2010年12月26日日曜日

政権交代を狂わすマニフェストと小沢さんの存在


「マニフェストに拘っていると政権が持たなくなる」と言う内容の記事を以前書いたが、2011年度も赤字国債発行額が税収を超える総額92兆4000億円の予算案が閣議決定したが、不健全財政も2年目に入った。

統一地方選を控えて衆院選の時のマニフェストを実施に移そうとすると、財源不足で四苦八苦し、埋蔵金頼みの予算編成もここが限度だという。

子ども手当、農家の戸別所得保障、高速道段階的無料化、埋蔵金発掘、普天間移設問題での「県外、国外移転」など自民党政権の政策とは差別化を図ったマニフェストを公表した。年金問題など国民を裏切る自民党政権時の不正もあって自民党政権は大きく信用を失ったが、一方で民主党のマニフェストは、メデイアでも大きく議論されるところとなった。

高速道無料化問題は、発案者と自民党議員や猪俣さんがその可能性、考え方の違いを主張し合ったが、利用者負担が当然と思っていても無料化できるのであれば無料の方が良いに決まっている。その絡繰りの是非が分からず、社会テストという中途半端な政策に為ってきた。。

何故か民主党が執念を燃やす子ども手当は子供をもつ親でも反対する程の政策であり、戸別所得補償と共に自民党支持基盤崩しの色合いが強かったし、そうなった。

官僚主導で国民には知らされない巨額の財源が特別会計に眠っているというセンセーショナルな話は注目を集めた。約200兆円になる特別会計だから、10%節約しても20兆円は浮く勘定になると私も考えた。しかし、財務省のHPの特別会計を見るとそれぞれ用途の決まっているモノなど、安易に崩して使えそうなモノは見あたらない。事業仕分けでもあぶり出された。

又、我が国の安全保障に係わる在日米軍再編成での普天間移設問題は、自民党政権下でまとまっていた日米合意を、対等外交の名の下で「県外、国外移設」に大きく方向転換し、挙げ句の果ては日米合意に戻った。鳩山政権の失策であったが、尖閣諸島における中国の無謀な領有権主張をはじめ、外交上の失点に繋がった。

経済政策としては、「強い経済、強い財政、強い社会保障」の実現を目指し、今までの経済ではない「第3の道」を提案した。増税で得た資金を雇用を生む成長分野に投入するというものだ。増税で得た資金を正しく使えば成長する都主張したが、今の経済状態で増税は禁物だとする主張と真っ向から対立するモノだ。橋本内閣で増税し、景気が失調した苦い経験がある。

自民党が財政健全化法案を出しているように、我が国の借金は900兆円に及ぼうとしているが、政府が持つ資産を考慮すると約600兆円で心配することはないと主張する学者もいる。しかし、先進国でワースト1であることに違いはない。

社会保障を目的とした消費税増税で対応しなければ財政再建は覚束ないと自民党は10%を提案した。一方民主党は4年間消費税は上げないコトを公約にしたが、ここに来て菅総理は増税に言及し、自民党案の10%を参考にすると唐突な提案で、参院選に大敗した。

野党である自民党がどんな税率を提案しようが、国民はあまり反応しないが、政権与党の発言には国民は大きく反応した。自民党も言っているのだから影響は同じだろうと考えた菅さんは間違っていた。

提案した公約を頑なに守ろうと赤字国債を発行し財政健全化に逆行する民主党政権に、マニフェストの見直し、優先順位を付けた堅実な予算執行を求める意見もあるが、統一地方選を控えた政権にとっては財政健全化を犠牲にしてでも票を取りに行きたいのだろう。

ここは、国民がしっかり考えなければならないところだ。

先の衆院選での政権交代は、出来もしない民主党のマニフェストへの大きな期待、「自民党政権ってそんなに悪かったのか」という自民党に対する嫌悪感、「政権交代しようではありませんか」のムードにながされ、それに選挙制度の特異性から民主党に大きな勝利を与えてしまった。

有権者は、民主党マニフェストを理解していたわけではない。中央ではメデイアがマニフェスト論争を繰り広げるが、地方ではニコニコ笑顔と握手戦術で名前を売ることしかやっていない。「自民党政権は・・・」、「子ども手当は・・・」、「政権交代してみようではありませんか」を言っていれば、通行人から「がんばって」と握手を求めてくる異様な情景が見られた。

民主党新人候補は、小沢軍団という選挙のプロ(?)が付き、手取足取り指示してくれる。記者に「ノーハウ?」と聞かれ、「企業秘密」を答えていた。小沢さんは選挙の神様ではなく、低俗下させている元凶なのだ。

そして今、小沢さんを抱える民主党は党内抗争中で分裂の危機にある。一度提案したマニフェストを頑なに守ろうとして財政赤字を膨らましている。折しも世論調査では自民党が支持を逆転した。

成熟した熟議は、成熟した選挙民に選ばれた成熟した国会議員からでないと期待できない。

周辺に惑わされず、候補者が何を主張しているのか。しっかり確認することだ。
写真:左中央奥に自民党本部、右中央奥に民主党本部

2010年12月24日金曜日

民主党の変質:「反自民」から「自民化」へ

民主党が変質してきた。野党時代は自民党政権との違いを出すために、ことごとく自民党に反対した。しかし、政権の座に着くと、思わぬ現実に遭遇し、掲げていた政策は大きく変質し、ついには自民党化してきた。これでは「民主党も自民党も変わらないではないか」と思われても仕方ない。

野党時代の民主党は、歯切れの良い正論で、自民党政権を追求してきた。幹事長だった鳩山さんのコメントを聞くと、民主党政権になったら「新しい政治が始まる」と多くの国民は錯覚をおこした。

先の衆院選で掲げた民主党のマニフェストは、後出しの自民党のマニフェストに比べて、政策の作り手である若手の民主党国会議員が、自信ありげに論ずる政策は説得力があるかに見え、雪崩的に自民党を政権の座から引きずり降ろした。

子ども手当、農家の所得保障、高速道路の段階的無料化など、財源の心配はあったが、国の予算は無駄使いが多く、予算の組み立て方を根本的に見直したり、埋蔵金発掘で十分対応できるとの触れ込みは、国民の不安を一時払拭するものだった。

悪の温床だった族議員の利権誘導を排除するために陳情を民主党幹事長室に一元化しようとした小沢改革も、開けてみると小沢さんに権限が集中する結果になった。

しかし、如何にせん何かをやろうとすると、その財源だ。税収が減りマニフェストを推進しようとすると、赤字国債の発行になる。パフォーマンスと批判された事業仕分けも思うような結果はでなかった。特別会計も「すき焼き」ではなかった。

鳩山政権では普天間移設問題で、日米対等の安全保障を重視し「県外、国外移設」を主張したが、うまく行くはずがない。自民党政権で13年間かかって合意に至った日米合意に戻っていった。

財政健全化も最重要課題だ。財政再建か景気対策か、大いに揉めるところであるが、菅総理は唐突に消費税増税を打ち出し、参院選で敗退することになった。税率は自民党の主張する10%を参考にすると言った。これには民主党支持者も驚いただろう。

その後次々と民主党的とは思えない「ダーテイーで閉ざされた」事態が起こった。

「政治とカネ」では、鳩山、小沢さんの2トップの政治資金規正法違反問題が明るみになった。金満、金権政治は自民党の悪の遺産だが、民主党に引き継がれていた。その後の2人の行動は「クリーンで開かれた政治」とは大きくかけ離れ、今その処理に右往左往している。

外交では、対中、対露で大きな汚点を残す結果になった。公開すべき尖閣ビデオも政府は隠そうと試みたが、一保安官によってインターネットに流出した。自民党は「何故公開しなかった」と批判を強めたが、国益を害したのは仙石官房長官で、問責決議され、その責任をどうするかも菅総理の決断にかかっている。

