2015年10月6日火曜日

あっぱれ大村先生、ノーベル賞受賞:何より分かりやすい研究に拍手だ

あっぱれ大村先生、ノーベル医学生理学賞受賞、寄生虫病の治療薬「イベルメクチン」の開発が評価されたと言うが、何と言っても分かりやすい研究に大きな拍手だ。世界的に途上国の寄生虫病患者を救済する感染症対策が関心の的になっていたことも受賞できた大きな要因だったのだろう。

多くのメデイアがノーベル賞受賞候補者を予想する記事を出していたが大村先生の名前は見当たらなかった。それだけ愉快でならない。

一方で、大村先生の経歴にも注目だ。若い研究者に「これだったら俺にも出来る」という希望を与えたのではないだろうか。大学を出て定時制高校の教員をやっていたが、生徒は手が油で汚れたまま学校に来て勉強している姿を見て、大村先生も発奮し大学に入りなおしたらしい。

先生の行動基準は「社会に役立つことを」というらしい。何かに行きあたった時はこの行動基準が役立ったという。

また、多くの国民、若い研究者が称賛の声を挙げるのは、今までのノーベル賞受賞の研究は難しくほとんど理解できなかったが、今回の研究は誰でも理解しやすさがあったためではないか。

常にポケットにポリエチの袋を入れ、いろんな場所の土壌をもちかえり、有効微生物を見つけ、有効成分を取り出し構造決定(?)し、その構造から何に効くかを判断、数え切れないほどの多くの土壌から今回の受賞に導く治療薬を開発したのだ。

根気のいる研究だ。運も大きく影響する。ゴルフ場の近くの土壌の放線菌から天然成分を見つけ出し薬効のあるものを探すのだ。成分の構造式から寄生虫を殺す作用があることを見抜くのも多くの物質を扱った経験がものを言ったのだろう。

熱帯雨林に植える草木には治療に役立つ成分を含んだものがあることは分かっていて、有効な天然成分を取り出し、構造式を決めて役立つ有機物質を見つけ出す研究は多くの研究者で行われているはずだ。

同時に受賞した中国の屠さんはヨモギの一種である薬草から化学物質を抽出し、マラリアの特効薬を開発したことが評価された。
現代の野口英世と称賛するニュースを流したメデイアもあったが、野口英世博士は確かに黄熱病などの研究を評価されているが、実際には野口英世の研究はほとんどが否定されているのだ。野口英世を神格化することは止めようと訴える研究者もいる。


でも大村先生の研究はまぎれもなく偉大な業績だ。アフリカで多くの人達の感染症予防に役立っているのだ。日本人の業績として誇っていいのだ。

2015年10月4日日曜日

宅配便の過剰サービス?:生産性向上は「とにかく走ること」

宅配便のサービスに慣れっこになっていたが、新聞報道では「再配達」が社会問題化しているという。宅配便が生活に根付いた頃、新聞記者が宅配便の経験談を新聞記事にしていた。「生産性を上げるのはどうしたら良いんですか」との記者の質問に「とにかく走るんです」という答えが返ってきたという。

宅配便の運転手さん(サービス・ドライバーというらしい)はトラックから小荷物を抱えて戸口から戸口を走り回り荷物を届けている。

群馬に住んでいたとき、宅配業者の委託で地方の軽トラックでの運送会社の従業員が荷物を届けてくれたとき、「競争も激しく大変そうですね」というと「今一回の配達で用が足せるのは6割、残りは再配達になる。ガソリンもかかるし効率が悪く若い者は直ぐ辞めていく」とぼやいていた。

その時は4割が再配達と言っていたが、地方の条件の違いもあるだろうが今は新聞報道によると2割が再配達で運転手不足、再配達によるCO2発生量の増加が問題になっているが、行き届いたサービス(?)のためにサービス・ドライバーの過剰労働なども問題になっているのではないか。

私の住んでいるマンションにも「宅配ボックス」が設置されていて料金引き替えでない限り利用できるのであるが不在票が入り電話で再配達の時間を連絡することになる。これも手間がかかる。よく調べてみると宅配ボックスの使い方がチョット面倒なのか。

確かに宅配便のサービスは過剰とも言える。

東京で早朝に頼めばその日の夜9時頃までには群馬に届く即日配達も利用出来る。

私の住んでいる近くに宅配便の営業所があるが、6時半過ぎには従業員が集まって準備をしているし基幹支店間を結ぶトラック便がもう入っている。早朝便は道も混んでなくて効率よく走れるのだろう。

