい。気温がおかしいと葉も調子が狂うのだろう。

それにしても今年は、綺麗な紅葉にお目にかかれなかった。
写真上段左:「ひこばえ」 倒れた大イチョウの切り株からたくさんの新芽が出て、紅葉している
写真上段右:円覚寺の紅葉
写真下段左:大仏前の売店の抹茶ソフトクリーム売り場 飛ぶような売れ行きだ
写真下段右:鎌倉大仏

2010年11月28日日曜日

菅総理 辞めないなんて、それこそ暴力ではないか

「歯を食いしばっても」、「石にかじりついても」、「支持率が1%になっても」総理の座にあってがんばるという菅総理の悲愴な決意(?)の発言が続いている。

民主党政権になってから、指導力、決断力のない政権、国益を害する政権が相次ぎ、政権交代の期待を完全に失っている。今までの世論調査では支持率が30%程度だったが、更に下落するだろう。

自分から総理を辞めない限り、居座り続けることが出来る今の国会の力関係を考えての発言だとすると、「総理を辞めない」ことは、国民に対する暴力行為ではないか。

こんな状況下で、何をやろうとしているのか。日本をどう導こうとしているのか。

事業仕分けでも自民党政権時代の政策を仕分けしていれば良かったが、今後は民主党政権の政策を仕分けしなければならなくなる。「反自民」の姿勢を取っていれば良かった時代は終わったのだ。

国会の審議を見ていても、情報の公開、説明責任は勿論のこと、国民の常識からかけ離れた感覚の政治は、「クリーンで開かれた政治」とはとても言い難い。キャッチフレーズに騙されたも同じだ。

ところで、悲壮な決意(?)でがんばろうとする菅総理のもくろみは何なんだ。

今までやってきた政策の成果が出るとでも言うのだろうか。いつまで我慢すればそうなるのか。

経済対策のために5兆円にも及ぶ補正予算を通したが、内政、外交を見渡しても、常識で考えても明るい展望は何処にも見あたらない。

35万人の民主党議員、地方議員、サポーターで選ばれた菅総理であっても、有権者から直接に信を得た政権ではない。

ここは解散・総選挙で直接国民に信を問うべきである。

注:「支持率1%担っても・・」発言の真相は、「友人から支持率1%になってもやめるな」と励まされたことを菅さんが鳩山さんに紹介したということらしい。

2010年11月27日土曜日

八ツ場ダム計画:進む生活再建工事、消え行く川原湯温泉風情
















どうなっているんだ八ッ場ダム計画。又、1軒旅館が廃業し消えゆく川原湯温泉の一方で、生活再建工事は進んでいる。

八ッ場ダム計画も先の見通しは立たない。馬淵国土交通相は6日、「予断を持たず検証を進める」と発言したが、洪水時の基本高水の根拠となる流量に関する設計資料が見つからないと言う。ダム建設の妥当性が大きく揺らいでいる。毎秒22000トンという数値だけは活かされているようだ。

また、打越代替地に地震対策が不十分な箇所も見つかったが、住宅地には影響ないらしい。この辺は地盤が安定で以前から地滑りの危険が指摘されている。川原畑代替地付近でも法面の地滑り対策が必要になった処もあるらしい。完成しても地滑りの危険は消えない。

1月には工事費がショートするらしい。ダムの建設が進まないのであれば東京都など1都6県が負担金を払わないと言うのだ。生活再建事業の財源になっているので厳しい。

八ッ場ダム計画は、4600億円という莫大な費用を投入したが、安全に対して根本的な問題を残したままなのだ。

約半年ぶりに、川原湯温泉を訪ねた。

国道145号松谷付近では、国道、県道付け替え工事が着々と進み、一部は通行可能になっている。

雁ヶ沢信号を左折すると、東吾妻町立の日帰り温泉施設「天狗の湯」がオープンしている。八ッ場ダム建設事業での利根川・荒川水源地域対策基金事業だという。安産、合格祈願とある。

国道に戻りしばらく行くと、左に「工事中 地元車優先」の看板が掛かった道路がある。警備の女性に聞くとトンネルを出ると代替地に通じるという。1760mのトンネルを出ると打越代替地につく。

打越代替地には、新築の家屋が増えて約25軒になったが、相変わらず工事中だ。豪華な造りもある。背後の急斜面は何と言っても不気味だ。沢も多く砂防ダムがあちこ地に存在する。
国道に降りて、川原湯温泉街に向かった。

国土交通省の中止で心配されていたが、生活再建事業の一環で湖面1号橋の建設が始まっていた。工費52億円で国が96%負担するらしい。完成は23年11月末だ。以前茅葺き屋根の食事処があったところだ。その時店員が「ここに橋脚が立つ」といっていた。

川原湯温泉街入り口から、工事の重機と騒音だ。これでは温泉気分を満喫しようと言う客などいない。

途中に土石流危険地代替地造成で大規模に盛土した場所がある。打越沢だ。石が落下しているのが見つかったが、そのうちに落石ネットが張られた。法面に植生されていないので,大雨が降るたびに土石が流れ落ちるのではないかと心配になる。

今日は、晴れて天気も良く、年配の日帰りの温泉客が多く、足湯は混雑していた。露天風呂にもオートバイが3台止まっていたので入浴しているのだろう。平日なのに意外と賑わっている感じだが、ほとんどが1時間ぐらいの滞在だ。

近くに草津温泉、軽井沢など観光地があるので、川原湯温泉は中途半端な存在になっていた。万一ダムが出来、ダム湖畔としての温泉街が復活しても川原湯温泉の風情はない。
旅館業にとっては難しい選択だ。

その旅館もまた1軒廃業した。高田屋だ。25日に最後の客を見送ったという。

この高田屋のある処は温泉街の中心だが、すでに「柏屋」も休館、「みよしや」も廃業している。休館なのか、廃業なのかはっきりしない。ピーク時は20軒ほど逢ったと聞くが、今は、やっているのは5軒ぐらいだという。

高田屋の玄関には「長い間ご愛顧承り ありがとうございました」という看板が置かれていた。

しばらく物思いにふけっていると、前に一度あったことがある移動販売者が来た。「商売にならんでしょう」と聞くと、「皆、やる気が無くなって閉めたからね」という。それでもお客が来るかも知れないので、廻っているのだという。