官邸機密費の公開も野党時代に誓ったが、民主党政権になっても高額の機密費が何らのチェックも受けずに支出されている。選挙や国会でゴタゴタが続くと支出額も」増加するらしい。

やっと閣議決定された予算案も92兆4000億円、税収41兆円、国債発行44兆円と赤字財政を2年間継続することになる。菅さんは、元気な日本を取り戻すためと言うが、「こんな国家予算のあり方を何年続けるコトが出来るか」と聞かれた仙石官房長官は2年だろうと答えたこともある。

統一地方選を控えて、票獲得のため国家財政を犠牲にしてでも無理なマニフェストをごり押ししようとする民主党に明日はない。民主党も族議員、支持団体、業界の判断を仰ぐ政策決定へシフトしており、自民党的である。

更に「ねじれ国会」での国会運営の改善のために、衆議院での議席の2/3を確保するための「数合わせ」のため社民党との強調を模索し、野党と連立の動きが活発だ。菅さんは、「たちあがれ日本」に対して入閣を餌に連立構想を展開しているコトが分かった。

連立も人材的には旧自民党が主流だろう。

民主党は、「反自民」から「自民化」へ変質している。結局、「クリーンで開かれた政治」が容易でないのであれば、自民党でもよいのだ。

2010年12月21日火曜日

小沢政倫審拒否:菅さん、小沢さんに展望があるのか

政治資金規正法違反での政倫審への出席を頑なに拒否した小沢さん、決裂で苦悩する菅総理、岡田幹事長だが、小沢さんに今後の展望があるというのか。

予算編成や税制問題など、他に多くのやることがある政治課題をほったらかして、そんな揉め事をやっている時かと多くの国民が首をかしげるのも分かる。

しかし、民主党執行部にとっては、小沢さんの存在自体が「政治とカネ」、主導権争いの党内抗争の火種であるし、野党にとっても政界再編、連立構想のキーマンに小沢さんがなることに大きな警戒感を抱いているはずだ。

強制起訴を待つ身でもあり、小沢さんは遠ざけたい政治家であるのだが、「今だからこそ小沢さんに期待する」と訴える国会議員もいる。

小沢さんに何が期待できるのか。

言われているのは、(1)剛腕で引っ張っていく指導力、(2)行き詰まった政局を打破できる、(3)選挙に強く民主党劣勢をカバー出来る、(4)民主党が訴えている政治主導の推進、(5)ギクシャクした対中、対米関係の改善、(6)マニフェスト推進に当たっての財源不足などへの対応が考えられる。

もし、あるのであれば何故今、菅政権に協力して「日本の危機」を脱そうとしないのか。何もないのであれば、ただの党内権力闘争ではないか。それこそ両者が共に国民の信頼を失う結果になる。

「政治とカネ」で小沢問題にケジメを付けることが、民主党政権の浮揚に良い方向に影響する可能性は考えられ、民主党の目指す「クリーンな政治」に一歩前進することになる。

菅執行部は、本気でケジメを付けるには、企業献金、団体献金に真剣に取り組まなければならないと思うが、小沢さんの離党勧告、除名処分も重要な対応である。ここまで来て腰砕けになることは、「政治とカネ」に反省がないコトになる。

一方、小沢さんの「離党しない」という姿勢は変わらないのか。小沢さんがこのまま民主党内にとどまることは、一兵卒であっても党内はギクシャクする。兎に角、執行部の言うことを聞かないのだから、政策や選挙で権力の二重構造ができあがる。小沢さんを利用し、自分の価値観を高めようとする取り巻き連中が暗躍し続けるだろう。

そして事あるごとに、党内抗争、分裂の危機、分裂回避の繰り返しで不安定な政党に変わりなく、政権を託するに値しない政党なのだ。

通常国会までには、ケジメを付けて欲しい。政権を託せる政党なのかどうか。

2010年12月19日日曜日

小沢さん 国会招致拒否の前に国会議員を辞めるべきでは

国会議員としての矜持はどうなっているのか。小沢さんは国会議員として、その政治活動の是非が問われているのではないか。政治家自ら国会で潔白を主張出来ないのなら、きっぱり議員を辞めることだ。

政権与党内が、小沢さんの国会招致の賛否で揉めていること自体が、政治に混乱をもたらすばかりか、国益に沿う行為ではない。小沢さんに群がり一緒になって反対する国会議員は、何故「国会に出席して事実を説明すべきである」と進言できないのか。それが真っ当な国会議員としての役目ではないのか。

原口前総務相をはじめ、小沢擁護派は政治資金規正法の何処に違反しているのか、何を説明すればいいのかと反論するが、そうだとすれば国会で、そのことを議論すればいいのではないか。国会外で言い合っていても何も進展はしない。

私は法解釈に迷ったら、法第1条目的を読み返せと教えられた。

政治資金規正法は、政治家の政治活動が公明正大に行なわれているかどうかを、国民が判断するためにその活動を規正しているのだ。政治資金収支報告書は政治資金の使い道ばかりでなく、その原資の正当性もチェックしなければならないのだ。

小沢さんには、土地購入、新進党解党時の残った政治助成金の処理、西松建設などからの企業献金で大きな疑惑が持たれている。検察審査会の議決の中に、告発外の項目が含まれていることに、議決の違法性、無効を主張する向きもあるが、政治資金規正法の主旨から言えば、当然のことである。

今まで小沢さん側は弁護士の入れ知恵で、いろんな手を打ってきたが、悪あがきとしか言いようがない。その論法は身勝手そのものではないか。

国会議員として国民から選ばれ、国民の税金で報酬を得ているコトを考えれば、一般の国民と同じように論ずるべきではない。

もしそれが不服であるのなら、まず国会議員を辞するべきである。辞して思うように法廷闘争すれば民主党にも政府にも混乱は最小限にすることが出来る。政治に安定(?)をもたらすのであれば、この方が国益に叶っている。

在籍したまま悪あがきを続けるよりも、きっぱり身を退いた方が小沢さんの評価が上がるのではないか。

国会議員としての矜持を持て。

民主党は党内抗争、分裂回避を繰り返す不安定な政党


民主党はその歴史から見て、党内抗争、分裂の危機、分裂回避を繰り返す政党で、とてもではないが政権を担える安定政党ではない。その危機が又迫ろうとしている。一層のこと分裂し整合性すべきである。

民主党の党内抗争、分裂の危機、分裂回避を見るには、7年前の民・由合流の頃までさかのぼる。

平成14年11月、当時の鳩山民主党代表は「国家と国民のため」という理念を掲げ、小沢自由党党首が無条件でそれを了承し合流の協議をしたが、民主党内がまとまらずご破算になった。鳩山さんは代表を辞任し、菅さんが跡を継いだが、菅さんは合併に消極的、鳩山さんは積極的だった。

しかし、菅さんは、対立する鳩山グループの離党の動きを察知して民主党分裂を回避するために自由党との合併を蒸し返し、平成15年7月23日、菅・小沢会談で小沢さんは民主党の条件を丸飲みし合併した。

満面の笑みで両者が握手し調印する姿がテレビで映ったのを覚えている。

小沢さんは、ひさしを借りて母屋を取る戦法に出たが、菅さんは党内権力をただ維持することのみを目的にしていたのではないだろか。

2007年11月には、福田・小沢党首会談で小沢さんは連立協議を目指したが党内の強い反発にあい代表辞任になったが小沢さんの離党、分裂の危機を回避するために説得され、小沢さんは撤回した。