宅配便の便利さをいろんな人が支えているのだ。でも人口減、効率の悪さで人手不足は免れない。東京は若手が多いようだが地方に行くと年配者が多い。

過当競争でサービスも過剰になってきた。配達時間も夜9時まで2時間刻みで走らなければならない。どこか1社が新しいサービスを加えると他社も追随しなければならず大変だ。

もう何十年も前だが、クロネコが「送ったお客さんの荷物が、今どこを走っているのか確認出来るシステムを構築した」と新聞に載っていたので、そこまでするのかと感心したものだ。

その後、その経営者がテレビの番組に出演し種明かしをしてくれた。

なんてことはないのだ。宅配便のトラックは東名高速を走っていても近くの営業所に、今どこを通過したかを報告することになっているらしい。その情報をコンピューターに打ち込めば全国の支店で情報を共有出来、自分の送った荷物がいつ頃相手先に着くか応えることが出来ると言うのだ。

「何だ業務便を情報として使っているだけではないか」と思ったが、「情報ってそういうもんなんだ」と感心したものだ。

今でも、岡山から東京へ帰る時、夜名神、東名高速を走っているが深夜になると、同じ宅配業者の大型トラックが5~6台と団子状態で走っているのを目撃する。一団が過ぎると又別の一団が過ぎていく。

日本の物流をトラックに頼っている現状がよく分かる。


過剰サービスが宅配業の足かせにならないことを祈るばかりだ。

2015年10月3日土曜日

組織委、エンブレム不正で責任者ら2人を更迭:プロ意識を悪用、蔓延る不正にとどめ?

東京五輪、パラリンピック組織委員会が、エンブレム不正事件で電通から出向していた責任者ら2人を更迭、週刊誌や日刊タブロイド版の責任追及でプロ意識を悪用、蔓延る不正にとどめを刺した結果になった。

成熟社会ではいろんな分野で利権、コネで成り立つ組織があるものだ。3.11東北地方太平洋沖地震では東電・福島第一原発の甚大な放射能汚染事故では「原子力ムラ」の存在がクローズアップされたが、今回は「オリンピックムラ」?、「デザインムラ」?の恥部が明らかにされた。

詳しい情報が流れる度にマーケッテイング局長の槇さん、クリエイテイブデイレクターの高崎さんの裏工作は「まず牧野のありき」が見え見えで当初から疑惑が指摘されていたが、それが証明されたことになる。

今度のエンブレムは「お前の潘だ」と言い含められての審査だったとしたら牧野さんも被害者かもしれない。審査の段階で類似デザインが見つかったのであれば牧野案を落として次の候補を検討すべきだっただろうが、牧野案に修正を加え、審査委員の了解もないままにど派手な発表となった。

満面の笑顔だった牧野さんだが、記者会見では「今後どんな問題が出てくるか心配だ」とこぼしていたのが印象に残ったが、本人もスッキリは行かないだろうと覚悟していたのか、それとも数々の物まねを認識していたのか。

次々にわき起こる疑惑に十分な説明をすることなく「家族、スタッフへの中傷に絶えられない」と言って取り下げたが、自分は誓って盗作はしていないと強弁していた。

新国立競技場の白紙撤回に続く2度目の汚点を残した。

白紙撤回で再公募されるが、組織、審査委員の改革なくして成功はないと言われ審査委員も新しく選任され、やっと組織委員会のエンブレム選考部門に改革の手が付いたことになる。国民全員が共有出来るコンセプトで新しい斬新なエンブレムを決めて欲しいものだ。



いい加減にしないか、維新の内紛:「だから野党はダメ」と、肝心なのは「脱・橋下」では

未だどさくさ騒ぎで注目を浴びようとしているのか。維新の大阪系と非大阪系の内紛が絶えないが「いい加減にしろ」と言いたい。「だから野党はダメなんだ」と国民には思われる。今まで通りの支援が維新に与えられるとは思えない。脱橋下を急ぐべきではないか。

経済地盤沈下の大阪を蘇らそうと大阪都構想を打ち上げたが、先の住民投票では1万票チョットの差で否決され、橋下さんや松井さんにとっては諦めきれないのだろう。内容がどう変わっているのか知らないが大阪系新党は再び大阪都構想を掲げてW選を戦うと言うし、基本政策のポイントにも掲げている。

