2017年11月4日土曜日

安倍総理のイカンガ補佐官厚遇、世界に笑われない外交を

今回のトランプ大統領補佐官、イカンガさんの異常なまでの厚遇振りは世界の笑われ物になっている。確かにモデルで頭の良さそうなイカンガ補佐官は大統領の娘という条件を除いても見栄えのする人材だ。

成田空港でエスカレーターで降りてくるイカンガ補佐官の姿を捉えようと報道陣が身構えし待っている。そこにモデル顔負けの姿で笑顔をまき散らしながら降りてくる。

恐らくスケジュールは安全を考慮したとしてもメデイアには知らされ、行く先々で待ち合わせ絵になる画面をとろうとする。

朝の情報番組でイカンガ補佐官の紹介がされキャスターがコメンテーターに「どうですか」と振ると「私は背の低い日本女性の方が好き」と答えて笑いをとっていた。

しかし、コメンテーターに加わったワシントン支局長やアメリカ在住の人は一様に異常な厚遇に頭をかしげる。アメリカではそんなに評判は良くないのだという。トランプさんの評判も良くないが、家族での政権運営には異論が多いようだ。

当然だろう。安倍総理が立ち上げた国際女性会議WAW!に出席し挨拶をしているが、「日本でも女性の社会進出が増えたのはアベノミクスの成果」とヨイショ発言していたが、実情は安倍政権になって減っているのだ。

おまけに基金に57億円を拠出したと言うが、そんなお金があったら「子ども食堂」運営の団体に寄付した方が良かったのではないか。

安倍総理は自分のためになることにしかカネを使わない。

それにしても安倍総理はトランプ大統領絡みでないと外交もうまく行かないようだ。特に米国大統領を厚遇する。それが日本の保守党のやり口だ。

伊勢湾サミットでは伊勢神宮で首脳を迎えるときには最後にオバマ大統領を案内した。どこかで関係者が時間調整しているのだ。
首脳が日本を離れるときは、急遽決まったオバマ大統領の広島行きに安倍さんも参加し、大統領と並んで献花までした。ここはオバマ大統領一人で献花した方が世界への発信には良かったと思うのだがどうだろうか。

トランプさんが次期大統領に決まると一番最初にトランプさんを訪問した。オバマ大統領がまだ在位しているのにメデイアが注目したためにホワイトハウスから文句が出たらしい。

その時、イカンガさんが「良い友達が出来た」とトランプさんに言ったそうだ。それ以来不慣れなG7, G20の会議ではトランプさんは安倍総理を頼ったそうだが、写真に写るときは何時も大統領とは離れた場所に指定される。世界では余り認められていないのか。

今回のアジア外遊は目的は北朝鮮問題だろう。日本を最初に訪問するように相当調整したらしい。日米経済対話で何か譲歩する条件でも出したのか。案の定、日数が足らないと韓国がクレームを付けてきた。

しかし、北朝鮮がミサイルを発射するかも知れないという情報がある中でゴルフするとは驚きだ。北問題は「国難」とまで言って解散・総選挙に踏み切った経緯もあり安倍総理の常識が疑われる。

ゴルフ中に日本を越えて太平洋に一発、グアム近くに2発目を打たれたらどうするのだ。そこは抜け目なく対応するだろうが格好悪いことに越したことはない。

世界の笑いものにならないような外交をやって欲しいものだ。



今日の新聞を読んで(114):政党を保守、リベラルそして中道に分ける基準は

今回の選挙ほど政党が保守かリベラルか、あるいは中道か、「希望の党」が保守改革政党と言いし、「希望の党」の小池さんに選別され行き先のなくなった民進党のリベラル派が「立憲民主党」を立ち上げた。「右でも左でもない中道」という者もいる。

「働き方改革」など自民の打ち出す改革は一見国民のためのように見えるが、大企業を利する政策ではないか。AIやロボット開発技術者は引っ張りだこのようだが、自動化された社会経済システムの構築で私たち普通の人間は「役立たず」の人間になって行くのではないか。正規より非正規労働者として生きるしかなくなるのではないか。