閉めた旅館から年配の女性が出てきた。何か販売業者と話している。果物を買って戻り、また出てきた。「これを奥さんに」と柚を渡していた。こういう付き合いが出来るのだ。
話によると、旅館は閉めても、しばらくは冷蔵庫に食材が残っているらしい。それがなくなってから商売になるのだそうだ。顔を見合わせて笑った。

温泉街を抜けて、駅の出来る場所に向かった。至る所が工事中で、急に女性の声で「ご迷惑をおかけします。足下に注意してください」という。辺りを見回しても誰もいない。

上湯原地区代替地粗造成工事現場に着いた。無効に今ら繋がった湖面2号橋が見える。この辺が駅になるのか。相変わらずの急斜面だ。

以前、墓参りに来ていた人と出会った場所には墓がない。移転が終わったのだ。その時
「どうなるんだろう。墓の移転先を申し込んだのだが、ダムが中止になれば必要ない」と
言っていた。

生活再建事業は進めると工事は進む一方で、川原湯温泉は「その風情」を完全になくしている。

いつか書いたのか分からない歓迎板の残る廃業した旅館、家屋撤去跡地だけが目に付く温泉街だ。
写真上段左:新駅建設予定地 向こうに湖面2号橋が見える
写真上段右:温泉街の中心地 廃業した旅館群(柏屋 高田屋 みのしや) 休館か廃業か分からない
写真中段左:打越代替地 まだ工事中だ
写真中段見後:湖面1号橋建設工事現場 川原湯温泉街入り口にあたる
写真下段:日帰り温泉施設 「天狗の湯」 八ッ場ダム建設事業の一つ 

2010年11月24日水曜日

家電量販店LAOX銀座進出:そう言えば、昔は百貨店で家電を扱っていた


中国資本の家電量販店LAOXが、銀座に進出したという。20日には、オープニング・セールを目当てに長蛇の列が出来たとメデイアは報じた。

銀座は今、ファーストファッションなどが席巻し、高級ブランドのイメージが薄れつつある。LAOXが入る「MATUZAKAYA GINZA」には、フォーエバー21も入っている。だが、まだ日本一の商業地であることは間違いない。観光客で訪れる中国人もターゲットにしているようだ。

「中国資本が銀座まで進出してきたか」という感じが強く、翌日行ってみた。

考えてみれば、昔はデパートでも家電製品売り場が設けられ、家庭の電化に貢献していたが、いつの間にかテレビ、冷蔵庫、洗濯機などが去っていった。

訳は何だったのか。専門の電気店が増えてきたためか、お持ち帰りがほとんどのデパートで、重量物の流通に問題があったのか。

松坂屋銀座店の6Fに上がると、ラオックスの売り場がある。広いフロアの一部を使っているようだ。出入り口には記念品が愛っていると思われる紙袋が山積みになっていた。どうしたらもらえるのか分からない。案内も低調だ。

商談らしき風景も見られたが、大方はオープニング・セールでの安売り目当てか。

兎に角、売り場面積が狭く、従って品揃え画布十分だ。パソコンだって26種類しかおいていない。値札も付いているが、安いのかどうか判断が出来ない。他店で調べて来なくては比較できない。デパートの商売にやり方で表示にも制限があるのか。

中国人観光客はめっぽう減った。街中屋店内でデジカメを構えている姿を多く見てきたが、今日は目に付かない。

これでは、中国資本恐れるにたらずだ。家電量販店も競争が激しい。郊外型の大型店から交通の便の良い商業地にも集中してきている。女性や高齢者にとってはデパートでの販売は便利になったかも知れない。

注目してみよう。
写真:マツザカヤ銀座店に進出した家電量販店のLAOX 2010.11.21

2010年11月23日火曜日

ダメな総理:政治の言葉や理想が力を失っている

どうしてこうも選ばれる総理はダメな総理ばかりなのか。結果として、1年ごとの交代で、国民の信を問わない総理に政治を託すことになる。政権交代してもその傾向は変わらないところに何か原因があるのだろう。

フランスの社会学者ボードリアールは「政治の見せ物化が進んで、政治の言葉や理想が力を失っている。今は、イメージで政治家を選ぶ時代だ」と言った(朝日新聞 2003.10.22)。

良く言い当てている。自民党の総裁選、民主党の代表選で人気投票し、若者、無党派層を掴んだ方が勝ち戦になる。負けても2位に付ければ、無名の候補者でも要職に着くことが出来るし、次回の総裁選、代表選に出る権利を得たことになる。

リーマンショックによる経済不況に直面しているものの、ここ数年の総理の評価はさんざんたるモノで、支持を落とす要因は「指導力がない」点にある。経験と実力が伴っていないのだ。

菅総理も御多分にもれない。「指導力がない」、「丸投げ」、「攻めには強いが、守りにはめっぽう弱い」、「弱気になりブレる」など芳しくない。

菅さんは、人気があって総理に躍り出たのかと思っていたが、そうではなく、「なりたがってなったのだ」。

世論調査での「総理に相応しい人」をみると、鳩山内閣の支持率が33%だった2010年4月5日(読売新聞)では、舛添29%、岡田9%、前原8%、菅7%、渡辺6%、鳩山5%で、閑散は財務大臣の要職に着いていたが、4位だ。

2010年5月17日の毎日新聞では、舛添13%、前原12%、渡辺9%、石破6%、菅6%、岡田4%、鳩山3%、小沢2%となっている。

普天間問題、「政治とカネ」で鳩山総理は6月3日、退陣を表明したのを受け、菅さんが代表選立候補を表明した。狙っていたかのような素早い行動だった。「政治とカネ」の問題にきちんとケジメを付け、幹事長人事も小沢さんの影響を避けることも表明した。

そして、代表選は、菅vs小沢、「脱小沢」vs「強いリーダーシップ」の闘いの構図になった。前原さんや岡田さんは、早々と菅支持を打ち出した。

私もこの時、「本当に菅さんで良いのか」という記事を書いたが、小沢さんで良い訳でもなかった

「政治は悪さ加減」と言われるが、菅さんと小沢さんを比較したら、「政治とカネ」のスキャンダルを抱えた小沢さんより、菅さんの方がマシだ。

当時の新聞論調を見ても、菅さんを積極的に支持するモノはなく、寧ろ鳩山政権が普天間移設問題で右往左往している時に、副総理として何ら行動しなかったことに、総理の座を目前にした様子見の姿勢に批判がいった。当然の話だ。