この時、小沢さんは「民主党はまだ政権を担う能力はない」と弁明した。

そして、今、「政治とカネ」問題で小沢さんを政倫理審に出そうとする菅執行部と出席を拒否したい小沢さん側が、抜き差しならぬ状況になってきた。

今回は、菅総理、岡田幹事長も強気の姿勢だ。出席を拒否するなら離党勧告を出すことになるのか。そこで小沢グループの離党、民主党分裂危機が起ころうとしている。

民主党には、鳩山、菅、小沢という役者で権力闘争し、常に分裂の危機に瀕しており、とてもではないが日本を治める政権に付ける状態にはないのだ。ある意味で小沢さんの見方は正しかったが、先の総選挙で「政権交代」を訴え、政権を取りにいったのはどうしてなのか。今がチャンスと見て無理なことをしたのか。

小沢さんは、代表選に敗れ、「脱小沢」でとんでもない一兵卒になったが、小沢さんの「政治とカネ」問題の処理に右往左往する執行部も情けないが、小沢さんも小さな政治家になったモノだ。

「理念らしいもの」を持っていそうな鳩山さん、「何の理念もない」菅さん、そして「権力を得るには何でもする」小沢さんに何を期待できるのか。

ただ政権維持のために、無理して分裂を回避し続ける民主党に「新しい政治」を期待するのはどだい無理な話だ。

「民主党にこのまま政権を託せるか」を大義名分で、解散・総選挙に打って出るべきではないか。

2010年12月18日土曜日

浅草・羽子板市:景気をハネ上げ、邪気をハネ飛ばそう
















景気をハネ上げようと、今年最後の浅草観音様の縁日である歳の市「羽子板市」に行って来た。大きいのが売れる度に「浅草の皆さん!お手を拝借。ヨオ― ジャンジャンジャン・・・・・、ありがとうございました」の声が、あちこちの店から聞こえる。 

雷門から仲見世通りは大混雑だ。正月らしい羽子板、コマ、賀庄、干支であるウサギの飾り物が飾ってある。宝蔵門を入ると、正面に浅草寺が見える。大修理も終わって屋根も新しくなった。瓦がチタン製になったそうだ。高価だがトータルで維持管理を考えるとメリットがあるらしい。微妙な色の差は分からない。

左手に、羽子板の店が出ていた。小物から本金正絹の高級品まで種類は豊富だが、ほとんどが押絵羽子板で押絵は歌舞伎俳優が多い。「どうして絵柄は歌舞伎なんですか」と聞くと「江戸時代は歌舞伎俳優がモデルだったんです」と教えてくれた。

大きさにより値段が違うが、18、000円が8、000円、55、000円が2、5000円と半額の表示が出ているが、大きいモノだと、値札がない。交渉するのだろう。

今問題を起こしている海老蔵さんの「海老蔵の助六」もあった。すでに作った後で事件が起きたのだろうか。どうしようも無く仕方なしにだしたのか、激励を込めてだしたのか。「精進し、芸を磨いて」とメッセージが掲げられていた。

ある店で、「これはッ」と思う羽子板が見つかった。よく見ると内閣総理大臣賞受賞とある。モデルの顔、着物にも気品が感じられる。「いくらぐらいするんですか」と聞くと、「75,000円です。保証書もつきますよ。デパートでは同じモノが10万を越えるんじゃないですか」という。

中には変わった羽子板もある。ノーベル賞受賞者や大喜利、ゲゲゲの女房など今年1年話題になったモノだ。

昔は、歳の市と言って、正月用品を準備する市だったそうだが、今は羽子板を売る店が主流になった。
それも飾り物としてだ。遊びようの羽子板は別に売られていた。

羽子板は縁起物で、景気をハネ上げ、邪気をハネ飛ばすと言うのだが、気持ちのせいか、余り売れ行きは良さそうになかった。羽子板を提げて帰る人が少ない感じだ。

当分景気回復は期待できそうにないと皆思っているのかも知れない。
写真上段左:お正月の飾りができ、ごった返す仲見世通り
写真上段右:新しくなった浅草寺の屋根 チタン製の瓦で色の変化があるというが分からなかった
写真中段左:「海老蔵の助六」羽子板 「精進し芸を磨け」とメッセージがつけられていた
写真中段右:総理大臣賞受賞の羽子板 さすが気品がある出来だ
写真下段:羽子板市の露天

何故だ:菅さんは総理を辞めず、小沢さんは政治家責任を果たさない

菅さんは「石にかじりついても」がんばると言うし、小沢さんは国会の政倫審に出席せず、政治責任を果たそうとしない。野党時代は正論を吐き、元気の良かった民主党がどうしたんだ。

人間は、非常事態に際した時に、どう行動するかでその人の価値が決まるが、この2人は大した人材ではなかったのだ。

内閣支持率も20%近くに下落し、その要因が「指導力の無さ」にあると言うことで、ここ数日、菅総理が指導力を発揮し決断した政策を官房長官が改めて読み上げたが、そう言うことは、その時にコメントすべきコトで、今更言われても誰も信じる者はいない。

極最近、諫早湾開門、法人税5%下げなど菅さんが指導力を発揮したと思われるものもあるが、「よく考えず」決断した「独断専行」の心配もある。あらゆるコトに財源の確保が必要なのだが、その手当が出来ていない。

「ただ総理になりたくてなった」菅さんには、総理の座にしがみつく面子しかない。内閣支持率を上げることしか念頭にない菅さんに政治を託すことは出来ない。どうやって総理の座から引きずり降ろすかが課題だ。

民主党の両院議員総会、党大会がチャンスだが、新たに代表=総理を決めて、解散・総選挙で国民の信を問うコトになるのか。海外から見れば「何をしているのか」と思うだろうが、今日本政府に期待することはないのかも知れない。

菅内閣支持率の下落は勿論のこと、民主党支持が落ち自民党と逆転したこと、国会審議の曲折が心配される今の政局の原因の一つに「政治とカネ」の問題がある。

そのターゲットが小沢さんであり、与党が主張する政倫審への出席、野党が要求する証人喚問が取りざたされているが、小沢さんは頑なに拒否している。

「やましいことはない」のであれば、何時出て行っても問題ないと思うのだが、小沢さんはそうは思っていない。

自分を「政局のカード」として、今出席しても国会審議や統一地方選が有利に展開するという展望が持てないと言うのだ。

何という高慢な考えなんだ。自分を相変わらず、政局打開の「カード」として使おうとしているのだ。
こんな小沢さんにしたのも今の政界の面々の責任である。今まで政治は常に「親小沢vs反小沢」の構図で進んできた。反小沢、脱小沢に転ずれば支持率が回復する現状からも伺える。

小沢さんは、本当に自分の考えで動いているのか。小沢側近と言う人達の思惑で動かされているのではないのか。

小沢さんに群がるコトで自分の価値、利を見いだしている人も多いだろう。そんな人に利用されているだけの小沢さんではないのか。

小沢さんの政治資金規正法違反事件は、小沢さん自身の疑惑を解明することにある。法定弁護人が事情聴取の意向を示したことに、小沢さんの弁護人が「必要ない」の判断を示した。これでは法廷闘争ではないのか。

小沢さんが政治生命をかけるのであれば、政倫審ばかりでなく、証人喚問も受け、政治家責任を全うすべきである。

今政界は再編か連立かで蠢いている。烏合集散が始まるが小沢さんが国会議員でいる限り、「小沢さんとの距離」が基準になりかねず、日本の政治は間違った方向に進みやすい。

小沢さんが「日本の危機」を憂うるのであれば、自身がまず国会議員を辞することだ。そうすると国会運営は相当改善することが期待できる。

2010年12月16日木曜日

忠臣蔵で考える今の世相











12月にはいると、もれなく出てくるのが忠臣蔵に関連する大型ドラマや特別番組だ。ストーリーに手が加えられ、浅野善人、吉良悪人の構図で語られるが、真相はどうなのか。忠臣蔵から現代の世相が見えてくる。