社会の変革に向け人間性を重視した政策を打ち出すのはリベラルの仕事と思うが政権党の自民は、野党の政策を先取りしリベラルを食った格好だ。

下手をすると保守もリベラルもないことになりかねない。

リベラルって一体何なんだ。西洋の理論で自由と幅広い機会によって新しい物事が創出され、制約のない生活によって繁栄、安定、安全がもたらされる。その理想のためには「開放性」と「平等」が必要になると言う。自由な個人が集まって暮らしている社会、参加している人々の希望と行動の集合で成り立っておりそれが平等をもたらすという(「西洋」の終わり ビル・エモット 日本経済新聞出版社 2017.7)。

ところが開放性は平等という概念を絶えず推し進めることを求めなければ争いが起きる。それを和らげる手段がないと置き去りにされたと感じる人が出てくる。アメリカ、日本などで平等という意識が蔑ろにされているのだと言う(同上)。

自由、平等が蔑ろにされ、金持ちは更に金持ちになり格差拡大、利権政治が蔓延る。利権者は交付金、補助金、大企業は法人税下げなどで保守党を支持する。

企業内にあって管理職は自民党支持を指示され、従業員は社会党や民社党などリベラルの支持になる。学校を卒業するとそういうことで保守、リベラルが決まってくる。リベラルは労働者の味方なのだ。
しかし、今はリベラルの勢力も弱くなり、保守と合流し社民党などは何時潰れてもおかしくない状況だが一方、保守と合流したリベラル混在の政党は大事な政策で統一感がなく、何時もゴタゴタしている。

ところがそこに目を付けた保守党がリベラルな政策を次次に打ち出し野党がダメでも与党内で保守とリベラルがバランスをとった政治を試みる。安倍政権も民進党が打ち出していた政策をパクッている。

我が国の政党史を見たがよく分からない。鳩山一郎さんと吉田茂さんの主導権争いの抗争の時でも鳩山さんは「友愛」を掲げていたがこれがリベラル派か。吉田さんは外交官、池田さんや佐藤さんらの官僚がメンバーで保守派か。

今、憲法改正で9条改正賛成が保守で改正反対がリベラル、消費税増税はどうか。予定通り上げるのが保守で、凍結がリベラルか。対北朝鮮対策では「圧力」が保守で、「交渉」がリベラルか。働き方改革、人作り改革はどうか。

「モリ・カケ問題」は開放性、平等で失格だが自民党は追求を避けたいところだが、野党は追及の構えだ。

迫り来る憲法改正の国民審査で自民党議員が英国に調査に行った結果では「憲法改正の内容より政党選択になり国論を二分する難しさがある」と知ったようだ。


日本の政党の保守色、リベラル色は厳しく色分けできない状態になってきた。世論調査では「自民党は仕方ないが安倍さんは嫌」という声を自民党はどう受け止めるのか。

2017年11月2日木曜日

安倍総理の政高党低政治:よくぞ言った小泉進次郎さんの安倍批判

よく言った、小泉進次郎さんの安倍政権批判、政高党低政治を強行する安倍総理に批判を向けた。事の次第は教育無料化にかかる3000億円の財源負担を経済界に求めた安倍総理の発言を「自民党は聞いていない」「こんなことでは自民党は要らない」と言うのだ。菅官房長官も記者会見で弁明した。

肝心の自民党の政調会長である岸田さんはポスト安倍を狙う立場にあるが自民党として難しい舵取りになる。このままでは存在感がないのだ。

安倍さんは自分の力を過信しているのか。だとすると失速した小池都知事と同じになる。

「自民は仕方ないが安倍は嫌だ」「安倍総理は信用できない」「他よりはマシ」という世論調査の結果をどう考えているのか。記者会見での「謙虚に」「丁寧に」の言葉はどこから出ているのか。