しかし、代表選は、国会議員では拮抗したが、サポーター、地方議員では圧倒的多数で勝利した。小沢さんの政治生命は終わったと思った。

人気投票で勝ったのも同然だ。

それから2ヶ月余り、参院予算委員会で「仙石総理大臣」と間違ってコールされるほど、仙石官房長官の力が大きく、菅総理の存在感は薄らぐばかりだ。

「指導力がない」と求心力を落とすばかりで、外交では国益を害する判断が相次いだ。柳田前法相の更迭、国会運営の駆け引き、中国漁船長釈放、尖閣ビデオ流出事件など政治的ケジメはこれからだ。

国会中継を見ても、「政治の言葉や理想」が力を失っている。国民の信を問うていない菅―仙石体制は崖っぷしに立たされている。

解散、総選挙しか解決策はないが、負けが分かっている戦いに菅政権は決断できるか。

日経平均株価:11000円突破を目指せ


低迷していた株価が5ヶ月ぶりに1万円を突破して4日続伸し、22日終値は1万115円だ。政治がゴタゴタし政局孕みの中で、市場がどう動くのか22日、東京証券取引所に行ってみた。

10133円87銭で始まったが11時には101.65円高の10124円08銭を付けた。

要因は、米国の株高、景気の持ち直しにあるようだ。アイルランドの金融・財政危機も支援が決まったようだ。

日本の政治家にとっては、いいものだ。ほとんどをアメリカなど海外の市場、経済政策に影響され、我が国の政治、経済政策など瞬時の影響しかない。柳田法相の辞任問題、仙石、馬淵大臣の問責決議案などの悪影響は、市場にとっては織り込み済みなのか。

日本政界のこのような状況は、海外では余り報道されていないようなので、影響も少ないのではないか。世界は日本抜きで進んでいる気配だ。

市場は、今後11000円台に迫るかどうかだが、円安がどう動くかがポイントになりそうだ。通貨安競争に批判が集中した最近の国際会議を反映して、各国政府が手控えているのかも知れない。
写真:東京証券取引所 11時に10124円08銭を付けていた 2010.11.22

2010年11月22日月曜日

柳田法相更迭:更迭するほどの問題か、尻尾切りか


柳田法相の地元後援会によるお祝いの会での2フレーズ発言は、昨夜の続投宣言からうってかわって、ついに本人の辞任、事実上の更迭になった。メデイアや国会での責任追及は、法相の発言の真意を分かってのことか。それとも例にもれず尻尾切りか。

昨日は、国会の法相答弁を2フレーズに限らず、「更に踏み込んだ答弁は出来ないか、しっかりした改革案を出して欲しい」と刑事局長に指示をしたという。今後も真摯に国会答弁をするとも言う。

ところで、柳田さんの地元での発言は、この2フレーズだけだったのか。参加者を笑わせるための不適切な発言であったことは確かである。

しかし、もっと話を聞くと、「もう少し踏み込んだ発言は出来ないのか」などの苦情を多く聞く。何とか出来ないのかという問題意識を持った話だったのではないか。それが21日午後の突然の会見にも現れている。

野党は、菅政権を揺さぶり、次ぎに来る仙石官房長官、馬淵国土交通相の問責決議案の提出を目論んでいるが、政府は不適切発言の柳田法相の更迭で回避したかったのだろう。

仙石官房長官には、中国漁船衝突事件での国益を害する処理、自衛隊を「暴力装置」と言う暴言、官邸危機管理の問題など責任が追及されているし、馬淵国土交通相には尖閣ビデオ流出事件での監督責任がある。

法相にも中国漁船長の釈放問題、検察庁の改革問題、裁判員制度、検事総長を通じて検察組織を指揮するなど重大な問題が山積している。国民の信頼を損ねるような不適切発言には勿論責任がある。

しかし、更迭までしなければならない責任だったのか。

メデイアが一部分だけとって構成したニュースに国民、国会が惑わされ、柳田=悪者の構図を作り上げてしまったのではないか。 もしメデイアが柳田前法相の話の後段を伝えていたら、ことの展開は違っていたのではないか。
「従来の決まりきった答弁から、一歩突っ込んだ答弁ができないものか」、良識ある大臣なら考えることである。むしろ民主党が言う「開かれた政治」を目指したのではないのか。

菅内閣の最近の不適切な問題の処理の責任は、権限が集中した仙石官房長官にある。まず責任追及され、更迭されなければならないのは、仙石官房長官ではないのか。
後任に仙石官房長官の兼務を発表した。ますますこじれるのではないか。

政治は、補正予算案をはじめ多くの重要法案が目白押しであるが、成立の可能性は非常に低いという。

「国民の生活」を第一に考える与野党であるが、どうなるのか。テレビの映像を見ていても緊張感がない。二進も三進もいかない菅政権になった。
写真:柳田法相の更迭を報じる朝日テレビ報道ステーション 2010.11.22

2010年11月21日日曜日

予算委員長の「仙石総理大臣!」:存在感薄い菅総理


先の参院予算委員会をNHKの国会中継で見ていたら、予算委員長が「仙石総理大臣!」と指名した。「エッ」と思った人が何人いたか。菅総理は一瞬「ムッ」として委員長を振り向いたら、委員長は苦笑いしながら手で誤っていた。

今までも何回かこうした場面があり、菅総理も苦笑いし、場内の笑いを誘っていたが、度々総理が替わるので今誰が総理か級には思い出せない時もあるだろうが、一国の総理、しかも日本の国会での話だ。

何とも「たがのゆるんだ」国会だ。

柳田発言、尖閣ビデオ流出事件、それに関連しての危機管理、予算案審議、TPP、雇用など難問が山積する中で、緊張感に欠けた国会である。

内閣支持率の低下の要因は、「総理の指導力の無さ」が指摘されている。重要課題は仙石官房チョ婦菅主導、「政治とカネ」での小沢さんの処置は岡田さんに丸投げ。事業仕分けは期待はずれ、おまけにAPECでは下手外交、ペーパーの棒読みで菅さんも認識しているように評価を落とした。

外交は素人と言うが、「では、何が玄人なんだ」と問いかけたい。

最近の菅―仙石路線は、国益を害する一方だ。

今、参院では柳田法務大臣の問責案が注目されている。補正予算案と引き替えに、首を差し出すと言うのだ。

確かに、柳田さんの2フレーム発言は、国会を冒涜するモノだとはいえ、「個別の案件には意見を差し控えたいが、一般論として・・・」は、自民党時代からよく使われたフレームだ。身内でのパーテイーとは言え、笑いを誘うとした面は大きい。