「あんなコトがなければ、これ程多くの人にお参りしてもらうこともなかったろうに」と老婆が線香を供えながら、手を合わせていた。意外にも若い女性の姿も目立つ。墓所では線香の臭いと煙が立ちこめていた泉岳寺を義士祭翌日の15日に、そして16日に両国の吉良旧訪ねた。

元禄14年(1701年)3月14日、松の廊下で刃傷に及んだ浅野内匠頭は即切腹、一方の吉良上野介は、お咎めなし。これでは納得の行かない大内内蔵助をはじめとする赤穂浪士は、元禄15年(1702年)12月14日、吉良邸に討ち入り本懐を遂げた。今から308年前のことだ。

それから50年後、上演された「仮名手本忠臣蔵」は、手を加えられ、浅野「善」、吉良「悪」のストーリーになり、勧善懲悪で人気を博した。それが今に続いているのだ。

今、メデイアの報道が世論構築に影響していると危惧されている。小沢さんの政治資金規正法違反事件での、検察情報の垂れ流し報道が小沢さん=悪の構図を形成したコトは、真実は別としても事実である。

しかし本当に吉良上野介は悪人だったのか。

泉岳寺で「どうして浅野内匠頭が、吉良上野介を斬りつけたのか」と聞くと、「そこがはっきりしないのです。はっきりさせる前に切腹になったのです」という。「吉良上野介は、悪人どころか、吉良では名君として慕われているではありませんか」と聞いてみた。

農民が苦しめられている洪水対策として一夜のうちに堤を築き黄金提と言われている。新田を作りその一部を塩田にして饗庭塩を作った。討ち入りで不運の名君とまで言われている。

でも地元で評判の名君であっても、幕府に入るとまた別の評価を受けるものだ。浅野内匠頭の接待役を指導する立場にあれば、虐めや賄賂などいろんなコトがあったのだろう。浅野内匠頭が「この間の遺恨おぼえたか・・・」と斬りつけたコトから推定されている

更には、赤穂の塩は品質が良く、吉良の塩は品質が悪かった。今で言う品質管理が行き届いていて、赤穂の塩はグレードを指定すれば実物を確認いなくても安心して買うコトが出来たそうだ(「峠から日本が見える」堺屋太一)。この点でも遺恨があったコトが考えられる。

この重要なタイミングに何故こんな行為に及んだのか。当時浅野内匠頭は35歳、清廉潔白であったが短気で気まぐれでもあったという。後のことを省みず、切れてしまったのか。この時、吉良上野介は61歳。吉良邸跡に新しく設置された吉良上野介の木像を見ると、高齢での老練さは滲ませているが、ドラマで作られた悪面には見えない。

今、子供が親を殺し、親が子供を殺す家族間の事件が多発している。「殺したら家族はどうなるか」推論する力が欠けている。若者が我慢出来ず、キレ易いのも心配だ。

また、為政者は地元では評価される人物でも、国全体で考えると悪者と思われる人もいる。政治とカネ」のスキャンダルを抱えている政治家、地元に利権誘導する政治家然りだ。

何はともあれ、忠臣蔵がこうも人気があるのは、この赤穂浪士47士の行為が主君に対する「忠」「義」
であったことだ。かなり前までは、日本社会にもこの忠義はあった。これが日本経済、社会を引っ張ってきたコトは確かだ。

いかし、今、経営者は簡単に従業員をリストラする。安い原材料、人件費を頼って海外へ進出し、国内は悲惨な雇用状況だ。大企業は社内留保するが、無理した雇用の確保は避ける。アメリカ式の経営が評価され、経済はグローバル化しているが、日本式経営は何処にいったのか。

当時喧嘩両成敗で、双方同じ処罰を受けると思われていたが、幕府はどうしてか、吉良上野介に「お咎めなし」だったコトで、何か不穏な動きがあるのではないか、あったときのことを考えて吉良邸を大川(隅田川)の東に移させたという。

最後に、政府も政策推進に当たっては、国民の常識を無視してはいけない。「国民目線」を大事にした判断を取らないと政権の存亡に係わる結果になる。犠牲になるのは、国民であることを忘れてはいけない。

308年前の出来事から、いろんなコトを考えさせられる。
写真上段左:吉良邸跡
写真上段右:吉良上野介の木像と首洗い井戸
写真下段左:泉岳寺 14日には義士祭が開かれる
写真下段右:赤穂四十七士の墓所 本当は四十六士 一人は広島に討ち入りの報告に行っていたが、6月に江戸に帰ってきた時には、仲間は切腹後だったという。

2010年12月15日水曜日

政治の現状打破は、「数合わせ」でなく、解散・総選挙か


ただ総理になりたくて、一番手に手を挙げて、小沢さんを破って座に着いた菅さんも、臨時国会を何とか閉めたが、年明けの通常国会では、多くの難問を抱え菅政権は行き詰まり状態だ。おまけに国民の支持は失う一方で、打った政策の成果が出るのを見極めたいという希望も叶えられそうにない。

法人税5%下げ、子供手当の7000円上乗せなど、繰り出す政策には財源不足の足かせが付く。税制改革は増税の雲行きだ。

国民の生活を守るために、しっかり審議しなければならない国会も、小沢さん国会招致、証人喚問問題、仙石官房長官、馬淵国土交通相の問責決議で政府は窮地に立たされている。それに政府・執行部vs小沢系グループの党内抗争が表面化し、政権党内のゴタゴタだから政界に混乱を巻き起こしている。

内閣改造は、仙石、馬淵大臣の処理、小沢系議員の処遇など難しい対応を迫られるが、小沢さんにどう距離を取るかによっては政権浮上に影響を及ぼす。それよりも今の支持率下落の要因は「菅総理の指導力の無さ」にもあることを考えると、総理が菅さんであることに問題がある。

菅さんに変わる新たな総理を決めなければならない。「菅降ろし」を小沢系グループで進めるのか、党長老が仲介にはいるのか。「仮免」から「本免許」へ一向に責任を取って辞任する気のない菅さんを誰がどう説得するかだ。

民主党の両院議員総会で責任追及し、引き下ろすコトも可能性はあるが、見にくい泥仕合だ。小沢系グループが目論んでいる作戦か。

それよりも、支持率下落と共に政党支持率も自民党が逆転する結果になっているコトに注目すべきだ。今まで世論調査では、政権支持の大きな理由に「非自民党政権」があった。しかし支持政党が逆転したのだ。

おまけに、メデイアの報道によると、読売の渡辺さん、谷垣さん、舛添さん、与謝野さん、小沢さん、菅さん、鳩山さん兄弟など政界再編(?)、大連立(?)を睨んだ怪しい動きをしている。「関係ないだろう」との見方もあるが、自民党小渕政権時代から事あるごとに話題になってきた。

民主党政権の稚拙さ、党内抗争、寄り合い所帯、数合わせに終始する政権運営、弱小政党の乱立など政治の不安定は否めない。

日本政界をすっきりした政界にするために、大義名分を「国会審議、安定政権」に置いて、解散・総選挙に出ることだ。俗に言うガラガラポンだが、勿論、有権者が判断しやすい構図になっていることだ。

「政治とカネ」でスキャンダルを抱えた小沢さんや鳩山さんは身をひくべきだろう。有権者は自分の選挙区の事情だけで判断せず、国全体で判断すべきだ。
写真:通常国会は日の丸が掲揚される。2008.1.18の通常国会

2010年12月14日火曜日

今の小沢さんに群がる民主党議員の本音とやるべきこと

国会招致、証人喚問を嫌がり政治責任を果たそうとしない、政治資金スキャンダルで強制起訴、国民の80%は期待していない、その扱いに手を焼く民主党執行部を尻目に、小沢さんに群がる民主党議員の本音とやるべきこと?

