2017年11月6日月曜日

今日の新聞を読んで(115):望まれる保守、リベラルのバランスの取れた政党か

望まれるのは保守、リベラルが混在しバランスの取れた政策を訴える政党ではないか。今回の選挙では自民党が圧倒的勝利を収めたが立憲民主党の躍進(?)は「安定政権」「強い政権」で安倍一強を強める安倍自民党のイメージに反対しているのだろう。

世論調査でも安倍支持の理由に「他よりマシ」が政策を大きく上回っている。安倍総理でなくても良いのだ。

今日(2017.11.6)の朝日新聞「政治断簡「他強時代 幕開けの時」を見て考えた。

それによると、今回の選挙での比例区での希望の獲得票は968万票、立憲民主は1101万票、2党合計の2000万票は自民獲得票の1856万票を上回った。他の野党がスクラムを組んで「自民一強」に当たらなければ驕りを許すことになると言う。

その中で無所属の会の代表岡田さんのブログ記事が紹介されていた。「自民党に対抗する政党は保守からリベラルまで広く取り込んだ存在でなければならない」「保守二党では、健全な政権交代可能な政治にはならない」と。同感だ。

野党第一党だった民進党は、結党時から保守vsリベラルでトラブルを繰り返していた。民進党と希望の党との合流劇で小池さんの「排除します」発言は民進党をスクリーニングしクリーニングする良い機会になったのではないか。それでも合流組から不満が漏れるのは民進党のDNAが生きている証拠だ。

2009年の政権交代時の民主党のことを考えてみよう。

強い小泉政権のあと、いかにも自信がなく弱々しい自民党・安倍第一次政権では自民党の失政を受け国民は自民党政権に飽き飽きしていた。安倍→福田→麻生とたらい回しの政権が続くが、自民党のリベラル派はどうしていたのか(福田さんはリベラルか)。その時、「政権交代してみませんか」は強烈なキャッチフレーズで国民の支持を得た。

「風」が吹き民主党政権が生まれた。恐らく民主党の小沢さんという強烈な個性で保守色と見ての政権交代でリベラル色と見ていたら政権交代はなかったのではないか。

鳩山さんは保守と言うよりリベラル色が強かったのか。普天間移転では右往左往し、「コンクリートから人へ」政策は八ッ場ダムを一旦凍結させたが、その後再開した。

群馬に住んでいる時、八ッ場ダム関連でひなびていく川原湯温泉街を幾度か取材したことがある。ある時食堂で「今、反対運動はどうなっているんですか」と店主に聞くと、「どっちの反対運動ですか」と聞き直してきた。

そうなんだ。この地では以前は「八ッ場ダム建設反対」の反対運動だったが、その時は「八ッ場ダム中止反対」の真逆の運動になっていたのだ。

更に政党内に小沢さんという権力者がいて権力の二重構造がメデイアなどで心配されていたが、それが的中した。小沢さんは党にいて幹事長などしていた。もたつく官邸に「これが民意だ」と殴り込みをかけることもあったが、鳩山、菅、野田政権でも対小沢は目の上のタンコブだった。

このとき党内のリベラルは何をしていたのか。輿石さんという日教組出身の参議院議員で実力者がいたが、野田総理と小沢さんの間に入って仲介もしていた。
この野田―小沢会談の後、野田総理は解散・総選挙を決意したそうだ。

民主党政権内では主導権争い、保守vsリベラルの抗争は続いていた。政権をとるまでは一致団結しても政権獲得後はゴタゴタが続き、大事なところで政策の一致を見ない。

安倍第一次政権のあと、福田、麻生、民主党鳩山、菅、野田政権と常に政局は「何時解散するのか」だった。それを避けるために党内でたらい回しの連続だったのだ。菅総理に至っては解散したくないために「次次に政策を打ち出し達成した時点で解散」を訴えて顰蹙を買った。

これが「民主党政権の失敗」と国民の頭にこびりつき、安倍第2次政権以降、国民の多くの指示を得るきっかけになった。

そして今、安倍・極右(保守)政権を目の前にしている。自衛隊の存在を認めたくて憲法9条1,2項を残しても自衛隊を明記するという。そしてその後、2項を削除して軍隊を持てる国にするのだ。

憲法改正の国民審査は、国論を二分する大変な事態になるだろう。その時、政党はどういう態度をとるか。保守か、リベラルか、またまた保守/リベラルのバランスの取れた政党か。

本当の政党選択の時代が来るのだ。

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