そんなに責任が大きく、問責にかかる問題なのか。かえって仙石官房長官の「自衛隊は暴力装置」発言や、尖閣諸島での中国漁船長釈放問題など国益を害すると思われる判断の誤りは非常に大きい。

「悪さ加減」は、仙石官房長官のほうが大きいのだ。野党は、菅内閣の一角を崩すために柳田法務大臣の首を取ろうとしているのだろうが、定例記者会見で記者から「柳田法相問責問題はドミノ式に他の大臣に及ぶのではないか」と問われ、仙石さんは「一寸先は闇・・」と答えていた。

仙石さんは、旧社会党に属した議員で、「暴力装置」は学生運動のころの考えだろうが、大昔の感覚である。偏った思想で、大臣として政権を担った経験のない仙石さんに多くを頼ることの危うさを知るべきである。

菅総理が、以前身内の会合で、「官邸には情報が来ない」を嘆いたニュースが新聞に載っていた。冗談ではない。官邸にこそ情報は集まるモノだ。菅さんにまで届かないのは、途中で遮断されているのだ。

それは、官房長官の処だ。国民に信を問うていない仙石官房長官が、すべての判断を下しているのだ。

柳田法務大臣にも問責に問われるべき大きな責任はあるが、仙石官房長官の責任は、それ以上に大きい。柳田さんは自ら辞任をすべきだろうが、柳田さんの首で問題を矮小化してはならない。

国民や世界に恥を晒さない、国益をきちんと守ってくれる政権を選ばなければ。
写真:参院予算委員会でもたがの緩んだところをさらけ出す国会。

2010年11月20日土曜日

菅総理、「歯を食いしばって」までやってほしくないのです


最近、菅総理は、国会審議で「歯を食いしばってでも」とか「石にかじりついてでも」がんばっていきたいという政権を担う意気込みを連発している。

19日の参院予算委員会で、舛添さんが「世論調査で内閣支持率が30%を切った。その要因は菅総理の指導力が見えないためでは」と問うた。

それに対して、菅さんは「改造内閣がスタートし2ヶ月、尖閣問題では支持を失ったが、TPP、事業仕分けでは成果が出てくる段階になった。厳しいが歯を食いしばってでも成果が国民に見えるまでがんばりたい」と答えたのだ。

内政、外交共に「どんなに苦しいことがあっても(=石にかじりついても)」、評価されない「くやしさ、苦しみなどをこらえて(=歯を食いしばる)」、引き続き政権を担当する意欲を示したのだ。

しかし、「もうそんなにしてまでがんばってもらわなくてもいい」と国民は思っているのではないか。

菅さんが評価している「自由貿易の問題」は、農水省、経産省ではまるっきり反対の調査結果が出ている。関税撤廃になれば輸入食品は安くなるが、日本の農業は壊滅するとまで心配されており、民主党内でも意見が割れている。

民主党政権が鳴り物入りで始めた「事業仕分け」は、第3弾終了で一区切りするようだが、言われていたほどの成果もなく、今後の展望も全くない。

どうして、成果を国民に示すことが出来るのか。

外交でも菅政権は失態の繰り返しである。尖閣諸島近海での中国漁船領海侵犯、公務執行妨害での船長逮捕も、中国の恫喝にあい処分保留の儘釈放してしまった。「日本固有の領土」とは裏腹の外交処置ではないか。

国益を守るためにも即時公開が必要だったビデオ公開も、「隣国の嫌がることはやらない」方針で、部分公開にしたが、海上保安庁職員のネット投稿は80%の国民の支持を得た。

APECでの胡・国家主席との会談は、ペーパーを見ながらの会談で、お互いに従来の主張を繰り返しただけだという。

マニフェストもころころ変わる。財源確保との問題も絡めて、国民にしっかり説明する必要があると思うが、正式な記者会見は予定されていない。

閣僚では、柳田法務大臣の「2フレーム発言問題」は、国会を冒涜するモノで不信任決議案が提出されるという。

仙石官房長官も、自衛隊を「暴力装置」と表現し、撤回謝罪させられた。尖閣問題の処理の間違いを含めて大きな責任があり、自民党政権だったら更迭されているはずだ。仙石さんに頼ることの危うさをしっかり知るべきだ。

菅総理は「開かれたクリーンな政治」を目指すと言ったが、予算委員会の国会中継を見ていると以前の自民党政権と何ら変わらない。大臣席に座る人間が自民党から民主党に変わっただけだ。

「政治とカネ」では、小沢さんの国会招致もままならない。岡田さんの調整を待って必要なときに、自分が決断すると言うが、野党は小沢さんの国会招致をカードに使おうとしている。

菅さんが、歯を食いしばってがんばることに国民の70%以上は期待していない。

党内では、小沢さんが妙な動きをしていると言うが、民主党だって一致団結して菅政権を守ろうとはしていない。

本当に困った政権だ。世論調査での自民党支持率も、民主党と逆転している調査も出ている。しっかりしたメッセージを国民に送る必要があるのは、自民党も同じことだ。
写真:歯を食いしばってもがんばるという菅民主党官邸

2010年11月19日金曜日

期待はずれに終わる事業仕分けだったのか


目標の16.7兆円が4.5兆円に終わり、「廃止」事業の姿を変えた復活、自民党政権の政策から身内の政策の仕分け、改革を進めなければならない政務3役からの「これまでにしてくれ」の批判続出。当初期待していた事業仕分けも期待はずれに終わるのか。

政権交代選挙で民主党が掲げた「ムダの削除」、16兆円はひねり出せるという主張に、「自民党政権はそんなに無駄なことを税金を使ってやっているのか」と批判は高揚するばかりだった。

政権交代後も、民主党政権は事業仕分けをパフォーマンスに、高支持率の維持に努めた。蓮舫議員は、一躍脚光を浴び、参院選東京地方区で170万票も獲得する結果になった。

しかし、色あせることも早かった。説明員側の官僚を叩く事業仕分けは、回を重ねる毎に国民の注目度も低調になった。

私も全部とはいかなかったが、2日ほど一般参加してみた。

事業仕分けがうまく行くかどうかは、官僚の意識改革次第だと思っていたが、収入が激減しながら、且つ赤字の累積にもかかわらず、利権事業を通そうとする官僚に違和感を感じた。

