火山噴火、地震対策でわかりやすい講演、出版物を出している京大教授の鎌田さんが「地学的には君たちは義務教育を終えただけの中卒だから高校からやり直して欲し」と京大生に毎年言っているという(「日本の地下で何が起きているか」岩波書店 2017.10)。
最近の日本の火山噴火、地震災害は9世紀に似て来て「大地動乱の時代に入った」と言われている。私たち一人一人が防災について見直す時なのだ。
だから鎌田先生の考えに同感だ。
私も京大の教養部の時、地学を履修しようと講義に出席したが、講師の机の前に岩石の標本が一杯置かれていた。これが地学の基礎とは思っていたが、がっかりして2回ほどで諦めた。50年前の話だ。
今思うに、地震や噴火の原理を説明し、日本に自然災害の特異性を聞いていたらモット興味が出て来たかも知れない。
フィールドワークとして大文字山を通って大津に抜ける計画も考えられていたが、伏見→京都吉田山→京大グランド→修学院→八瀬→三千院などを通る花折断層などの話があればもっと身近に地学の必要性を理解出来たかもしれない。
50年前の話だから今とは状況が違うが。
今となっては、3.11,熊本地震、阿蘇噴火、新燃岳噴火、阿蘇カルデラ、富士山噴火、箱根山噴火、三浦半島から房総半島にかけての海岸隆起には興味がある。房総の九十九里をドライブしていたとき「〇〇地震時の津波の到達地点」として津波高さが表示され、避難経路が指摘されていたのに気づく。
鎌倉に行った時も「ここは海抜〇〇m」の表示が目につく。由比ヶ浜では緊急時のサイレン通報の標識も立っている。でも鎌倉には地震時14mの津波が押し寄せるのだ。万一の時は鶴岡八幡宮目がけて走るしかない。勿論途中で高いビルがあれば入るのだ。
私の住んでいる東京・大田区は都心南部直下地震の震源域で活断層が品川方向に走っている。
出かける時は「今日は地震が起きないように」と祈る。帰りもJR蒲田まで帰るとホットする。でも電車に乗るとスマホをいじっている人が多いが「地震」が気にならないのか。
「今日は起きまい」という安心感で皆、生活しているのだろう。
「自分の身は自分で守る」、寺田寅彦博士が言ったかどうかは不明だが「天災は忘れた頃来る」、良いことを教訓として残している。
鎌田先生は「東日本大震災で現実が寺田博士に近づいている」と言ったが、寺田寅彦博士の随筆集を愛読している私にとってもためになる記事が多いのだ。
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