大阪系と非大阪系の議論もかみ合わない。大阪系が「改革理念が違ってきた」と言えば非大阪系は「改革理念は変わらない」と応戦する。

2日の記者会見で橋下さんは「自民党は必要な政党だが、それに対抗する政党を作る。野党再編は大賛成」と政権交代可能な新党勢力を目指すという(読売新聞2015.10.3)。

橋下さんは、一体どういうスタンスなのか。安倍総理と親密な関係をPRしたり、安倍総理は橋下さんの人気を政権の人気取りに利用しようとエールを送っている。どちらが利用しているのか分からないが、大阪選挙区では自民党大阪府連とは犬猿の仲だ。

自民党の存在は否定しないが、自民党に対抗できる野党を造る必要を感じているのだろう。そして政権交代時は日本をリードできる立場に立とうと思っているのかもしれない。あそこでも喧嘩、ここでも喧嘩、記者団に悪口を言いふらし注目される橋下さんと協調できる政党があるのか。

ところで、維新の内紛はどうなっているのか。

1日に新党を立ち上げたという。地域政党の「大阪維新の会」から国政政党の「おおさか維新の会」に名称を変え、維新の党は偽物、こちらが本物という。何やら倒産した会社が漢字の名称からひらがなの名称に変えて再登場した感じだ。

基本政策も安倍総理が喜ぶようなテーマが並ぶ。だったら自民党に合流すれば良いものをそうはしないようだ。大阪での維新の会と自民党大阪府連の立場が影響しているのだろう。同じ改革を目指していても異なる点もあるようだ。

大阪系は民主党との合流、連携を極度に嫌う.民主党は大阪都構想を否定しているし、連合など労組の支援を受けていると公務員改革など出来っこないと見ているのだ。非大阪系の議員も「改革を目指していることに変わりはない」と言うが大阪系はどう見ているのか。

維新の名称返上を大阪系は要求する。確かに維新=橋下のイメージは強い。喧嘩別れした大阪と非大阪が同じ維新を使うことは有権者にとっても紛らわしく、公約の差別化が出来ない。

非大阪系は、橋下頼りをすて、ここは思い切って新しい党名に変えるべきではないか。非大阪系に残る議員もいるが多くは橋下人気で比例復活した議員だ。橋下さんと縁を切ることは死活問題かもしれないが「脱橋下」は一度は通らなければならない関門だ。

橋下さんと縁を切り、再び国政に戻ってこれるか。松野執行部の目指す民主党との連携、合流で野党再編の口火が切れるか。松野さんにしてみても民主党が大変なときに勝手に飛び出した前科がある。当時の民主党代表の野田さん、保守系の前原さん、細野さんなどがどう出るか。

細野さんは解党を提案しているし、連合の前の古賀会長も解党論を打っていたがハードルは高いと論評していた。

政党交付金のぶんどり合戦も加わって維新の内紛は長引くかもしれないが、橋下人気も大阪限定、政界を引退すると言うのだから、そこは信じてお互いに「脱橋下」で進むべきではないか。

国会議員は全国民の代表であって橋下さんの代表ではない。国民、有権者を馬鹿にした動きは慎むべきだ。



2015年10月2日金曜日

シリア空爆での米国vsロシア:イスラム国掃討で微妙な関係?

シリアでのイスラム国掃討は米国vsロシアで微妙な関係になってきた。今回の国連外交での大きなテーマは「シリア問題」だろう。米国・オバマ大統領とロシア・プーチン大統領の首脳会談でシリア内戦の収拾に向け合意点でも見つかるのではないかと期待していたが、結果はプーチン大統領がシリア領内でのイスラム国掃討の空爆を開始したことだ。

両大統領の記者会見での渋い顔を見ると折り合いが付かなかったことがうかがえる。

シリアは国境を接する敵対関係、宗派対立で国内は混乱、イスラム国を掃討しアサド政権を退陣させ民主政権を樹立すべく米国は反体制派を支援、今は有志連合でシリアを空爆している。

一方のロシアはアサド政権を支援、対テロ作戦で軍事介入の動きを見せていた。プーチン大統領はアサド政権の正式な支援を受けての正当な作戦行動であることを強調、米国主導の有志連合は不法な行為と指摘する。

国連も拒否権を持つ米国、ロシアの対立なので決議などできない。

国連の無能と米国、ロシアの思惑の違いでシリアはますます疲弊化し、多くの死者、避難民を出し国際問題になってきた。安倍総理は国連総会でシリア避難民を支援するために
970億円を拠出するという。

