小保方さんの不服申し立てに理研はどう対応するのか。STAP細胞論文疑惑に対して理研の「改ざん」「捏造」判定、小保方さん1人の不正行為断定に「驚きと憤り」を感じ強く反発した小保方さんの不服申し立てに理研はキチンと処理し、失墜した信頼を少しでも回復しなければならない。
小保方さんは、「論文にいくつかの間違いはあったが結論は正しい」、「論文を撤回することは正しい結論を否定することになるので、撤回はあってはならないこと」、「STAP細胞現象は200回以上確認している」、「第三者も成功している」として自分の唱えるSTAP細胞の正当性を主張した。
しかし、肝心の証拠データ、成功したという第三者の名前は公表しなかった。
弁護団を結成しての論争は、どうしても「悪意ない過失」に該当するかどうかの論争になりがちであるが、争点のメインは科学的検証でなくてはならない。
理研は科学的に検証し、国民の納得のいく結論を出すべき責務がある。
不服申し立てには、弁護士的発想で調査委員会の入れ替えを主張しているが、理研はメンツにかけても応じないだろう。しかし、科学ジャーナリストのような広い範囲で知識のある専門家も加える必要はあるのではないか。
前回の調査委員会の調査がどういう格好で行われたか分からないが、小保方さんに言わせると説明する機会が少なかったという。「もっと説明する機会があれば理解していただける」と主張しているが、今回のような説明では先の調査委員会の結論を覆すことはできないだろう。
実験記録、物的証拠で自らの実験の正当性を主張しなければ、葬り去られる運命にあることの自覚がほしい。
また、自己中心的な考えを避け、もっと謙虚にならなければ目的は達成できない。謝罪の言葉と主張が食い違っていては同情も得られない。
幸いなことに今回の記者会見で小保方さん側の争点がある程度見えてきた。理研はそこを科学的に検証すべきではないか。
一つはSTAP細胞への発想の正当性だ。
どんな考えからこのような生物学において新原理ともいえる発想に至ったのか。そしてそれが研究する価値のあるテーマなのか。今のところはSTAP細胞を盲信する小保方さんに振り回されているのではないか。
2つ目はSTAP細胞の存在だ。
記者会見では200回以上現象を確認しているというが、その実験はどの段階までの実験なのか。実験ノートで第三者が確認できるのか。そしてそれぞれに記録写真、標本があるのか。記者会見では理研にあるというが本当なのか。理研の調査ではどう扱われているのか。
一方、以前気になるニュースもあった。「STAP細胞でないとみられない現象もあった」というのだ。それが何なのか。詳細に説明がされていない。もしそれが本当であれば追実験もする価値がある途思うのだが。
3番目、電気泳動の画像は明らかに「改ざんである」。
黒枠を入れればいいという話だが、本来ならどう表示すべきだったのか。また、どうしてやり直ししなかったのか。
4番目、肝心の画像の取り違えの経過が分かりにくい。
論文構想の時、どういう考えだったのか。プレゼンテーション用のパワーポイントに用意した画像の存在、? 、そして真正な画像? その画像がSTAP細胞由来の画像であることを証明できるか。
自ら間違いに気がついて訂正を申し出たのだから「悪意はなかった」という主張であるが、これが科学分野で通る話なのか。何やら自首すれば刑が軽減される発想だ。
5番目、小保方さんの主張が実験ノート、保管画像、標本で確認できるのか。
杜撰な研究という見方もできるが、これは小保方さんの研究者としての資質の問題だ。調査委員会はもっとしっかり現状を見て諸々の資料の信憑性を明確にすべきでは無いか。
そして6つ目は、どうして小保方さんのような研究者が短期間でユニット・リーダーに付くことができたのか。
これは、理研の組織管理、研究体制、人事採用の問題でもある。年間850億円の税金で賄われている研究機関としての責任があるはずだ。
これを機会に理研全体の改革が必要だろう。「理研村」を守りたい一心での安易な対応だけは控えたいものだ。
国民も納得する理研の判断を示すべきだ。恥ずかしい話だが、どんな報告にすれば良いのか、まとめ方を部外の専門家に見てもらったらどうか。
[後記]
小保方さんの不服申し立ての内容に関しての補足説明があれば、追加資料の提出を要請する方針であることを理研が発表(msn 2014.4.12)、再調査の判断材料にすると言う(YOMIURI ONLINE 2014.4.12)。
理研は短期間で判断したいようだが、弁護団は小保方さんは今、体調が良くなく何時になるか分からない長期戦を臭わす。
でも、不思議なことであるが、理研の「任期制職員就業規定」の服務規程によると、「物品の持ち出し禁止の条項」があり、資料、図面、電子媒体、研究資材、書類が含まれている。
小保方さんが自宅マンションにこれらの資料を持ち出していたのであれば服務規程に反する行為に当たらないか。
今回の調査委員会の著付差に関しては資料は研究室で保管されている者と思っていたが、理研の管理は曖昧だったのか。
これを機会に理研は研究不正再発防止改革推進本部を立ち上げたと言うが、今までの就業規則は何だったのか。
(2014.4.12)
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