2017年11月6日月曜日

メデイアが報じるトランプ大統領と安倍総理の絆をどう見るか

メデイアの報道はトランプ大統領訪日のニュース、安倍総理とのゴルフ外交で日米の絆の万全さを強調し囃し立てているように見える。官邸にどういう意向があるのか知らないが、日米同盟、特に安倍総理がトランプ大統領との間で築く個人的に親密な関係を国内は勿論のこと世界に発信する意図がある事は明らかだ。

自民党政権にとっては日米関係、その時の大統領との関係を強調することは自らの政権の存在感を国民に知らしめる一手段なのだ。

中曽根元総理は自分の山荘でレーガン大統領を接待した。麻生元総理の時はアメリカ大統領と会うために日帰りの出張を強行したほどだ。またなかなか会談するチャンスのないままにアメリカに向かった総理(誰か忘れた)がホワイトハウスで他の閣僚と会談していたところに大統領がチョット顔を出すことでお茶を濁したこともある。

だから日本の首相にとってはアメリカ大統領と会うことはステータスシンボルになるのかも知れない。

そんなアメリカ大統領と何回も会談し、新聞報道では16回も電話会談出来る安倍総理は特殊な関係だろうと思う。そういえば北朝鮮問題で何かあると「安倍総理がトランプ大統領と電話会談した」と新聞に何回か出ていた。

G7などの会議ではドイツのメルケル首相が回数は多いが、気楽に話が出来るのは安倍総理と言うことで安倍総理を頼る。一方、安倍総理は経験を生かしてアドバイスするのだろう。でも会場で記念写真をとる段になるとトランプ大統領は何時も中央で、安倍総理の距離は離れる。

しかし、安泰ではない。トランプ大統領は「友人は友人」として情報得る会談はするだろうが政策決定は「ビジネスはビジネス」のはずだ。「シンゾウは考えが合う、良い友達」と言っても政策決定は別だ。

今回のアジア外遊の大きな課題は北朝鮮問題であることは確かだ。軍事行動も辞さない考えのトランプ大統領にとっては安倍総理の「圧力、制裁強化」は同感だろうが、中国、韓国など世界の首脳は「対話」を主張している。
そこのところを周辺国はどう考えているのかを確認する旅かも知れない。

世界情勢に対する考えは英、仏、独、中、ロの考えを尊重するのではないか。

今回の初訪日を横田基地に決めた。

日本を同盟国として評価し、横田基地で働く米軍人をねぎらうのは当然だ。アメリカの敵とみなす中国、ソ連、北朝鮮と対峙する位置にあり、その前線に沖縄など米軍基地があるのだ。基地を提供され、思いやり予算などで軍事費を拠出する日本は有り難い国なのだ。

安倍総理が憲法9条改正を急ぐ気持ちも分かる。トランプ大統領は自分が大統領になってから45人の米軍人が犠牲になっている。「日本もその肩代わりをせよ」と言っているのだ。以前のアーミテージ補佐官(?)の「SHOW  THE  FLAG」発言を思い出す。

トランプ大統領と安倍総理との間に良い絆が出来ていると安心してはいけない。
「日本がアメリカに加担する」要求をエスカレートさせる心配もあるのだ。



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