法に定めた目的を達成するためには、国がやらなければならない事業が定められている。それを推進する為に組織(法人)を作り、スタッフを雇い入れなければならない。仕事の内容によっては専門業者に丸投げすることも考えるが、その専門業者も息のかかった組織にする。

役員には天下りを受け入れ、高給と事業の赤字は税金から補填すれば、何のリスクもないことになる。費用対効果など誰も追求しないから役人天国だ。毎年予算を計上すれば事業は何時までも続く。

事業によっては、自治体にも負担させる。何に使われるか、何のための負担かを詳細に検討せず、請求されたままに負担に応じた。

事業本体は東京都心の一等地に本社を構え、国民の知らぬ間に豪華なビルに入ったり、建てたりする。官僚の我物顔が罷り通る。
一度始めた事業を途中で止めたり、縮小することなど、官僚にとってはタブーだ。折角先輩官僚の築いた利権を手放すことなどやってはいけないことだ。自分の出世にも影響する。

今回の事業仕分けで、追求されていた主要点は、費用vs効果だ。私が聞いた事業では全く検討されていない。どういう項目で評価するかも決まっていない。確かに評価しにくい事業もあるが、だからこそ気を付けなければならないことだ。

事業の丸投げは常套手段であるが、丸投げするのであれば、直接やれば良く、何も法人を設立してまでやることはない。

競争入札などしていないので、費用は言いなりの価格だ。役人の天下りがあれば、その人件費に該当するコストも含まれている。事業仕分けでは、少なくとも5社で競争させると、3割は削減できると指摘されていた。確かに公共事業は、官庁仕様で3割は高い。

全体を通じて不思議に思ったことは、収入が激減しているのに、官僚のやる事業は水ぶくれ、焼け太りだ。普通の感覚なら人件費から削減し、維持管理費、運営費も極力削減することに真剣に取り組まなければならないが、その姿勢が見受けられない。

海外青年協力隊JAICAの高齢の理事長が年収2500万円、調整員が1000~1300万円、国内での職を辞めて海外で2年間のボランテイア活動している若者の年収が60万円と聞くと唖然とする。報酬が逆ではないか。

事業仕分けは私達に、問題意識を与えてくれた。政治の仕組みの一環を明らかにしてくれた。

しかし、一番大事なのは、官僚の意識改革である。それも高級官僚の意識改革が緊急の課題だ。それなくして改革は無理だ。

最後に「事業仕分け」そのものの必要性が問題になったようだ。自民党時代の政策を仕分けするうちは良かったが、民主党政権になってからの仕分けに政務3役から異論が出てきた。事業自体が、一定の業種、地域の活性化に大きく影響する補助金のようなモノに対しては、国会議員の利権がらみの様相を呈しているのだ。

事業仕分けへの批判は、菅政権の求心力の低下と共に拍車がかかっている。
写真:事業仕分け第2弾 ワーキンググループB 2010.10.28

2010年11月18日木曜日

中国漁船長釈放:指揮権発動は、本当に無かったのか


10月24日の突然の那覇地検による中国漁船長の釈放は、誰でも政治的決着と見ていたし、17日の参院予算委員会で野党が「中国との密約」説を糾したが、政府側はきっぱり否定した。しかし、思い返すと指揮権発動に準ずる行為があったことが想像できる。

18日の参院予算委員会の国会中継を見ていた。全部通して見ていたわけではないが、自民党の林さんが、柳田法務大臣を相手に指揮権の質問をしていた。それは「どういう場合に指揮権を発動するか」に関しての質疑だったと思う。

尖閣ビデオの公開の是非、中国政府との密約の有無、中国漁船長の釈放問題などが論戦のテーマになるのは当然としても、政府側の歯切れの悪さは否めない。裏に何かあったのではと疑いたくなる。国会の論戦は、菅政権にとっては厳しい。

指揮権発動があったかどうか、当時の新聞報道を読み返してみた。

中国漁船による、領海侵犯、海保の艦船との衝突事件は10月7日に発生、公務執行妨害罪で船長が逮捕された。

この時、「国内法で粛々と処理する」と関係者は大見得を切った。しかし、ここから中国側の恫喝が始まった。4人の日本人会社員の拘束、レアアースの輸出制限、APEC開催など切られるカードが日本に不利なモノだ。

10月22日、菅総理は「超法規的措置」を探ったようだ。過去にも人質解放に向かってこのようは措置が執られたことはあるが、中国漁船の衝突事件、公務執行妨害罪に対して超法規的措置を探るなんておかしい。

しかし、仙石さん、前原さんが動いたようだ。

同じ頃、米国でクリント国務長官と会談していた前原外相は、中国との関係を心配するクリントン国務長官に「もうすぐ解決する」と自信を見せたという。

そして、10月24日、逮捕拘置中の中国漁船船長を那覇地検は処分保留のまま釈放を発表した。「我が国国民への影響や今後の日中関係も考慮すると身柄を拘束したまま捜査を続けることは相当でない」とコメントしたことはまだ忘れていない。

柳田法務大臣は、早々と「指揮権発動はなかった」と会見した。疑惑を早めに打ち消そうと企んだのか。

那覇地検は、福岡高検、最高検と協力し判断したという。検察官一体の原則があるから当たり前の話だ。

しかし、尖閣諸島が日本領土であることを考えると、国内法で起訴すべきであり、不起訴は尖閣諸島を手放したことになる。誰だって今回の措置は間違っていると思うはずだ。

中国との関係、APECを成功裏に終わらせたいとする菅政権にとっては、中国の機嫌を損ねることは避けたようだ。

「法と証拠で処理することを旨とする」検察にとって、「今後の日中関係を考慮して」とは、政治的に判断せざるを得なかったことだ。

その政治的判断とは、直接に法務大臣が検事総長に発動する指揮権ではなく、それに準じた形で行なわれたのではないだろうか。

官邸の誰かが、最高検の誰かに、「超法規的決着」の可能性を臭わせばいいことだ。菅総理や仙石官房長官が直接法務大臣に言ったり、法務大臣が検事総長に言うと政治生命が終わることぐらい知っているはずだ。

