2011年10月2日日曜日

東電中間事故報告書:東電は原発を運用する資格はない







福島第一原発事故に関する東電の中間報告案を見てやっぱり東電には危険で巨大技術である原発を運用する資格はなかったことを確信した。これ程多大な被害を及ぼし収束の目処も立っていない事故を起こしながら反省の考えは伝わらず、原発から撤退する意向か。

すべてが企業秘密というのだろうか、黒でマーキングされた操作手順書の提出、反省が見受けられない今回の中間報告書案。今後の責任追及をかわすための考えだろうが、東電の横柄な企業体質が丸見えである。

本当に福島第一原発は巨大地震での損傷はなく、「想定外」の津波による非常用電源の喪失が主要因だったのか。

想定津波を9m、15mで試行的に試算しているが、土木学会の5.7mを最新の知見として従来の東電の考えを正当化しようとしている。

当初から原発関係者の「緊急対応冷却装置がしばらくは働くからメルトダウンなどは起こらない」という主張も、報告書では暫く動いていたが、その後停止したという。何故だ。

事故後の非常用電源車の仕様の不都合、資材の誤配も新聞報道で知ることが出来た。緊急事態とは言え、何でこの程度のことが出来ないのか。

人災と言われても仕方ない東電の管理システムではなかったのか。東電の副社長が避難所を訪れて住民と対話したとき、女性が「天災ですか、人災ですか」と質問したとき、副社長は小声で「私としては人災だと思う」と答えていた。人災と認めたくない気持ちはアリアリとしていた。

これ程大きく修復に多大な巨額の費用がかかる事故を起こしていながら、「自己弁護」に尽きる中間報告を臆面もなく提出する東電に役所以上に役所的組織であることを感じる。

ここに至っても謙虚さのない東電に、原発を運用する資格はない。

社外有識者の評価を得て公表すると言うが、これを社外有識者が認めると社外有識者の常識を問われるし、社外有識者の指摘で修正するとなると東電の基本的姿勢が追求される。

このほかに政府の事故調査・検証委員会も作業を進めている。問題の本質に迫った検証を期待したいが、如何に内部調査とは言え、「自己弁護」に徹した東電報告に失望を隠せない。

写真左:東電中間事故報告書案を報じる読売新聞 (2011.10.2)

写真右:東電本社 当面の総賠償額は4.5兆円、今後10年間に2.4兆円の経費削減が求められ、電気料金算定で原価より多角見積もられていたことが指摘されている(読売新聞2011.9.30)

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