おまけにメデイアは憲政史上最長の政権になる可能性も出て来たと煽てるがそんなに甘い物ではない。

安倍総理には落とし穴が多いのだ。長期政権になるほど、重要政策が多くあるほど落とし穴も多い。

小池さんと同様に自らの言動で失脚する可能性も高いのだ。「敵は自らにある」ことを常に考えておかなければならない。

自分が最初に憲法改正をやったという実績だけが欲しい憲法改正は与野党、国民を二分する最重要政策だ。国会で強行突破などを狙うと即失脚の危機だ。

モリカケ問題は1番聞かれたくない問題だが、野党は黙ってはいない。これに詐欺罪など犯罪が絡んでくると安倍総理もお友達である以上苦しい立場になる。

更に得意な外交と言ってもトランプ大統領に頼る傾向にある。そのトランプ大統領もロシアンゲート事件など国内で厳しい状況に置かれることは明らかだ。支持率下落をどう対応するか。対北への圧力も米朝水面下交渉では安倍総理の意向とは真逆になる。
2%物価上昇、消費税増税、脱デフレとアベノミクス関連の経済成長は頓挫の可能性が高い。日銀が何時、2%物価目標達成を諦め縮小に向かうか。その時はアベノミクスの頓挫したときだ。

財政再建も厳しい。先送りしたが看板は掲げたままだ。財政出動で成長路線を進めたいだろうが、赤字国債は日銀頼みだ。海外から財政ファイナンスを批判されると窮地にかかる。


安倍総理!「一強」と思っていたら大間違いだ。今回の選挙で野党は勿論、自民党に投票した25%の有権者の目も光っているのだ。

黒田さん日銀総裁続投?:「2%物価目標」先送りでも成果があったと言うのか

黒田日銀総裁の来春の任期切れを迎えるが続投の情報も流れている。「2%物価目標」6回先送りでも成果があったと言うのか。「景気は穏やかな拡大基調」と言い企業の業績は好調のようだが賃上げは緩く消費が伸びない。世界の中央銀行は出口戦略を検討するが、日銀・黒田総裁は市場にカネを流す緩和政策を継続し「出口戦略」はミスリードという。

ところで黒田総裁の成果は何だったのか。あの「2年程度で2%物価目標」達成の約束はどうなったのか。18年度は1.5%を1.4%に引き下げると言う。「引き下げ」「先送り」しか黒田総裁の口からは出ていないのだが、安倍総理は「よくやっている」と評価し続投の可能性もあるのだ。

安倍総理が「よくやっている」というのは、アベノミクスを批判せず、2%に向け一途に進もうとする黒田総裁の姿勢を評価したのだろうが、国民、市場にはウソばっかり言っていることになる。

岩田副総裁に至っては「2%が達成出来なかったら辞任する」と就任会見で言っていたが一向に辞任せず、言い訳ばかりしている。「言い訳はせず辞任」と言っていたはずだ。

既に黒田総裁、岩田副総裁は日銀にはいないはずなのだが・・。

現在の日銀の政策決定会合の委員は9人共(総裁を含め)にリフレ派で緩和継続の同調者だが、このままで舵取りは大丈夫なのか。

成果どころでなく日本経済を潰す結果にもなりかねない。

異次元の金融緩和は政策に工夫(?)しマイナス金利まで導入、金利はゼロ付近で維持しているが。金利は日本経済の体温計とも言われているがそれが壊れているのだ。

年6兆円にも及ぶETF買い入れで株式は官製相場で20000円台をキープ、「見えざる手」も不自由になってきた。

黒田総裁は安倍総理と組んで日本経済を潰す気なのか。黒田総裁は「金融政策は物価安定のために行っている」と言うが、既に1%近辺で安定しているのではないか。白川総裁の時は「まず1%を目標にし、更に上を目指す」と言っていたが、その方がまだ良かったのではないか。

