2017年11月2日木曜日

安倍総理の憲法改正:関心は「自分が最初に改正した」という実績では

安倍総理が憲法改正を急ぐ理由は「自分が最初に改正した」という実績を作ることだけに関心があるためだ。本来なら国会の憲法審査会で与野党がしっかり審議すべきことなのだが、何故か安倍総理自身が推進役を買っているようだ。

選挙期間中は余り積極的には演説しなかった憲法改正も、2/3以上の議席を確保し発議出来る条件が整ったとみたのかのめりだした。

安倍総理には岸元総理も言ったように「押しつけ憲法」の感覚が強く自民党の党是も「自らの憲法制定」がある。しかしこの「押しつけ憲法」説も誤解が大きい。

確かにGHQが日本に草案提出を指示したとき、いろんなルートで草案が作成されたが、政府がGHQに提出した草案はGHQに拒否された。理由は「この草案では民主政治に遠すぎる」という理由でGHQが独自に草案作成に着手したのだ。

だからGHQの草案でなければ今のような民主憲法ではなかったのだ。

しかも憲法9条戦争放棄が謳われているが、当時の幣原総理が終戦直後の日本が世界に出るには、「軍隊を持たない、戦争放棄若かない」とマッカーサーに直訴したのだ。

その憲法9条1,2項を残し自衛隊の存在を明記するというのが安倍総理の発案なのだ。戦後70年、今度は安倍総理は「世界の中心で輝く日本」を考えてそう提案したのだろう。

読売新聞で安倍総理が考え方を発表したとき、当時の自民党の憲法改正推進本部長の保岡さん(今回の選挙で引退)は、「そういう考えもあったのか」と安倍総理の意向に沿って進めると発表したことがあるが、石破さんは「従来の考えと違う」と反対、公明党も「急がない」という。

自民党内にも1,2項をのこしたままで自衛隊を明記することに根強い反対がある。公明党の山口さんも「衆参の憲法審査会で議論すべき」と慎重論だ。

新聞報道によると安倍さんは党の会合で「歴史的な使命をしっかり胸に刻んで結果を出そう」と強調したそうだ。

何のことはない。安倍総理は自分の任期中に憲法改正をし、「最初に改正に着手した実績」が欲しいだけなのだ。

枝野さんだったと思うが、「憲法改正審議は必要だが、安倍さんでやることには反対」と言ったことがある。安倍さんの腹を見抜いているのだ。


今は、憲法改正が議論されているが、問題は内容だ。自民党リベラル派の奮闘を祈るばかりだ。

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