31日、NHKが高校野球中継をEテレに回し、参議院予算委員会の中継をやっていた。これはNHKの中立性の証になるのか。おりしも参議院ではNHKの予算案も審議される事と相まって籾井さんのNHK会長としての資質に野党の質問が集中していた。
NHKなら本来は高校野球の中継時間だが、野球中継をEテレに回してまでも国会中継をせずにおれなかった背景には、NHKの不祥事を隠蔽したと思われたくはなく、籾井会長の政権寄り発言で信頼を落としたことが、かえって公共放送としての中立性を強制する皮肉な結果になっているのではないか。
そうだとすると未だ揉めているNHK会長人事、籾井会長発言が国民にとってはいい方向に動こうとしているのかもしれない。これほど問題視されるとNHK会長としても極端なことはできず制御機能が働いているようにも思えるが、この男に限っては例外だろう。
31日午前11時ごろ帰宅してテレビのスウィッチを入れると国会の委員会室の風景が映り、「籾井会長・・・」という声が聞こえた。新聞のテレビ欄を見ると、高校野球中継はEテレに回し、NHKは参議院決算委員会の中継をしていた。
質問テーマは分からなかったが、民主党の尾立議員が「籾井会長の発言」「会長選任責任」「監査委員会の責務」等について籾井会長、浜田経営委員長、上田監査委員長に質問を浴びせていた。
私が聞き始めた時の質問は、理事に期日未記入の辞表を提出させた件で「民間会社ではよくあることと言うが、どこの会社がやっているのか、いつの時代の話か」と質問、籾井会長は「お答えを差し控えます」と言う。「具体的な名前が言えないのなら何社か、何時の話か」と再三同じ質問をするが「差し控える」の繰る返しで、委員長が「名前は言わなくてもいいので何社か」と問うても答えなかった。
明らかに嘘を言っているようだ。籾井さんが馬鹿面に見えてしかたない。
尾立議員はNHK会長の条件について法で6項目の基準があるが「これに該当しているのか」と籾井会長、浜田経営委員長、上田監査委員長、最後に安倍総理に確認したが本人以外は皆「法にのっとって行動するものと期待する」と期待感だけだ。
籾井さんは「就任以来何日、何時間国会に呼ばれているか」と質問され、ペーパーを見ながら答えていた。確か45日で48時間と言っていたようだ。
尾立議員は、「こんなことに無駄な時間をとりたくない」といい、「辞任せよ」と迫った。
見ていて、本当にダメな人間をNHK会長に選任したものだ。
メデイアの報道によると、籾井さんを菅官房長官に推したのは同郷の麻生さんのようだ。その麻生さんは安倍総理の隣で何を感じているのだろうか。
会長を辞めさせられた松本さんが「私は政治家とは距離を置いていた。NHKを政争の具にしてはいけない」と語ったそうだ(朝日新聞2014.3.30)。
もっともな話で、そうあるべきだ。適任者を辞任させ、馬鹿な人材を登用する安倍政権の人事は余りにもお粗末すぎないか。
自分に反対する者でも頭から否定せず、要職につけ、よく話し合うちに理解しあい「あの人はそう言う人だったのか」と見直されてこそ本当の味方ではないのか。
今の安倍政権の人事は、薄っぺらな人材を重用しているように思えて仕方ない。その連中も自分の置かれた立場を理解できず、好き勝手はことを言っている。籾井さんもその一人だ。
籾井会長の不的確発言が、かえってNHKの公共性、中立性を高めるのであれば、雨降って地固まるだ。
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