津々浦々までアベノミクスの恩恵を受けるには、20年前から言われている内需の拡大がポイントになるのではないか。安倍総理の経済政策アベノミクスの効果も危うくなり多くの国民がアベノミクスの恩恵を受けていない。逆に増税が生活を圧迫すると思っているから、安倍総理は「津々浦々までアベノミクス効果」を訴える。
津々浦々と言うからには、人口減で日本の原風景を保つ農村、漁村までと言うことになるのだろう。でも政権の政策課題は格差を拡大する一方だ。
成長戦略、経済特区構想、女性登用、大企業優先の政策は首都圏や大都市での構想で年金減額、消費税増税、医療費の増は低所得者給付があっても生活苦に変わりはない。
鳴り物入りで導入したアベノミクスは円高から円安へ展開、輸出増で輸出企業を中心に株高で企業収益を増加させた。一方、輸入品の値上げで原材料、エネルギー関連は高騰が続いている。
輸出増は一時の現象で量的には微増、当然のことながらすでに生産設備は海外へ移転しているので輸出などの伸びは期待出来ない。
国内需要の拡大が課題になり、安倍政権は法人税下げなどで海外企業を国内に呼び込む政策を展開しているが、内需拡大は20年も前からの政治課題だ。前川レポート、21世紀版前川レポートでも人材、資金、情報を海外から集める「開放的プラットフォーム」を提案していたが、推進する力を発揮出来ていない。
異次元の量的緩和で2年で2倍のマネタリーベース強化で270兆円を目指しているが、ドンドン買い取りしているが70兆円増加しても貸し出しはその半分で市場にカネが流れない。民間企業が自分のカネで新しい事業を始める魅力が見つからないのだろう。
経済界は決まり文句のように規制緩和を要求するが、どんな規制緩和で企業は新事業に参戦するのか。
まだまだ、官僚、利得権益者の抵抗が強く、安倍総理はドリルになって岩盤規制に穴を開けると言うが族議員には勝てそうもないようだ。
さらに企業から家計への所得の再分配は容易ではなさそうだ。前川レポート、21世紀版前川レポートでは当時景気回復局面で空前の利益を上げていながら企業から家計への所得の分配は難しく、個人消費を上げることに失敗し内需拡大まで出来なかった。
そして今、企業はコストダウン、リストラで労働者を犠牲にしながら社内留保は280兆円にもなった。 円安、株高で企業は収益を上げ、安倍総理は賃上げを企業に要請したが大企業はまだしも中小企業までは応じられない経営状態だったのだ。
でも消費税増税を考えると1%のベースアップは不足で、通販のジャパネットたかたは3%のベースアップだ。
更に21世紀前川レポートでは「日本経済に若さを」と言うことで男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け制度を整備、10年後の出生率1.8への回復を目指した。今も少子化対策は喫緊課題だ。
何時になっても同じ課題を引っ張って居る。それだけ政策に実効性が乏しいのだ。
デフレ脱却も各政権の課題で何時宣言するかが検討されている。デフレ脱却は政権の成果なのだ。民主党・菅総理(当時)は日銀に金融緩和を繰り返し要請し、経団連の米倉会長は経済成長で規制緩和し景気の底上げを主張していた(讀賣新聞2010.6.8)。
安倍政権でもデフレ脱却には至っていない。
安倍総理、安倍政権は好調な経済指標を主張するが、最近の週刊ポスト(2014.4.18)で「アベノミクスは4勝16敗で、アベノミクスの景気回復は財布を暖めてくれる効果はない」と論じた。
それによると、4勝は株価、消費、企業倒産件数、GDPで、雇用、待機児童、消費者物価指数は判定負けという。
消費税増税が景気にどう影響するかは意見の分かれるところだが、追加の財政政策、日銀の追加の金融緩和も噂になっている。
兎に角、20年来の内需拡大政策をどう展開するかだ。
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