菅政権の意を汲んで検察が釈放を判断したのではないか。それが次席検事のコメントに現れている。

検察官には一体の原則があるが、行政組織の一部である。指揮権発動に準じた動きがあったと見るべきだろう。

官政権の寿命も長くはない。国会審議を見てても閣僚の稚拙さには呆れるばかりだ。
写真:中国人船長の釈放を発表する那覇地検次席検事 2010.10.24テレビニュースより

国会中継で知る民主党政権の内情


今、国会中継が面白い。「面白い」というと、不謹慎に聞こえるかも知れないが、今の国会中継はいろんな情報を得ることが出来る。新聞では要点だけだったり報じられていないモノもある。質疑応答の中から、質問者、答弁社の顔、動作からその心境を掴むことも出来る。

自民党が政権政党で、民主党が野党だった時、政権政党として自民党大臣の答弁は曖昧で、攻める野党の方が正論を吐いていた。前原、長妻、馬淵さんらはよく勉強し厳しい質問を浴びせていた。

ダメな自民党政権、威勢の良い民主党。誰だって「政権が変われば日本も変わる」と淡い期待を持ったのも当然だ。

しかし、今政権交代して国会予算委員会の質疑を聞いていると、大臣席のメンバーが、自民党から民主党に変わっただけだ。

チョっと不思議に感じるのは、政策に関して国会で提案し、活発な議論をすることは当然と思うが、国会外で発言したことをメデイアを通じて知り、それが委員会の議論になっていることも多い。

17日のNHKの国会中継を聞くと、柳田法務大臣が、地元の会合で、国会答弁は2つのフレーズを使えばいい。「個別事案にはついては、答えを差し控える」「法と証拠に基づき適切にやっている」だという。

国会を冒涜する発言で、法務大臣の資質に欠けると責任を追及された。柳田さんはうってかわって神妙な顔つきで謝罪していた。しかし18日の世耕さんの質問で都合33回もこのフレーズを使っていたと聞き驚く。分からなければ、このフレーズを使えばよいとは、呆れかえる。

防衛庁のイベントで協力団体の代表が「民主党政権は早くつぶれた方が良い」と発言したことで、防衛次官が、「政治的発言をする者を関連行事に来賓として呼ぶな」という通達を出したことは、民間人の言論を統制するモノで撤回しろと自民党の衛藤議員が追求した。

北沢防衛相は、政治的中立を害するような行為は慎まなければならないと答弁したが、紛糾、答弁も聞き取れないほど騒然となり立ち往生、議論がかみ合っていないので理事が委員長に詰め寄って何やら話し合うシーンが何度も見受けられた。イライラしたのか、北沢防衛相は何度も水を口にしている。

18日にも世耕さんが、「憲法の表現の自由、言論の自由に反する通達だ」と追求したが、大げさとも言えない問題だ。

尖閣ビデオの公開について、「中国と密約が逢ったのではないか」と質問され、菅、仙石、柳田3人共にきっぱり「なかった」と否定した。あまりにきっぱり否定されるとかえって信用できなくなる。「あの人がそう言うのだから、そうなんだろう」と納得できる3人の顔ではなかった。

更に、限定公開では6分の内容で、実際に流出したのは44分、90%のことは分かっていない。「公開出来ないのか」と詰め寄ったが、「捜査中」を理由に政府は拒否した。

何を捜査中なのか。流出させた海上保安官か、釈放した中国人船長のことか。

民主党政権でも、相変わらずの秘密っぽい答弁で、民主党が標榜する「開かれた政治」都はほど遠い。

逆に、今世論調査では、民主党支持と自民党支持が拮抗し、自民党支持が上まる結果も出ている。正論を吐く自民党が政権に戻った時、どうなるのか。

大衆迎合に迷わされず、国会中継などしっかり聞いて、政権政党選択をしなければならない。

仙石官房長官、馬淵国土交通相の不信任案提出とも相まって、自民党は大臣の首を取りに行き、菅政権を揺さぶっている。

政治主導を通しているのか。大臣も答弁に行き詰まることも多いが、事務方の官僚の答弁は全くない。委員長の指示で事務方の官僚と相談している状態だ。ここは、官僚の答弁も許可しスムーズな審議を進めるようにしたらどうなのか(18日の参院予算委員会で気が付いた)。
写真:2010.11.17 NHK国会中継

2010年11月17日水曜日

事業仕分け第3弾:「再仕分け」でも「廃止」が続くエコ推進事業


取りまとめに入ります。12人中11人が「廃止」、1人が「予算計上見送り」で「廃止」と致します。こんな評決結果が相次いだ事業仕分け第3弾2日目のエコ推進事業関係の再試分けだ。

事業仕分け第3弾後半2日目(16日)を聞きに行った。ワーキンググループBはエコクラブなど関係事業、環境関係普及啓発事業、エコツーリズム推進事業など環境省関係の事業の再仕分けでも「廃止」が相次いだ。

見直し、統廃合の評決を受けた事業が、姿を変えて予算化され、焼け太りになっているのだ。

水環境保全活動普及促進事業では、官僚側の言い訳だろうか、「即時の効果は出ない」、「数値に表しにくい」、「時間をかけながら見直しを行なっている」、「ボリュウムが小さく限定的」と事業自体の特徴を説明していた。

そうはいっても、税金を使っての事業だ。効果がないものをやる必要はない。

全事業を通じて指摘されていたことは、共通点がある。

まず、啓発事業などを国がやる必要があるのか。実際に予算化しても国自体が事業をやっているわけではなく、自治体、NPO,民間企業に丸投げされている。国がやるとなると税金の無駄づかいに為りやすい。官僚は、啓発事業の必要性は法に記されていると言うが、評価者はアドバイスで良いのではないかと反論していた。

丸投げが、天下りの温床になっている。環境保全調査を入札した(社)国際環境研究協会は役員数15人のうち4人が官庁OB出、7月から1人常勤役員が増加している。この理由を聞かれても答えられなかった。

事業の手段、評価法も問題になった。

家庭部門におけるCO2削減のための「環境家計簿」の普及を図っている「我が家の環境大臣事業」では、マンネリ傾向にある。13万人が登録しているにもかかわらず、実際に家計簿を付けているのは2万人程度。「こどもエコクラブ」事業では27年度の125万人の参加目標を立てているが、初年度は43万人と言うが算出根拠が曖昧だ。
参加人数で評価するのであれば、事業を拡大すれば人数は増えるのは当たり前、「目標はCO2削減にあるのならば、削減量はどうなのか」という質問が飛んでいた。

