2019年3月20日水曜日

人間にも磁気を感じる能力あり?:他の生物、渡り鳥、回遊魚と同じなのだ

現在の磁力線 「地磁気逆転X年」より

人間にも渡り鳥や回遊魚、その他地球上の生物が持っている磁気を感じる能力があるそうだ。生物は磁鉄鉱を含む分子、細胞を持っているが人間にも脳、心臓、脾臓、肝臓に磁鉄鉱を含む分子を持っているので磁気を感じる能力があることはわかるが、それが退化しているのだろう。人には方向音痴がいる一方でよくわかる人間もいる。その要因は磁気を感じる能力の差か。

産経WEB版(2019.3.19)に「人間の「第6感」 磁気を感じる能力発見 東大など」が目に留まった。

それによると、東大、カリフォルニア工科大の研究者らが人間にも無意識に磁気を感じる第6感を持っていることを実験で証明した。地球は北極がS極、南極がN極の巨大な磁石を持っており、渡り鳥は地磁気を感じる能力をコンパスのように使っている。

人間には五感以外には磁気を感じる力はないとされていたが、両大学は磁気を遮断した室内で地磁気と同程度の磁気を頭部に当てたとき、無意識のうちに脳波が異なる反応を示したことから人間にも大まかに磁気を感じる能力を持っていると判断したのだ。人体にも磁気を感じるミネラル、たんぱく質が多くあることから感じる能力は持っているのだ。

人間も含め宇宙のあらゆるものは原子からできている。だから同じ法則で動いてもおかしくはない。これが量子力学の考えだ(?)。

地磁気の偏角、伏角、強さ
国交省国土地理院 「地磁気を知る」より
地磁気には偏角、伏角、強さの3成分があり地球上のどこでも、其の地点の地磁気の3成分で表されるのだ。むしろ経度、緯度よりも多くの成分が使われているといわれる(「地磁気の逆転」光文社 2019.2)。

偏角は南北の磁気を示し伏角は地球の磁力に引かれ針が上下に傾く。磁極の赤道に対してどの位置にいるかを示すらしい(同上)。

ところが強さはいろいろあるようで、磁気郷土の低い場所もあり特に南大西洋に磁気異常帯がある。ここでは太陽放射線が地球の表面近くまで到達し人工衛星などに栄枯湯を及ぼしている。問題は其の範囲が西に移動しているらしいのだ。磁気でガードされている地球で磁気の強度が弱くなっているということは
生物に大きな影響を及ぼす(同上)。

地磁気の世界モデル 国土交通省「地磁気を知る」より
多くの生物は食べ物、つがいの相手、繁殖場所、越冬地を探すのに磁場を利用している。そう考えると身の回りにいる生物を見る目も変わってくる。私たちと同じ原子でできているのだ。仲間なのだ。

ところで磁気を感じるセンサーをどこに持っているのか。

人間は先にも言ったように脳、心臓、脾臓、肝臓に磁鉄鉱を含む分子を持っている。ミネラル、たんぱく質を持っているのだ(産経WEB版)。

伝書鳩は磁鉄鉱を含んだ6つの神経細胞を上嘴の皮膚の6箇所にある。ニジマスは鼻に磁鉄鉱を含む細胞、ミツバチは新しい巣を作るときは売れた巣と同じ磁気方向だ。シロアリ塚は南北、キングサーモンは味、匂いのほかに磁気地図を持っている。ハツカ大根は地磁気によって根の向きを決める。犬は南北に向かって小便を好む(この項 「地磁気の逆転」光文社 2019.2)。

其の地磁気も逆転するのだ。

78万年前におきた。1960年代の初めに400万年前から現在までに何回も地磁気の逆転があったことがわかった。チバニンとして有名になった市原市田淵に養老川の堆積岩に78万年前に地磁気逆転があったことがわかった。地磁気逆転のときは宇宙線ベリリュウム10の量が多かったという。近いうちに地磁気逆転は70%の確立で起きる(「地磁気逆転X年」細川秀夫 岩波ジュニア新書2002.5)。

地磁気逆転は地磁気強度が弱まり続け双極子磁場がほぼ消滅。地磁気の不安定な状態が数千年間から1万年間続く。その後双極子磁場が復活し、現在の時期とは正反対の磁場になる(同上)。

未経験の事態だが突然にやってくるわけではない。其のうちに生物は慣れてくる。今でも磁場は変化しているが生物はうまく調整しているのだ。しかし磁場が弱くなることは、受ける宇宙線量が高くなる。

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