そもそも2%を決めた根拠が薄弱だ。安倍総理は国会審議で野党から「何故、2%」と問われたとき、「3,4%と言う人もいたが達成の可能性が高い2%を選んだ」と答えていた。

黒田総裁もどこかの講演で「2%」に触れ、グローバル・スタンダード、こう言う数値は高めに設定する。上下動するための「のり代」と答えていたはずだ。

主要国の中央銀行は2%には届いていないが緩和縮小へ向かうことを検討している。FRBは金融正常化に向け利上げのタイミング、資産売却を考えている。

市場にカネを流しても物価は上がらない。企業は儲かっているが内部留保、海外投資に努め、トリクルダウンなんて起きていない。海外の著名な経済学者はトリクルダウンなんて今まで見たことがないという。

今、中小企業は人手不足だ。賃上げして確保すれば当然に物価も上がるだろうと日銀は見ているが、消費は伸びない。

本来の経済は、景気が良くなれば物価は上がるというものだ。市場にカネを流せば物価は上がると言う訳ではない。

又、安倍総理が黒田日銀を重宝しているのは、成長戦略で財政出動が必要になる。財政出動には赤字国債が必要で日銀が買い上げてくれることは必須条件だ。財政再建も目標に掲げるが先に延ばした。

何時世界が日銀の財政ファイナンスに警告するか分からないが、日銀の経営を含め国債買い入れは危ない限界に近づいている。

黒田総裁は安倍総理にうまく利用されるのではなく、責任をとって辞任し、人心一変するのが市場にインパクトを与えるのではないか。日銀は政府と距離を置くべきだ。


日本の経済は海外の経済状況に大きく影響されていることは分かるが、日本独自の政策にどの程度影響されているのか。日銀の金融政策発表時は変動もするが、しばらくすると世界の動きで変動する。

安倍総理の憲法改正:関心は「自分が最初に改正した」という実績では

安倍総理が憲法改正を急ぐ理由は「自分が最初に改正した」という実績を作ることだけに関心があるためだ。本来なら国会の憲法審査会で与野党がしっかり審議すべきことなのだが、何故か安倍総理自身が推進役を買っているようだ。

選挙期間中は余り積極的には演説しなかった憲法改正も、2/3以上の議席を確保し発議出来る条件が整ったとみたのかのめりだした。

安倍総理には岸元総理も言ったように「押しつけ憲法」の感覚が強く自民党の党是も「自らの憲法制定」がある。しかしこの「押しつけ憲法」説も誤解が大きい。

確かにGHQが日本に草案提出を指示したとき、いろんなルートで草案が作成されたが、政府がGHQに提出した草案はGHQに拒否された。理由は「この草案では民主政治に遠すぎる」という理由でGHQが独自に草案作成に着手したのだ。

だからGHQの草案でなければ今のような民主憲法ではなかったのだ。

しかも憲法9条戦争放棄が謳われているが、当時の幣原総理が終戦直後の日本が世界に出るには、「軍隊を持たない、戦争放棄若かない」とマッカーサーに直訴したのだ。

その憲法9条1,2項を残し自衛隊の存在を明記するというのが安倍総理の発案なのだ。戦後70年、今度は安倍総理は「世界の中心で輝く日本」を考えてそう提案したのだろう。

読売新聞で安倍総理が考え方を発表したとき、当時の自民党の憲法改正推進本部長の保岡さん(今回の選挙で引退)は、「そういう考えもあったのか」と安倍総理の意向に沿って進めると発表したことがあるが、石破さんは「従来の考えと違う」と反対、公明党も「急がない」という。