「国民が聞く耳を持たなくなった」と言った鳩山さんと抱き合わせで幹事長を辞任したのは何だったのか。

多くの国民が「折角政権を勝ち取った党に迷惑をかけたくないので、自分一人で離党する」と言えば、「さすがだ」と感心するのだが、実際は「離党せず、民主党でがんばる」という。折角勝ち取った民主党政権に迷惑をかけている気持ちが微塵も感じられない小沢さんだ。

そんな小沢さんに、何故ついて行こうとしているのか。いや群がっているのか。

選挙にあって、いくらでも欲しい運動資金にポンと援助されたことに感謝しているのも分かる。今回公開された政治資金収支報告書で91人の候補者が、総額4.5億円を小沢さんの政治団体から受け取っている。候補者として掘り起こされ、資金援助されたのだから慕うのも当然だ。

ところがその資金の原資に、疑惑があるのだ。

出てくる総理が皆、「指導力がない」という理由で支持率を落としている。そこで剛腕小沢さんなら政治主導で、国民と約束した公約は守ってくれるだろうという期待があるかも知れない。

しかし、こう財源が不足する国家予算にあっては、誰が総理になってもマニフェスト遂行の足かせになる。

小沢さんに群がる議員には、あわよくば大臣、総理に担がれるチャンスがあるかも知れないと思う議員もいるはずだ。民主党内で小沢系議員がどの位いるか分からないが、150人とすると、総理指名のチャンスもあるかも知れない。

でも小沢さんからは年配の議員は去り比較的若手が多い。今の党内にあって野党的存在であれば経験も積むことが出来ず大臣なんて不可能だ。予算委員会で質問したりする議員もいるが、「政治とカネ」の問題で小沢寄りの「政治資金規正法の何に違反しているのか分からない」と発言した議員もいる。

小沢さんは、もう年だし、他の議員は格下と思ってバカにしている節がある。だから党執行部の言うことも聞かない。それでは党としての統制もつかない。

小沢さんが係わってくると、何となく胡散臭く感じてくる。

国会招致、証人喚問への出席に反対するのではなく、出席して事実を明らかにするよう進言するのが、国会議員としてやるべき仕事ではないのか。

2010年12月13日月曜日

支持回復は、すっきりした民主党再構築から


民主党の不振が止まらない。政権下落の原因は、「政治とカネ」の問題が進展せず、尖閣諸島問題での処置の不手際そして親小沢vs脱小沢の党内抗争などが揚げられている。注目された茨城県議会議員選では、24人の候補を建てながら6人の現有勢力確保がやっとだった。

要因が分かっているのだから、それを解決して再構築する必要が、関係者の動きは身勝手そのものだ。

小沢さんは、民主党政治を成功させるためにも、一兵卒となってがんばると言い、すでに過去の人のはずの鳩山、輿石さん達と何やら蠢いている。

一向に進展しない「政治とカネ」の問題での小沢さん国会招致で、岡田さんは、本人が判断できないのであれば国会で決めると言い、審査会で議決する方向で考えているらしい。輿石さんは「裁判で明らかになるのだから、出席する必要はない」と反対している。

国民生活を守るために、予算とか税を真剣に議論しなければならないときに、こんなコトでゴタゴタしていると批判する人は、与野党に多い。原口さんは「部分的には正しいが、全体では間違っている」と強調する。

親小沢vs脱小沢の構図から考えると、小沢さんの国会招致より、問責決議を受けた仙石官房長官の更迭の方が先だろという。

小沢さんは、以前は「国会が決めれば出席してもかまわない」と発言していたこともあり、出席の必要性は分かっていると思うが、自分が出席しても国会審議が好転するとも思えず、さらには懲罰規定のある証人喚問を要求する声も強いと言う危惧がある。

「何らやましいことはない」と豪語している実力者にしてみれば、何とも小物の考えだ。

民主党が信頼を回復するには、すっきりした再構築が必要だ。

小沢さんは、離党すべきである。場合によっては親小沢派と思われる人達を引き連れての民主党分裂しかない。これにより党内の親小沢vs脱小沢の構図は一掃出来る。先の総選挙で約4.5億円の選挙資金をつぎ込んだのだから、容易には民主党政権を手放すことは出来ないだろうが、小沢さんがいる限り「政治とカネ」、「党内抗争」の火種は絶たない。

あくまで出席拒否であれば、離党勧告を突きつけ、小沢さんを切ることで民主党内はかなりすっきり出来る。

問責決議の出た仙石さんも更迭すべきだ。要職に付かず、反小沢で動いていたときには共感していたが、官房長官について国政を任せると、危なっかしい革新政党色が見え隠れする。民主党のスローガンだった「クリーンで開かれた政治」とはほど遠い言動だ。

小沢さん、仙石さんを処分するコトですべて解決するわけではないが、ある程度すっきりした形にはなるはずだ。

茨城県議会議員選で、民主党市会議員だった候補者がみんなの党から立候補し当選し、民主党候補者は最下位で落選した。民主党への風当たりはすごいようだ。「期待を裏切った」代償は大きい。

2010年12月12日日曜日

小沢さん国会招致:通用しない「やましいことはない」発言


政治資金問題で、小沢さんの政倫審への国会招致、証人喚問が政治課題にあがって久しいが、小沢さんは「やましいことはない」の一点張りで出席を拒否しているが、それが通用しないのが分からないのか。

民主党菅執行部は、強硬姿勢をにおわせ、場合によっては政権与党分裂の可能性もあり、年末、年始にかけて政局に目が離せない。

小沢さんは、政治資金収支については報告書に記されていれば問題ないという立場を取っているが、私達はその内容に疑問を持っているのだ。

特に今回の政治資金収支報告書でも約9億円という断トツの政治資金を誇っている。そして先の衆院選では4.5億円の運動資金を民主党候補者の一部に配っているが、その原資は新生党解党時の政治資金の残額が個人的色彩の濃い政治団体にプールされていた疑いがある。

政党助成金だから国民の税金から拠出されたモノだが、使途は選挙の運動資金だから個人的に使ったわけではなく明朗だから「やましいことはない」と言うことになるのだろう。

検察審査会も指摘しているように土地購入に係わる原資にも疑惑がある。

小沢さんの言う「やましいことがない」のであれば、何処に出ても説明できるはずであるが、「検察審査会は素人だ」などの難癖を付けて国民目線をバカにする。強制起訴を回避すべく行政訴訟を起こしたが、裁判所に却下された。

更に裁判の場で事実が明らかになるのだから国会での招致、証人喚問はそぐわないと言う。しかし、小沢さんは国会議員だ。国民から選ばれた政治家である以上、国会での疑惑解明に積極的に応じる義務がある。

嫌なら国会議員を辞職すべきだ。

これからしばらく小沢さんと民主党執行部の攻防が続くだろう。小沢さんに近い議員は、仙石、馬淵さんの問責決議もあり、そっちを先に処理すべきだという。

政権与党の民主党内のゴタゴタが、政局になろうとしている。政権与党としての矜持がない。

小沢さんは離党し、民主党は分裂、解散・総選挙で国民の信を問う。これしかないが、政界再編、連立構想もあるので、総選挙前にその構図を明確にし、有権者が判断しやすい要にすべきである。

小沢さん! 貴方の「やましいことはない」は通用しないのです。
写真:国会 小沢政治資金疑惑に早く終止符を

鳩山、菅政権に見る政権交代の実感とは


今の民主党政権を見て政権交代の実感は何だったと思うか。あの時、政権交代に向け民主党に一票を投じた人達は、どう考えているのか。期待が不満になり、失点が続けば、さっさと見切りを付け無党派層に戻れば良いが政権は支持を失い政局は混乱する。

