2017年11月13日月曜日

よく言った吉永小百合さん、「パールハーバーを言うなら第五福竜丸を忘れないで」と

第五福竜丸 展示館にて
2013.7撮影
朝日新聞(2017.11.12)news 2WEEKSで、吉永小百合さんが「パールハーバーを忘れるな、とおっしゃったみたいですけど、私達は第五福竜丸のことも忘れないで行きましょうと言う気持ち」と発言されたらしい。

トランプ大統領が訪日前にハワイを訪れて真珠湾で「パールハーバーを忘れるな」といったことにコメントされたのだ。先の戦争でアメリカに宣戦布告が遅れて真珠湾攻撃が不意打ちの攻撃になったことが批判されていた。何やら今回のトランプ大統領訪日を前に首脳会談を牽制したような発言だったのだろうか。

真珠湾といえば昨年、オバマ大統領が伊勢湾サミット後に広島を訪問してくれたお礼に、安倍総理が真珠湾を訪問し返礼した経緯がある。その時その時で政治的にいろんな使い方がされている。

吉永さんが「忘れないで」と指摘した第五福竜丸は米国が大量殺人破壊兵器である原爆を開発するためにビキニ環礁で核実験をし当時近くで操業していた漁船で「死の灰」で被爆したのだ。

当時の第五福竜丸は悲運な出港だった。途中でエンジンの部品を忘れたために帰港、再び漁場に向かったがマグロは捕れず漁場を替える途中で漁網を海に流した捜索に数日かかり、思うようにマグロが捕れないためにないために更に南下し、ビキニ環礁に近づいたが、規制海域の外だった。ピカッと閃光がひかり「白い灰」が降ってきた。乗組員に体調を崩す者も出て来たため、急いで日本に進路をとり帰港を急いだ。途中、米国の警戒に引っかからないように細心の注意を払ったらしい。全員入院検査されたが、通信長の久保山さんがお亡くなりになった(これは第五福竜丸展示館を見学したときの資料で覚えていたことを記したので正確さに不安な点が残る)。

アインシュタインの有名な式 E=mC2は原子を操作することによって破壊的エネルギーを取り出すことが出来ることが分かりアメリカ、ドイツの科学者が原爆開発に熾烈な争いをしていたのだ。

開発が進んだアメリカは太平洋戦争を早く終わらせるため(?)に日本での原爆使用をトルーマン大統領が決め、広島、続いて長崎に投下され日本は甚大な被害を被った。
しかし、その後第五福竜丸の事件は原水禁運動のきっかけになった。アインシュタイン博士、湯川博士もメーセージを世界に発信した。

日本は広島、長崎で被爆した唯一の国であり核問題には一段の思いもあるはずだが、日本は核兵器禁止条約に批准していない。曖昧な日本政府の姿勢が問題だが、更に今年のノーベル平和賞は「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が受賞し日本の立場は益々不利になった。

吉永小百合さんはこういった日本政府の立場を批判したのだろう。著名人の言葉として重みがある。

第五福竜丸は500kgの漁獲量しかなかったが、多くの漁船が放射能汚染マグロを日本に持ち帰った。そして全国で風評被害がでて日本は混乱した。注意しなければならないのは、今の築地市場の中に500トン近い汚染マグロが埋没されているのだが場所も不明で確認されていないらしい。

作ったマグロ塚の碑は当時築地市場に設置する予定だったが、今は展示場の敷地内に設置されていた。


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