先のオバマ、プーチン両大統領の会談では、「アサド政権が存続する限りシリアに安定は訪れない」とロシアの軍事介入をけん制したようだ。

しかし、有志連合による空爆もパッとした成果はなく、テロ撲滅のためにロシアもイスラム国掃討で空爆をやると言うのであれば「その手もあるか」とオバマ大統領は考えたのだろうとテレビニュースでは解説していた。

ところが実際にシリアに展開するロシア軍の空爆が開始されると米国とロシアの思惑が違っていたことが分かってきた。

ロシアはアサド政権を支援するためにイスラム国を空爆したというが、米国は反体制派を掃討するためにその拠点を空爆したと批判した。

ロシアがシリアを支援するためにイスラム国の拠点を空爆したとする場所にはイスラム国は存在しないと米国が批判した。反体制派勢力を標的にした疑いがあるというのだ。

それにしても小国の内紛が米国、ロシアの2大国の事情によって戦争に発展することは歴史も証明しているが、どうして協力し安定政権を築くことができないのか。いつも思うことだが米国、ロシアは自分の国土内での紛争ではない。いつも他国内での軍事力の行使なのだ。

そしていつも被害者になるのは紛争国の国民であり避難民が押し寄せる隣国だ。アサド大統領は自国民を犠牲にしてまで何を得ようとしているのか。


そして国連がどうして機能しないのか。潘事務総長に能力がないことは分かっているが、安倍総理が言うように国連の安全保障理事国の改革が必要なのだろう。国連への拠出金が2番目に多い日本ももっと世界の平和と安全に貢献しなければならないのだろう。安倍総理は「積極的平和主義」を掲げるが、その意味するところはチョット違うが・・。

GDP,600兆円目標:政府、日銀は実体経済を直視し国民とコミットを

政府は安保関連法成立後、政策の軸足を経済に移し「アベノミクスの第2ステージ」を掲げ強気の「GDP600兆円の矢」を放し、日銀は「経済は穏やかな回復基調」の判断から金融政策を続ける。

政府は新たに「GDP,600兆円」の目標を打ち出したが、達成年度は2020年だという。2020年までに誰が責任を持って達成を目指すのか。安倍総理の任期は後3年、とすると2018年までにGDPをどうするかを約束すべきではないのか。

2020年の政権は誰が担っているか分からないが、目標を掲げるのであれば道筋も示すべきだ。

政府、日銀共に強気で期待感を煽っているように思えるが、実体経済を直視し民間、経済界としっかりコミットし目標に進むべきで、民間が「そんな事出来るのか」と疑問視すれば目標達成は不可能だ。

ところで政府、日銀と民間の経済見通しに対する違いの要因はどこにあるのか。

今、GDPは490兆円、600兆円を目指すには名目3%、実質2%の経済成長が必要と言うが、ここ20年間一度も達成出来ていない数値を掲げ、「もうデフレではない」と言う。

ある意味物価は上がっているように見えるが、それは円安効果で輸入物価上昇による「経済の悪循環」の結果ではないのか。もう経済の好循環、悪循環の区別も付きにくくなっている。

日銀は、大企業、非製造業の業績判断指標が高水準であること、大企業、製造業の設備投資計画が前年度比18.9%増であることなどを理由に「内需はしっかりしている」と言うが、消費者物価指数、鉱工業生産指数、最近の株価を見ると下落傾向、GDPも2期連続でのマイナス成長が予測されているが、家計の消費支出は2日の発表では2.9%増、日銀は「穏やかな回復」と判断している。

一方で、民間エコノミスト、市場は一様に「先行き不安」を訴え、政府の補正予算、日銀に追加緩和を要求する始末だ。

ところが麻生財務相は先の記者会見で「補正を組むことは考えていない。14年度補正、15年度予算で上手くやって欲しい」と発言し、「財政出動より民間出動の番だ」と民間企業の投資を促した。法人税を下げろと言うから下げたが、企業の内部留保は356兆円になっているとも言う。

この前、260兆円と言っていたのだから100兆円も積み上がったことになる。

日銀の追加緩和も取りざたされているようだが、そんなに市場にカネを流してどうするというのだ。日銀が国債を買い支えているので長期金利も低水準を維持し、企業はカネを借りやすくなっているが、内部留保が大きいので借金してまで投資はしないだろう。

政府、日銀は強気で期待感を煽る経済見通しを持つのも政策推進者としては必要かもしれないが、実体経済に即し国民、市場、経済界とコミットした目標で責任を持って経済運営、金融政策を進めるべきではないのか。

