何故起きた、理研のSTAP細胞論文疑惑を推論してみた。3月4日の4時間にわたる理研の記者会見でも6件の疑惑のうち2件は「不正なし」としたが、論文の本質に係わる4件については「調査継続」で結論先送り、国民の知りたいと思っている期待に応える会見とはほど遠い内容だった。
おまけに肝心のSTAP細胞そのものの存在もあやふやなもので、第三者の追試に頼るしかない頼りない報告だ。その前に理研でどうして再現できないのか。
思えばnatureへの論文掲載の記者会見は常識を越えていた。
30歳という若い女性研究者がユニット・リーダーと言い、割烹着を着ての研究、研究室に張られたキャラクターのシール、壁の色など異様な環境での研究成果の発表だった。あのにこやかで誇らしげな笑顔に論文疑惑の一抹の不安も感じとれなかったのはどうしてか。バレない自信でもあったのか。
それとも[やってはいけない事をやっている」という意識がなかったのか。
それとも[やってはいけない事をやっている」という意識がなかったのか。
そして、30歳の小保方さんがユニット・リーダーとして世界的な研究(?)に何故、取り組むことが出来たのか。どうしてこんな大胆なことが出来たのか。
そこのところが朝日新聞(2014.3.15)でわかった。理研によれば「STAP細胞の研究にインパクトを感じて採用した」というのだ。ES細胞の研究でも先端を行っていた理研だが、理研としては独自の研究テーマがほしかったのだ。テーマがテーマだけにもっと慎重に選択すべきだった。小保方さんの過去の研究をよく調べればよかったというが、こうなっては後の祭りだ。
でもどうして、こんな不完全で論文の体を成さない論文をnatureに掲載したのか。しかも一度拒否され、今回も疑惑だらけの内容のものが何故、掲載できたのか。
折しも、国が特定法人を指定するタイミングが迫っていた。だから掲載のタイミングが1月30日だった。
理研としては、取り敢えず論文提出を急げと言うことになったのではないか。
しかし、今になって「再現性がない」と言うSTAP細胞が、何故小保方グループで出来たと判断したのか。
メデイアでも言っていたが、STAP細胞作製には対照群としてES細胞でも使っていれば実験途中で紛れ込み、それがSTAP細胞ができたという判断につながった可能性はないか。「STAP細胞の存在そのものに疑問」というのは不可解なことである。
一度は成功したかに見えたが追試がうまく行かない。実験をしながらの論文作成で時間は迫ってくる。核心となる証拠の画像が撮れないが、3年前の博士論文の時に他の実験目的で撮った画像がある。それを使えば論文としての体裁は保てるしSTAP細胞でも同じ現象のはずだと考えた。
ねつ造の心配はあったが、「3年前の博士論文などバレるはずがない」と思ったとしても不思議ではあるまい。
そうしたことがチグハグで、貼り合わせの論文になってしまった。
記者会見で小保方さんは「分子生物学の歴史を冒涜するものである」と言う意味の批判をされたと苦笑していたが、このSTAP細胞論文も再生医療に不信感を抱かせる結果になったのではないか。どう考えているのだろう。
期待が大きかった分、失望、批判も大きい。仕方ないことである。重要な部分を先送りした理研の調査が最終的にどういう内容になるか。組織防御の隠蔽された内容になってほしくない。調査委員会の委員長が理研内の人間であることも不信感が募る。
我が国ではトップレベルの理研もそこら辺の組織とちっとも変わらないことに失望する。
我が国ではトップレベルの理研もそこら辺の組織とちっとも変わらないことに失望する。
以上は私の推論であるが、当たらないことを願うばかりだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