今回のAPEC,トランプ大統領のアジア歴訪ほど習主席の野望を世界に問うたことはなかっただろう。トランプ大統領が「アメリカファースト」、保護主義を唱える限り中国は野望を膨らませ「世界を中国化」するのではないか。
APECで習主席は2050年代までに「社会主義現代化強国」を目指すと言い、「中国の発展列車により多くの国家」を乗せるという。社会主義というからには中央集権国家であるが現代化というからアレンジされているのだろう。
行き過ぎたと思われているグローバリゼーションで格差拡大し取り残された新興国、低開発国を取り込もうとしているのだ。
「一路一帯」構想は現代のシルクロードだろうが新興国の経済開発、援助だ。要所要所に港湾施設を建設、経済や軍備に貢献出来るようになっている。中国からの巨額の支援金で建設しているがスリランカなどでは借金が払えず99年後は港湾施設周辺は中国の土地になるらしい。
いい気になって歓迎していた新興国も自分の国の一部が中国化することに懸念を示し出した。周辺住民の土地が取り上げられているというのだ。
久しぶりにオバマ大統領時代の「新型大国関係」の概念が出て来た。
米中で太平洋を二分化し、西は中国、東はアメリカが管理するというのだ。日本の尖閣諸島への領海侵犯、宮古島などの間の公海を軍艦が航行し太平洋に出て行く行為はその一環なのか。
国連安全保障常任理事国だから世界の安全を脅かすことはやってはいけないと思うが、中国にはそんな気持ちはない。ロシアもそうだ。
安倍総理との会談時、「日中関係の新たなスタート」というが、背後には「歴史観」というハードルの高さがある。日本には受け入れがたい「中国の「歴史観」を認めろ」と言う事か。
トランプ大統領は「二国間貿易」「保護主義」で自分の手、足を縛るような協定には入らないとTPPに反対一方で、習主席は「多国間貿易」、「グローバル化は戻れない」とそれ行けドンドンの状況だ。中国は海外の大きな市場がないとやっていけないのだ。
ところがアメリカも海外市場は必要だが二国間交渉だ。昔なら貿易は二国間の「比較優位の原則」で成り立っていたはずだが、今はグローバル化で先進国は新興国を支援、新興国は先進国、金持ち国のカネに期待する。
大事な事だが、中国は国内の問題をどうするのか。政治的改革もしないで世界制覇など不可能ではないか。
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