2年で2%の物価上昇を約束して就任した岩田日銀副総裁、黒田総裁は15年度未達で16年度前半に達成時期が先送りされたが責任を取って辞任すべきだ。

本人達は言ったてまえ辞任したくても安倍政権は許さないだろう。今、辞任されるとアベノミクスは失敗に終わったと判断されることを嫌ってのことだ。

旧3本の矢は折れ、新3本の矢の一つがGDP600兆円を目指すという。民間エコノミスト、経済界が挙って疑問視するGDP600兆円の目標に安倍総理はどういう責任を取るのか。


2015年10月1日木曜日

どうなる中国経済:共産党一党独裁で経済を「市場の見えざる手」に託せるか

中国共産党一党独裁体制で、経済を「市場の見えざる手」に託すことが出来るのか。先の米中首脳会談で習主席は「中国経済は順調に7%成長をしている」と強調したそうだが、テレビに映る中国本国の経済の状況は、資金繰りの悪化(?)で工事途中でストップした高層マンション群、人気のないショッピングセンター、天津大爆発、重要なイベントでは工場の操業を対しして青空をよみがえらせなければならない酷い大気汚染、泡立つ河川の水質汚濁、その一方で日本における中国観光客の爆買いとチグハグな光景では7%成長を信じる者はいない。

中国経済のバブル崩壊は上海株式市場の大暴落を招くが、それに対する中国政府の対応は後手後手の一方、23日の製造業の景況感PMIは47ポイントの低水準であることが分かり、米国市場は大幅下落で東京市場も17000円を割る大幅な下落となった。

連日の乱高下は、それだけ市場は迷っていることになる。

G20で中国は経済回復には5~6年はかかるだろうとみているが、中国の関係者は「10年は無理」と本音発言している。根は相当深いようだ。

中国経済は一体どうなっているのか。

中国経済は高度成長から中高度成長、製造業からサービス業、大型国有企業の改革などで節約型の成長路線の「新常態」という新しい正常な状態への移行途中あり、今の状況は問題ないと不安を払拭するのに懸命のようだ。

最近メデイアに中国の経済学者が目立ってきた。彼らの見方を拾ってみた。

リーマンショック後、中国は40兆元という驚愕の公共投資で景気対策をし世界経済をけん引してきたのは確かだ。国営企業をドンドン設立して1100社、冨の60%を占めるぐらいになったそうだ。

しかし、その結果は過剰投資→生産過剰でデフレ状態、日本企業では工場閉鎖、撤退の動きが出て来た。

過剰な労働力、生産過剰を回避する為に中国政府は海外へ進出を目論んでいる。「新シルクロード経済圏構想」がそうだ。
国内では、設立しすぎた企業を集約し過剰生産の解消、成長力のある産業分野への経済改革が必要になってくる。

資金、土地、労働を市場の力により利用する「市場の見えざる手」に託すべきだったが、中国政府は逆に「市場より中央」とばかりに国営企業の市場寡占、共産党の指導強化に出て来た。

国有の二大鉄道車両を合併させ国際競争力を付けさせようとする。最近インドネシアの高速鉄道建設で日本と中国が競争し、一時政権が変わって中止になったと思ったら新政権で中国が巻き返し中国案で決まったそうだ。要因の一つに政府の債務保証を不要とした支援があったようだ。

そして、デフレにかかっているために財政出動、金融政策の必要性を訴えている。そのためには中国人民銀行と市場関係者、メデイアとのコミュニケーションが大切になるが共産党一党独裁政治体制にあって政府の意向が強く反映しコミュニケーションなど不可能だろう。

中国経済のイノベーションでは国有企業の改革が必要であるが中国政府は寧ろ国有企業の市場寡占化を狙っている。

更に今、中国経済を引っ張っているのはIT産業でGDPの2割を占めている。今回の習主席の訪米でも米国のIT産業との会合が盛大だったことからもわかる。

しかし、製造業の復活は欠かせない。そのためにも中国でも「内需拡大」が重要課題になる。

見てみると言われていることの多くは日本経済にも当てはまることだ。

中国は、時と場所に応じて「新常態」への移行途上と強弁するが、実体は逆行する政策で「市場の見えざる手」に託した経済運営は共産党一党独裁の中国では不可能だろう。

2050年までに中国は世界を制覇できるかと注目されているが、政治体制が今のままでは可能性はないと見るのが正しいか。