2014年4月15日火曜日

科学不信増長?:かみ合わぬ小保方さんと理研の主張

STAP細胞論文疑惑で、小保方さんと理研の主張がかみ合わず、このままでは科学不信を増長するだけではないか。日本はおろか世界中に日本の科学界の信頼失墜を撒き散らしているようなものだ。1日も早く実験ノートで小保方さんの主張がどうなのか、理研は判断すべきである。

9日の小保方さんの記者会見での注目すべき発言に対する補足説明資料を14日、理研に提出したと弁護団が発表した。小保方さんの主張に弁護団が手を加えた内容のようだ。

これに関する各メデイアの報道を見ると、

驚きで聞こえた「200回以上STAP現象を確認している」ことについて、専門家は4~5年かかるだろうと言下に疑問を呈したが、小保方さんは2011年9月までに100回、その後も100回以上確認していると主張している。

80種以上の図表作成の予備実験などで1日に複数回やっているというのだ。これでは回数的には分かるが、本当に実験計画が適正だったのか。どこまでの実験段階での回数なのか。

理研は、実験ノートから追跡しその妥当性を公表すべきである。勿論、実験ノートが不備で追跡不能であれば小保方さんの責任である。「主張が出鱈目である」と認められても反論すべきではない。

また、第三者の再現確認について「理研に説明している」と主張したことに理研は所内の研究者が作成再現をやったが、全体のうちの最初の部分でSTAP細胞の存在を確認しただけという。更に所内の研究者だから第三者ではないと付け加えている。

でも第三者の再現試験では、理研は細胞が光り万能性を示す遺伝子があることを確認することに成功しているとコメントしている(ZAKZAK2014.4.14)。

これで成功したといえるかどうかは分からないが、理研はどこまで実験で確認すれば成功したと判断できるのかはっきりすべきではないか。

動物実験の若山さんとの実験の連携もあやふやになってきた。朝日新聞の報道では、若山さんは「オスでしか成功しなかった」と言うが、論文では「メスでも成功した」と記述し新たな疑惑になっていた。これについては小保方さんは「若山さんの仕事」として自らの実験の領域での不正に有無を曖昧にしている。

「詳しい手順などを公表すべきだ」という要求に小保方さんは再現実験でどのステップで失敗しているのか情報を整理し手順書へ加筆するといい、知的財産の問題もあり詳しい手順書は公開できないという。

しかし、これには専門家からも批判が出ている。

11日に閉会した幹細胞の国際学会「キーストーンシンポジウム」ではSTAP細胞成果を疑う声が多かったらしい(読売新聞2014.4.13)、その会長が再現実験を繰り返しているが成功していない。今すぐに詳細な手順書を発表すべきだと記者に答えたそうだ(どのメデイアの報道かは忘れた)。

知的財産保護の問題もあるだろうが、日本の科学界の信頼問題にも発展していることを考え、小保方さんも理研も真剣に対応しなければならないのではないか。

こんな事を繰り返していると、ますます科学に対する国民の不信を増長するだけではないか。

国の総合科学技術会議で、安倍総理が研究不正対策を審議するように指示を出したというが、今は不正行為の有無と理研のガバナンスの論点が混在していると民間議員が言ったようだ。

確かにこの問題は、理研の組織管理の不備も大きくかかわっている。こういう疑惑を事前に防ぐ方法はあったと思うが、STSP細胞についてはごく少数の人間しか知らされない極秘の研究だったようだ。

理研も研究不正防止対策推進本部を設置して検討するらしいが、理研のガバナンスまでは短時間ではできないという。

理研とその一職員がこういった食い違ったことをやっていていいのかと疑問が出て来るが、今のところ弁護団も「小保方さんが○○と言っている」式の論調だ。

理研は組織防衛に走らず、小保方さんの主張が実験ノートからどう追跡できるかを検証し公表すべきだ。

科学的証拠なしに口先での説明では証明にならないのが科学の世界ではないか。小保方さんの説明は、曖昧な表現が多く、関係者が振り回されている感じだ。外見上もあれほど立派な論文を作れるのだから、もっと科学者的な表現に出来ないのか。

何を言っても信じてもらえないことが、今の小保方さんの立場ではないか。







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