0.001%のCO2を減らすのに、この事業は役立っているのかと言う質問も出てきた。

確かに数値化は困難だろうが、参加人数が増えれば削減量も増えていくと言う単純な考えだろう。夜になると、玄関から1階、2階とほとんどの部屋に電気がついている家庭が多い。我が家は、みんなが集まる居間しか電気を付けない。

「焼け太りではないか」という指摘もあった。

「我が家の環境大臣」と「こどもエコクラブ」の2事業は再編統合し、効率的な実施が指摘されていた。22年度は2事業で133百万円であったが、抜本的な改善で23年度は150百円になったという。「こどもエコクラブ」は自信を持ってやっている事業で、ユースエコクラ、社会人エコクラブ、シルバーエコクラブと階層毎に再構築したというのだ。

長妻議員が、「トータルとして国は環境問題の啓発事業に、一体いくら使っているのか」という質問だ。環境省、文部科学省或いは経済産業省などがそれぞれ別個に係わっているのは確かだが、誰も答えることが出来なかった。

エコツーリズム総合推進事業では、ルートとかガイドの育成であるが、HPでは宿の紹介をもしているが、趣旨に反するのではないか。民間に任せればいいことだ。

短時間でその事業が役立っているかどうか判断するのは難しい。要は官僚が自分たちで決めた事業をどうやってP→D→C→Aのサイクルを廻して改善しているかだ。それにはISO14000シリーズの環境管理計画などの手法を採用した方がよいのではなかろうか。

確かに金額は小さいではないかという感じ方はあるだろう。しかし、それが天下りなどの温床になっているし、税金の無駄使いの要因にもなっている。
官僚が事業を丸投げしたり、答えられなかったりすると、一般席から「行政のプロだろう!」と怒りの発言があった。大方の国民の考えを代表していると思った。

「法に定められているから、啓発活動をやるのだ」では国民に理解されない。
写真:事業仕分け第3弾後半 ワーキンググループB 2010.11.16 

2010年11月15日月曜日

尖閣ビデオ流出(3):国益を守った保安官、害した仙石官房長官

15日午後4時40分、テレビがス-パーで「逮捕見送る方針」を報じた。今日当たり方針が出ると言うことで注目していた。「国民の知る権利」を考えた場合、当然の結果であり、逆に仙石官房長官の政治的責任が追及される。

捜査機関は、根拠に逃亡、証拠隠滅のおそれがない、供述に大きな違いがないことをあげているし、自白した保安官も「広く国民に知って欲しかった」と供述している。

警視庁は「逮捕」を主張したが、検察は「逮捕見送り」の見解だったという。警視庁は管轄外であるが特に指名されて捜査したプライドがあり、逮捕したい気持ちは分かるが、検察の判断は国民目線上でも妥当な判断と思う。

一番のポイントは、「機密資料」か、「国民に知らしめて国益を害する資料」かと言うことだろう。私が読んだ法律書では、機密資料とは「上司が機密事項と決めた資料」、「秘の印が押された資料」が該当するという。一方、官僚がすべての資料を機密資料に指定すると、国民の知る権利をバランスを書くことになる。

最終的には「国益を害するかどうか」で判断すべきだ。そう言う意味で、海上保安官による尖閣ビデオ流出は、「公開することで国益を守る」ことにある。

検察OBは「けったるい、締まりの悪い事件」と表現していたが、分かる気がする。無理な逮捕、起訴は信頼を落としている検察が、更に信頼を落とすことになる。

この事件は、非公開にして「国益を害した」仙石官房長官の政治責任を追及すべきである。

仙石さんは、中国の反日、反政府運動が拡大するのを危惧してと思うが、「ナショナリズムを刺激することは避けなければならない」と記者会見でコメントした。我が国の国益を犠牲にしても、相手国の国益を守らなければならないと言うスタンスを取った。

この事件の対応の不手際は、仙石官房長官の責任が大きい。

中国や韓国に比べて、我が国のナショナリズムは低調だ。政治の不手際の追求も余りない。グローバリゼーションで政治、経済は全地球規模で考えなければならないという機運が大きく影響しているが、中国やロシアにそんなことは期待できない。

APECでの対中、対露首脳会談の菅総理のおどおどした様子は、相手に圧倒されていた。これで「国益を守れ」なんて無理な話だ。

菅総理の支持率は、さらに大きく下落し、求心力など残っていない。取りあえずやらなければ為らないことは、政治的責任を誰がとるかだ。

仙石官房長官の更迭しかない。

2010年11月14日日曜日

車が家電製品になる日
















勿論電気自動車だ。駆動用バッテリーはリチウムイオン電池、機械的パーツは基板に代わる。先の東京モーターショーでもその予感があったが、三菱自動車と家電量販店のビッグカメラが「普及に関する基本協定」を結んだことから大きく前進した。

9日にビッグカメラ有楽町店で、展示イベントがあった。

翌日の10日に有楽町店へ行ってみたが、それらしい様子はない。男性店員に「車は何処に展示されているのですか」と聞くと、「済みません、昨日1日のイベントだったんです」という。「車が家電製品になったのかと見に来たんです」というと、「チョット待ってください。パンフレットがあります」と駆け足で店内に入って、パンフレットを持ってきた。

「いつから始まるんですか」と聞くと、「三菱さんの考え方次第です」という。ビッグカメラは展示場に来たお客を三菱自動車に紹介だけするらしい。価格交渉などは三菱自動車になる。車の販売は、店頭は勿論のこと、顧客訪問も重要な仕事であるが、店頭だけの販売では限度もあるのではないか。

家電量販店の拡大は目覚ましいモノがある。そんなに市場のあるモノなのか。テレビでは新店舗開店のCMが流れているが、地方紙の電子版をみると採算の悪い店舗を閉鎖するニュースも流れている。

家電業界市場は5.7兆円になったが、ヤマダ電器のように売り上げが増加しているところと、ビッグカメラのようにマイナス成長と明暗が分かれているようだ。成長は伸び悩みである一方、競争は激化している。

エコポイント、地デジ化は需要と供給のバランスを崩してしまった。

各社新しい分野へ進出しようとしている。その一環がビッグカメラの電気自動車販売だ。

電気自動車が家電製品という発想は面白いが、車と電器製品では販売方法が根本的に違う。来客者を自動車メーカーに紹介するだけでは、同じ形態かもしれない。三菱自動車の人が、他の家電販売会社にも拡大していくと言っていたが、販売網の整備はこれからだろう。

