2018年10月17日水曜日

東電強制起訴裁判(2):武藤さん 責任回避せず事の重大さに真摯に向き合え


武藤さん! 責任回避せず、事の重大さと真摯に向き合え。16日から強制起訴裁判は東電旧経営者3人に対する被告人質問が始まり最初に武藤元副社長が証言に立った。

追及され「津波対策先送り」を強く否定したが、その理由に「長期評価」に信頼性がないことを上げていた。15.7mの津波を予測した土木調査グループも「信頼性はない」と言ったというが、公判ではグループはそういうことを言っていないと否定した。

武藤さんも土木調査グループの報告を受け、一度は「役所の許認可の条件を調査」するように指示したためにグループは「対策が進む」と考えていた。武黒さんや勝俣さんが参加する御前会議でも報告されたようだ。

ところが、一転「先送り」と武藤さんは指示したようだ。土木調査グループの落胆のほどがよくわかる。

その間に何があったのか。

先送りの結果、対応することなく15.7mの津波で重要機器は浸水し原子炉冷却も不可能になりメルトダウンというあってはならない事態に至った。

その結果責任はだれにあるのか。これほどの甚大な被害を出しておきながら「経営者に責任なし」では社会通念上は許されないが、裁判となると社会通念上、経営トップの安全配慮義務が業務上あるかどうかで争われるが、通常は否定されている。

武藤さんは「長期評価に信頼性なし」と判断し責任回避を図ろうとしている。それによって他の経営トップに責任が及ぶのを回避する作戦だろう。

でも当時の東電の組織から言って武藤さん1人の判断でこの重大議案を葬り去ることはできない。当時、絶対的権力者の勝俣さん、武黒さんの意向が大きく影響していることは誰が見てもわかる。

「信頼性を疑う」発言が出れば一度は対策を進めようとした武藤さんだって押し切ることはできないだろう。

下級審で経営者の責任を認める判決をしても、上級審では否定される事例が多い。今回も長引くことになるだろう。被告が高齢者であれば死亡などで真相究明が遠のくことも考えられる・

東電の被告3人は、自分の責任を回避することに専念せず「起きた事態」に真摯に向き合えないのか。少なくとも15.7mの予測に何らかの関与をしていたではないか。

これからも甚大な被害の発生は絶えないだろう。経営トップに業務上の安全配慮義務があったことを認める判例を作っていかなければ、大きな被害を発生させながら担当者と担当部門の上司が責任を取るだけでは片手落ちだ。

旧経営陣3人に厳しい判決を期待する。


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