2019年3月15日金曜日

今日の新聞を読んで(226):経済界はどんな日本社会を描いているのか


経済界、日本の経営者はどんな日本社会を描いているのか。これから日本社会をどうするかは企業存続にも関わる重要課題であるが、自分たちの利益を上げればいいという身勝手な行動が目立たないか。

将来の日本社会を政治に依存するばかりでなく、経済界も自ら考えるべきだと思うが最近のニュースは逆行していないか。優秀な労働力を再生産し企業の生産基盤を維持すべき日本人にとって政界、産業界の動きが気にならないか。

内需拡大、日本市場の活性化が必要であるが、トヨタは米国の工場に840億円を投資し600人のアメリカの新規雇用を創出するという。何時ぞや5年間で1.4兆円と言っていたがその一環なのか。でもどうして日本での投資ではないのか。米国市場をあてにし、トランプ大統領の「米国第一」に答えたのだろう。

トランプ大統領は米国内で生産すればいいといっていたが、そのうちに「なぜ、日本車なのだ。アメリカ国産車ではないのか」と言いだすかもしれない。

安倍総理がトランプ大統領に「7つの大きい工場をアメリカに持ってくる」とまで言ったそうだが、国内回帰に反するのではないか。それとも米朝会談で拉致問題に口添えしてくれたことへの見返りなのか。

また、安倍総理は法人税下げなど世界で一番経済活動がしやすい国を目指すと言ったことがある。

円安、法人税下げ、大企業優遇策、中国、東南アジアでの賃金上昇、日本製品の品質の良さもあって海外の生産拠点を日本に移す動きも出てきた。

日本での製造業の存在は大きい。GDP500兆円のうちで約20%を占めているのだ。そして製造業はすそ野も広い業界だ。

一方、賃上げによる消費増→経済の好循環を目指しているが、その賃上げが昨年を下回る結果に終わりそうだという。昨年までは安倍総理が経済界に強く賃上げを要求し官製賃上げと言われていたが今年は世界経済の先行き不透明感が強く経営者が出し渋っていおるようだ。いつも経営者は先行きが読めないのだ。

一方で、社内留保は440とか450兆円に積みあがったという。円安で大儲けしても社員に還元するのではなく抱え込んでしまっておくのだ。経済財政諮問会議で麻生財務相が「これを何とかしなければ」と問題提起していたことがある。

吐き出せというと450兆円と言っても大した額ではないと経営者は拒否する・

雇用が改善していると安倍総理は言うが、内容は非正規労働者の増加、働き方改革で労働時間が問題になり残業時間が規制されこれだけで年間1兆円の賃金が減るのだそうだ。

高齢少子化はあらゆる面で将来の日本社会の足かせになる。65歳以上の再雇用、これから伸びる介護の分野でもボランテイア精神がなければやっていけない。当然に賃金は安い。

以前から内需拡大が問題になっていた。日本は「輸出に頼らず内需拡大に努めよ」と海外から強い要求があり、時の政権は「前川レポート」「21世紀版前川レポート」の提言を受けていたがことごとく失敗に終わった。

その要因は、企業のもうけを家計に再分配するシステムができていないことだという。それは今でも言われることだ。

政府、日銀はゼロ金利で資金を提供しているが、企業は設備投資に及び腰だ。ある経営者が言っていた。「儲かる仕事があれば借金してでも設備投資する」と。

「売れるものは何か」、 テレビではサービス業の通販、外食の話題が多いが、製造業ではどうなのか。品質のいい製品を作って海外でも評判のいい家内工業でも後継ぎ不足、農林業の課題が報じられている。これから伸びる介護分野で何かないのか。

自分の身の回りでほしいものは何か。考えてはいるが思いつかない。シニアの消費に注目する人もいるが「我慢」「節約」が頭をよぎってしまう。

「どのかの企業が賃上げにリーダーシップが取れないか」賃上げした企業に優秀な人材が集まる。そうすると他の企業も賃上げでよい人材の確保に走る。

しかし、現状は値上げすれは売り上げが減る。リーマンショック後、工賃が下がったが、仕事が増えても工賃は下がったままだ。工賃値上げを言い出すと「他の会社もある」とけん制される。「請負でやっていてはダメ」と独自技術で胸を張っている企業もある。

要は経営者の考え一つなのだろう。

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