2011年10月4日火曜日

チョッと顔を見せる東京駅復原工事







東京駅が2012年6月の竣工を目指す復原・保存工事をやっているが、その復原部分の北ドームと北切妻部を張り巡らされた工事シートの開口部から見ることが出来る。

1914年12月に竣工、18日開業してから97年、その間1945年5月にはB29爆撃機の焼夷弾を浴び異国的丸屋根ドームは姿を消し、3階建が2階建に。老朽化も進んだことから今回の復原、保存、免震工事が2007年に開始され、来年竣工するという。

南北2つのドーム、消失した3階部分を忠実に復元するとともに、丸の内の駅舎、ホテル、ギャラリーを恒久的に活用、外観も創建時のままに再現されるらしい。

2日に見たのは、まだ工事用シートに囲まれていたが、北ドームと北切妻部が見えた。異国情緒あふれる佇まいは感動ものだ。

3月11日の東日本大震災もこの復原工事に重大な影響が出るかもしれないと以前新聞で読んだことがあるが、屋根スレートを石巻の業者が作っていたのだ。完成を見るということは、大変な苦労で供給できたのだろう。報道によると、津波で流されたスレートをかき集めたという。

私が、大学を卒業し東京へ来た時は、丸の内側は皇居に向かって正面に丸ビル、右に国鉄本社ビル、左に東京中央郵便局があり、ビジネス街だった。ロータリーは都電三ノ輪線の東京駅の乗り場があった。どのビルも高くて7階程度で、大きな空が見えた。

しかし今は、八重洲側と同じように高層ビルが林立し、空の占める空間も狭くなった。

東京中央郵便局も、高層のJPタワービルに建て替え中だ。鳩山総務相のとき、東京中央郵便局の歴史のある建物を保存しようという動きがあり、設計変更で古い建物の一部を保存することになった曰く付きの工事だ。正面に建物が残るらしいが、工事を見ると本当に保存されるのか疑問がわく。

外国と違って、古いよき建造物をドンドン壊し、新しくしていくことにバイタリテイーを感じるが、歴史を捨てていっては日本の文化の損失である。

その点、東京駅の復原・保存工事に拍手を送りたい。

写真左:シートの開口部分から顔を見せる異国情緒の北ドームと北切妻部

写真右:東京中央郵便局がJPタワービルに建て替え工事中

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