本当は、仲が非常に悪いのに、政権に就きたい、総理になりたいの一心から外見上、「一致団結」、「政権交代しませんか」になる。

主義主張の異なるグループの混成である民主党だ。一旦政権の座に着くと主導権争いになる。民主党には綱領がないと言われているが、そんなモノ作れるはずがない。

1年しか持たない政権のウィークポイントは、指導力の無さ、政策の無さだ。政権党内でも求心力を失い、鳩山さんをして「国民が耳を貸さなくなった」と言わしめた。この点は自民党の末期政権も同じだ。

総理の決まり方も変だ。一番最初に手を挙げ、支持を取り付けると流れが決まってしまう。鳩山さんや菅さんがどんな政治家なのか分からないままに決まってしまう。政界では名門の鳩山家、市民運動出身の菅さんと言っても政治的手腕が分かるものではない。

民主党は混成政党で、きちんとした軸足が決まっていないから国を脅かす事態が発生すると、あわてふためく。経験、知識もないから、国益を害することになる。尖閣諸島領土侵犯、中国漁船船長釈放問題にみる対中戦略、普天間移設問題など然りだ。

確かに事業仕分けで、官僚の予算策定の仕方が公になった。政策の発想、費用対効果で仕分け人から集中攻撃される映像は、胸のすく思いだった。でも特別会計は「すき焼き」ではなかった。

政治主導も稚拙すぎた。官僚を使い切っての政治家の最終判断なら良かったのだが、最初から経験、知識に乏しい民主党政権閣僚の政治主導だった。

国家戦略局構想が頓挫したために、政策の司令塔が欠けていた。各大臣が勝手なことを
言い、閣内不一致かと思われるシーンもあった。総理も決断できないから尚更だ。

私も「クリーンで開かれた」政治に期待した。しかし、鳩山、小沢さんの政治資金疑惑とその「政治とカネ」の問題処理に当たっては、とてもではないが「クリーン」にはほど遠い。

クリーンさでは、利権政治を忘れては行けない。自民党政権時代は族議員を中心に、利権が蔓延ったのは明らかだ。しかし民主党政権では小沢幹事長時代に自民党を上回る悪しき利権誘導政治が蔓延った。

情報公開を伴った「開かれた政治」も期待を大きく裏切った。国会審議での閣僚の答弁、仙石官房長官の定例記者会見を見るにつけ、何ら自民党と変わらない。国の情報管理のあり方を検討すると言うが、「開かれた政治」に逆行するものだ。

為政者は「国民目線」を素人の考えとバカにするが、情報公開、説明責任なくして健全な国民目線などあるはずがない。

政権党内での権力争いは、民主党政権になっても後を絶たない。小沢さんの国会招致問題は、民主党を2分するほどになってきた。親小沢がどの程度か分からないが、執行部の強硬姿勢に民主党が分裂する可能性もある。

また、民主党政権は民意に鈍感だ。自民党の方が敏感だった。

民主党へ政権交代して国民が得たモノは何だったのか。政治の混乱しかないのでは。
写真:政界を混乱に導くのか民主党

2010年12月8日水曜日

海老蔵さん会見:ただの「海老蔵は被害者、相手の男が加害者」確認会見だったのか

歌舞伎ファンではないが、これ程騒がれると注目するしかない。7日夜の記者会見を見て言えることは、「彼は被害者、相手の男が加害者」と弁護士が言ったように立場を明確にするための会見だった。

有名人は何かあると、弁護士を同席させての釈明会見になる。今回も例にもれず今度はマル暴専門の弁護士を付けていた。それだけでも相手のことを考えると相当やっかいな事件であることが分かる。

いろんな女優さんと浮き名を流す海老蔵さんの傍若無人さとは余りにも違いすぎる神妙で落ち着いた態度は、違和感を覚えざるを得ない。

役者だから、どんな演技でも出来るだろうが、全体として良く打ち合わせされ、「自分は被害者」の立場を主張する会見だった。

今回の事件の要点である、相手は知り合いだったのか、灰皿でテキーラを飲ませたのか、頭に水をかけたか、髪の毛を引っ張ったか、介抱で挑発することはなかったかなどの質問に全部否定した。

おかしな点として、「介抱しながら、何故けられたのか」の質問にも「分からない」の一点張りで、質問者も「おかしいですよね」と念を押すだけだった。

御多分にもれず肝腎な質問には「警察から口止めされている」「捜査中なので・・」とお決まりの言葉で逃げるコトも忘れていなかった。

松竹の「無期限謹慎」処分に同情の余地はないが、海老蔵返上、歌舞伎俳優を止めることも考えるべきではなかったか。

女、喧嘩は「役者の糧」と良く聞くが、社会的な非常識が、糧などとんでもないことだ。海老蔵さんは、自ら厳しい処分を示さなければならない。

今は、自ら又弁護士も「自分は被害者」の立場を堅持しているが、今後事件の詳細が分かるにつれて、加害者であることも分かってきたら、それこそ信用をなくすことになる。

相手側の「海老蔵側にも加害責任あり」の伝聞話が伝わる中で、早めの会見で自分の考えを説明した方が得策と考えての会見だったようだが、何かはぐらかされているような納得のいかない会見だった。

2010年12月7日火曜日

難しい政権選択の時代に入った日本政界

難しい政権選択の時代に入った。ここ5年間毎年総理が替わり、菅内閣も御多分にもれず最近の内閣支持率は軒並み20%台の前半まで下落、危険水域を超したが、難問山積なのに国会は延長せず閉会した。

延長していれば責任追及で内閣の存亡に係わる事態に至るかも知れない。自民党時代も小泉さんが総理の時、延長案が出ていたにもかかわらず、早々と国会を閉会し内閣が助かったことがある。

一国の総理ともなると、政策よりも政権の維持が重要なのだ。

6日の記者会見でも菅総理は「内閣改造よりも政権運営の出来る体制」にするという。その一環が社民党との協力体制を築くというのだから「何をか言わんや」だ。衆議院の議席3分の2を確保する目的だろうが、普天間問題など安全保障では相容れない政策を掲げている。それで離脱しながら、又協力体制とはどういうコトか。

政権維持のための悪あがきでしかない。

「菅内閣は何をしようとしているのか」、記者の質問に「元気な日本を復活する」ことだと言う。これは菅民主党のスローガンだ。

菅総理は予算で手を打っており成果が出てくると言いたいところだろうが、経済も雇用も一向に改善する様子がない。何をやるにも財源が足かせになる。民主党政権交代前は税収が46兆円だったが、交代後39兆円にまで落ちた不運はあったが、相変わらずの人気取りバラマキ予算が続く。

国民の安全、財産など国益を守らなければならない政権でありながら、対中、対露では国益を害する判断をしている。APECでも惨めな外交を見せつけ、TPPでは党内調整さえも出来ていなかったことが分かった。党内基盤の弱い菅さんに調整など期待できないのだ。

今世論は、菅内閣にNOを突きつけている。指導力がなく、政策に期待できず、政治主導にもなっていないコトが主な要因だ。でも非自民だから支持しているとも言う。

菅さんは発信力が弱かったと反省しているが、党首討論や記者会見などチャンスはあったはずだ。厳しい質問が飛ぶのを嫌がっての発信力不足ではなかったのか。

望まれる総理像?

