2010年1月21日木曜日

小沢政治資金疑惑:辞任で幕引き?


 検察庁の任意聴取に応じると決めてから、急に「国民の理解が得られるようにしたい」と小沢さんは言い出した。意図的な違法性はないと言っているのなら、何故もっと早い段階で対応できなかったのか。内閣支持率も下落が続き、小沢さんが政治生命をかける参議院選への影響も否定できなくなった。

 ここは一旦身を退く覚悟を決めたのか。

 この事件は、検察の強制捜査に国民の批判が集まっているようであるが、検察だって本腰を入れてやらなければならない理由がある。それは政治家の不正を暴くことであるが、それに加えて、市民団体の告発事案である。妥協や不十分な捜査で不起訴にした場合に、検察審議会のチェックも受ける。2回にわたり「起訴相当」と判断されると、起訴しなければならなくなる。

 当然、捜査も十分に尽くさなければならない。あらゆる角度から違法性がないかどうかを調べなければならない。

 今回一番問題のは、政治資金規正法は、不記載、虚偽記載があっても修正申告すれば咎められないという形式犯と見られていることだ。しかし、この法律は政治家の公明正大な政治活動を国民の監視下に置く、最重要な法律であり、実際に罰則でも禁固刑で処せられる。そのことを国会議員一人一人が再認識すべきである。

 国会議員が作った法律だから、内容も相当なザル法で、そのために運用上いろんな解釈/混乱が出てくる。それを改善するには具体的事案で最高裁まで争い判断を仰ぐことだが、余りにも時間がかかりすぎることになる。

 資金の流れが問題になっているが、銀行口座での出し入れは相当分かっているはずだ。私達だって少し高額になると、身分を証明するものの提出を要求され、コピーされる。

 中堅ゼネコンからの裏献金の疑惑が持ち上がった。金額的に土地購入金額の不足分に相当するので、裏金づくりが疑われている。検察は胆沢ダム工事関係の土建会社を調べているが当然だ。

 小沢さんは、「やましいカネは使っていない」と主張しているが、ではゼネコンが「献金した」、「石川さん、大久保さんに渡した」といっている金はウソなのか。もし本当であれば所得になり脱税の疑いも出てくる。

 政治資金報告書は、国会議員であれば、一番注意しなければならないが、「秘書に任せている」「見たことがない」と発言する例には驚く。小沢さんは、田中角栄さんの裁判を全部聞いたというのであるから、記載には相当注意しているはずだ。恐らくキチンと目を通しているはずだ。

 だとすると、記載事項、不記載についても何らかの関与をしているはずだ。

 更に、小沢さんは不動産取引疑惑報道で週刊誌を訴えたが裁判では敗訴した。その不動産の所有が小沢さん個人になっていることを指摘され、急遽作成した「確認書」で個人に帰属するものではないとしたが、これが何ら法的拘束力はないのだ。なぜ公証人役場で作成しなかったのか疑問が残る。小沢さんには、どうしても蓄財で疑惑が残るのだ。

 結党/解党を繰り返す小沢さんは、党の代表であったために、それまで受けた政党助成金の残金を自分の関係する団体に寄付しているらしい。そのことも蓄財への疑問になっている。小沢さんは、この点もはっきりさせることだ。この反省にたって、自公は解散時「政党交付金の国への返納を逃れる脱法行為」を防止するために政党助成法改正案を衆議院に提出したほどだ。

 一度、小沢さんの金脈は徹底的に解明すべきである。小沢さんの辞任で幕引きでは何の解決にもならない。

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