2010年11月18日木曜日

国会中継で知る民主党政権の内情


今、国会中継が面白い。「面白い」というと、不謹慎に聞こえるかも知れないが、今の国会中継はいろんな情報を得ることが出来る。新聞では要点だけだったり報じられていないモノもある。質疑応答の中から、質問者、答弁社の顔、動作からその心境を掴むことも出来る。

自民党が政権政党で、民主党が野党だった時、政権政党として自民党大臣の答弁は曖昧で、攻める野党の方が正論を吐いていた。前原、長妻、馬淵さんらはよく勉強し厳しい質問を浴びせていた。

ダメな自民党政権、威勢の良い民主党。誰だって「政権が変われば日本も変わる」と淡い期待を持ったのも当然だ。

しかし、今政権交代して国会予算委員会の質疑を聞いていると、大臣席のメンバーが、自民党から民主党に変わっただけだ。

チョっと不思議に感じるのは、政策に関して国会で提案し、活発な議論をすることは当然と思うが、国会外で発言したことをメデイアを通じて知り、それが委員会の議論になっていることも多い。

17日のNHKの国会中継を聞くと、柳田法務大臣が、地元の会合で、国会答弁は2つのフレーズを使えばいい。「個別事案にはついては、答えを差し控える」「法と証拠に基づき適切にやっている」だという。

国会を冒涜する発言で、法務大臣の資質に欠けると責任を追及された。柳田さんはうってかわって神妙な顔つきで謝罪していた。しかし18日の世耕さんの質問で都合33回もこのフレーズを使っていたと聞き驚く。分からなければ、このフレーズを使えばよいとは、呆れかえる。

防衛庁のイベントで協力団体の代表が「民主党政権は早くつぶれた方が良い」と発言したことで、防衛次官が、「政治的発言をする者を関連行事に来賓として呼ぶな」という通達を出したことは、民間人の言論を統制するモノで撤回しろと自民党の衛藤議員が追求した。

北沢防衛相は、政治的中立を害するような行為は慎まなければならないと答弁したが、紛糾、答弁も聞き取れないほど騒然となり立ち往生、議論がかみ合っていないので理事が委員長に詰め寄って何やら話し合うシーンが何度も見受けられた。イライラしたのか、北沢防衛相は何度も水を口にしている。

18日にも世耕さんが、「憲法の表現の自由、言論の自由に反する通達だ」と追求したが、大げさとも言えない問題だ。

尖閣ビデオの公開について、「中国と密約が逢ったのではないか」と質問され、菅、仙石、柳田3人共にきっぱり「なかった」と否定した。あまりにきっぱり否定されるとかえって信用できなくなる。「あの人がそう言うのだから、そうなんだろう」と納得できる3人の顔ではなかった。

更に、限定公開では6分の内容で、実際に流出したのは44分、90%のことは分かっていない。「公開出来ないのか」と詰め寄ったが、「捜査中」を理由に政府は拒否した。

何を捜査中なのか。流出させた海上保安官か、釈放した中国人船長のことか。

民主党政権でも、相変わらずの秘密っぽい答弁で、民主党が標榜する「開かれた政治」都はほど遠い。

逆に、今世論調査では、民主党支持と自民党支持が拮抗し、自民党支持が上まる結果も出ている。正論を吐く自民党が政権に戻った時、どうなるのか。

大衆迎合に迷わされず、国会中継などしっかり聞いて、政権政党選択をしなければならない。

仙石官房長官、馬淵国土交通相の不信任案提出とも相まって、自民党は大臣の首を取りに行き、菅政権を揺さぶっている。

政治主導を通しているのか。大臣も答弁に行き詰まることも多いが、事務方の官僚の答弁は全くない。委員長の指示で事務方の官僚と相談している状態だ。ここは、官僚の答弁も許可しスムーズな審議を進めるようにしたらどうなのか(18日の参院予算委員会で気が付いた)。
写真:2010.11.17 NHK国会中継

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