自民党内にも1,2項をのこしたままで自衛隊を明記することに根強い反対がある。公明党の山口さんも「衆参の憲法審査会で議論すべき」と慎重論だ。

新聞報道によると安倍さんは党の会合で「歴史的な使命をしっかり胸に刻んで結果を出そう」と強調したそうだ。

何のことはない。安倍総理は自分の任期中に憲法改正をし、「最初に改正に着手した実績」が欲しいだけなのだ。

枝野さんだったと思うが、「憲法改正審議は必要だが、安倍さんでやることには反対」と言ったことがある。安倍さんの腹を見抜いているのだ。


今は、憲法改正が議論されているが、問題は内容だ。自民党リベラル派の奮闘を祈るばかりだ。

メデイアよ 政局を煽るな!:そう簡単に政権選択など出来ない

メデイアよ 必要以上に政局を煽ってはいけない。そう簡単に「政権選択」など出来っこない。今回の選挙に当たっては安倍政権のモリカケ問題、国会運営での強権政治が国民の批判の的になった。そして都知事選、都議会議員選挙で「都民ファースト」が圧勝し小池旋風が吹き荒れた。小池知事が新党を立ち上げ国政に参戦すれば「政権交代」「政権選択」の期待も大きくなった。

でも、そう簡単には「政権選択」など出来ないことは今回の選挙で分かったのではないか。

民進党の新代表になった前原さんも党内のゴタゴタで離党者も続出し、民進党瓦解の危機に直面し「民進党の政策を実現するため」、生き残るためには小池新党に合流するしかないと言うことはかなり前から考えていたはずだ。

しかし、急ぎすぎたきらいがある。小池さんは知事になったばかりで実績も無いままにどうして知事を辞任し国政に参戦することが出来るのか。最終的には小池さんの個人の言動が失敗の大きな要因になったが、ここは若狭さんも言ったように「次の次」を狙うべきだった。

ただの小池旋風に乗っかって政権選択など出来るはずはないのだ。メデイアは何の臆面もなく紙面を飾ることが出来るので煽った。

小選挙区比例代表制では獲得票率が低くても多くの議席を獲得できる欠点があるが政権選択ではこれが長所にもなる。

でも自民党政権に変わる確固とした体制が必要なのだ。

政権と較べても引けをとらない政策。

政策ブレーンと考えられる内閣の顔ぶれ

推進できるキーマンの存在

学識経験者などによるブレーン

若者や高齢者に信頼出来る「強い政権」「安定政権」

こういった、条件が整ってはじめて政権選択選挙に臨むことが出来るのではないか。小池さんも次の総選挙を目途に2年間都知事に専念し実績を上げていく。そして「希望の党」の体制を整え、候補者もしっかり選別(?)し国民が信頼出来るメンバーをそろえることが必要だったのではないか。

小池さんの信頼は失速したと思ったらテレビなどメデイアへの出現は激減した。今までは「含み」のある発言をしてメデイアは追っかけたが、その必要はなくなったのだ。

小池さんの「本当の敵は「自分自身」である」ことに気づくのが遅すぎたのが今回の小池さんをめぐる政局の敗因だったのではないか。

2017年11月1日水曜日

東京モーターショー2017「BEYOND THE MOTOR」:「クルマを越えて}か、「車社会を越えて」か

東京モーターショー2017冊子より
東京モーターショー2017で自動車業界は「BEYOND THE MOTOR」を宣言したが、何のことかよく分からなかった。「クルマを越えて」とか「クルマ社会を越えて」という意味だろうと考えていたが、会場で冊子を手にしたら「世界をここから動かそう」という。

それによると、クルマという枠を越えて生まれ変わる。クルマが変われば人やクルマだけでなくもっと多くのものが動かせる。境界を越えて世界をもっと自由に出来るというのだ。

「クルマはただのクルマではない。クルマという境界を越えて未来を構築していこう」と言うのだろう。

でも新しい技術革新を除いて会場を見ると未来のコンセプトカーでデザインは斬新、年齢を問わず魅力を感じるデザインだがクルマ自体、コックピットを含めた何時も思うのだが実用面では疑問を感じる。勿論、メーカーの実力を見せつけているだけだろう。

最近は若者の車離れ、免許証保有率は下がっていることも危機感の表れだろう。クルマは移動手段、モノの運搬、ステータス・シンボルに変化が来ているのだ。都会では駐車場も高い、維持管理に費用がかかりすぎるのだ。レジャーに行こうとすると渋滞、混雑、事故は嫌われる。