電気自動車の売りは、「走行中のCO2排出がゼロ」だ。しかし充電するのでその時点で電気を造る時に排出するCO2がある。それでもガソリン車に比べれば1/3程度だ。
価格は高い。三菱自動車のiMiEVではメーカー希望価格が398万円だ。クリーンエネルギー補助金が114万円(上限)なので、284万円になる。一回の充電での走行距離約150km、街中を走るには十分だろうが、長距離は充電設備が必要になる。

充電施設は、コンビニ店舗でもサービスを開始している。私の住んでいるマンションの近くのコンビニで充電が可能だが、今のところプリウス級か。

そう言えば、有楽町の西武が12月に閉店するためのセールをやっていた。その後を家電量販店が入るという話を聞いた。家電の激戦区になる。そのそばに「有楽町で逢いましょう」の碑がある。ビッグカメラ有楽町店の前の所有者である「そごう」のCMソングだった。
注:2010.12.2 ヤマダ電機が、首都圏の店で三菱自動車の電気自動車の販売を開始した
写真上段左:そごうのCMソングだった「有楽町で逢いましょう」の碑
写真上段右:コンビにでは、電気自動車の充電サービスが始まっている
写真中段:12月に閉店する西部有楽町店 その後に家電量販店が入るという
写真下段左:三菱自動車の電気自動車パンフレット
写真下段右:ビッグカメラ有楽町店 昨日一日の展示イベントがあった。今は通常の売り場になっていた。

日本外交:APECで見た「味方は米国だけ」か







本来のAPECより、日中、日ロ首脳会談が注目された格好であるが、両首脳の顔を見るとその置かれている立場は一目瞭然だ。中国は予想されたとおり厳しい。笑顔は腰砕けと思われるらしい。ロシアは、口をへの字にした薄ら笑顔は、北方領土訪問が確信犯であることを表している。

一方、米国のオバマ大統領とは満面の笑みだ。それだけ見ても日本外交は、米国頼みでなければダメなことが分かる。

しかし、残念なことに、そのオバマ大統領も中間選挙で厳しい立場に立っている。改革→希望→失望→不満へのプロセスは、日本の民主党政権とも共通事項だ。

中ロの日本の領土問題への共同歩調は、中国主導であったが、米中関係、ひいては日米関係のギクシャクの隙間を着いた卑劣な無法行為だ。

尖閣諸島での中国船の領海侵犯、今回の衝突事件では、中国の主権拡大に危惧する米国が、「日米安保は尖閣諸島にも適応」というメッセージ送ってくれ、サポートされた格好になった。弱腰外交しかできない菅政権に撮っては助け船だ。APECで礼を言ったそうだ。

しかし、その米国とは普天間移設問題での日米合意を推進できるかどうかで揺れている。時8民党政権が長年にわたり築いてきた日米合意を、日米対等外交、県外・国外移設をうたって登場した鳩山政権により二転三転する結果になり、最後は落ち着くところに落ち着いたが、実施となると沖縄県民の抵抗に遭い、民主党政権を揺るがすことになる可能性がある。

民主党は政権与党にありながら、沖縄県知事選に候補者或いは推薦者を出せない事態に至っている。

それにしてもトホホな民主党政権だ。

老練な国会議員であっても、今まで政権の一翼を担った経験もなく、おまけに政治主導で官僚の判断、アドバイスを聞かない(?)仙石官房長官に頼る危険を、中国漁船衝突事件の処理に見ることが出来る。

捜査機関が起訴という間違った判断を下せば、民主政権はもう持たない。市民団体が「起訴処分」に対して、検察審査会に告発すべきである。
写真:APECでの首脳会談のニュースを流すフジテレビ・スーパーニュースより 2010.11.13

2010年11月13日土曜日

中国に強いメッセージを送るために


中国の国家主権に係わる強硬な政策に南シナ海では隣国と摩擦を起こしているし、東シナ海では尖閣諸島で領有権と海底天然資源を巡り、民主政権を揺るがす問題に発展している。

日本は、東南アジア諸国と協調して対中政策に当たらなければ為らないところであるが、一国だけ中国に対しては腰砕けの状態だ。

ここに来て、米国は中国牽制の意味から、インド、インドネシア、韓国そして日本と協調関係を築こうとしている。勿論、普天間問題で拗れている日米同盟の修復は緊急の課題であるが、県外移設がほとんど無理な状況では展望も開けない。

取りあえずやらなければならないことは、今回の中国漁船衝突事件で中国に強いメーセージを送ることだ。

それには、まず衝突事件のビデオを全公開すべきである。いろんな情報の中で、「ビデオは公開しない」という密約が中国と出来ているのではないかという疑念がある。隣国の不利な情報を公開しないと言うこと自体、腰砕け外交、属国外交である。

そして、流出実行者である保安官は、不起訴処分にすべきである。そもそもこのビデオは
「国に重大な害を及ぼす」資料ではなく、逆に有益な資料である。非公開こそ、国に重大な害を及ぼすと考えるべきである。

更に、政治的落としどころとして、仙石官房長官の更迭だ。

事件を省みると、その混乱の原因は、「粛々と国内法で処置する」と言った口の渇かぬうちに、「今後の日米関係を考慮」して処分保留のまま、船長を釈放したことだ。ビデオを見ると、船長や漁船員の不貞不貞しい態度、海保の艦船に体当たりし多幸道は普通の漁船とは思えない。早くから工作船ではないかと思っていたが、その調査結果も明らかにされていない。

APECを控えて中国の参加は欠かせないことから、政権が弱腰になっていることは明らかだ。中国の自分勝手の横暴な行為を抑制さすためにも同盟に取り込んでおくことは大切だが、国の主権まで手放してはダメだ。

責任問題として、海上保安庁長官は当然としても、国土交通相仁摩で責任が波及することを回避しようと仙石さんは「政治職と執行職では責任の取り方が違う」とでも言いたいのだろうが、今回の事件の処理に対しての混乱の原因は、官房長官の判断ミスにある。

国会であらゆる手段を使っても、更迭に持っていくべきだ。これなくして中国への強いメッセージは送れない。「恫喝すれば折れる政権」であるレッテルを剥がさなければならない。
写真:海保の艦艇に衝突を繰り返す中国漁船 2010.11.13 日本テレビ ウェークより