2018年6月14日木曜日

米朝会談後の発言の食い違い:「こういうつもりで発言した」という思い込みか


早速だがトランプ大統領と北メデイアのコメントの食い違いが出てきたが、「自分はこういうつもりで言った」というトップ・ツーの思い込みが見解の相違を生んでいるのではないか。この誤解、さらには詰め切れずに結んでしまった合意文書が今後の交渉で問題を大きくし北の常とう手段である破棄につながるのではないか。

おまけに今回の会談では定義、プロセスなき「非核化」で「行動vs行動」を主張すれば段階的制裁解除、経済支援を受けいれられると思っていた金委員長にとっては「当て外れ」の結果になった。

北は「完全な非核化」だが米は「不可逆的非核化」で「核保有国」を望む北にとっては了解できず平行線だ。簡単には解決しないことなど誰だってわかる。むしろ簡単に合意できたとしたらそれこそ問題だ。

朝鮮半島の非核化は中国の意向もあり在韓米軍の撤退も絡んでくるのだ。

北は「段階的非核化」で決まったというが合意文書にはそんな記述はない。功を焦ったトランプ大統領が「ただうなずいただけ」なのか。それとも本当に「不可逆的非核化」を突きつけたのか。

詳細はこれからの協議ということになるのだろうが、そこで大きな問題が発生した。

米国は、北と非核化で交渉が続いている間は米韓合同軍事演習を中止することに理解を示したというのだ。金委員長は「体制保証」に米韓合同軍事演習の取りやめも要求していたのだ。だからトランプ大統領が譲歩したことにもなる。

しかし、驚くことはない。

トランプ大統領は在韓米軍、在日米軍の軍事費の負担増を要求していたのだ。そうしないと撤退するといっていた。でもこれにはトランプ大統領の誤解がある。日本は確か75%を負担しているし、そのほかに米軍人のために「思いやり予算」もつけているのだ。

確かに在日米軍は中国、ロシア、北朝鮮からの攻撃に対して抑止力はあるがイザという時に発揮できるかどうかは未知数だ。尖閣諸島も安保の範囲とリップサービスはするが・・。逆に在日米軍はアジアの平和維持で貢献し、今は中東騒動へも対応している。

米国にとってその価値は大きいことをトランプ大統領は理解していない。

今後、在韓米軍の撤退、縮小にでもなればその補完は在日米軍になる。いい迷惑かもしれない。

今でも北のミサイル、尖閣諸島での中国の領海侵犯ではアメリカから巨額の兵器購入を約束させられている。今回の米朝会談で拉致問題を口添えしてもらうためにも兵器購入をやくそくしたらしい。

今回の米朝会談は史上初のトップ同士の会談とあって「偉業達成」を国内外に示しているが一方で、「中身のない合意」と批判を受けている。

北、米が作り上げた「政治ショー」、大国アメリカに対して小国の北が対等に付き合えた背後には北の「核保有国」としてのプライドがあったのだ。

「体制保証」も金委員長は簡単にトランプ大統領の約束を信用しない。疑心暗鬼だ。非核化で突きつけられた「不可逆的」を体制保証にも突きつけてきた。

制裁解除も無理だったが、どういうわけか中国、韓国は「瀬取り」などで緩んでいる。中国は制裁解除を要求しているがトランプ大統領は「制裁は継続」するという。

逆にうまく交渉がまとまれば経済支援は韓国、日本あるいは中国の出番と考えている。

日本にとっては拉致問題が片付かなければ経済支援などできるはずがない。

トランプ大統領は安倍総理のたっての要望で「拉致問題」を提起し、金委員長も「取り組む」と言ったそうだが、実情は公表できないと日本政府は言う。本当に言ってくれたのか。「すでに解決済み」とは言わなかったとしたら脈はありそうだ。
そこで安倍政権は日朝会談に動き出した。いままで幾度も煮え湯を飲まされながら金委員長とは初めてだと期待する。今までも高官と会うたびにカネをせびり取られていたことを考えるとおカネ次第か。日朝会談に向け日本が国際会議の場で北の高官と話をしようとしても取り合ってくれないようだ。金委員長から指示は降りていないのか。

日本にとって、ミサイルが飛んでくる心配はなくなった。米国から高額な兵器を買う必要もなくなってきた。在日米軍の輸送機、ヘリの墜落、不時着事故の危険も減って来るのはいつになるのか。




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