地球表面の気温が上がれば生態系に大きな影響を及ぼし種によっては絶滅の危機が来ることは容易に理解出来る。地球温暖化対策を話し合っている最中でも温暖化は進むが、その削減対策で費用も含め「先進国vs途上国」の政治闘争が表面化すれば対策は進まない。
最近は梅雨時でも我が家の庭でアジサイの葉にカタツムリの姿を見ることは少なくなってきたと思ったら今世紀末には姿を消すかもしれないというのだ。
25日から開かれていたIPCC横浜総会が波乱の末、顕在化する将来のリスクと適応策が合意に達し31日に報告書が公表された。
各新聞の報道によるとリスクとしては、海面上昇、頻発する高潮による島嶼国の水没の危機、氷河の減少、北極海氷の溶解、海水温の上昇による珊瑚礁の白化、死滅、水や地下水の減少による水資源の争い、カタツムリやリスの絶滅の危機等が上げられている。いずれもその兆候は、すでに見られるリスクもある。
そのリスクに合わせて適応策も提示されたが、ここからが問題なのだ。「先進国vs途上国」の政治闘争の様相を呈してきた。つまりカネがかかることになると各国の思惑が入り乱れ、合意はおろか調整も覚束ないのだ。
途上国は、近年を中心にした影響リスクの説明を産業革命前からに変更を求めた。先進国の責任を明確にしようというのだ。
又、肝心な点であるが、リスク対応策で7~10兆円必要という記述の削減を先進国が要求した。算定にデータが不十分としているが、このままでは負担額が青天井になることを警戒してのことだ。
又、リスク予測では穀物生産量の減少、洪水被害人口などが上げられていたが数値を入れた被害予測も削減された。数値による被害予測はその対応でも重要と思われるが先進国は削除を要求した。
私も前にブログで指摘したが、CO2排出となると先進国から途上国まで共通した要因だ。政治問題化してくるのも当然で、そうなると各国のエゴが表に出る。
CO2削減のルール作りが遅れ、削減策での途上国支援が遅れれば地球温暖化対策など後退の一方だ。
費用vs効果が疑わしいCO2人為説に対して膨大な資金のいる削減策が遅れていることは無駄を回避することでは良いかもしれないが、場合によっては対策が遅れると最悪4.8℃の気温上昇になり「地球全体での大規模な絶滅」を招くかもしれないのだ。
難しい局面になってきたものだ。その間に地球温暖化対策税(環境税)だけが一人歩きしている。
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