国民と十分対話でき、党内基盤がしっかりして指導力が発揮でき、政治主導で政策を進められる人材だ。そんな人材が今の政界にいるのか。

政界再編、大連立を煽るメデイア、ジャーナリストも多いが、一体どんな構図になるのか。民主党が分裂し、自民党と再編するなど言われているが描けない。確かに民主党は保守から革新までごちゃ混ぜの政党で軸足がはっきりしない。各グループ毎に分裂し、再編した方が分かりやすい。

結局の処、打開策は解散・総選挙で改めて国民に信を問うことだが、総選挙までに再編
の構図ができあがって有権者が判断できることだ。選挙後再編なんて言うと、またマニフェストが変質してしまい、内閣支持率下落の要因になる。

自民党も今、国民目線の立場に立とうと政策を公募している。自民党のメデイアへの露出も野党になって激減したが、脚光を浴びないのにも何か原因があるはずだ。

メデイアで大受けする人材が、ことごとく失敗している。ここは地味な人材で難局を切り抜ける手もある。

2010年12月5日日曜日

2つの風物詩:外苑のイチョウ並木、表参道イルミネーション
















この時期の風物詩と言えば、イチョウ、イルミネーション、クリスマスツリーなどたくさんテレビ、新聞で報道されている。それに刺激され、神宮外苑のイチョウ並木と表参道の
ケヤキ並木のイルミネーションを見に行った。

4日、地下鉄浅草線外苑駅で降り、イチョウ並木を見ようと神宮外苑へ向かう。残念だが4列あるイチョウ並木の葉はほとんどが落ちてしまった。寧ろ歩道に黄色の絨毯だ。「すごい!」と言う声が聞こえた。カメラは上よりも下に向けている。昨日の朝の大雨で落ちた可能性がある。

比較的温かい場所や街灯近くでは、まだ葉が付いているところもあるが、ほとんどが裸木に近い。イチョウは若葉、青葉、黄葉、裸木と4季楽しめる珍しい樹木だ。

銀杏について、説明書がある。それによると、1億5000万年前に地球上に広く分布し手板が、氷河期の到来で絶滅したそうだ。化石が残っているという。日本に到来したのは、比較的暖かだったために死滅を逃れた中国からだそうだ。

そう聞けば、落ち葉になって掃除が大変だし、実が落ちて踏むと臭いにおいが付きまとう嫌な思いは吹っ飛んだ。

この神宮外苑のイチョウは手入れもゆき整っているようだ。樹高順に植え付けられて背景の絵画館と遠近法が保たれているという。

12月の中旬まで、イチョウ祭りが開催されている。

外苑から一駅分歩くと、表参道に着く。

青山通りから明治神宮まで150本に及ぶケヤキに90万個に近いLEDが点灯されている。一本一本見ると異様だが、全体を見るとすごい。車道近くに身を乗り出してシャッターを切る。陸橋で写そうと思っていたが、通行止めで監視が配置されていた。

1月3日まで点灯されると言うが、樹木にとってはいい迷惑だろう。

OMOTESANDO HILLSにはいると、クリスマスツリーがすごい。賛美歌のような音楽が流れる中で、皆立ち止まってカメラのシャッターを切る。エスカレーター付近では、「立ち止まらないでください」と警備の人が注意していた。

「良い東京の土産話が出来る」と年配の女性が満足げだ。「こういう風景を見ずに死ぬのと、見て死ぬのとでは、どちらが幸せか」と家内に聞くと「そりゃー 見て死ぬのが幸せよ」という。

帰るためにJR原宿駅に向かった。
写真上段左:外苑歩道 イチョウの葉が絨毯状に落ちている
写真上段右:イチョウ祭り会場
写真中段左:OMOTESANDO HILLZのクリスマスツリー
写真中段右:外苑の銀杏並木
写真下段:表参道ケヤキ並木イルミネーション
いずれも2010.12.4撮影

2010年12月4日土曜日

菅総理 居座りは打開策あってのことか


第176回臨時国会は、低い法案成立率と「熟議」にはほど遠い国会審議を残して閉会した。2ヶ月半の改造内閣であったが、実績よりも多くの禍根を残した。

来年早々の通常国会に向け、菅総理に事態を好転させる秘策でもあるというのか。

菅総理が言った「熟議」にほど遠い参議院の国会審議は、政界再編、大連立などがない限り3年間はきびしいままだ。そのために、衆議院を強固なものにするために、社民党を政権与党に引き込もうとしているが、普天間移設、安全保障で大きな隔たりのある政党だ。うまく行くはずがない。後数回の選挙で消えてなくなる政党だ。

参議院の審議は時間の無駄になる。問責決議の出た2人の大臣が関係する審議は、野党に拒否された状態では、国会審議の体を成していない。内閣の再構築が必要になる。

内閣支持を浮上させる策はあるのか.点数を稼げるテーマがあるのか。

今までの経済政策の成果が現れることを菅総理は期待しているようだが,株価は為替に影響していることを考えると、米国経済に大きく左右されるが、直ぐには良くならない。動くとすると2年後の大統領選だ。オバマ民主党政権は国民の不満を買っている。

外交面では、完全に行く詰まり状態だ。

中国、ロシアは、2年後の政権維持に向けた国内事情で領土問題に絡んでくるだろう。普天間移設問題に関わる日米合意の履行は、アメリカが折れない限り、政権の存亡にかかってくる。逆に言うと改めて在日米軍のあり方から考え直す機運が出てくれば、点数を稼げる。

今盛んにメデイアが煽る政界再編、大連立構想はどうなのか。

しかし、その時軸となる政党は民主党か自民党なのか。民主党が今のような各グループ混成の状態で選挙に突入して考えるのか、民主党が分裂後に新しい構想の下で国民に信を問うのか。

民主党が、今のようにゴタゴタの状態では、軸足がはっきりせず、主だった人間だけで作成したマニフェストも信用がおけない。選挙後の烏合集散では、掲げた公約も曖昧なモノになる。

今、菅さんが代表であるが、指導力もなく、求心力の低下した菅さんを担ぐ議員が何人いるのか。菅さんは担ぐ人間ではなさそうだが、担がれる人間でもなかった。

民主党には結局人材がいないコトになると、自民党を核とした政界のガラガラポンが始まるのか。

結局菅さんには勝算はない。

それでも総理の座に居座るのであれば、国民にその策を説明すべきだ。記者会見もやっていないし、党首討論もやっていない。選挙で直接国民に信を問うていない。

私達は、菅さんに何が期待できるのか。菅さんは説明すべきである。出来ないのであれば、総理の座を明け渡すべきだ。
写真:菅官邸 二進も三進も行かない行き詰まり状態と思うが、打開策があるのか。

2010年12月3日金曜日

地球温暖化:科学的検証おざなりで急ぐ対策に政治的理由?




また、気候変動枠組み条約第16回締結国会議がはじまった。その温暖化対策は、国内でも調整が難しいのに、国際的に纏まるはずがない。今までも決裂を回避すべく排出量削減は義務づけずに採択は次の会議へと見送られるのが精一杯だった。その要因は、政治主導で科学的検証が不十分なままスタートしたことにある。

日本はCOP15で90年比25%を提案した(勿論条件付きである)が、2大排出国である米国が提案した05年度比17%は、90年比では3~5%と言う数値、中国はGDPあたり05年比40~50%で安易な数値だと言われる。国内事情があるとは言え、数値を出してきたことに意義があるだけだ。

更に途上国の支援だけでも、約45兆円と言う巨額の費用がかかると言われる。これから発展しようとする途上国は、足かせになることを懸念する。中国だって途上国と思っている。

遅々として進まぬ温暖化対策の一方で、世界の気温は厳しい。世界気象機関WMOは、2日今年10月末までの平均気温が14.55℃で、観測史上最高と予測し、対策を急ぐよう警告した。

IPCCの第4次報告でCO2人為的原因説に強く影響したのは、我が国の地球シミュレーターによる解析結果だ。それによると、気温の上昇トレンドが、自然現象だけでは説明できず、それにCO2のファクターを加味するとトレンドが一致するというモノだ。

日本は民主党鳩山政権で90年比25%削減を決め、停滞する状況を突破しようとしたが、国内では批判が大きい。

日本はどんなロードマップを描いているのか。

環境省は、22年度、地球温暖化対策に係わる中長期ロードマップ精緻化検討費として2億円要求、目的達成のための費用、促進策を検討しようとしている。しかし、この事業は事業仕分け第3弾で、予算計上見送り徹底的に内容精査となった。