でもたとえば「関越道高坂付近で渋滞45km」と言っても家族旅行となると車を使うのだ。

31日は平日でも会場は多くの入場者でごった返していた。どの展示車にも運転席に座って説明を受け、写真を撮っている。そんな中で各メーカーの技術を拾ってみた。

自動運転技術が多いが、AIを組み入れて運転者の感情、運転のクセなどを取り入れて快適な運転が出来るように工夫しているという。運転者にとって快適というのだが、他の運転者にとっては嫌な運転もあるだろうが、どう調整しているのか。

EVの展示車が多い。英仏ではガソリン、デイーゼル車は将来禁止になるし中国でも同様だ。大きな市場での規制だから各社が力を入れている。最近、日産がレリーフで航続距離400kmを達成したと言うが、更に600kmを目指すと言う。

FCV(燃料電池車)、ゼロエミッションは究極のエコカーだ。トヨタやベンツが力を入れているがインフラ不足、車両価格が高い。700万円台ではチョット手が出ない。

一方、VPD(仮想発電所)で太陽光発電をバッテリーに蓄えることも考えられている。以前、電気自動車を緊急時の充電システムにしたスマートハウス、スマート シテイーの紹介が多かったときもあるが今回ない。

インテリゼントドライブ技術は大きく進展しているようだ。既に採用されている技術も多い。レーダー、カメラ、レーザースキャナーの採用で360度センシングも可能だ。それにAIを追加すると危険予知も出来る。

自動駐車技術も売りになった技術だが、年をとると窓を開けてバックを確認しながら駐車しなければ心配だ。

自動クルージングシステムも装着されているが一度も使ったことがない。最近友達がスバルの高性能アイサイトを装着したクルマを買ったので「壁に向かってテストしてみよう」と言ったが断られた。無理にやるものではないのだ。

ボルボが自動ブレーキとステアリングサポートで緊急回避操作ができる技術を開発している。

各種技術が融合した「未来の視野」
いろんな技術が紹介されているが、新しい概念を持った高解像度化ヘッドランプHD LightingHigh definition Head Lamp)とカメラモニタリングシステムの技術が融合した「未来の視界」を紹介したブースがあったが、これは実際に役立つのではないか。

社会は高齢化が進んでおり高齢者の安全運転を支援するシステムとして役立つだろうが、そこまで頼らなければならない人間に運転する資格などないだろう。

私も4年前からドライブレコーダーを付けたが、「右ラインに注意」「左ラインに注意」「前に注意」、追突しそうになると警告音が鳴る。この程度で今のところ十分だが、煽り運転を警告するために「ドライブレコーダー 録画中」のステッカーを購入し付けた。

インフラが整備され、完全に自動運転が可能になると目的地を設定すれば電車と同じようになる。「事故が起きたら誰の責任?」と聞くと原則として「事故は起きないのだ」という。

今回は展示されているかどうか分からなかったが、電気自動車、ボデーは炭素繊維となるとエンジンなど機械的パーツが減り、自動車メーカー以外でも車は作れるのだ。以前、東レが試作車を展示していた。

これに関して「2050年の技術・・英エコノミスト誌は予測する」(文芸春秋社 2017.4)に記述がある。その中の「クルマは編まれ、住宅は印刷される」で、それによると軽量は複合素材「炭素繊維」を使って金属加工より繊維加工するのだ。炭素繊維を糸巻きにして絨毯のようなシートに編み上げ様々な形に切断し重ね合わせ重なったシートに樹脂を注入しプレス、車体のパーツに成型して行くのだそうだ。そうすると巨大な織機で編まれた新型車「BMWi
3」出来上がったのだ。


確かにクルマも枠を越えると新たなイノベーション、ビジネスを生み出すイベントに深化するのだ(同上 TMS冊子より)。