2010年11月30日火曜日

愛想も尽き果てる民主党政権




フレッシュさとクリーンさを期待していた民主党政権であったが、次ぎから次ぎに起きる事態への稚拙な対応は経験不足か、直面する事態が厳しすぎるのか。愛想も尽き果てる民主党政権である。

北朝鮮の延坪島砲撃事件を受けて、国会での政府の危機管理が追求されていたとき、菅総理は事件の発生をテレビで知ったという。私もテレビで知ったが、何のことはない総理も私達も同じ程度なのだ。北朝鮮は報復攻撃は受けないという確信のもとで横暴な攻撃、恫喝を繰り返す。

政権奪取前に国民と約束した公約、夢見ていた理想は、現実に直面し大きく後退する羽目になった。一体野党の時に何をしていたのか。ただ自民政権に反対していただけではないか。描いていた政策の2~3割が出来れば御の字と言うが、実際はどうなんだ。

軸足もはっきりしない。主義主張の異なる保守系から革新系までごちゃ混ぜの政党だから、政策に確かなモノがない。ここの政策毎に、野党に相談して進めたいと言っても、野党は「まず党内でまとめてから提案しろ」と痛い点を着かれる。

おまけに政府の基本戦略が決まらない。国家戦略局を設置すると言っていたが、総理の諮問機関の様だ。大臣は」自分が一番偉いと思ってか、勝手な発言をする。調整するにも党内には小沢さんという実力者がいるから、一本化も難しい。

総理の指導力、求心力が試されるが、党内基盤の弱い菅総理は、他グループの顔色を見ながらの舵取りで、指導力、求心力は低下するばかりだ。小沢さんの国会招致問題一つとっても、本人から拒否されている。

政治のショー化で政権浮上を試みるも、事業仕分けでも分かるように国民にそっぽを向かれる。税金の無駄使いの実体が明らかにした功績は分かるが、官僚の抵抗は大きい。

官僚政治からの脱皮で「政治主導」を掲げたが、過去ののいきさつ、約束事など関係なしに、自分の主張を通そうとするから混乱を招く。鳩山政権での普天間移設問題は代表例だ。
日米安保50周年を迎え、日米対等は重要な考え方であるが、有事の際は米国を頼るしかない。尖閣諸島領土問題での対中国、対北朝鮮然りだ。

国益を害する外交上の処理は、将来に大きな禍根を残す。脅せば弱腰になる日本外交は定着している。世界の諸国は日本に何を期待しているのか。援助資金だけではないのか。国連で日本の総理が演説するときの議場を見ると空席だらけである。オバマ大統領の演説の時は満席だったのに。

最近の官房長官の定例記者会見の会場をテレビで見ても、真ん中付近は空席が目立つ。官房長官の発言は、政府談話を除いては数段の記事に載れば良い方で、ほとんどが記事の中での関連発言扱いだ。聞いても仕方がないと言うことか。

もう民主党政権には愛想を尽かした。

もう出てくる総理候補は、前原、岡田さんだろうが、前原さんには偽メール事件での判断ミスは忘れられない。岡田さんに期待も出来るが、党内での寄って立つグループがない。支持基盤の弱さは、致命的かも知れない。

政権担当能力の点では、民主党は?マークだ。野党時代に何をやっていたのか。野党にも族議員がおり、それぞれ専門に政策を戦わせていたはずではあるが、長い野党生活では人材は育たなかったのか。

又、次々に起こる事態は、厳しいモノなのか。TPP一つ取ってみても、農業のように打撃を被る分野もあれば、関税なしで成長する分野もある。普天間移設問題も自民党政権下で静かになっていた日米合意に火を付けてしまった。

沖縄県民も米軍がいることでの危険がある一方で、経済的な問題もある。県知事選での「県外移設」の約束は、民主党政権にとっても大きな足かせになる。民主党政権存亡の危機だ。

この乱世に、強い政権を期待するが、民主党には期待できない。

メデイアは、政界再編、大連立を煽る。

しかし、ここはまず政権与党の民主党が軸足をはっきりさせることだ。そして野党、弱小政党間で考えの合うグループ同志が、纏まるべきではないか。政界を再編成し、国民に信を問うべきである。過半数が確保できず連立と言うこともあるだろうが、公約推進に支障をきたすような連立では脆弱な政権しか期待できない。

民主党単独政権での「新しい政治」の夢実現は限界だ。

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