ところが、地球温暖化対策税(環境税)構想だけは進んでいる。民主党政策調査会は、税収2400億円確保のために石油石炭税を50%引上げるという。

12年前のCOP3の京都議定書で「先進国全体で5%削減」をうたったが、温暖化の科学を無視した削減率であった。しかし今、科学は2050年までに全体で半減、気温上昇を2℃以内を要請している。

科学は本当に正しかったのか。そこが問題なのだ。

ノーベル賞を受賞したゴアさんの映画は、英国の裁判所から9カ所にわたる事実を否定された。IPCCの報告の一部ねつ造疑惑も明らかになった。

地球温暖化の科学的検証は見あたらないが、一つエネルギー・資源学会が「地球温暖化 その科学的真実を問う」をテーマにメールでのデイスカッションを公開したが、CO2人為説を疑う発言が多かった。お互いに疑問点を戦わせたに過ぎなかった。

最近では、奈良の400歳の杉の倒木から気候変動説を裏付ける研究が報告された。17~18世紀太陽活動が弱まり、0.6℃下がったと言うのだ。北半球は寒冷化したのだ。

太陽は今後、超低活動期に入ると見られている。

向かっているのは温暖化ではなく、寒冷化なのだ。これなら理解できるのだが。

科学的検証をおざなりに急ぐ対策に政治的理由があるのか。

巨額の対策費を要する地球温暖化対策。無駄な投資を防ぐためにも、寧ろ国際的な調整に四苦八苦していることは、良い傾向かも知れない。


写真左:自然現象だけでは気温上昇は説明できず、さらにCO2排出量を加味すると傾向が一致するという JGL 2007.No2 地球温暖化と気候予測・・IPCC第4次報告・・ 
写真右:e-mail討論 地球温暖化:その科学的真実を問う エネルギー・資源学会

2010年12月2日木曜日

不甲斐ない民主党政権:この国民あっての、このレベルの政権か


このレベルの国民あっての、このレベルの政権なのだ。次々に起きる事態が厳しすぎるのか、経験・知識不足がもたらすのか、不甲斐ない民主党政権だ。しかし、いろいろ批判はあるが、所詮は私達国民が託した政権なのだ。

先の衆議選で示された民主党のマニフェストは、自民党政権の悪をさらけ出し、政治の仕組みを変えることにより、「クリーンで開かれた」、新しい政治が期待できると誤解を与えた。

実際に政権に就き、現実の壁に突き当たると、大幅な修正をする羽目になったが、未だ非を認めようとしない民主党政権の姿勢に疑問を感じる。

小沢さんを抱える民主党政権に「政治とカネ」でのクリーンさは期待できないが、鳩山さんの偽装献金問題で政権のクリーンさは吹き飛んだ。更に今回発表された政治資金収支報告書では、小沢さんの巨額な政治資金へのナゾとカネのかかる政権を取ろうとするとカネのかかる現実が明るみになった。

「開かれた政治」にもがっかりする。野党時代に官邸機密費の公開を約束していたが、完全に反故にした。逆に野中さん、鈴木さんから曝露があった。

尖閣中国漁船船長釈放問題での対中、更には対ソでは国益を害する処理に走り、APECでも議長国として手前みそ的評価ばかりで、諸外国に期待されている存在なのか甚だ疑問だ。

程々、愛想の尽きた民主党政権であるが、私達はこの政権をどうできるのか。

菅さんは、解散、総選挙は考えていないと言う。「石にかじりつき」「歯を食いしばって」もがんばるらしい。参議院で「内閣不信任案」が可決される可能性はあるが、小泉さんのように衆議院を解散してまで信を問う勇気は、菅さんにはないだろう。

内閣改造という手もある。しかし、内閣支持率の下落要因は総理の指導力の無さにある。菅さん自身の資質の問題だから、内閣の中身を変えても解決しない。

世論調査では、「自民政権ではない」からと言う理由で、民主党政権を支持していたが、今は支持政党も自民党に逆転される始末だ。
総選挙に打って出るにしても、候補者選びが難航している。自民党に至っては100の小選挙区で候補者選びが難航しているらしい。公募しても集まらないらしい。

政権交代の原動力となった、民主党の候補者も「何であんな人が」という感だ。それでもメデイアは○○ガールズとはやし立てる。候補者が集まらないのであれば、議員数を大幅に削減すべきだ。720人から半減させればいい。

選挙のやり方も疑問を感じる。知名度がキーポイントになる。如何に沢山の有権者と握手したかが勝敗を決めるらしい。有権者の集まる処に駆け寄り握手責めするシーンを見るたびに首をかしげたくなる。

政策は党本部の公約一点張りで、自分が何をやりたいのかよく分からない。

国会審議を見ても、言葉尻の取り合い、新聞報道の発言のやりとり、熟議なんてほど遠い審議である。

福沢諭吉の「学問のすすめ」に、政治というのは1国の働きで、内側に政府の力、外側に国民の力でバランスを取る必要があるという。政府の力は内側の生命力、国民の力は外側の刺激だ。人間の健康と同じで、刺激なくして、生命力に任せていては健康は保てないと言う。

偏った報道に問題があるだろうが、新聞をしっかり読んで政府に刺激を与えなければならない。

2010年12月1日水曜日

政治資金疑惑に、お決まりの「法に基づき適正に処理」の1フレーズ


また、政治資金収支報告書の発表時期がやってきた。相変わらずの疑問だらけで、メデイアは一歩突っ込んだ回答が欲しいのに、「政治資金規正法に基づき適正に処理しています」のお決まりの1フレーズで対応するだけ。法の精神が全く活かされていないお粗末な状態が続く。

「政治とカネ」に対する国民の関心は高くなるばかりで、その都度法改正がされるが,如何にせん、国会議員が自らの首を縛るようなことをするはずがない。ザル法の代表例だ。

おまけに内容を鑑査する政治資金監査人として登録した弁護士や公認会計士、税理士による鑑査も大甘で、制度が十分に機能していないらしい。

私達の代表者が、公明正大な政治活動をしているかどうかを国民が判断する重要な資料であるにもかかわらず、この様では心許ない。「政治は三流」の根源だ。

それにしても小沢さんの資金力は、他の議員を寄せ付けないすごさだ。これだけ大きければ当然疑惑も湧いてくる。

先の衆院選では、民主党の代表として政権交代に向け、勝負に出たのだろう。約4億5000万円をばらまいている。使えば使うほど結果も出ているコトに疑問が募る。

小選挙区制導入の理由は、「カネのかからない選挙」があげられていたのではないか。全く逆効果になってしまった。

小沢さんの政治資金管理団体は4億5000万円を支出しているが、うち3億7000万円を小沢さんから借り入れ、他の政治団体「改革フォーラム」から3億7000円の寄付を受けて、小沢さんに返済したという。その改革フォーラムの3億7000万円は政党解体時の政治資金の残金であるらしい。

本来なら国に返金すべきカネだと思うが、法に規定がないために、私物化した疑問が残る。獲得議員数を増やすため、選挙に使ったのであれば、私物化ではないと抗弁できるだろうが、甚だ疑わしい行為である。

それにしても小沢さんは巨額のカネを保有していることになる。一体どこから得たのか。

検察審査会が起訴判決したのも、その入手先に疑問があるからだ。小沢さんは、告発内容にない理由をあげているのは無効であるとして、手続き着手を阻止しようとしたが、裁判所は却下した。裁判で争えと言うのだ。当然だろう。逃げ切ることは出来ない。

ところで、疑惑が指摘されるたびに「政治資金規正法に基づき適正に処理しています」とありきたりのフレーズを使って逃げ回る政治家を信頼できるか。

民主政治の根幹を揺るがし続けるコトになる。柳田前法相が2フレーズ発言で更迭されたことをどう考えているのか。
写真:政治資金収支報告を報じる読売新聞 2010.12.1